【レビュー】アナザーコード リコレクション [評価・感想] テンポは悪いがスルメのような魅力がある!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は「アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください!

このゲーム、あまり話題になっていませんが、もっと注目されても良いんじゃないかと思いました。

というのも本作、あの任天堂とCINGが贈る名作アドベンチャーのリメイク作で、めちゃくちゃ丁寧に作られていますからね。

ストーリーが面白いのはもちろん、グラフィックは原作から大きく進化していますし、初心者でも楽しめるよう細かいところまで配慮が行き届いています。

ですので個人的にはおすすめしたい作品なんですが、注目度は低めとなっていて、任天堂公式チャンネルの紹介動画は7万再生程度。

ニンテンドーeショップの売上ランキングでも7位になんとかランクインする程度に留まっているので、任天堂のゲームにしてはあんまり盛り上がっていません(※2024年1月21日時点)。

ぼくが思うに認知度が足りていないと思うので、本記事では「アナザーコード リコレクション」の魅力を語っていき、どういう人におすすめできるのか?

逆におすすめできないのはどんな人なのかを語っていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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このゲームを3行で説明すると?
  • DSやWiiで発売されたアドベンチャーゲームのリメイク作。
  • 少女・アシュレイとなって失われた記憶を紐解いていく。
  • 探索のほかに謎解きパートが存在する。
初リリース日 2024年1月19日
対応ハード Switch
ジャンル アドベンチャー
推定クリア時間 20~30時間
発売元 任天堂

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アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉とは?

まずはゲームの内容を簡単に紹介します。

本作はミステリー系のアドベンチャーゲームで、DSやWiiで発売された作品をリメイクして収録しています。

主人公となるのは、少女・アシュレイ。

彼女は幼い頃に両親を失ってしまいますが、もうすぐ14歳の誕生日を迎える頃、一通の手紙が届きます。

内容は死んだと聞かされていた父からの招待状で、孤島で待っていると書かれていました。

その後、アシュレイは叔母のジェシカと共に孤島へ向かい、父の行方を追って島のあらゆる謎に挑んでいきます。

ゲームシステムで特徴的なのが、謎解き要素が存在することです。

基本的なシステムは各地を探索してフラグを立てていくというポイント・アンド・クリック式のアドベンチャーに近いんですが、随所で謎解きパートが挿入されてゲームならではの体験を味わえます。

決められた順番にピアノを奏でたり、壊れた橋の足場を作ったり。ストーリーと連動した謎解きを楽しめます。

Switch版の場合、謎解き要素がリニューアル。

原作とはまた違った謎解きが用意されているので、DSの蓋を閉じるといった当時の攻略法が通用しなくなりました。

他にもマップが完全な3Dになっていたり、ボイスが新しく収録されていたり、一部のシナリオが加筆されていたり。

色んなところが新しくなっているので、シリーズ経験者でも新鮮な体験を味わうことができます。

そんな「アナザーコード リコレクション」の何が魅力的なのか?

ここからは具体的な理由を語っていきます。

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良いところ

ドラマチックになったストーリー

本作で特に良いと思ったのが、ドラマチックになったストーリーです。

ビックリするくらいハイクオリティな映像でストーリーが展開されるので、どんだけのコストをかけて作ったのかと思いました。

そのくらいアドベンチャーゲームとしては規格外なことをやっています。

元々、「アナザーコード」はDSやWiiで発売されまして、それぞれゲーム機の特性をフルに活かしていました。

DSで発売された「2つの記憶」では2画面を活かしたシステムが。

Wiiで発売された「記憶の扉」ではリモコンを使ったシステムが印象的でしたが、どちらも限られた表現の中でストーリーを描いていました。

「2つの記憶」では上画面に一枚絵を。下画面に頭上カメラを表示するという成約の中で。

「記憶の扉」では横スクロールという成約の中で描いていました。

そのため全てを描ききれておらず、プレイヤーの想像力に委ねられているところがあったんですよね。

今作の場合、そういった成約を取っ払って最新の技術で作られています。

グラフィックはフル3Dのアニメ調にアレンジされ、セリフは全て読み上げてくれるフルボイス仕様になり、映画のような迫力あるカメラアングルで展開されるようになりました。

特に主人公のアシュレイはまるで命が吹き込まれたかのように多彩な仕草を見せてくれるので、彼女に起こった不幸と相まって守ってあげたくなる衝動に駆られます。

前提として、本作はストーリー重視のアドベンチャーゲームです。

ゲームプレイの大半がイベントシーンで構成されているので、キャラクターの作り込みが面白さに直結します。

なんでも本作、あの「ギルティギア」を手掛けたアークシステムワークスが開発を担当しているようで、それもあってこんなにハイクオリティなアニメーションが実現したのかもしれませんね。

でストーリーは「2つの記憶編」「記憶の扉編」の2つに分かれていて、どちらも惹かれるものがありました。

ここからはそれぞれの感想を語っていきます。

まずは「2つの記憶編」について。

このストーリーでは孤島にそびえたつ洋館を探索することになるんですが、徐々に真実が明らかになる構成がミステリーものらしく、夢中で進めてしまいました。

特にラストの展開はドラマチックな感じにアレンジされているので、まるで「アナザーコード」が劇場映画になったかのようです。

個人的に好きなキャラクターは、主人公のアシュレイは殿堂入りとして、それ以外はディーかな。

彼はこの世を彷徨う幽霊ですが、心優しい少年でアシュレイと行動を共にすることになります。

いわゆるパートナー的な存在で、先に進むごとに秘密が明かされていきますので、徐々に感情移入してしまいました。

続いては「記憶の扉編」について。

こちらは「2つの記憶編」の2年後を描いた続編になりまして、自然豊かな「ジュリエット・レイク」を舞台に亡くなった母との記憶を紐解いていきます。

ただこちらのストーリーに登場するキャラクターは一癖も二癖もありまして、人の物を盗む少年や感じ悪い少女など第一印象が悪いキャラクターが目立っています。

ですが、徐々に良いところも明らかになるので、最終的には好きになってきました。

ゆったりしたテンポのストーリーといい、スルメ的な魅力がありましたね。

「記憶の扉編」で個人的に好きなキャラクターはマシューです。

彼は家出少年で、冒頭でアシュレイのカバンを盗むという悪事を行います。

そのため最初は良い印象を持ちませんでしたが、真実が明らかになってきた頃には感情移入しちゃいました。

ディーとマシュー。2人とも少年ですが、似た魅力を持ち合わせていて、本作のストーリーを彩ってくれます。

クリアまでのプレイタイムは約21時間。

「2つの記憶編」が6時間程度で、「記憶の扉編」が15時間程度で終わります。

昨今のゲームとしては短いほうかも知れませんが、これ一本で「アナザーコード」シリーズ2作のストーリーを楽しめるので、そう考えるとお得です。

探究心を高めてくれる探索要素

ストーリーは探索や謎解きをすることで進んでいきます。

部屋の中にあるものを調べて必要なアイテムを探したり、秘密の通路に繋がる仕掛けを解除したり。

探検家になった気分を味わうことができます。

そんな探索要素ですが、原作から一新されているので、過去作を遊ばれた方でも新鮮な気持ちで楽しめるようになりました。

かくいうぼくも原作はプレイ済なんですが、ビックリするくらいアレンジされているので、プレイしている時は

「あれ?こんな風だったっけ?」

と口癖のように言ってましたw

特に印象的だったのが、「2つの記憶編」で探索することになる洋館の構造です。

原作では奥へ奥へ進んでいく感じだったんですが、今作では2階建ての立体的な構造に刷新されていて、一般的な洋館っぽくなりました。

そのうえで謎解きが一新されていたり、ストーリーが加筆されているので、もうこれ新作と言っても良いんじゃないですかね?w

そのくらい大胆なアレンジがなされています。

この点は賛否が分かれると思いますが、アドベンチャーゲームって一回クリアしたら遊ばれないケースが多いみたいですから、このくらい変えたらまた遊びたくなる人も増えるんじゃないでしょうか?

徹底した初心者への配慮

本作は初心者でも楽しめるよう徹底した配慮がなされています。

みなさんはアドベンチャーゲームを遊んでいる時に次は何をやれば良いのかわからなくなったことはないでしょうか?

どこへ行けば良いのか?どのキャラクターに話をかければ良いのか?

ド忘れしてしまったが故に同じところをぐるぐる回ってしまい、ストーリーに没頭できなくなってしまった。

アドベンチャーゲームあるあるだと思いますが、本作はそうならないようナビゲート機能が搭載されています。

この機能をオンにすると次にどこへ行けば良いのか矢印が表示され、目的地にはマーカーが設置されます。

わかりやすく言うとオープンワールドゲームみたいなナビゲートが追加されるような感じかな。

これを使うと次は何をやれば良いのかすぐに分かりますので、サクサク進めることができます。

とはいえ多用すると没入感が薄れてしまうので、本当に何をやれば良いのかわからなくなった時だけオンにすると良いでしょうね。

ナビゲート機能のオンオフは左スティックを押し込むことで瞬時に切り替えることができるので、気軽に使えるのが良いと思いました。

初心者への配慮としては、ヒント機能もあります。

こちらをオンにすると謎解きのヒントを見ることができます。

1つの問題に用意されているヒントは3種類。

それも小ヒント・中ヒント・答えといった感じで段階的に教えてくれますので、その時の気分に応じて頼ることができます。

今作も中盤以降はややこしい謎ときが挿入されるので、どうしてもわからないようでしたらヒントに頼ると良いでしょうね。

このように本作は初心者への配慮が行き届いています。

アドベンチャーゲームって探索に詰まって挫折するケースが多いので、苦手意識を持っている方もいるかもしれません。

でも本作はそんな方でもクリアできるようになっているので、初心者の方でも安心して手を出してみてください。

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惜しいところ

テンポがイマイチ

ゲーム進行はゆったりしています。

そのため1つ1つの情報を飲み込みやすくなっていますが、刺激に欠ける印象で、人によってはテンポが悪いと感じるかも知れません。

例えば誰かと会話していると特定のキーワードがストックされます。

すると、ストックしたキーワードを選んで会話を進めていくことになるんですが、中には些細なものがあったりするので、回りくどく感じることがありました。

特に「記憶の扉編」は展開が間延びしている印象で、のどかな世界観と相まって退屈に感じてしまう恐れがあります。

ですのでスピード感のあるサスペンスドラマに慣れていたり、せっかちだと厳しいところがありますね。

「記憶の扉編」って「2つの記憶編」と比べて2倍以上のボリュームがありますけど、テンポの面で見ると裏目に出ているところがあります。

ただ展開が遅い分、キャラクターの細かい心境はしっかりと描いているので、この世界に惹かれますとこれはこれで味があって良いかなと思うようになりました。

記憶の扉編の終盤に挿入される謎解きが曲者

「記憶の扉編」の終盤にはコマンド入力系の謎解きが挿入されます。

これがなかなかの曲者で、ゲームのテンポをさらに悪くしていると思いました。

何故かといいますと、無茶苦茶なコマンドを要求してくるんですよね。

方向ボタンの上と左を同時に押すとかならまだしも、コントローラを左に傾けながら左ボタンを長押しするとか。

ややこしいコマンドを要求してくるうえに間違えたら途中からやり直しになるので、人によってはストレスを溜めてしまうんじゃないかと思いました。

謎解きってゲームに介入させる手段としては良いと思いますが、あんまり煩雑にするとテンポを悪くする要因になってしまいます。

本作の場合、終盤の謎解きがそれに該当しますので、そこは改善の余地があると思いますね。

癖のあるカメラワーク

カメラワークは癖があります。

基本的には「ゼルダの伝説」みたいな三人称視点なんですが、主人公との距離が近くて横回転の速度が遅いので、方向転換する時は視界が悪くなることがよくありました。

一応、オプションで横回転の速度を早くすることができるので、方向転換のもどかしさはある程度改善できますけどね。

カメラワークの距離は変更できないので、地面に置いてある対象物を見落とすことがよくありました。

没入感を高めるためにカメラの距離を近くしているのかもしれませんが、アップデートで調整できるようにしてくれると嬉しいですね。

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注意点

戦闘要素は存在しない

本作は三人称視点で展開されるので、画面構成は「ゼルダの伝説」や「バイオハザード」に似ています。

しかし、本作はそれらの作品とは違って戦闘要素が存在しません。

「2つの記憶編」では古びた洋館を探索することになりますが、ゾンビは出てきませんし、スライムみたいなモンスターも出てきません。

本当に探索をして謎を解いていくだけですので、ゲームらしい駆け引きは控えめです。

ただ戦闘がないからこそ現実感を出せているのも確かですので、そこは一長一短かなと思いました。

大抵のゲームって戦闘の要素が存在しますけど、現代の社会ではそんなに化け物が出てくることはありませんので、2000年代が舞台の本作ではいない方が自然かなと思います。

こんなこと初歩的なのかもしれませんけど、リメイクされて見た目がゼルダっぽくなっているので、一応触れておきました。

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アナザーコード リコレクション:2つの記憶 / 記憶の扉のレビューまとめ

ここまで「アナザーコード リコレクション」の良い点や惜しい点を語っていきました。

簡単にまとめると

  • ドラマチックに生まれ変わった良質なアドベンチャーゲーム
  • 爆発的な面白さはないが、なんだか好きになれる作品

といった感じです。

触ってすぐに面白いと感じる訳ではなく、ジワジワと好きになっていく感じのゲームですので、

  • わかりやすい面白さを求める人
  • せっかちな人

にはおすすめしにくいところがあります。

ですが、プレイしていると雰囲気の良さやキャラクターにジワジワとハマっていきますので、食わず嫌いされている方も騙されたと思って遊んでほしいです。

ぼくも改めてプレイしましたけど、クリアする頃には余韻に浸れました。

最初はあんまり良い感じがしなかったキャラでもだんだん良いやつに感じたりして、別れるのが辛くなってくるんですよね。

ゆったりしたテンポもこれはこれで味わい深く、10年くらい経つとまたプレイしたくなります。

何度も言うように突出して面白い訳ではありませんが、スルメのような魅力を持っているので、少しでも興味があったら遊んでほしいです。

ニンテンドーeショップでは序盤をプレイできる無料体験版が配信されています。

製品版にデータを引き継ぐこともできるので、買おうか迷っている方はまずはそちらをプレイしてみてください。

こんな人には特におススメ。
・雰囲気を重視する人。
・ミステリー好き。

こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。

お気に入り度【70/100%】

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