
メタルギア ソリッド3 サブシスタンス/PS2 / PS3 / PSVITA / Xbox 360 / 3DS
2004年12月に発売されたPS2「メタルギアソリッド3 スネークイーター」を今回はレビューします。
PS2「メタルギアソリッド3 スネークイーター」は、人気ステルスアクションゲーム「メタルギアソリッド」のナンバリング3作目です。
2005年12月には完全版のPS2「~サブシスタンス」が。2011年11月にはPS3とXbox 360で。2012年6月にはPSVITAでHDリマスター版が。2012年3月には3DSでリメイク版が発売になりました。
目次
良いところ
より奥深くなった潜入
敵に見つからないよう、こっそりと基地へと潜入する「メタルギアソリッド」シリーズ。
今作では顔にペイントしたり、周囲の色に合わせた服を着る事で見つかりにくくする「カムフラージュ」、近接格闘、怪我の治療や食料調達などの新システムによって、より奥の深い潜入プレイが楽しめるようになりました。
また、一度敵に見つかってしまうと例え敵の視線から隠れてもかなりの長時間姿を隠さなければならず、よりスリルのある潜入プレイが楽しめるようになっているのも良いと思います。
個性豊かなボスキャラクター
今作ではコブラ部隊という5人のボスキャラクターと戦う事になります。
どのボスキャラも非常にユニークで様々なシチュエーションで戦う事になり、キャラクターもぶっ飛んでいる事から非常に強烈でした。
彼らがいたおかげで堅苦しい戦争モノの空気が和らいだ事は間違いありません。
壮大なストーリー
シリーズの中では最も古い時代を描いた本作のストーリーは、非常に壮大でメッセージ性の強い内容となっていました。
アクションゲームってRPGやアドベンチャーゲームほどは壮大で中身のあるストーリーを描きにくいんですが、本作では3時間以上のムービーシーンによって映画1~2本分の充実感を味わえるようになっています。
こうやって書いてしまうとムービーシーンがメインでゲームはおまけなの?と思われがちですが、ゲームプレイもアクションゲームとしては十分過ぎるほどのボリューム・濃さでやり込み要素も多く、大作ゲームに相応しいほど中身が詰まった作品だと思いました。
基本難易度も高いのでゲームしている感は強く、比較的ムービーシーンが少ない中盤はムービーがご褒美に思えるくらい。
難しい事によって操作キャラクターに感情移入する事が出来てストーリーに入り込む事が出来ました。
あと、ムービーシーンは確かに長く、退屈に感じる事も多いんですが、R1ボタンでカメラを切り替えられるシーンがあったり、通信時は相手の絵を数種類の中から切り替える事が出来たりと飽きさせない工夫があったのは良かったです。
冒険している感を味わえるロケーション
今作ではジャングル、洞窟、山脈、滝、洞窟など自然がいっぱいなロケーションが多く、基地の中へ潜入するイメージが強い「メタルギアソリッド」シリーズにしては冒険している感を味わえます。
背景も作り込まれているので、たまには自然に触れてみるのも良いでしょうね!小動物や虫がしっかりと生息していて、狩る事も出来ますから。
一見すると背景に見えるような小動物や虫が飾りでは無く、意味を持たせているのは2004年のゲームとしては凄い事だと思います。
小ネタが満載
シリーズではお馴染みの小ネタは、今作にも大量に盛り込まれています。
例えば無線通信でセーブをしたあとに映画「ゴジラ」に関する会話が聞けたり、見張りが牢屋のトイレで大量にアレを出してしまって流せなくなってしまったり、小島監督の心霊写真が出て来たり、ユニークなコスチュームを装着出来たり、とある場所でセーブをしてやめると気味の悪いアクションゲームがプレイ出来たり・・・。
とにかく数え切れないほどの小ネタが盛り込まれており、その遊び心はとても好きです。
また、これは小ネタではありませんが、ピンクシーンが多めなのも気になりました。
美人が露出したシーンはもちろん、イケメンの下着姿も見ることができますので、男性だけでは無く、女性もドキッとする事でしょう!
サルゲッチュ風のおまけモードが遊べる
お遊び要素と言えば、おまけとしてサルゲッチュ風のミニゲームを遊ぶ事も出来ます。
こちらのモードでは本編のマップ内でサルにおもちゃの銃を当てたり、スタングレードで目をくらませるなどして気絶させ、捕まえる事が目標となっています。
子供にも楽しんでもらうための配慮からか表現はマイルドで、難易度は低め。
ステージ数は通常版の場合5。サブシスタンスの場合は7もあり、タイムアタック要素もあるので、おまけモードながらもそこそこ遊べます。
サルの出現場所も本家「サルゲッチュ」に習ってか、木の上やトイレの中など、趣向を凝らしていますしね。
惜しいところ
蛇足なキュアシステム
様々な新システムが加わってより奥が深い内容になっているのは確かですが、キュアシステムに関しては蛇足だったと思います。
本作では銃に撃たれたり、蛇にかまれたりしたら薬を使って治療をしなければならないんですが、ボス戦時は1.2発当たる度に負傷を負ってしまい、その度に治療をする事になるので面倒です(治療をしないとスタミナが減るなどして戦闘が不利になる)。
また、獲物を捕まえて食料を作るシステムもサバイバルしている感を味わえるようになっていますが、ステルスアクションゲームで必要な要素だったのかと言われると微妙でした。
全体的に贅肉と言えるようなシステムが多く、まるでムービーゲーと思われないためにゲーム性も凝らしてみたかのようです。
難易度の上げ方が理不尽
このゲームはノーマル以上でプレイした場合、かなり難しい部類に入ると思います。
個人的に難しいゲームは好きなんですが、本作の場合、敵を強くしているというよりはカメラワーク、操作性を不便にして難しくしている面が強く、理不尽に感じました。
例えば銃撃について。銃を構えている時は移動ができない。主観視点になる。照準移動が遅い。処理落ちするのクアドラプルコンボによって敵に狙いを定めるのが難しく、
一部のボス戦では針の穴に糸を通すかのようなプレイを強要させられます。
スナイパーライフルやロケットランチャー装備時は強制的に主観視点になり、移動が出来なくなるのも何とかしてほしかった。
また、右スティックでカメラをグリグリ回せるのは良いんですが、壁に入りついた時はそれが出来ず、ホフク前進時に草むらへ入ると勝手に主観視点になるなど、カメラワークの不満点も多く、操作性に関してもしゃがみながらの移動が出来なかったり、壁に近づくと勝手に張り付いたりと、わざとやっているんじゃないかというほど酷い仕様。
確かに「もどかしさ」によってスリルは出て来るし、敵の位置を少しだけ把握できるレーダー、遠くを見渡せる望遠鏡などのアイテムの必然性、サバイバルをしている感が出てきていますが、ホラーゲームとは違ってスリルよりもストレスが勝る作りでもう少し何とかしても良かったんじゃ?と思いました。
PS3/Xbox 360中期から定着した海外産のAAA級TPSに慣れてしまったら、あまりにも煩雑な操作性に感じてしまう事でしょう。
※ちなみにリメイクされた3DS版では3人称視点による狙い撃ち、しゃがみながらの移動、主観視点での移動ができるようになっており、大幅に遊びやすくなっています。
取っつきが最悪に悪い
このゲームは日本で大ヒットしたのが信じられないくらい取っつきが最悪に悪いです。
まず、ゲームを始めると戦争の堅苦しい背景を描いたムービーシーンや通信シーンのオンパレードで、まともに操作ができるようになるまでは20分前後もかかってしまいます。
その後にもコソコソ移動を強要させられるだけではなく、獲物を狩っての食料調達、怪我の治療、見つかりにくくするカムフラージュと複雑化したシステムを一気に覚える必要が出てきて、さらには同じところを行ったり来たりする事から第一印象は最悪でした。
そのせいで2004年当時にプレイした時は、投げ出してしまいましたから。いくら時系列が過去で予備知識がほとんど要らない言え、ライトユーザーやシリーズ初心者は、今作から手を出すのは危険だと思います。
高品質だけど見栄えが悪いグラフィック
キャラクターのモデリングはPS2ソフトの中でも高品質な部類だと思います。
どのキャラクターもリアル系の8等身となっていて違和感はないんですが、テクスチャのセンスが悪く、変な靄がかかっているためか見栄えは良くありません。
実際、この記事に貼っているスクリーンショットも、あまり見栄えが良くありませんよね?撮影の仕方が悪かったのもあると思いますがw
全体のまとめ
ストーリー、ゲームプレイ、小ネタ。あらゆる物がたくさん詰め込まれていて、大作に恥のない内容になっていると思いました。
クリアした頃にはかなりの充実感を味わえると思いますが、一方では煩雑さを感じてしまう部分も多く、取っつきは最悪に悪いと思います。大ヒット作ですが、クリアできる人はかなり限られてくるでしょう。
こんな人には特におススメ。
・歯ごたえのあるゲームが好きな人。
・ミリタリー好き。
・潜入アクション好き。
こんな人にはおススメできない。
・面倒くさがりな人。
・短気な人。
・アクションゲームが苦手な人。
メタルギアソリッド3 スネークイーター/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約30時間
私は大好きなゲームですが…キュアやら操作性やらカメラやらはよろしくないですよね(´・_・`)
最後のBOSSとの対決は泣きそうでした!