【レビュー】エルテイルモンスターズ [評価・感想] N64では本当に貴重な王道RPGだが凡作

1999年7月に発売されたN64「エルテイルモンスターズ」を今回はレビューします。
N64「エルテイルモンスターズ」は精霊使いとなり、
旅立った父を探すため冒険に出かけるRPGです。

良いところ

512
純粋な王道3DRPG

本作は当時としては珍しかったフルポリゴンによるRPGとなります。
まるで3Dアクションゲームのような低い視点で街やフィールド、
ダンジョンを歩き回れるので、ワクワク感が半端ないです。

アクションゲームばかりが目立っていたN64では貴重なRPGという点にも注目。
しかもいくつもの街やダンジョンが存在して
どんどん遠くへ旅に出かけるという誰もが思い描く純粋なRPGなので、
N64で「RPGをやりたい!」と思う方にとっては最適な作品だと思います。
N64ソフトだけあってロード時間は皆無なので、そういう意味では遊びやすいですよー。

519
ワクワク感を高める要素

フィールドによっては絶景ポイントのようなところもあって、眺める楽しさもあります。
ほとんど徒歩で冒険に出かけるだけに、たまには足を止めて眺めるのも良いですね。
ワクワク感を高める要素と言えば、探索要素。フィールドでは単に歩くだけではなく、
宝箱や精霊レベルを高めるポイントも隠されているので、それらを探す楽しみもあったりします。
もちろん、ダンジョンやフィールドだけではなく、民家にも隠されていますよ。

特に意味はありませんが、フィールドでは時間が流れているのも演出としては良いと思います。
歩いていると日が暮れて夜になり、さらに時間が経つと夜が明けて朝になるので、
当時は本当に旅に出かけているようでした。

ダンジョンではその段階ではちょっと強い敵がたまに出てくるのも嬉しい。
敵の強さは均等にする必要はないと思うんです。
プレイヤーに印象を持たせるため、アクセントとしてちょっと強い敵がいるとワクワクしますね。

516
訪れなくても良いフィールドの存在

ラスボスまでの道のりは、決して一本道ではありません。
中には攻略に関係のないフィールドが存在したりします。
こういうゲームクリアに関係のない隠し的なエリアが存在すると、ワクワクするんですよね。
もちろん、それらの隠し的なフィールドには
宝箱が大量に置かれているなど苦労に見合った報酬がありますよ。

515
アクション性を取り入れたターン制バトル

戦闘はターン制となっていますが、3D空間を活かしたものとなっています。
自分のターンや敵の攻撃時は円で囲まれた範囲内のみ移動が可能で、
前からだけではなく、後ろから攻撃したり、敵の攻撃を避けることができるんです!
打撃攻撃時にタイミング良くボタンを押すと2回攻撃が出来ますので、
少しアクションRPGに近いかもしれませんね。

518
ユニークな成長システム

本作にはレベルの概念は存在しません。その代わり精霊レベルというものは存在して、
水、火、地、風の4属性をそれぞれ最大50まで上げることができます。
これらを上げる事で属性に対応した技を覚えることができるんです!

また、それぞれの属性を組み合わせる事で強力な技を発動できるのもポイント。
さすが精霊使いだけあって組み合わせやレベル次第で
様々な技を使うことができるので、試行錯誤する楽しさがあると思います。

ちなみに体力やMP、防御、素早さはそれぞれダメージを受けた時、
呪文が成功した時、ダメージを受けた時、移動している時に隠しゲージが蓄積され、
それが一定数を超える事で上がっていきます。
このシステムの方がRPGとしてはリアリティがあるかも。

個人的に合わない&気になったところ

517
いくつか抜け落ちているRPGには付き物の要素

RPG好きには嬉しい要素が用意されている中、抜け落ちている要素もいくつかあったりします。
例えば仲間の存在。本作はずーっと1人で冒険する事になるんです。
タイトルに「モンスターズ」と付いていますが、モンスターも仲間になりません。
しかも、そのモンスターもボスを含めて70種類程度と少なめ。

装備の概念が存在しないのも寂しいですね。
街はいくつか存在するものの装備がない事によって買い物する楽しさは薄れており、
それよりも宝箱や精霊を探す事に夢中になってしまいがちです。

509
淡白なストーリー

RPGと言えばストーリーに期待する人も多いと思います。
残念ながら本作のストーリーは非常に淡白で、イベントシーンはほぼありません。
ボイスも全く入っておらず、ストーリーを把握するには
街の人と積極的に会話をするなどしなければなりません。
個人的にはRPGでは冒険を一番重視しているので、この点はさほど気になりませんでしたけどね。

513
フィールドが広すぎて迷子になりやすい

フィールド、街、ダンジョンはいずれもかなりの広さとなっています。
主人公が小さいのもあると思いますが、スケールに関しては現実世界そっくりで迷子になりがちです。
特に困るのが、ダンジョン。ほぼ一本道のものすごーくながーい洞窟をマラソンする事になるので、
1つのダンジョンをクリアするまでのプレイタイムが長くなりがちです。

迷子になりがちなのは、戦闘が移動パートと同じフィールドを採用している事も大きかったりします。
「戦闘に勝った!バトル終了!あれ?どっちに向かおうとしていたんだっけ?」
本作をプレイしているとありがちなパターンです。
一応、戦闘終了後はエンカウント前に向いていた方向を向くように設定されていますけどね。

514
エンカウント率が高い

本作はランダムエンカウントを採用しているのですが、エンカウント率は高い印象です。
これでは3Dのフィールドマップを落ち着いて眺められませんし、
次の街までいくのに何回も戦闘をして時間がかかってしまいます。
出来ればシンボルエンカウントにしてほしかった。それかエンカウント率を下げて欲しかった。

510
コントローラパックでしかセーブできない

本作にはセーブ機能は付いていません。
セーブをするには、別売りのコントローラパックを使用するしかありません。
プレイステーションソフトやセガサターンソフトも
CD-ROMのためゲームソフト単品ではセーブ出来ませんが、
N64はゲームソフト内でセーブができるロムカセットなだけに、
何故コントローラパックでしかできないのか。コントローラパックのデータは消えやすいだけに不満です。

終盤は引き返せない

最後のダンジョンに入ったら、引き返す事は出来ません。
クリアに関係のないフィールドがあり、探索要素も存在するだけにここは何とかしてほしかった。
ちなみに一度訪れたことのある街へはワープする事が可能です。


かなり欠点の多い作品ですが、それでもRPGの醍醐味は味わえる作品で嫌いではありません。
N64では本当に貴重な王道RPGなので、N64で本格的な王道RPGをプレイしたい人はどうぞ!

こんな人には特におススメ。
・N64で王道RPGをプレイしたい人。
・冒険好き。

こんな人にはおススメできない。
・方向音痴な人。

エルテイルモンスターズ/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約60時間
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