【レビュー】東京クロノス [評価・感想] ノベルゲー×VRの化学反応を見せつけた良作!


東京クロノス/PSVR

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2019年8月に発売されたPSVR「東京クロノス(TOKYO CHRONOS)」のレビューをしていきます。

本作はVR専用のミステリーアドベンチャーゲームになりますが、ノベルゲー×VRの化学反応を見せつけた良作でした!

テキストと映像で構成されたノベルゲーム。

「シュタインズ・ゲート」「CLANNAD」などで有名のジャンルですが、本作はPSVR専用ソフトのため360度映像で楽しむことが出来ます。

一体、VR化することでどのような化学反応が起きるのか気になっていましたが、予想以上の効果を発揮しました。

「過去に発売されたノベルゲーをPSVR向けにリメイクしても良いんじゃ!?」

今ではそう思うくらいVR×ノベルゲームの組み合わせに未来を感じています。

かつてないほどの勢いで心や魂が物語に惹き込まれてしまったので、あっという間にクリアしてしまいましたw

ここからはPSVR「東京クロノス」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 文字を読み進めていくのがメインのノベルゲーム。
  • ストーリーは360度映像で繰り広げられる。
  • 稀に選択肢が挿入される。
初リリース日 2019年8月22日
対応ハード PSVR
ジャンル アドベンチャー
推定クリア時間 15~20時間
売上 初週0.1万本
発売元 MyDearest

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良いところ

ノベルゲームの手法で作られた演出

まずは記事に貼ったスクリーンショットをご覧ください。

3Dモデルのアニメ風キャラクターとテキストが目立っていますよね?

静止画だけだと3Dモデルのキャラクターが寸劇を繰り広げているように見えるかも知れません。

でも、実際にはほとんど動きがなく、せいぜい、ポーズを変えて目や口が動くくらい。

表現としては3Dフィギュアにテキストを乗せていると書いた方が適切だったりします。

しかもテキストの半数近くは主人公の心の声となっているので、文法的には小説やノベルゲームに近い手法で作られている印象です。

「それ、VR化する意味あるの?」

そんな意見も出てきそうですが、いやいや、これは良いですよ!

まず良いと思ったのが、360度映像によって文字を集中して読めること。

表示されるテキストは上を向こうが下を向こうがどこまでもプレイヤーから見える画面の中央に追いかけてきます(シーンによっては追いかけてきませんが)。

おかげである程度は好きな姿勢で文字を読むことができるので、首が痛くなるなんてことはありませんでした。

しかも文字を読み進めることでキャラクターのポーズや背景、演出が効果的に切り替わるので没入感が凄いのなんの!w

非VRゲームの場合、いくら大画面でプレイしても少しでも目を離せば周辺の環境に遮られてしまいます。

特に現代社会ではスマートフォンがゲームをプレイするうえでは大きな邪魔になるでしょう。

「ゲーム内のテキストよりもLINE/Twitter/Facebookの通知やタイムラインが気になってしまう」

そんな人も多いのではないでしょうか?

ところが本作の場合、プレイ中は辺り一面がゲーム画面に覆われるのでそんな心配はありません!

かなりのスマホ中毒者である自覚を持っているぼくでさえも本作をプレイしている時はスマホの存在が気にならなくなるくらい世界に入っていけました。

ちなみにキャラクターの台詞はフルボイスですが、心の声にはボイスが挿入されません。

この辺りは2010年代に発売されたノベルゲーの文法に沿っているので、その手のジャンルに慣れている方はすんなり入っていけます。

先が気になって仕方がないストーリー

ノベルゲームの主役はストーリーです。

いくら没入感が凄くてもストーリーが面白くなければ寝落ちします。

ところが本作の場合、ストーリーも秀逸でした!

どんなストーリーなのかというと、「ダンガンロンパ」のようなミステリー系になります。

失われた記憶、誰も居ない渋谷に閉じ込められた幼馴染みの8人、「私は死んだ。犯人は誰?」という謎のメッセージ。

ストーリーのキーポイントをまとめてみました。

本作の主な登場人物は幼馴染みの男女8人になりますが、みんな無人の渋谷に閉じ込められてしまいます。

脱出するには誰かを殺した犯人を8人の中から探し出さなければなりません。

しかし、8人は幼馴染みということで固い絆で結ばれています。

「ダンガンロンパ」の生徒みたいに初対面ではありません。

「早く犯人を見つけたいけど、幼馴染みの絆を壊したくない」

そんなジレンマを抱えながら隠された謎を少しずつ見つけていく過程が最高でした。

ゲームならではの群像劇

「あれ?あそこはどうだったんだろう?」

ゲームを進めていくとそんな消化不良感が残ります。

ストーリーは櫻井響介(さくらい きょうすけ)くんの視点から語られていきますが、それだけでは描写不足なんですよ。

あいつらが何を思ってこんな行動を取ったのか気になるのにもう終わりなのかよ!
 
なんて思っていましたが、後半からゲームならではの手法で群像劇が描かれました!

すると、それまで消化不良だった部分がどんどん消化されていったんです。

ネタバレになるので具体的には書きませんが、

「あぁ、ゲームならではのストーリー体験だなぁ」

と思いました。

プレイヤーが行える行動次第で様々なキャラクターの視点からストーリーが描かれるので、隅から隅まで楽しんでいきましょう!

ギャルゲー的なシチュエーション

「ち・・・近いよ・・・」

ゲームを進めていくと女性キャラクターと物凄く近い距離で会話をするシーンに何度か遭遇します。

アニメではありがちな展開ですが、本作はVRゲーム。

キャラクターが間近に居ることを肌で感じられるので、ちょっとドキドキしましたw

こうして書くとギャルゲーに思われるかも知れませんが、全体的にはそうでもありません。

男性キャラクターも多いので友情的な描写も目立っていますし、シリアスな展開も多く感じられます。

ギャルゲー要素は数ある要素の1つに過ぎませんので、シリアスな描写を重視している方はご安心ください。

快適なユーザーインターフェース

「VRに足を引っ張られてノベルゲーの快適性が失われているんじゃ…」

なんて懸念を持たれている方もいそうですが、ご安心ください。

本作は良い意味でノベルゲーをそのままVR化したような感じなので、ユーザーインターフェースの快適性は失われていませんでした。

文字はボタンを押すことでポンポン挿入されますし、ボイスもスキップ出来ますから。

また、ゲームを進めることでシーンそのものをスキップできる機能も追加されます。

セーブファイル数も多く、チャプターセレクト機能も用意されているので、お目当てのシーンに行くのも難しくありません。

地味に有り難かったのが、メニューを開いた時に現在時刻が表示されること。

何度も言うように没入感が半端ないので、プレイしていると時間を忘れるんですよ。

でも、現在時刻が表示されることで常に何時何分なのかを把握できるので助かりましたw

もし、現在時刻が表示されなかったら夢中でプレイしてあらゆる予定をすっぽかしていたかもw

3Dアニメを見ているかのようなオープニング

冒頭部分を終えると主題歌付きのオープニングシーンが挿入されます。

アニメではありがちな手法ではありますが、本作の場合、VR映像によって間近で見ているかのような感覚でした!

オープニングシーンでは様々なカットで流れていきますが、特にアニメーションが2Dから3Dに変わるシーンが凄かった!

何故かと言うと2Dから3Dに変わる瞬間、周囲の破片が飛び散るからです。

その演出が立体感を強調してくれるうえに藍井エイルさん歌唱の主題歌がサビに突入するのでかなりのインパクトを生み出していました。

本作にはそれ以外にも様々な歌付きの映像が用意されていますが、一番気に入っているのが最初に挿入されるオープニングシーンになります。

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個人的に合わない&気になったところ

VRらしさが弱い過去の回想

幼馴染みの男女8人は一部の記憶を失っており、ゲームを進めることで少しずつ取り戻していきます。

が、記憶を取り戻す際に挿入される過去の回想はVRらしさが弱く感じました。

過去の回想はシルエットで表示される抽象的な映像で展開されます。

雰囲気に合った映像ではありますが、離れた視点から眺めることになるのでシルエットの紙芝居みたいなんですよ。

そのため他のシーンと比べて没入感が低く、やや熱中度が下がってしまいました。

困ったことに後半は過去の回想が目立っているので、どうしても前半と比べてトーンダウンしてしまいます。

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全体のまとめ

良質なストーリーのノベルゲーをそのままVR化したような作品。

特別目新しいストーリーでもないし、非VRゲームでも展開できるような内容ではあります。

しかし、ミステリー系のストーリーはVR映像と非常に相性が良く、特に前半の熱中度は相当なものでした。

後半から目立ってくる過去の回想は動きが少なくてイマイチでしたが、全体的にはかなりの良作。

最終的には伏線の大部分が回収されるので、スッキリした気持ちで終えることが出来ます。

本作をプレイして「過去に発売された名作アドベンチャーゲームをVR化しても面白いんじゃないか?」と思いました。

ノベルゲー×VRの化学反応を見せつけた良作!

こんな人には特におススメ。
・ミステリーアドベンチャー好き。

こんな人にはおススメできない。
・ゲーム的な要素を求めている人。

東京クロノス/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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4件のコメント

ビジュアルはステレオタイプではなく好みがわかれそうなデザインを採用しているのは珍しいな。
日頃から色々なイラストやアニメを見ていないと慣れないだろうに。

面白いのは視線誘導だな。
ちょっとあそこみて、あっちに何かあるよ、と言う問いかけに自分で首を向ける。
こう言うのは従来のテキストアドベンチャーに置いてもコントローラーで出来なくはないが、昨今のノベルゲーマーには面倒くさい操作でしかないと思われる。
VRならでは自然と行えるのが良いのだろう。

ビジュアルは思いっきり今風のアニメになりますw なので、時が経つと古く見えるかも知れませんし、今風のアニメに慣れていないと抵抗を持ってしまうかも知れません。

視線誘導はVRゲーの大きなテーマですね。

本作の場合、大抵のシーンでは常にテキストが中央表示されますが、見せたいものがある場合、そちらに視線を誘導するように作られていました。

個人的には本作をプレイしてノベルゲー×VRの可能性を感じましたよー。

Keyのゲームを予定しているのであればリトルバスターズを続けては避けた方が無難やも知れん。
クロノス系が好きならば問題ないがね。

まあKanonから辿ってしまった方が気楽やも知れず。

次にプレイするのはいつになるのか分かりませんが、その時の気分によって考えたいと思います。