エンカウント
RPGで移動画面から戦闘画面に変化する流れの事を指すゲーム用語です。
エンカウントのタイプは大きく分けて2つ存在します。
1つはシンボルエンカウント。
フィールド上に敵が表示されていて、触れると戦闘画面に移行するタイプです。最近のRPGは大抵このタイプですね。
もう1つはランダムエンカウント。
フィールド上には敵が表示されず、一定の距離を移動する事でランダムで戦闘画面に移行します。
最近はほとんど見られませんでしたが、Switch「オクトパストラベラー」では珍しく採用していました。
シンボルエンカウントとランダムエンカウント。どちらを採用するのかは作品に寄りますが、それぞれに長所と短所が存在すると思うんですよね。
本記事ではその辺りに関して語っていきます。
まずは敵が見えるシンボルエンカウントについて!
シンボルエンカウントの長所
その1:自分の好きなタイミングで戦闘を開始できる
シンボルエンカウントだとフィールド上に敵が表示されています。
という事は触れさえしなければ戦闘が開始されないので、自分の好きなタイミングで行えるんですね。
フィールドによっては全く戦闘を行う事なく目的地まで進む事が可能で、探索や冒険に没頭することができます。
その2:ちょっとしたアクション性を持たせられる
フィールド上に敵が表示されているという事は、パッと見はアクションゲームと大差ありません。
だからこそアクションゲームと同じような要素を盛り込めることができると思うんですよ。
分かりやすいのが武器を使っての先制攻撃。
フィールド上で自由に武器を振れる設定にして敵に当たり判定を持たせたらアクションゲームのようなゲーム性を持たせる事が可能になり、新しい面白さを生み出せます。
その3:モンスターを眺める楽しさがある!
フィールド上に敵が表示されているという事は、戦闘時は見られない生態を眺めることができます。
作品によっては生活感のある動きをしている事もあり、ランダムエンカウントでは実現出来なかった観察する楽しさを生み出すことができるんですね。
この要素を掘り下げていけば「写真コンテスト」なんてサブイベントも作れるので、遊びの幅が広がります。
シンボルエンカウントの短所
その1:ダンジョン攻略が淡白になってしまう恐れがある
シンボルエンカウントは自分の好きなタイミングで戦闘を開始出来ます。
そこは良い点でもあると思うんですが、諸刃の剣でもあると思うんですよね。
例えばダンジョンによっては1回も戦闘をせずにボス部屋まで行けてしまうこともあるでしょう。
でも、それって面白いのでしょうか?
個人的にダンジョンはゲームの山場だと思うので、ある程度の苦労を感じられた方が充実感や達成感が生まれて良いと思うんですよね。
じゃあ敵に触れて戦闘をすれば良いじゃん?と突っ込まれそうですが、ゲームによっては戦闘自体が苦痛だったり、リターンが少なかったりして避けたくなる時があるんですよ。
その2:開発者が想定したゲームバランスから外れやすくなる
前述の通りシンボルエンカウントだと敵を避けながら先に進むことができます。
しかし、RPGは敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルを上げていく仕組みになっているのでそのまま進むのは危険です。
ボスどころか道中のモンスターともまともに戦えなくなり、開発者が想定したゲームバランスから外れやすくなってしまうでしょう。
以前訪れたエリアに戻ってレベルの低い敵と戦えば解決しますが、戻される事への苦痛を味わってしまいます。
僕の場合、シンボルエンカウントでは敵を避けながら進む事が多いので、よくこのパターンに遭遇するんですよね~w
その3:モンスターの配置を考えないといけない
シンボルエンカウントではモンスターの配置をよく考えないといけないと思います。
例えば狭い通路に沢山のモンスターが居たらプレイヤーの邪魔になってしまいますから・・・。
ゲームによっては「このダンジョンでは最低○回戦闘をしてほしい」という開発者のエゴを押し付けられて狭い通路にモンスターが配置されていることもありますが、それをやられたら「じゃあランダムエンカウントで良いんじゃないの?」と突っ込まれる恐れがあり、評価の低下にも繋がると思います。
その4:ゲームジャンルが曖昧になってしまう恐れがある
フィールド上で敵が見えます!
フィールド上でも武器を振ってモンスターに先制攻撃が出来ます!
これらの特徴は一見すると利点にも感じられますが、ユーザーに誤解を与えかねない要素だと思うんですよね。
つまり、アクションゲームとRPGの境界線が曖昧になり、どうやって楽しめば良いのか分からなくなってきます。
例えば上記の要素を取り入れながらもコマンドバトルにしてしまうとリアリティの面でチグハグ感が生まれてしまうし、だからといってリアルタイムバトルにするともはやRPGではなくアクションRPGになってしまう。
しっかりとゲームのコンセプトを固めてユーザーに伝えないと理想と現実が乖離してしまい、評価の低下に繋がってしまいます。
続けては敵が見えないランダムエンカウントについて!
ランダムエンカウントの長所
その1:開発者が想定したバランスで楽しみやすい
ランダムエンカウントは敵の姿が見えておらず、一定の距離を歩くことで強制的に戦闘が開始されます。
目的地までに行う戦闘の数は多少前後するとは思いますが、大体は開発者が想定した回数になると思われます。
前述の通りRPGは敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルを上げていく仕組みになっているので出会った敵とまともに戦えば想定したバランスで楽しみやすくなると思うんですよね。
もちろん、戦闘から「逃げる」という選択肢もありますがw
その2:緊張感を生み出せる
もうすぐダンジョンの出口だが、体力が残り僅かだぞ!?
全滅したら入り口からやり直しじゃないか!?
そんな状況の時はエンカウントしない事をただひたすら祈りながら出口に向かうものだと思います。
敵の姿は見えておらず、出口までに戦闘が始まるのかどうかは運次第。
こんな状況に陥ったら心臓がバクバクしますが、このような緊張感はランダムエンカウントだからこそでしょう。
ランダムエンカウントの短所
その1:強制的に戦闘をする事になる
ランダムエンカウントの場合、強制的に戦闘が始まります。
長いことゲームをプレイしていると「今は戦闘をしたくない」という気分の時は必ず訪れるので、強制させられるとストレスを感じる事があると思うんですよね。
例えば全員のHP/MPが少ない状態で強制的に戦闘が開始されたら・・・w
その2:ダンジョンの探索が億劫になる
ダンジョン内には沢山の宝箱が設置されているものです。
しかし、ランダムエンカウントの場合は探索すればするほど戦闘の回数も比例して多くなるので、探索が億劫になりやすいと思います。
ゲームによってはエンカウント率を下げる手段が用意されている事もありますが・・・
その3:ちょっと進んでエンカウントした時の絶望感
ランダムエンカウントの場合、運が悪いと数歩進んだだけで戦闘が始まる事もあります。
特に昔のゲームだとエンカウント率が高く、イライラしたものです。
個人的には最低15マス進むまではエンカウントしないで欲しい。
全体のまとめ
以上!シンボルエンカウントとランダムエンカウントの長所と短所を語ってみました!
それぞれに長所と短所が多数存在するので、RPGはそれらを理解して作らないといけないんですね。
移動画面と戦闘画面。言ってしまえば2つのゲームを交互にプレイしている事になるので、ユーザーにストレスを感じさせないよう上手く調和させる必要があるんだと思います。
利便性という点ではシンボルに軍配が上がるんですが、ランダムエンカウントの緊張感もそれなりに好きだったりします。
個人的に面白いのが両方を使い分けている世界樹Ⅳ。飛空挺から射出できる食物で敵の気を引いたり、共食いを誘発させたりと、凄く”冒険”らしさを演出できていると思います。