
FRAGILE ~さよなら月の廃墟 ~/Wii
2009年1月に発売されたWii「FRAGILE~さよなら月の廃墟~」を今回はレビューします。
Wii「FRAGILE~さよなら月の廃墟~」は廃墟となった実在する建物を冒険していく廃墟探索RPGです。
開発はPS3/Xbox 360「トラスティベル ~ショパンの夢~」のトライクレッシェンドが担当。
目次
良いところ
廃墟の探索が楽しい
廃墟を探索するRPGだけあって、廃墟の出来は一級品です!
建造物の壊れ具合、ぐしゃぐしゃになったフェンス・・・etc
廃墟好きにはたまらないゲームと言えるでしょう。
また、廃墟以外の風景もとても幻想的で、あるステージではオーロラを。あるステージでは朝焼けを、あるステージでは巨大なダムを見ることが出来たりして、観光気分も味わえます。
Wiiリモコンからはポイントした生物の音が聞こえてくるので臨場感も高めてくれますね。幽霊も少しだけ出てくるのでホラー要素も味わえます。
シームレスではありませんが、ロード時間は早く、廃墟探索という意味ではそれなりに楽しめました。
非常に書き込まれた冒険の舞台
冒険の舞台となる廃墟は非常に書き込まれています。
駆け足でプレイするとどうしても見逃してしまいますが、至るところで落書きやチラシ、看板等が設置されていて、そのひとつひとつがしっかりとデザインされていて、文字まで読めるのだから驚き(Wiiなのでやや文字がボケているけど)。
たまには冒険を休んで周りにある落書きや看板の文字をじっくりと読むとこの作品を2倍楽しめると思います。
取扱説明書ではゲーム中に描かれている落書きを使ったクロスワードパズルを楽しむことが出来ますしね。
アイテムに秘められたショートストーリー
廃墟を探索していると、様々なアイテムが手に入ります。
アイテムの中には持ち主の記憶を読むことも出来て、ショートストーリーを楽しむ事が出来ました(中には複数集めないと物語が完結しないものも存在)。
ストーリーは発売前に公式サイトで募集がかけられ、一般人だけではなく、有名作家が書いたものだけあってそれなりに読み応えがあります。
このストーリーを楽しむことが出来れば廃墟を探索するモチベーションも上がってくるでしょうね。個人的にはもう少し本編とストーリーを絡めて欲しかった所ですが・・・。
素敵なBGM・声優
本作のBGMはとても幻想的で素晴らしいものでした。
特にメインテーマの「すべての人へ」は廃墟の切なさがとても上手く表現されていて、それでいて癒し要素もあるので好きなゲームミュージックのTOP10に入るほどはお気に入り。
手島葵さんの主題歌も良い感じ。サウンドテストが無いのが惜しいです。
声優さんの演技もめちゃくちゃ上手いですね!
楽しい時・・うれしい時・・・悲しい時・・・怒っている時・・・文字を読んでいる時・・・
どれもうまく感情を使い分けていて、当たり前かもしれませんが感心してしまいました。主人公セトの声優さんが個人的に好きです。
惜しいところ
アクションRPGとしての完成度が低い
肝心のゲーム部分は完成度が低いと思いました。
戦闘はアクションバトルになっているんですが、爽快感は薄く、ゲームバランスは大味で、ステータスアップも大雑把でキャラクターが成長する喜びが薄いです。
まず、攻撃は基本的にはA連打。おまけに動きがモッサリなのがダメでした。ガードが出来ず、攻撃のリーチが短いのも不満。
もう少しアクションコマンドを増やして、敵と駆け引きがしたかったです。
普段ゲームをあまり遊ばないWiiユーザーへの配慮だったのかもしれませんが、それにしても面白くない。
カメラアングルがイマイチ
カメラアングルの悪さも気になりました。
本作はヌンチャクのスティックで移動し、Wiiリモコンのポインターで懐中電灯の操作を行います。
この操作自体は別に良いのですが、ポインターを画面の端に持って行くとちょっと早めにカメラが回転してしまうため、戦闘中にポインターがカメラの端に置いてあるとちょっと困った事になります。
N64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のように戦闘中、敵をロックオンできるようにしてほしかった。
システム面での煩雑さ
システム面は煩雑に感じました。
セーブは焚き火を行う事で出来ますが、ここに問題点が集約している印象です。
焚き火を行うと探索中に拾ったアイテムの正体が分かるようになったり、ランダムでアイテム屋が現れます。
どちらも条件を満たすと強制でイベントが起きるので、セーブだけをしたい時にこの2つのイベントが起きると本当にうっとおしいです!
もちろんA連打で飛ばす事も出来ますが、出来れば任意でアイテムを識別できる仕様にしてほしかった。
アイテム屋も装備中のアイテムを売却する事が出来なかったりして使い勝手がかなり悪い!
移動が単調
移動は単調に感じました。
廃墟を探索するゲームですが、基本的に戦闘以外でやる事は懐中電灯を照らしてアイテムを探すだけ。
もう少し引出しを開けるとか、スイッチを押すとか調べられる個所を増やしてほしかった。
終盤でそれを分かってしまったため、最後の方は部屋に1つか2つだけ置かれているアイテムを手に入れてすぐに別の部屋に移動しました。
ユーザーへの配慮が足りない
建造物がリアルなのは良いですが、スケールまで本物そっくりに再現してしまって移動がとても面倒です。
100Mくらいあるはしごをタラタラと下ろされたりしてちょっとイライラします。
もし取り忘れたアイテムがあったらもう一度その100Mあるはしごを上らないといけないから困った困った。もっと早く動いてくれ!
そもそもやり込み要素としてアイテム集めがあると言うのに、一方通行のステージがあると言うのはどういう事でしょう?
2周目の引き継ぎもないので、すべてのアイテムを集めたかったらもう一度最初からやり直しです。
あと、鬼ごっこやかくれんぼ等、一部イベントの難易度が異常に高いです!
僕は鬼ごっこの2回目にかなり手こずってしまいました。ヌルゲーマーはここで積んでしまう可能性が高いと思います。
RPGとしては少なすぎるボリューム
ボリュームは少なめに感じました。
早い人は8時間、ゆっくりやっても15時間でゲームをクリアできると思います。
まあ、ゲーム自体の作り込みが甘いのでこれ以上無駄に長くされても困るのですが、それでも大作RPGと期待していた人には期待外れのボリュームです。
どんどん奥に進むゲームならまだしも、探索要素によって同じ空間に長くいるゲームでこのクリアタイムはね・・・
イマイチなストーリー
ストーリーはイマイチでした。
最後には人類がなぜ滅びたのか明らかになるんですが、オチは肩すかしです。
キャラクターの描写も足りていませんでした。
登場キャラは10人程度なんですが、例えば主人公セトの相棒となるP・Fの出番が少なすぎます!結構良い味出していたのに・・・
ゲーム中に何度か別れがありますが、キャラクター同士の思い出があまり描かれていないため、そういった面ではあまり感情移入が出来ませんでした。
ウケ狙い(?)でBL的な要素が入っていたけど。
全体のまとめ
雰囲気はとても良いです。Wiiリモコンを活かした仕掛けも良いです。
それだけにゲームをプレイしていて何度「惜しい」と思った事か・・・。
どれだけゲームにストレスを感じず、どれだけ世界観に溶け込めるかでこの作品の評価は大きく変わってくると思います。
僕の場合は、同系統の3Dアクションゲーム、アドベンチャーゲームを沢山やっていたため、どうしてもそれらの作品と比べてしまい、ゲーム部分の粗が見えまくってしまいました。
いわゆる雰囲気ゲーで、そこを楽しめるのかどうかで大きく評価が変わってくる作品です。探索型のアクションアドベンチャーとして期待してはいけません。
ゲーム部分よりも廃墟作りに拘り過ぎた雰囲気ゲー
こんな人には特におススメ。
・雰囲気ゲー好き。
こんな人にはおススメできない。
・それ以外の人。
FRAGILE~さよなら月の廃墟~/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・30時間
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うーん、雰囲気がすごくいいから、
戦闘はまぁ気にしないように!と思っていたら、
そんなに不便があったとはΣ
(まだ買っていないというorz)
持主の記憶も、人がいた頃の~滅ぶまでの持ち主の生活や感情の移り変わりを描いているのかと思ったら、ゲーム主人公の名前のことって・・・(涙
そして探索なのに一方的なんてΣ
てっきり、%で達成度(?)みたいなのがあるのかと思ってましたΣΣ
でも、曲はいいですよね!声優さんもキャラと合ってますし!
うーん、購入は考えるべきか・・・。