【レビュー】大神伝 ~小さき太陽~ [評価・感想] 名作に追い付こうとする努力は感じられるが、DSでは色々と厳しかった

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大神伝 ~小さき太陽~/DS

2010年9月に発売されたDS「大神伝 ~小さき太陽~」を今回はレビューします。

DS「大神伝 ~小さき太陽~」はPS2やWiiで発売されたアクションアドベンチャーゲーム「大神」の続編です。

良いところ

進化した筆しらべのギミック

「大神」シリーズの肝と言っても過言では無い筆しらべ。画面に特定の記号を描く事で様々な力を使えるシステムで、今作でもこれを使って謎を解く事がメインの作りになっています。代表的な筆しらべとしては・・・

・失われたものを蘇らせる事ができる「画龍(がりょう)」
・大木や巨岩などを切り裂く「一閃(いっせん)」
・枯れ木に花を咲かすことができる「桜花(おうか)」

この筆しらべなんですが、今作の場合タッチペンを使って描ける事もあってより快適に操作できるようになっています。

そのため描く事になる図形は前作よりも複雑な物になっており、快適に操作ができるDSソフトならではの作品になっていると思いました。

筆調べを使って相棒に指示できるようになったのも良かった!

多くのダンジョンでは相棒の力を使って謎を解く形になっていますが、これも快適に記号を描けるDSソフトならではで良かったと思います。

DSで頑張って再現した大神の世界観

「大神」と言えば純和風な世界観が素晴らしい作品です。

あの独特な日本画風の世界観をDSで再現出来ているのか不安でしたが、実際にプレイして見ると見事なくらい前作の世界観を再現していました。

キャラクターの可愛さも相変わらず。このゲームをプレイすると前作の主人公である「アマテラス」よりも今作の主人公である「チビテラス」が好きになって来るハズ!?

ゲームを進める事で仲間になる5人の相棒もみんな個性的で良い味出しています。

相変わらず感動的なBGM

BGMも相変わらず素晴らしかった!和テイストなBGMも前作の物を継承しており、前作をプレイした人は思わず「懐かしい!」と呟いてしまうと思います。

新曲もいくつか収録されているみたいですが、どれも旧曲と比較して違和感の無い物に仕上がっており、サウンド面では非常に満足しています。

効果音もキャラクターの「ほにゃほにゃ」声を前作から踏襲していたりして良かったです。

充実のやり込み要素

やり込み要素は相変わらず充実していました。

イッスンの傑作の欠片を始めとする数多くの収集要素、装備品の強化、サブイベントなど盛り沢山で、すべてを極めようとしたらDSソフトとは言え結構時間がかかってしまうと思います。

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惜しいところ

ゴリ押しでクリア出来てしまう戦闘

戦闘は前作同様、あまり好きにはれませんでした。

戦闘では前作と同じく通常攻撃と筆しらべを使って行いますが、相変わらずゴリ押し中心でクリア可能になっており、特に序盤は単調に感じます。

ちなみに戦闘が始まる形式は前作と同じくシンボルエンカウントを採用。

イベントシーンのメッセージ速度を速めれない

イベントシーンはテンポが悪く感じました。

随所で発生するイベントシーンではなぜか”メッセージの早送り“が出来ず、ノロノロテンポのイベントシーンをじっくり見るかスキップするかの2択しかできないようになっていて、ストーリーを快適に楽しみたい場合は不便です。

僕はとてもせっかちな性格なので、ノロノロテンポのイベントシーンは特に終盤では飛ばしたくてたまらなくなりました。

なぜ綺麗でも無いイベントシーンを早送りすることができないのか・・・。

筆しらべを行う回数が多過ぎる!

全体的に筆しらべを使用する回数が増えているような気がしました。

前述の通り今作に登場する多くのダンジョンでは相棒と協力して謎を解く形になっており、その点は良いのですが、筆しらべを多用するのはテンポを悪くしています。

筆しらべのテンポが悪く感じてしまう理由は2つ。1つは時間の経過を止めてしまう事。もう1つはボタン操作からタッチペン操作に切り替えないといけない事です。

この煩雑な操作方法のためプレイ中はタッチペンを常に利き手に持ったままボタン操作を行っていました。こういう持ち方を強制させられるのも何だかなぁ・・・全体的に操作面は少し強引な気がします。

テンポが悪いと言えば、エリアの切り替えが多いのも問題です。

低スペックなDSで前作の世界を再現している事もあって、前作では1回も画面切り替えが必要無かったマップでも今作の場合3、4回は切り替える必要があって暗転が多くなっています。

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全体のまとめ


DSソフトなのに前作の世界観を見事なくらい再現した力作

しかし、対応ハードがDSになった事で大きな欠点も多く、少々ストレスが溜まる作りになっていました。

そこは雰囲気でカバーという事なんでしょうが、個人的にはちょっときつかった。トータルで見たらとても頑張って作られていて面白いけど、前作ほどではないです。

名作に追い付こうとする努力は感じられるが、DSでは色々と厳しかった。

こんな人には特におススメ。
・和風の世界が好きな人。
・前作のファン。

こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。
・ボタン操作とタッチペン操作を交互に使うのが苦手な人。

大神伝 ~小さき太陽~/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約25時間

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8件のコメント

ほぼ、同感ですね。
タッチペンって、筆調べにあっていると思っていたのですが、なんか、他の操作との関わりが今一歩だったような気がします。
ただ、悪くはない、作品ではありますよね。前作で独特の素晴らしい雰囲気とかには慣れているので、新たな感動はありませんが。

僕も同感ですね~。
全クリはしたけど2周目をやろうとは思いませんね~。
悪い作品ではなかったんですけどね^^;

>totomaruさん
ゼルダみたいにタッチペンonlyだったら良かったんですけどね。
こう言うタッチペンとボタン操作を
強引に絡めるのはあんまり良くない気がします。
そこら辺が何とかなっていれば
良作になれたはずなんですが・・・
悪くは無いけど"惜しい"作品でした。

>暁さん
惜しい作品でしたよね。
まぁ最初は地雷かと思っていたので
その時の事を考えれば
これでも良い方なんですが。

チビテラスがとてもかわいい作品ですよね?!
実際にプレイしたことはまだないのでとても参考になりました。
タッチペンを有効活用させたいが為に筆調べを複雑にさせるのは、このゲームにとってはマイナスだと思います。私は妖怪ウォッチシリーズでもペンとボタンを持ち替えなければならないインターフェースにイラっとしたことがあるのでこれはあまり向いていないかもしれないですね。
大神シリーズをいつかプレイしたいときはWiiもしくはPS3版を迷わず選びたいと思います。

妖怪ウォッチの戦闘システムも問題ありですねぇ。
あれよりも頻度が多いので、トモフミさんはストレスを溜めてしまうと思います。
やるなら前作の方がおススメですねー。ゼルダより楽しめるかも!?