チョコボGP/Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
チョコボGP。
「ファイナルファンタジー」シリーズのマスコットキャラクター「チョコボ」が主人公のレースゲームです。
初公開されたのは2021年9月配信のニンテンドーダイレクト。
当初は名作と名高いPS「チョコボレーシング」の流れを汲む作品ということでファンの間で期待されていましたが、発売されてからは状況が一転。
課金を促進してくるオンラインのシステム、数多くの不具合によってユーザーの間で酷評されてしまい、期待外れという見方が強まっています。
そんなSwitch「チョコボGP」ですが、発売から2ヶ月後にプレイした者としてはだいぶ改善されているなと思いました。
課金をしなくても少しやり込めばお目当てのコンテンツを解禁できるようになりましたし、不具合の頻度もだいぶなくなっています。
という訳でレースゲームとしては一定の品質に達しているとは思いますが、名作と名高いPS「チョコボレーシング」の後継作であること。
そして、「マリオカート」という偉大すぎるレースゲームには劣ることが足を引っ張っている印象で、惜しい作品だと思いました。
ここからはそんなSwitch「チョコボGP」について詳しく語っていきます。
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- チョコボが主人公のレースゲーム。
- コース上に設置されている「マジカルエッグ」を拾うことで「魔石」が使える。
- 1999年に発売されたPS「チョコボレーシング」の後継作。
初リリース日 | 2022年3月10日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | レース |
売上 | 初週1.2万本 |
推定クリア時間 | 4~5時間(ストーリークリア) |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
密度が濃いレースバトル
本作で特筆したいのが、密度が濃いレースバトルです。
コースを走行していると次から次へとハプニングが起こるので、退屈に感じる時間はほとんどありません。
なぜ、こんなにも密度が濃いのでしょうか?
大きな要因となっているのが、色んなレースゲームのシステムを寄せ集めていることです。
「マリオカート」からは
- ドリフトによる「ミニターボ(ドリフトターボ)」
- ジャンプ台からの「ジャンプアクション(エアトリック)」
- レース開始時の「ロケットスタート(スタートブースト)」
- 集めることでスピードアップする「コイン(クリスタル)」
- レースを有利に進められる「アイテムボックス(魔石)」
- コース上の「ギミック」
といった要素を。
N64「ディディーコングレーシング」からはアイテムの強化要素を持ってきていますからね。
そのうえでアイテムの入手感覚を「マリオカート」よりも短くしていたり、アビリティという各キャラクター固有の特殊能力を使えるシステムを搭載しているので、レース中は休む暇もありませんw
パッケージの裏面には「5秒に1回ハプニング!?」と書かれていますが、これは伊達ではないなと思いました。
短時間に濃い体験を味わいたい場合、本作をプレイしてみたら良いかも!?
マジカルエッグによる駆け引き
「なんだ、パクリゲーか」
ここまでの文章を読まれた方はそんな印象を持ってしまったかもしれません。
確かに本作は「マリオカート」などのドタバタレースゲームに強い影響を受けていますが、少ないながらも独自性があります。
代表的なのが「マジカルエッグ」による駆け引きです。
「マジカルエッグ」はコース上に設置されており、入手することで「魔石」がランダムで手に入ります。
言ってしまえば「マリオカート」のアイテムボックスに相当するんですが、本作では「魔石」にレベルの概念を追加。
同じタイプの「魔石」でも
ファイア → ファイラ → ファイガ
といった感じで3段階まで強化することが可能となっています。
なんて思われたかもしれませんが、この点も差別化を図っていたりします。
「ディディーコングレーシング」では特定のバルーンに当たれば意図したアイテムを入手できましたが、本作ではランダム制を採用。
どんな「魔石」を入手できるのかは「マジカルエッグ」に当たるまでわからないようになっています。
加えて3スロット分までの「魔石」を保持できるようになっており、「マジカルエッグ」も以下の3種類が存在します。
名前 | 特性 |
金 | 同じタイプの「魔石」をランダムで2スロット入手できる |
銀 | 現在所持している「魔石」を1段階強化できる |
銅 | 「魔石」をランダムで1スロット入手できる |
こうしてみると、「マリオカート」のランダム性と「ディディーコングレーシング」の戦略性を融合しているのがわかりますよね?
表面的に見ると「マリオカート」のフォロワータイトルではありますが、1位を目指すのであれば
強い「魔石」を入手するために金 → 銀の順番で「マジカルエッグ」を取る!
みたいな感じで独自の攻略法が求められるので、これはこれで面白いと思いました。
ちなみに、ぼくが好きな「魔石」はチェンジです。
この「魔石」を使うと2つのワープホールが少しのあいだ出現します。
青いホールに入ると前方の地点までワープ。
一方で赤いホールに入ると後方の地点までワープしてしまうので、タイムロスになってしまいます。
このような展開は「マリオカート」シリーズでは見られなかったので、独自性を感じました。
「マジカルエッグ」入手時には「魔石」ではなく「クリスタル」が手に入ることもあります(マリオカートでいうコインに相当するアイテム)
チョコボGPモードが熱い!
オンラインではチョコボGPモードが熱いと思いました。
このモードでは世界中の人とオンライン対戦を楽しめるんですが、単にレースをするのではなく、64人でのトーナメント形式となっています。
1試合の対戦人数は8人ではありますが、4位以上に入らないと次のレースに参加できず、リタイア扱いになるので、負けた時が悔しいんですよね。
特に予選を勝ち抜いてから脱落した時は悔しすぎるので、またやりたくなってきますw
もし、淡々とマッチングする仕様にしていたらこんなにも続けてやろうとは思わなかったですね。
ここまでの話を聞かれた方の中には
と思われたかもしれません。
確かに本作は初週に1.2万本しか売れていないので、過疎りそうな気はします。
ただ、「チョコボGP Lite」という無料で遊べるバージョンが配信されていて、そちらでもチョコボGPモードに参加できるので、思ったよりは人が多い印象です。
(あくまでも発売2ヶ月後の話で、今後はどうなるかわかりませんが)
充実のやり込み要素
レースゲームと言えばみんなで遊ばないと楽しめないイメージを持たれている方もいると思いますが、本作は1人でも十分に遊べます。
まず、ストーリーモードを収録しているのが良いと思いました。
このモードではイベントパートとレースパートを交互に進めてクリアを目指していきます。
ストーリーは色々と問題あるんですが、レースの合間にイベントシーンがあると付加価値が生まれるので、そこは良いなと思いました。
それと、「シリーズレース」もやり込み要素が強くて満足度を高めているように感じます。
こちらは4レースの総合スコアを競っていくんですが、10種類以上も用意されているので、多いなと思いました。
コースが反転するミラーモードも用意されていますし、全てのシリーズで総合1位を目指そうと思ったらかなりの時間がかかります。
極めつけは、アンロック要素の多さです。
各モードをやり込むことでショップに新キャラクターやマシンなどが入荷されます。
入荷した商品はチケットやコインと交換することで購入できるので、やり込みをする動機付けを生み出している印象です。
この辺りはさすがスクウェア・エニックスだと思いました。
スクエニって長時間遊べるゲームを作ることに長けていますからね。
収録されているコースは9種類。
一般的なレースゲームと比べたら少なく感じますが、実際にプレイしてみたところ、言うほど少ないとは思いませんでした。
というのも、各コースにはショート、ロング、テクニカルといった感じでバリエーションがあるからです。
バリエーションを含めたコースの種類は20以上。
アップデートで新コースが追加予定となっていますし、この点に関してはそこまで不満には感じていません。
まあ、Switchには追加コンテンツを含めて96種類ものコースが収録された化け物レースゲームが発売されているので分が悪いとは思いますがw
惜しいところ
強制的なチュートリアル
ストーリーモードの冒頭ではチュートリアルが挿入されますが、作りがイマイチに感じます。
スタートブーストとか、ドリフトとか。
基本的な操作を教えてくれるのは良いんですが、操作をミスしたら最初からやり直しになるのは不親切だと思いました。
特にドリフトの操作は左スティックを左右に倒してバランスを取る必要があるので、初見だと高確率でミスをします。
そんなことを冒頭でやらせるうえにミスをしたら最初からやり直しにするとは、どんな拷問なんですかw
ぼくの場合、10回くらいやり直しをしましたw
攻撃を受けた時のタイムロスがデカすぎる
敵の攻撃を受けた時のタイムロスはデカすぎると思いました。
攻撃を受けると真上に飛んでモタつくので、3秒も操作不能になるんですよ。
イメージ的には「マリオカート8」以前の「トゲゾーこうら」みたいな感じでしょうか。
「トゲゾーこうら」が飛んでくるのは稀なので硬直時間が長くてもまだ良いんですが、本作の場合、普通の攻撃でも真上に浮いてモタつくので頻度が多いんですよね。
ぼくのように下手くそだと2分に1回は食らうのでストレスが大きいです。
せめて移動しながら浮いてほしかった。
ストーリーモードの寒い脚本
ストーリーモードの脚本は寒いなと思いました。
コミカルなノリは良いんですが、茶番なのかと思ってしまうほど話が脱線するんですよ。
例えばギルガメッシュが登場する時はみんな声を揃えて「誰?」とボケたり。
1回くらいならまだしも、2回も3回も同じような展開が続くので、やりすぎだと思いました。
「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターが勢揃いしたり、大人が喜びそうなパロディやメタフィクションネタがあったり、フルボイスだったりと見どころは多いんですけどねぇ。
正直なところ、ストーリーモードのイベントシーンは3分後くらいに流し見したくなりました。
問題があるオンラインの仕様
オンラインの仕様は問題があると思いました。
プライズレベルが上がりやすくなったり、ラグがなくなったりと改善はしていますが、まだ不満があります。
まず、エラー落ちの確率がそこそこあるのは困りました。
特にチョコボGPモードの3戦目か4戦目にエラー落ちがあるとね・・・。
それと、メニュー画面がソーシャルゲームみたいなのも抵抗があります。
実際に課金をする必要性はそこまでないとは思いますが、ログインボーナスとか、レベルアップのブーストとか。
スマホのソーシャルゲームで見られる要素をお構いましに入れているので、課金をしてほしいのかと邪推してしまいます。
チョコボGPのレビューまとめ
「マリオカート」の影響を大きく受けたレースゲーム。
光る部分もありますし、遊べなくはないんですが、色々とケチが付いてしまって惜しいことになってます。
特にマーケティング戦略を根本からミスっているのは致命的だと思いました。
PS「チョコボレーシング」にハマった大人が主な購買層なのに子供っぽくしていたり(ストーリーとかタイトル画面の歌とか)。
買い切り型のゲームなのにソーシャルゲームっぽいメニュー画面にしたり。
一番支持されている層の期待を裏切りまくっているので、実際の内容以上に酷評されてしまった印象です。
本作の発売一週間後にはSwitch「マリオカート8 デラックス」の追加コースが配信されましたし、色々と不遇な作品です。
マーケティング戦略をミスった惜しい作品。
こんな人には特におススメ。
・コミカルレース好き。
こんな人にはおススメできない。
・短気な人。
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