【レビュー】マリシアス [評価・感想] 雰囲気ゲーと思いきや意外と骨太!

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マリシアス

2010年10月にアルヴィオンから配信されたPS3向けのダウンロードゲームです。ジャンルは3Dアクション。

水彩画風のグラフィックで描かれた幻想的な世界観によって800円のダウンロードゲームとは思えない見た目のゲームでしたが、発売当時は予定がいっぱいなのと聞いた事もないメーカーの作品なので購入は控えていました。

その後PS PLUS会員限定で400円で購入する事に成功。本記事ではPS3「マリシアス」のレビューをしていきます。

5つのボスステージを好きな順番でクリアして行くゲーム!

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800円のゲームと言う事で、内容は非常に簡素です。

ゲームを始めると大したイベントシーンも無しにいきなり広間に連れ出され、5つのボスステージを好きな順番でクリアして行く事になります。

各ステージの難易度は様々でクリアすると新たな武器や能力が手に入るので、攻略する順番によって難易度感覚が変わり、自分だけの攻略ルートを探すことができます。

この感覚、「ロックマン」シリーズに近いですね。すべてをクリアするとラストステージが出現しますし。

どのようにして「オーラ」を稼ぐのか考えるのが楽しい!

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各ステージではいきなりボスと戦う事が可能です。しかし、いきなり攻撃を加えてもほとんどダメージを与えられません。

このゲームのボスは倒し方のコツがあって、武器ごとの相性を考えたり、キャラクターの強化を行わないといけないんですよ

各ステージにはボスだけではなく、何十ものザコ敵がウロついています。

そいつらを倒すと「オーラ」というものを入手することができるんですが、これを使用する事で攻撃力を3段階に高めたり、回復手段として使うことができるんです!

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ボスを倒すコツは、最高の攻撃力にして相性の良い武器で戦う事!

しかし、最高の攻撃力にすると大量の「オーラ」を消費してしまうため、まずはこれを稼がないといけません。

単純に敵を倒すだけでも良いんですが、他にも色々な稼ぎ方があります。

例えば溜めた「オーラ」を使ってザコを攻撃して倒すと「チェーン」状態となり、より多くの「オーラ」が入手できるので、この方法で稼ぐとか。

また、敵の攻撃をギリギリのタイミングでガードしても沢山の「オーラ」が貰えます。

このようにボスと戦う前に必要な「オーラ」を稼ぐ手段は色々あり、どうやって稼ぐのか考えるのも面白いんですよね!

様々な特徴を持った武器

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本作には4種類の武器が存在します。最初は「魔弾」という遠距離攻撃だけなんですが、各ステージをクリアして行く事で「拳」、「槍」、「剣」といった武器が手に入るんです!

それぞれに大きな特徴があるため、ここからは1つ1つ紹介。

魔弾
⇒ホーミング機能付きの魔弾。離れていてもダメージを与えられるので、自分の体力が残り少ない時に重宝します。複数の標的へ同時に撃ち出すことも可能。ただし全体的に攻撃力は低めです。


⇒巨大な拳を出現させ、強力な一撃をお見舞いする武器。あまりリーチは長くありませんが、近くの敵に一発一発確実にダメージを与えたいときには便利です。


⇒突進攻撃ができる武器。攻撃する度に一定距離まで前進するため移動用としても便利ですが、思うように攻撃を当てにくいのが難点。好きな方向に前進することができるので、高いところに行く場合は役に立ちますが。


⇒広範囲に攻撃を加えられる剣。リーチは長いんですが、モッサリアクションで攻撃速度が遅く、使い方にはコツが要ります。

このようにどの武器にも長所短所があってボスによって有効なものがあり、状況によって使う分ける必要もあったりします。

ちなみに武器は十字キーで好きな時に切り替えが可能。広間で持って行く武器を選択するとか、そう言うシステムはありません

幅広いアクション

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主人公の移動能力は、非常に優れています。

ジャンプは6段まで可能なので高くまで飛べて、壁を登ったりホバリングも出来ますから。

これと4種類の武器、オーラアクションを活用すれば非常に自由度が高いアクションが可能で、ボスの倒し方はプレイヤーの数だけ存在すると言っても過言ではありません。

どのボスも耐久力が高く、初見では20分以上かかると思うんですが、慣れると5分未満でクリアする事も出来ますから。

タイムアタック要素やランク要素も存在するため、一度倒したボスでも何度も挑戦したくなるように出来ています。

アクションゲーマー向けの歯ごたえある難易度

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このゲームの難易度はかなり高いです。どのボスも初見では倒すのに20分以上かかるでしょうし、攻撃を避けたり、ガードする必要もあるので反射神経も重視されます。

でも、この難易度こそが本作の中毒性を高めているように感じました。

初見だと有効な倒し方が分からず、敵の攻撃をどんどんくらって何回もゲームオーバーになってしまうと思うんですが、徐々に敵の攻撃パターンや有効な攻略法を覚えて行き、倒して行くまでの過程が昔のゲームっぽくってハマるんですよ!

ラスボスも非常に強いけど、倒した時の達成感は相当なものですよー。

ゲームの価値を高めてくれる幻想的な世界観

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今更書く事ではありませんが、世界観は非常に魅力的ですね。

様々な戦闘兵器で囲まれた平原。沢山の兵隊が集まる街の広場。魔王が住んでいそうなダークなお城の中など、どのステージも中世ヨーロッパ風で、しかも水彩画風の幻想的なタッチで描いているから、とても良い雰囲気が出ています。

ステージもボス戦だけの割にはかなり広く、1つの世界で戦っているかのよう。グラフィックだけならPS3のフルプライスゲームとしても十分に通用しますね。

ストーリーはホントに簡素なので、世界観の良さでそちらにも期待すると肩透かしを食らいます。

アップデートによって本作の世界観が分かるノベルモードが追加されたのでそれを見てある程度の補完は出来ますが、基本的には攻略を重視して作られたゲームとして捉えた方が良いです。

800円分の元は十分にとれる内容

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ボスステージ6つで800円って、いくらグラフィックが幻想的でも高いんじゃない?

そういう意見も出てきそうですが、実際にプレイしたところ800円の価値は十分にありました。

単純なボス戦だったらもちろん物足りないんですが、基本難易度が高く、攻略の自由度が非常に高い事から実際には何度も試行錯誤をする必要があり、クリアまでのプレイタイムは5時間超えますから。

もちろんアクションゲームが非常に上手い名人みたいな人は初見からすぐにクリアが出来て1時間未満で終わってしまうかもしれませんが、少なくとも僕は非常に充実したバトルを楽しむ事が出来ました。

ちょっと気になった事

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とは言え気になった事も色々あります。主に3Dアクションゲームとして。

まず、爽快感がほとんどありませんでした。初期武器の「魔弾」なんてショボイ球をピュンピュン飛ばすだけなので爽快感のカケラもありませんし、それ以外の武器も効果音やエフェクトが弱いせいで見た目ほど爽快感はありません。

そのためダメージを与えているのか分かりにくく、画面上に表示された体力ゲージを見る事で初めて分かるレベルです。これが無かったら厳しかったなぁ。

あと、カメラワークもイマイチですね。ザコ、ボスをそれぞれロックオンできる機能が付いているので敵を見失う事は無いんですが、ザコにロックオンをするシステムがイマイチでした。

どうやらザコにロックオンするモードにすると一番近くの敵にするようなんですが、たまに何故か空高くの敵にロックオンするからいきなりカメラが上の方を向いて地上の敵がほとんど見えなくなる事があるんですよ。

近距離攻撃を繰り出していると主人公がドアップになるカメラになるのも混乱します。3D空間を激しく動きまわるゲームなので調整は難しかったと思うけど、もうちょっと頑張って欲しかったなぁ。

攻略の自由度が低い割にはチュートリアルが簡素なのも、人によっては納得いかないでしょうね。

一応広間で様々なヒントを聞けるのですが、戦い方のコツが分かるチュートリアル的なステージを1つ用意して行くのが一番良かったと思います。

簡単なヒントや操作説明だけでいきなり広間に放り出されては、多くの方は混乱するでしょう。

欠点をまとめていると、このゲームを作ったスタッフは3Dアクションのノウハウが足りていない気がします。

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全体のまとめ


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全体的には非常に奥の深いバトルを楽しむことができる作品で面白かった!

3Dアクションゲームのノウハウは足りていないとはいえ独自の戦闘システムによって攻略の自由度が高く、ゲーマー好みの難易度になっているから遊びごたえがあります。

現在はイージーモードが追加されているとは言え、まだ難易度は高いのでこのゲームはアクションゲーマー向けですね。

そう言う人も最初は爽快感が無かったり、試行錯誤する必要があって微妙に感じるかもしれませんが、攻略の糸口が見つかったらハマると思います。

こんな人には特におススメ。
・攻略の手順を考えるのが好きな人。
・骨太アクション好き。

こんな人にはおススメできない。
・アクションゲームが苦手な人。

マリシアス/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約7時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。

 

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2件のコメント

アルヴィオンはベヨネッタやMGSライジング等、プラチナ製のゲームの制作に関わっている会社なので、そこそこ実力はあると思います。
マリシアスも硬派なアクションゲーとして良く出来てましたし。
確かにチュートリアルはもうちょっと欲しかったですけど、雰囲気出すために作為的に省いた気もしますね。
DLタイトルって結構チュートリアル省いてるものが多いですから。
動作や操作感覚はかなり安定してましたから、800円のタイトルにしては完成度が相当高いと思います。

>アサヒさん
あら、立派なアクションゲームの開発に関わっていたんですね。
今まで水面下で頑張っていたのか。
言われてみると少しプラチナの血が通ったゲームでした。
チュートリアルがアッサリしている事を含めて、
昔のゲームっぽく感じられました。
僕は400円で買ったので得をしました。
800円でもかなり無茶をしていたようですね。