2014年9月に発売されたWii U「零~濡鴉ノ巫子~」を今回はレビューします。
Wii U「零~濡鴉ノ巫子~」は和風ホラーアドベンチャー「零」シリーズの5作目です。
同時期には劇場版などメディアミックスも行われていました。
Wii Uゲームパッドがカメラになる
本作はカメラを使って霊を退治して行く事になります。
「零」シリーズではお馴染みの戦闘システムになりますが、
今回はWii Uでの発売なので、Wii Uゲームパッドの画面がそのままカメラ画面になるんです!
しかもWii Uゲームパッドに搭載されているジャイロセンサーによって
本当にカメラを動かしているかのような気分も味わえますので、雰囲気はバッチリ出ています。
開発者が仰るように、「零」シリーズとWii Uの相性は確かに良いです。
ちなみにWii Uゲームパッドには全体マップを映す事が可能。
また、スティックを使ってのカメラ操作にも対応しているので、
Wii Uゲームパッドのみでのプレイも一応対応しています。
ただし音量が小さい。全体マップを確認しながらのゲームプレイが出来ない。
キャラクターの音声が聞こえないなど、欠点はありますが。

雰囲気が出ている和風のフィールド
和製ホラーという事で、フィールドは和のテイスト全快です。
室内は和室が中心なので畳み、障子、ひな壇、箱タンスなど和家具が満載のうえ、
今回は山が舞台なので、いかにも霊が出て来そうなトンネル、お墓、かざぐるまなど、
日本ならではの風景を楽しむ事が出来ました。いずれも全体的に暗いので、
昼に歩き回れたら和の世界を探索する楽しさがより出てきそうです。

キャラクターが可愛い
「零」シリーズは美形の女性キャラクターを描くのが得意なテクモブランドの作品だけあって、
今作も可愛い女性キャラクターが満載でした。
いずれも今風のアジア系の美人さんなので親近感があり、
まるで日本のアイドルを操作しているかのようです。

ある条件を満たすと、様々なコスチュームに着替える事も可能。
お気に入りのキャラクターを着せ替えして楽しむ事が出来ます。
中には露出の激しい服もあり、サブタイトルらしく濡れる演出がとてもリアルなので(ry
任天堂が発売したとは思えないくらい、実は色気が強かったりします。

美形の女性キャラクターと言えば、
ある条件を満たすと「デッド オア アライブ」のキャラクターによるおまけストーリーが楽しめます。
短い内容のうえに本編と同じマップとなりますが、ファンは注目ですぞ!

監視カメラを確認するのが面白い
何度か寝ている娘達が霊に襲われないか、監視カメラで確認するチャプターがありました。
監視カメラにぼやっと霊が映り、やがて映像が乱れていくのはホラー番組っぽくて、
和製ホラーならではの恐怖の演出に感じます。
ある意味、本作最大の恐怖ポイントかもしれませんね。

霊によってジワジワ来る恐怖
「零」シリーズは以前からホラーゲームの中でも特に怖いと言われていました。
実際にプレイしてみたところ、確かに他のホラーゲームには無い怖さがあったと思います。
最近のホラーゲームはもどかしい操作でゾンビなどの怪物と戦ったり、
逃げていく作品ばかりでしたが、このシリーズの場合はそういった怪物は一切登場せず、
「霊」による恐怖を演出していました。
なので、ビックリ箱のような演出はほとんどありません。
その一方で霊が近づいてくる事によってジワジワと感じられる恐怖が満載で、背筋が凍りました。
ここは本当に良かった!良かったんですが・・・
恐怖の演出がワンパターン
確かに怖いところはある作品ですが、演出がワンパターンに感じます。
霊のようなものが壁をすり抜けて「うらめしやー」とやって来るだけでは、
いずれは慣れてしまい怖く無くなってしまいます。
武器を使えなくして奥へ進んだりとか、
扉を開けようとする時に捕まってしまったりとか、
仲間が乗り移って襲って来たりとか、もっとやりようはあったのではないでしょうか?
また、ストーリーに関しても手紙を使った演出ばかりで感情移入が出来ません。

探索が退屈
本作では不気味なロケーションを探索して謎を解くのがメインとなっています。
探索好きとしてはワクワクするような展開ですが、実際にプレイしてみると退屈に感じました。
だって、落ちているアイテムは矢印のようなもので分かるようになっていますし、
章仕立ての進行によって箱庭マップなのに探索できるエリアが限定されているうえ、
移動やアイテムの取得がモッサリし過ぎていますからね。
しかも違う章でも探索出来るエリアが重複しているため、
新しいエリアへ訪れる事によるワクワク感もあまり無かったりしますし、
見えているのに行けなかった部屋があったとしても、それは隠し要素では無く、
後の章で強制的に行かされるだけなので、やらされている感がします。
狭い屋敷へ強制的に行く事になり、その中でトロトロと丸見えのアイテムを回収する。
僕にはそれがまったく面白いとは思えなかった。
また、Wii Uゲームパッドにマップを表示出来るのも便利ではある半面、
全体の構造を常に把握できてしまうせいで恐怖感が薄れているように思いました。

地味なのは否めない戦闘
「零」シリーズはカメラを使って霊と戦う事になります。
この戦闘システム、3DS「心霊カメラ ~憑いてる手帳~」をプレイしている時も思いましたが、
全体的に地味でイマイチ楽しくありません。しかも困った事にどの霊も耐久力が高く、
中ボスクラスになると倒すのに5分~10分もかかるから途中でダレてしまいます。
何度も同じ章をクリアしてカメラを強化する事で少しは早く倒せると思いますが、
あんな退屈な探索をもう一度やる気にはなれません。
戦闘が長引いてテンポが悪く、移動やアイテム取得がトロトロしているため、
1つの章をクリアするのに長い場合1時間半以上もかかってしまう事がありました。
その割に訪れたフィールドはかなり限定されていたりするので、
どれだけプレイ時間の水増しをさせるのかと思ってしまいます。

やらされている感が強い
箱庭マップなのにこの章ではここしか行っちゃダメ。
この章ではここに行きなさいと移動に制限が多すぎるため、
やらされている感が強いと思いました。これを探索重視のゲームでやられると、
一気につまらなくなって来ます。探索というものは能動的にするからこそ楽しいのですから。
また、同じところに何回も行かせる作りなのも止めて欲しかった。
↑こういう展開はガッカリしてしまいます。

マップ表示が便利すぎる故に起きる弊害
本作はWii Uゲームパッドの画面にマップを表示させる事が出来ます。
一見すると便利な機能に感じますが、探索型の本作では恐怖感を削る要素に感じます。
全体マップが分からないこそ恐怖を感じられるというのに・・・。
一応、自分が訪れたところだけマップが埋められて行くようになっていますが、
本作は探索型なので同じところをグルグル回る場合が多く、
すぐに全体の構造が分かってワクワク感が無くなって来ます。
じゃあマップ表示をOFFにしたら良いじゃん?と言われてしまいそうですが、
そう言った機能が搭載されているからには使ってしまうんですよね。
やっぱりマップが表示された方が快適に移動が出来ますから。
その結果、ゲーム画面を見ないでマップ画面を見ながらキャラクターを操作してしまいます。
マップ画面のグラフィックは簡素なので、それじゃあ動かしても全く楽しくありません。

アイテムの制限が緩すぎる
敵は確かに強いです。強いですが、全体マップを常に確認出来るうえ、
攻撃するために必要なフィルム、体力を回復するアイテムは大量に用意する事が可能で、
アイテム制限による恐怖が全く感じられませんでした。
ちょっとダメージを受けたらポーズを開いてアイテムで回復を頻繁に出来るのって、
アイテムの有難味も無くなってしまう事だと思います。
素材は良いと思うんですが、いかんせん料理の仕方がイマイチに感じます。
長くやっているとワンパターンな展開に飽きてしまいます。
1周に20時間近く遊ばせるのであれば、もっと工夫してほしかった。
こんな人には特におススメ。
・ホラーゲーム好き。
・Wii Uゲームパッドを活かした作品をやりたい人。
こんな人にはおススメできない。
・能動的に探索したい人。
・テンポを重視する人。
零~濡鴉ノ巫子~/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約18時間
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