2001年7月に発売されたPS2「ファイナルファンタジーX」。
このゲームは週刊ファミ通の「泣けるゲームランキング」で常に上位をキープするほど
ストーリーが高く評価されています。もう発売から12年以上も経っているというのに、
この結果は異常だと思います。僕がPS3とPSVITAで発売されたHDリマスター版に手を出したのって、
実は歴史に残る「泣けるゲーム」という点も大きかったりするんですよね。
ゲームファンとしては、その理由を知らずにはいられません!
と言う訳で「ファイナルファンタジーX」はいつかエンディングまでプレイしようと思っていたんですが、
押し入れからPS2を引っ張り出して50時間も遊ぶのは腰が重いと思ってしまい、
ずっとプレイ出来なかったんです。その重い腰を今回のHDリマスター版があげてくれたので、
このような作品が世に出たことを感謝したいです。きっかけを与えてくれてありがとう!
話がそれてしまいましたが、今回「ファイナルファンタジーX」を最後までプレイして、
何故この作品が泣けるゲームの代表格としてずっと挙がっているのかよく分かりました。
簡単に言ってしまうと、辛い冒険を乗り越えた後にとても切ない”別れ”が待っているからです。
その別れが具体的に何なのか書いたら盛大なネタバレになって大炎上するので書けませんが、
いることが当たり前で、しかも意外性のあるキャラクターでした。
そんな別れのシーンを美しいCG映像で幻想的に、
感動的に、ドラマチックに描いているから、凄く切ないんです。
それでここからが重要なんですが、この別れの切なさをもっともっと強烈なものにしているのが、
本作の歯ごたえだと思うんです。個人的に本作の難易度は高めに感じました。
中盤以降のボスはステータスが高いだけでは無く、
非常に嫌らしい攻撃をしてきてプレイヤーを苦しめさせてきます。
混乱・毒・カーズなど厄介な異常状態にさせる全体攻撃。
ゾンビ状態で無い限り即死する全体攻撃。
↑思わず「そんなの聞いていないよ!?」といいたくなるほど初見殺しの攻撃を
終盤のボスはしてくるので、全パーティメンバーを戦闘に参加させてバランスよく育て、
レベル上げも積極的に行わないと積んでしまいます。
僕も難易度の高さに心の骨が折れそうになりました。
しかし、この辛さがあるからこそ、エンディングでの別れが余計に切ないのではないかと思うのです。
クリアまでの約50時間。これだけの時間を別れることになるキャラクターたちと
過ごしてきたんですから、プレイヤーも少なからず愛着が沸いているハズですもん。
もし「ファイナルファンタジーX」のイベントシーンだけを最初から最後まで見ても、
ゲームをフルで遊んだ人の1割程度しか感動できないと思います。
このゲームのエンディングで味わえる感動は、最初から最後まで
ゲームをプレイして苦労したユーザーだからこそ味わえるものだと思いますので。
これぞまさしくゲームでしか味わえない感動がある!ですね。
似たような例としては、Wii「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」もそうでした。
このゲームもエンディングが切ないんですが、その切ない理由って、
時には苦痛に感じてしまう事もあるクリアまでの過程が大きかったんですよ。
ただでさえゲームをクリアした感動・達成感と言うものがあるのに、
そこでずっと一緒だったキャラクターとの別れを切なく描いてしまったら泣けますよ。
一時期は何度もエンディングを見てウルウルしていました。
「ファイナルファンタジーX」、「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」。
どちらもストーリーものとして見ると、そこまで凝った構成ではありません。
「シュタインズ・ゲート」などストーリーに特化したアドベンチャーゲームの方がずっと凝っています。
ですので「泣けるゲーム=ストーリーが秀逸!」と思いこんでストーリーに過度な期待を持つと
肩すかしを食らうと思いますが、逆に言えばストーリーを理解できないなんて事はまずありませんから、
自然とキャラクターに愛着を持って苦労を重ねた末のエンディングでは感動できるようになっています。
プレイヤーの介入時間が長いRPGやアクションゲームのストーリーは変に凝らず、
分かりやすさを重視して最後に感動的な展開を用意しつつ、
ゲームとしてある程度の歯ごたえを取り入れる事が
泣けるゲームにする近道ではないかと思う今日この頃です。
また、このようなゲームはユーザーがゲームをプレイする意義も出て来ますので、
プレイ動画だけを見て満足するユーザーを減らすきっかけにもなると思います。
「ファイナルファンタジーX」はムービーゲーという声も多いので、
「だったら映像だけ見たら良いじゃん?」と思う方も多いと思います。
しかし、このゲームが泣けるのはプレイヤーがゲームに介入して
苦労するからこそだと思うので、映像だけを見ても大して泣けないと思うんですよ
(クリア済の方がもう一度ムービーシーンだけを見るとかだったら話は別ですが)。
確かにゲーム序盤はムービーシーンが多く、
ゲームとしての遊びが少ないのでムービーゲーと言われても無理は無いんですが、
最終的にはゲームとしてちゃんとまとまった内容だと思いました。
もう1つ感じた事なんですが、プレイヤーを感動させるには、
レベル上げによる水増しボリュームも必要なのかな?と思いました。
あくまでも一緒に戦う事になるメンバーとの別れシーンがある事前提ですけどね。
プレイしている時はレベル上げって作業感が出てきて時には苦痛に感じる事もあるんですが、
その時に過ごした仲間との別れがあったらやがてそれが思い出に変わり、より感動が増すと思うんです。
もちろんこれはレベル上げじゃなくて、ステージの使いまわしでも構いません。
作業に感じる要素を多少入れて、プレイヤーを苦痛に感じさせれば良いんです。
普段はこのような作業プレイって否定的に見るんですが、
今回「ファイナルファンタジーX」をプレイして数時間の作業プレイを経験した結果、
こう感じるようになりました。作業プレイは一見すると時間の無駄だけど、
エンディングで辛い経験を共にした仲間との別れがあったらそれが思い出に変わるんだなーと。
逆にクリアまでのプレイタイムが短いと印象に残りにくくなってしまい、
例え一緒に過ごした仲間との感動的なシーンがあってもそこまで感動できないんじゃないかと。
数時間お世話になった人より、何十年間も一緒にいた人との別れの方が切ないものじゃないですか。
とは言えどんなゲームにも作業プレイを入れて内容を薄くされたら
それはそれで困るので、あんまり入れられても困ってしまうんですけどね。
※これまでに公開したコラム記事の一覧はこちら。
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