
ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡/GC
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2005年4月に発売されたGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」のレビューをしていきます。
本作は人気シミュレーションRPGのゲームキューブ版になりますが、ぼくがシリーズファンになるきっかけをくれた王道でハイエンドな「ファイアーエムブレム」でした!
任天堂IPの中でも高い人気を誇る「ファイアーエムブレム」シリーズですが、意外にもぼくはシリーズ9作目となる本作から入ったんですよ。
何故ここまでシリーズデビューが遅れたのかはこの後に語るとして、いずれにしてもぼくはここからシリーズファンになりました!
それだけの魅力が本作には詰まっていて、未だにシリーズの中では一番好きな作品だったりします。
そんなGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」の良いと思った点からまずは書いていきましょう!
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- キャラクターのコマを動かして戦うターン制のシミュレーションRPG。
- 経験値を稼いでキャラクターを強化することができる。
- キャラクターにはそれぞれの生い立ちなど細かい設定が用意されている。
初リリース日 | 2005年4月20日 |
対応ハード | GC |
ジャンル | シミュレーションRPG |
推定クリア時間 | 20~30時間 |
売上 | 累計15.6万本 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
シリーズ初となるフル3Dグラフィック!
「アニメ風のキャラクターは良いけど、何だか地味だなぁ・・・」
これはぼくが「ファイアーエムブレム」シリーズを初めて見た時の率直な印象になります。
ぼくが「ファイアーエムブレム」シリーズを初めて知ったのは64ドリームというゲーム雑誌からでした。
1990年代末期、64ドリームでは「ファイアーエムブレム トラキア776」というスーパーファミコンのゲームをやたらとプッシュしていたんです。
しかし、ぼくは根っからのアクションゲーマー。
キャラクターを直接操作できない「ファイアーエムブレム」シリーズはどうしても地味に見えたんです。
その後はN64「オウガバトル64」にハマってシミュレーションRPGの面白さに気が付きましたが、どうしても手を出しにくく感じました。
「N64で発売されるのであればまだしも、今更スーパーファミコンソフトはなぁ」
当時のぼくはN64に無我夢中で他のゲーム機で発売されるタイトルには興味を持ちにくかったんです。
が、その後「ファイアーエムブレム」シリーズは怒涛の展開を見せてきます。
GBA向けに「封印の剣」「烈火の剣」「聖魔の光石」が続々と発売。
主人公のマルスとロイがGC「大乱闘スマッシュブラザーズDX」にゲスト参戦。
このように怒涛の展開を見せてきたので、任天堂ファンのぼくにとっては目が離せなくなりました。
さらに後押しとなったのが、弟がシリーズのファンになったこと。
元々、ぼくの弟はシミュレーションやRPGが大好きな人間で、「ファイアーエムブレム」や「オウガバトル」シリーズに手を出すようになったんです。
でも、ぼくはあと一歩のところで手を出せませんでした。
プレイしたら面白いのは分かっていたんですが、どうしても2Dグラフィックだと地味に見えて興味を持ちにくかったんですよ。
今となっては信じられない話ですが、2000年前後のぼくは2Dグラフィックを古臭いと思っていて、3Dグラフィック至上主義でした。
そのうえ据え置き機至上主義で、携帯機にも興味を持ちにくかったんです。
そんなぼくにとってトドメとなったのが今回レビューするGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」。
本作は対応ハードが据え置き機のゲームキューブになったことでシリーズ初となる3Dグラフィックを採用しているんです!
さらに神クオリティのCGムービーが追加されました!
CGムービーはアニメ調で描かれているんですが、物凄く自然で当時としては異次元のクオリティだったんです。
あまりにもハイクオリティだったので、オープニングムービーは何十回も見てしまいましたからw
これらの要因が重なったことで当時保守的だったぼくも重い腰をあげて「ファイアーエムブレム」シリーズデビューを果たすことになりました。
あくまでも弟の私物を借りてプレイしているのに過ぎませんが、本作の3Dグラフィックはぼくにとっては大きな後押しになったんです。
この時、ぼくは何だかんだ言いつつも見た目も重要であることを実感しました。
比較的スッキリまとまったユーザーインターフェース
前述の通りぼくにとって初の「ファイアーエムブレム」が本作になります。
そんなぼくが初めて本作をプレイした時の第一印象。
それは・・・
「比較的スッキリまとまっている!」
でした。
個人的にシミュレーションRPGってゲームシステムが複雑な印象があるんですよ。
本作も要素自体は多いんですが、画面内に表示させる文字数が少なめなのでゴチャゴチャしている感じはしません。
これ、初心者のぼくにとっては凄く助かりました。
画面内に大量の数字や文字が表示されているゲームって情報量が多すぎて見ているだけでお腹いっぱいになってきますから・・・。
緊張感のあるキャラロスト
「画面内がスッキリしているということはライトユーザー向けのゲームなの?」
ここまでの文章を読んでそう感じられる方も出てきそうですが、残念ながら本作はライトユーザー向けではありません。
「ファ~イア~エ~ムブレム 手~強いシミュレ~ション♪」というテーマ曲があるように難易度は高めに調整されています。
その大きな要因となっているのが仲間キャラのロスト。
ストーリーを進めていくと多数のキャラクターが仲間になりますが、戦いの中で体力が0になったら最後。二度と戦場に復帰することは出来なくなってしまいます。
賛否分かれる仕様だと思いますが、個人的には緊張感が生まれて気に入りました!
実はぼく、あまりにも仲間キャラクターをロストさせてしまったので1回やり直しをすることにしたんですよ。
ゲーム自体は中盤まで進めていましたが、アイクとティアマトさん(※)だけでは歯が立たなくなってきたんですw
※序盤は驚異的な強さを誇るものの中盤以降は成長が伸び悩んで二軍以下に成り下がるお姉さん。
その時、ぼくは分かりました。
このゲームはいかに仲間を死なせず効率良く育てていくのがセオリーなんだと。
それが分かってからはバランス良く仲間キャラクターを育てることを心掛けるような戦略を取るようになったんです!
例えば弱い仲間キャラクターを育てる場合、まずは強い仲間キャラクターの攻撃で敵を瀕死状態にさせるとするじゃないですか?
で、その後に弱い仲間キャラクターでトドメをさせます。
すると、その弱い仲間キャラクターに大量の経験値が入るんですよ!
「ファイアーエムブレム」シリーズでは戦闘の度に経験値が入り、相手を倒した時に限りさらに多くの経験値が入ります。
その仕組みを活かすことで弱い仲間キャラクターも成長させることができるんですが、これを繰り返していくのがめちゃくちゃ楽しいんです!
ここからはその理由を挙げていきます。
フリーマップ廃止&一方通行だからこそ生まれる駆け引き
実は本作、フリーマップが存在しません。
しかも以前プレイしたシナリオを再度プレイすることもできないので一方通行となっています。
このように経験値を入手できる機会は有限なんですが、だからこそ生まれてくる駆け引き感じたんです!
経験値が有限だからこそ感じられる有り難み。
これがあるからこそ弱い仲間キャラクターに経験値をおすそ分けする楽しさを感じられました。
キャラクターに愛着を持ちやすい
本作で仲間キャラクターを育てるのが楽しい最大の理由。
それは、キャラクターに愛着を持ちやすいからです!
ストーリーを進めていくと様々なキャラクターが仲間になりますが、そこには様々なドラマが存在します。
敵だったのがとある事情から仲間になったり、偶然バッタリ出会って仲間になったり・・・。
汎用キャラクターは存在せず、それぞれに設定があるからこそ感情移入しやすく感じます。
しかも各キャラクターに用意されたイベントは加入時だけではありません。
なんと、「支援会話」という各キャラクター同士のカップリングイベントが用意されているんです!
本作には支援レベルという概念が存在し、お互い同時に出撃した回数に応じて上昇していきます。
それが一定に達すると各キャラクター同士のカップリングイベントを見ることができるようになり、新たな一面が垣間見れるんです!
何だか恋愛シミュレーションゲームっぽい要素に見えるかも知れませんが、これが意外とハマるんですよ。
というのも戦場で戦っているとキャラクター同士のドラマを頭の中で想像してしまうから。
仲間キャラクターを1体も死なせず1つの章をクリアするには連携プレイが必要不可欠です。
弱っている仲間キャラクターを「救出」する。
敵に囲まれた仲間キャラクターの「助太刀」をする。
戦場で戦っているとこんなシチュエーションは日常茶飯事ですが、すべてはプレイヤー自らが行っていることなので専用のイベントシーンは発生しません。
だからこそ、「支援会話」でそれぞれがどう思っているのか補完してくれることに有り難みを感じました。
「支援会話」の中には愛や友情を感じさせるような描写も散見されるので、好きなキャラクター同士の支援会話は見ていてホッコリします。
特技によって強調される個性
ここまで仲間キャラクターに愛着を持ってしまう理由を熱弁しましたが、一番大切なことを書き忘れていました!
ぼくが仲間キャラクターに感情移入してしまう最大の理由。
それは、「特技」によって個性が強調されているからです!
仲間になるキャラクターは何かしらの個性を持っています。
必ず先制攻撃を行う「待ち伏せ」。
隣接する味方を再行動させる「再行動」。
経験値が2倍貰える「エリート」。
威力は半減するものの5回連続でダメージを与えられる「流星」。
ザッと各キャラクターが持つ特技を挙げてみましたが、どうでしょう?
中には戦況を一変させるほど優れた「特技」がないでしょうか?
ぼくの場合、このような「特技」を各キャラクターが持っているからこそ差別化が生まれて愛着を持つようになり、内面的な部分にも興味を持ってしまいました。
ゲームのキャラクターに愛着を持ってしまうのって外見や中身に惹かれるだけではないんですよ。
戦闘などでの使い勝手が自分と合うのかどうかで惹かれることもあると思うんです。
少なくともぼくはそう。
ドンキーコングだって最初は脳筋ゴリラにしか見えませんでしたが、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズでマイキャラにしてからはすべてが愛しく見えるようになりましたからw
かゆい所にも手が届くオプション
シミュレーションRPGは累計プレイタイムが長くなる傾向にあります。
本作も1周プレイする分にはそこまで長くありませんが、やり込みを意識したら累計プレイタイムは何百時間になってしまうでしょう。
それだけにオプション周りの融通は重要になってくると思うんですが、さすが歴史が長いシリーズだけあってその辺りもしっかりしていました!
戦闘アニメが長い!→ OFFに出来ます。
特定のキャラの戦闘アニメだけ見たい!→ 個別に設定できます。
敵の攻撃範囲が知りたい! → 敵にカーソルを合わせたら分かるほか、マーキングすることで固定することも出来ます。
2周目なのでイベントシーンを飛ばしたい→ 小刻みに飛ばせます。
こんな感じでかゆいところに手が届く仕様になっているので、最後まで快適にプレイすることが出来ました。
操作性も良好でロード時間もあっという間なので、対応ハードがゲームボーイアドバンスからゲームキューブに変わったことでのデメリットはほとんど感じられません。
幅広い難易度設定
難易度は「ノーマル」「ハード」「マニアック」の3種類を選択することが出来ます。
シリーズ初心者におすすめなのが「ノーマル」。
と言ってもめちゃくちゃ簡単という訳ではありませんが、程よい緊張感を味わえます。
一方、最高難易度の「マニアック」はゲキムズです!
ぼくは何とかクリア出来ましたが、仲間キャラクターが何度も戦死するので1章毎に何十回もリセットボタンを押してやり直しをしてしまいましたからw
後半の章になると長期戦になりがちなので、数十ターン目の緊張感は相当なものでした。
難易度「マニアック」をクリアするには戦略性だけではなく運も重要になってきます。
おまけ要素が多い
何故、ぼくは難易度「マニアック」をクリアことにしたのでしょうか?
大きな理由がおまけ要素の解禁だったりします。
例えば難易度「マニアック」をクリアしないとアンロックされない「トライアルマップ」が存在するんですよ。
ゲーム自体にハマったのもありますが、これを解禁したくてついついやり込んでしまいましたw
おまけ要素としてはそれ以外にも以下のようなコンテンツが用意されています。
- ゲストユニット
- キャラクターイラスト
- ムービー回想
中にはGBA版との連動が必要だったり15周クリアしないと出現しないようなマニア中のマニア要素も存在するので、すべてを解禁しようとしたら相当なやり込みが必要ですw
惜しいところ
3Dポリゴンの戦闘アニメが安っぽい
自軍と敵軍のキャラクターが密接すると戦闘シーンが挿入されます。
しかし、この戦闘シーンがゲームキューブソフトとしてみても安っぽいんです!w
背景は殺風景で、モーションはロボットみたいなぎこちなさ。
まるでPS1やN64のゲームを見ているかのようでした。
本作を手掛けたインテリジェントシステムズは「ペーパーマリオ」で3Dグラフィックのノウハウはあると思いましたが、等身大は無理があったのでしょうか?
主人公が強過ぎる
本作の主人公となるアイク。
良くも悪くも彼は強すぎます!w
最大の要因となるのが、終盤に習得する奥義「天空」の存在。
なんと、この奥義が発動すると「与ダメージ分だけ体力を回復」+「敵の守備半減」といった効果が一度に現れるんです!
ただでさえ大ダメージを与えられるというのにその分だけ自分の体力を回復できるとは!?
このような最強奥義を習得したアイクを最前線に立たせると敵を次から次へとなぎ倒していきます。
敵の攻撃を食らったとしても反撃ですぐに回復するので、ちょっとやそっとじゃ倒れることはありません。
敵の出撃数が多い章では1ターンに5体以上の敵を倒すことも珍しくはないので、まるで見下ろし型の無双を見ているかのよう。
ある時から「ファイアーエムブレム」シリーズをモチーフにした「真・三國無双」をプレイしたいというニーズが生まれましたが、本作でのアイクの活躍ぶりが大きく影響しているのではないでしょうか?
それだけ終盤のアイクはインパクトがありました。
そう考えると主人公が強すぎるのは一概に悪いことではないのかも。
BGMが弱い
パッと見は大作ファンタジーRPGの風貌が漂うGC「ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡」。
しかし、その割にはBGMの主張が弱く、今となっては自軍ターン時のファンファーレしか記憶に残っていませんw
キャラクター性や戦略性は飛び抜けていますが、涙腺を崩壊するようなゲームには感じませんでした。
全体のまとめ
「まさかここまでハマるとは!?」
最初は「弟が持っているから」「最新の据え置き機で発売されたから」「グラフィックが3Dだから」という軽い気持ちで手を出していたんですが、予想以上にハマってしまいましたw
どのくらいハマっていたのかと言うと、丸3ヵ月は本作しかプレイしなかったくらい。
1周目は難易度「ノーマル」で中盤までプレイして詰んで、2周目に難易度「ノーマル」で再びリベンジ。
その後は3周目に「ハード」。4周目に「マニアック」に挑戦していずれもクリアしたんですが、3周目をプレイする頃にはスッカリ「ファイアーエムブレム」の虜になっていたんです。
「こんなにも面白いゲームだったなんて!?」
こんなことならSFC「ファイアーエムブレム トラキア776」の時点でプレイしておけば良かったと後悔しましたw
全体的にはゲームキューブ向けに作られた比較的王道路線の「ファイアーエムブレム」という印象なので、初心者にもおすすめしたい作品。
ぼくは本作のおかげでシリーズファンになり、直接的な続編となるWii「ファイアーエムブレム 暁の女神」の発売が待ち遠しくなりました。
現在はプレミア価格で販売されていますが、そうなるのも納得するほどの面白さを誇ります。
ぼくがシリーズファンになるきっかけをくれた王道でハイエンドなFE!
こんな人には特におススメ。
・シミュレーションRPG好き。
・シミュレーションRPG初心者。
・緊張感を味わいたい人。
こんな人にはおススメできない。
・キャラクターを直接動かすゲームがやりたい人。
・自由度が低いゲームは苦手な人。
ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約150時間
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Xbox | etc |
面白かったけど2周目のノーマルで犠牲者0達成の時に力尽きました。
犠牲者出せばそんなに難しくないかもしれないけど良心が痛みます。
新作もし買ったら素直にカジュアルでいきます。
リセットはゲームオーバーの条件を満たしそうな時にしたいです。