
428 ~封鎖された渋谷で~/Wii / PS4 / PS3 / PSP
2008年12月に発売されたWii「428 ~封鎖された渋谷で~」を今回はレビューします。
Wii「428 ~封鎖された渋谷で~」はチュンソフトが手掛けるサウンドノベルゲームです。
2009年9月にはPS3/PSP版が。2018年9月にはPS4版も発売。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
目次
良いところ
複数の主人公が絡み合ったストーリー
本作の舞台は4月28日の渋谷。この日、渋谷では大きな事件が起きようとします。
そんな事件の様子を5人以上存在する主人公の視点から描かれるんですが、それぞれ年齢や立場が全く異なり、共通点はありません。
しかし、物語を進めていくとそれぞれの主人公が複雑に絡み合い、最後にはすべてが集約していくようになっているんですね。
言ってしまえば群像劇になるんですが、全体的にスピード感があり、テンポ良く進めることが出来ます。
それでいてサスペンス系、ミステリー系、コメディ系、癒し系と主人公毎にストーリーのジャンルが異なるので、とても充実感がありました。
良い意味で漫画みたいなキャラクターによって広がる間口
え?実写のゲーム?地味じゃない?
デフォルメされた映像に慣れ親しんでいると、こんな気持ちを持つようになってしまいます。
かくいう僕も第一印象はそんな感じでした。ゲームならCGやアニメ調にしちゃえよと。
しかし、実際にゲームをプレイするとすんなり入っていけました!
その大きな要因となったのが、良い意味で漫画みたいな登場人物のキャラクター性。
本作は全編実写で構成されていますが、どの人物も中身は漫画のような感じなんです!w
例えば張り込み時の変装にやたらと力を入れる先輩刑事。普段は冷静なのに余裕がなくなると途端にドスのきいたオネエ言葉になる警視庁管理官とかw
漫画やアニメだったら珍しくありませんが、実写でこんなキャラクター性を持たせてくるとはw
おかげですんなりと入っていけましたし、実写と漫画の融合によって生まれるシュールさが味になっていると思いました。
個人的に好きなキャラクターは、御法川 実(みのりかわ みのる)。
彼は主人公の一人でフリーライターなんですが、やたら人や物に指差しをする変人で、かなりのトラブルメーカーだったりします。
しかし、そのおかげで物語がよりコメディ方面に傾くので何度も笑わせていただきましたw
あと、ネコの着ぐるみ(タマ)の中に入っている人も最高!
中に誰が入っているのかはその目で確かめてみてください。
パズルを解くようなゲーム進行
アドベンチャーゲームといえば選択肢!
本作にも大量の選択肢が用意されていますが、ゲームシステムの面でそれ以上に注目したい点があります。
それは、ゲーム内の時間帯は基本的に1時間単位で区切られており、全員の主人公がそこまで到達できないと次に進めないところ。
そのため1つのシナリオを集中的に進める事は出来ず、それぞれのシナリオを交互に進めなければ先に進めないようになっているんですが、これが意外と大変なんです!
というのも定期的に挿入される選択肢の選択次第で現在介入している主人公だけではなく、別の主人公にも影響が現れるから。
例えば主人公Aのシナリオで選択肢Cを選ぶと主人公Bのシナリオが変化してバッドエンドになってしまうこともあるんですね。
これを繰り返していると壮大なパズルを解いているかのようで、自分はノベルゲームではなくパズルゲームをプレイしているんじゃないかと錯覚してしまうんです!w
この手のゲームって読むだけのイメージが強いですが、本作の場合は違います。
快適な操作性
ノベルゲームでは何気に重要な操作性。
本作の場合は驚くほど快適でした!
Wii版の場合、なんとWiiリモコン縦持ちでプレイできるんです!
そのため片手で楽しむことが可能で、もう片方の手で何かをやりながらプレイするのはもちろん、楽な姿勢でプレイすることもできるんですね。
文字のサイズも大きめで見やすく、ロード時間もほとんど無いので快適性はかなり高いと思います。
サービス精神を感じる追加要素と遊び心
ゲームをクリアしても本番はこれから!
クリアすると追加要素としてカルトクイズ、ボーナスストーリー、ミニゲーム、メイキング映像などバラエティに富んだ追加要素が出現して長く楽しめます。
毎度の事ながらクリア後の要素にも力を入れるチュンソフトに感心してしまいました。
何よりも素晴らしいのが遊びココロ!
本編だけでも変人だらけで遊び要素満載なんですが、解説画面の「TIP」では実在する人物・商品等のパロディネタ満載ですし、追加要素ではさらに悪ノリしていますw
あまりの悪ノリっぷりにプレイヤー自身はもちろん、開発者も「さぞ楽しんで作っていたんだろうな~」と思いました。
ちなみにWii版はWiiリモコンを使った仕掛けも用意されています。さすが当初はWii専用で作られていただけのことはあります。
惜しいところ
あっちこっちへ飛びまくるゲーム進行
え~!今、良いところだったのに~!!!
本作はゲームのシステム上、複数の主人公のストーリーを交互に読み進めて行かないといけないので気持ちの切り替えがちょっと大変です。
各シナリオによって話のテイストが全く異なり、場合によってはバッドエンドやKEEP OUTが連続で出て来るので尚更。
ただ、一度ゲームをクリアすると1つのシナリオを集中的に進められ、1周目は気が付かなかった物が見えてくるので一粒で二度美味しいシステムになっていると思いますけどね。
難解なボーナスストーリー
ボーナスストーリーのカナン編。
このシナリオではキャラクターがアニメで描かれているんですが、文体が大きく異なっており、小難しい内容になっているんです。
そのため本編との関連性を感じにくく、個人的には合いませんでした。
しかし、本シナリオを制作しているのはあのTYPE-MOONだったりします。
TYPE-MOONと言えばiOS/Android「Fate/Grand Order」で大きく株を上げたゲームブランドなだけに、今となってはかなり価値があるのではないでしょうか?
発見するのが非常に困難な隠し要素
え?こんな条件で解禁されるの!?
隠し要素は基本的に凡人では見つけられないような条件で出現します。
チュンソフトの作品ではよくある事ですが、もう少し簡単に見つかるようにしてほしい。
どうやらネットユーザーと格闘していたようで、発売してからすぐ見つからないよう意図的に仕込んだようですね。
現在は隠し要素の解禁情報も出回っているので、余程のチャレンジ精神がない限りは調べてみたほうが良いと思います。
全体のまとめ
渋谷(シブヤ)の群像劇をゲームとして体験できるユニークな作品。
前身とも言えるSS「街 〜運命の交差点〜」と比べてもシステムが洗練されており、プレイヤーがゲームに介入して複雑に絡み合うシナリオで遊べることからサウンドノベルの新分野(シンブンヤ)を開拓したと思います。
それでいてストーリーにはスピード感があり、様々なジャンルのシナリオを体験できることから非常に濃い体験を味わえるエンターテイメントとなっていました!
サウンドノベルの新分野を開拓した渋谷の群像劇で遊べるアドベンチャーパズル!
こんな人には特におススメ。
・サスペンス好き。
・コメディ好き。
こんな人にはおススメできない。
・文章を読むのが苦手な人。
428 ~封鎖された渋谷で~/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約35時間
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
ボーナスシナリオとか特典DVDとかまだやってないんだけど。
忘れてた。
まー、また機会があったら、ですかね。
基本的には限定版的な物を買いたがるくせに、その特典は放置だったりする私。
バイオ5もギアーズ2も今後も放置予定w