どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2020年8月に発売されたPS4/Switch「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスター」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。
懐かしくて面白い!
のですが、マルチプレイの仕様、もう少しなんとかならなかったんですかね?
本作は2003年に発売されたゲームキューブソフトのリマスター版で、新たにオンラインのマルチプレイ要素などが追加されています。
ゲームキューブ版ではオフラインのマルチプレイしか実装されておらず、人数分のゲームボーイアドバンス本体などが必要になるなど、ハードルが非常に高いものでした。
それだけにリマスター版でオンラインのマルチプレイができるようになったと知った時はテンションが上ったんですけどね。
残念ながらぼくが望んでいた形にはなっておらず、痒いところに手が届いていません。
結局、ソロプレイ中心でクリアしてしまいましたw
キラリと光る部分もありますが、リマスター版でも磨き切れておらず、もう少し頑張って作ってほしかったです。
ただ、リマスター化されるにあたってグラフィックのクオリティは大幅に向上しており、雰囲気ゲーとしての魅力はアップしました!
ですので、問題点は山積みではあるものの、なんだか嫌いになれない作品です。
ここからはそんなPS4/Switch「ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスター」について詳しく語っていきます。
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- ステージクリア型のアクションRPG。
- リマスター化されるにあたってグラフィックのクオリティが大幅に向上した。
- 新たにオンラインでの協力プレイにも対応した。
初リリース日 | 2020年8月27日 |
対応ハード | PS4/Switch |
ジャンル | アクションRPG |
売上 | 初週7.9万本 |
推定クリア時間 | 12~18時間 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
協力プレイが楽しい!
協力プレイをウリにしているだけあってみんなとダンジョンを攻略していくのは楽しいです!
見下ろし型の協力プレイ型アクションRPGは今の時代、あまり珍しくありませんが、本作では独特なシステムによって共闘感を高めています。
代表的なのが「クリスタルケージ」。
本作のダンジョンでは瘴気と呼ばれる毒の空気が漂っており、入るとジワジワとダメージを受けてしまいます。
しかし、「クリスタルケージ」の周辺だけは瘴気の影響を受けないので、ダンジョン内では誰かが持ち運ぶ必要があるんですね。
持ち運び係は攻撃ができないので、一見すると退屈に感じますが、一方では移動の主導権を握っているのも確かで、役割分担が楽しく感じました。
マルチプレイの醍醐味といえば、合体魔法も忘れてはいけません。
リマスター版の場合、「パイルメーター」のシステムが追加。
それぞれのプレイヤー画面でメーターの色が付いている部分を針が指したときに魔法を発動させると成功になる仕様になりました。
リマスター版ではオフラインでのマルチプレイに対応しておらず、オンラインのみ対応なので、ボイスチャットでの意思疎通を行わないことも多くあります。
それだけに「パイルメーター」のシステムが追加されたのは嬉しいです!
マルチプレイの人口を増やそうとする試み
本作はステージクリア型のアクションRPGで、オンラインに接続しての最大4人での協力プレイが特徴となっています。
でも、この手のゲームって発売から時間が経つとオンライン人口が減ってしまい、協力プレイを楽しみにくくなってしまいがちですよね?
その点、本作はオンライン人口が過疎らないようにするための対策を取っています。
特にそれを感じられたのがクロスプラットフォームに対応し、Switch版、PS4版、iOS版、Android版。
それぞれのユーザーがマルチプレイを一緒に楽しめることです。
リマスタータイトルとは言え4機種マルチで発売し、それぞれのユーザーと楽しめるようにするとは気合が入っています。
発表から発売までの期間が長かったことから察するに、新作のオンラインゲームを立ち上げるのと同じくらい大変だったんじゃないでしょうか?
オンライン人口が過疎らないようにするための施策としては、「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター Lite」の配信も挙げられます。
これは無料体験版ではあるんですが、物凄い太っ腹なんですよ。
なんと、体験版であるにも関わらず、製品版のユーザーと最大13ダンジョンまで一緒に遊ぶことができるんです。
あくまでも製品版のユーザーがホストであること前提の話で、体験版のソロプレイはオープニングから1年目の3ダンジョンまでしかできません。
でも、無料でこれだけ遊べてしまって良いんでしょうかね?w
おそらく、オンライン人口を増やすための施策だと思われるので、製品版のプレイヤーとしても一緒に遊べる相手が不足する可能性が減るので有り難く感じます。
グラフィックのクオリティが大幅にアップ
リマスター版ではグラフィックのクオリティが大幅にアップしています。
解像度が上がったおかげでボケボケしていた映像がクリアになったほか、全体的に明るくなり、見栄えが大幅に良くなりました。
見てください!
「ファイナルファンタジー」シリーズではお馴染みのモルボルもこんなにも美しくなっています!
ぼくはゲームキューブ版をプレイ済なので、リマスター版を初めてプレイした時はあまりの変わりっぷりに驚きましたよ。
ちなみに3Dポリゴンのモデリング自体はモルボルだけではなく他のキャラクターもほとんど手を加えていないようです。
でも、元が良いので2020年のゲームを基準にしても普通に美しく感じました。
いやぁ2003年にこのクオリティの3DCGが作られていたとは・・・今、思うと凄いことですね。
また、グラフィックの向上によって世界観の魅力がさらに増した印象です。
本作の世界は素朴でのんびりした感じがします。
ストーリーは「猛毒の瘴気に包まれた世界を救うために旅立つ」という決してほのぼのとしたものではないんですが、
- 4等身の可愛らしいキャラクター
- のびのびとした民族音楽風のBGM
- 中世ヨーロッパ風の街並み
の影響で殺伐とした感じがせず、ガストの「アトリエ」シリーズに通ずる牧歌的な雰囲気が漂っています。
そのため雰囲気ゲー的な魅力もあっただけに、リマスター版でグラフィックが大幅に向上したのは嬉しいです!
コダワリのチューニング
本作はリマスター版で、リメイクではありませんが、その割には細かいところまでチューニングを加えられている印象です。
目玉となるのはオンラインマルチプレイと画質の向上ですが、それ以外にも
- 高難易度ダンジョン
- ものまねシステム
- キャラクターボイス
- 種族・装備品・アイテム
- 主題歌とBGMの再録
といった感じで追加要素や改良点が多く、さすが発表から発売まで時間を掛けただけのことはあります。
個人的に良いと思ったのが、高難易度ダンジョンの追加です。
高難易度ダンジョンとは言っても既存のダンジョンをベースに
- 敵配置の変更
- 敵キャラクターの強化
- BGMの変更
といったアレンジしたような感じで、全くの新規ダンジョンではありません。
ですが、クリアすることで新武器・アーティファクトが入手できるなど、本作をより長く楽しめる要素ではあるので有り難く感じます。
あと、「ものまね」システム。
こちらはストーリーに登場するサブキャラクターの見た目でゲームをプレイできる新要素なんですが、イベントシーンで操作できるキャラクターを動かせるのは新鮮に感じました。
「ものまね」システムを解禁するには各地に隠されたモーグリの穴を見つけ、スタンプを押して貰う必要があります。
スタンプの要素はゲームキューブ版にも存在したんですが、そちらの報酬はマルチプレイでしか楽しめないミニゲームの解禁でした。
あの要素はソロプレイヤーにとっては虚しかったので、それを廃止して「ものまね」という誰もが楽しめる新要素を加えたのは嬉しいです!
惜しいところ
マルチプレイの仕様が人を選ぶ
冒頭でも触れたように、本作のマルチプレイは人を選ぶ仕様となっています。
理由は複数あって、1つめは同じユーザーと続けて異なるダンジョンを一緒に冒険できない仕様であることです。
最近のオンラインゲームって一度マッチングしたら同じユーザーとステージ1、ステージ2と続けて遊べるのが当たり前になってきていますよね?
一方、本作の場合、部屋を解散しないと異なるダンジョンを選択することができません。
ということは友達と遊ぶ時も別のダンジョンをプレイしたい場合、いちいち解散しなければならず、非常に煩わしい仕様となっています。
できれば解散せずにダンジョンからダンジョンへ行けたり、街の中を一緒に歩き回ってチャットを楽しめたら良かったんですけどね。
アップデートによって同じエリア内のダンジョンに限れば続けて選択することができるようになりました。 |
2つめは、みんなで協力してダンジョンをクリアしたとしても、部屋を作ったホストしかストーリーが進まない仕様になっていることです。
野良でプレイする場合、アイテム集めとか、手助けが目的の方も多いでしょうから、それでも問題はないと思います。
が、友達と一緒にストーリーを進めたい場合、この仕様はどうなんでしょうか?
3つめはサーバーが安定していないことです。
2020年8月29日時点ではマルチプレイを選択肢したら「混雑している」などの表記が出てきてなかなか始められません。
また、なんとか部屋を立てられたとしても時間内に人が来ない場合も多くあります。
4つめは有料ダウンロードコンテンツとして配信されている最強武器がマルチプレイでも使えてしまうということです。
ということはですね、もし、最強武器を持っている人とマッチングした場合、難易度が大幅に下がってしまいます。
サクサク進めた方が嬉しい時もあるとは思いますが、みんなと力を合わせて困難を乗り越えたい場合、アッサリに感じてしまうかも知れません。
このように本作のマルチプレイは人を仕様となっており、近年発売された協力プレイ型のアクションRPGと同じような感覚で手を出すのはおすすめしません。
今のゲームはアップデートで問題点を解消できるようになってきているので、人気があるうちに改善してほしいです。
マルチプレイ前提のゲームバランス
「マルチプレイができなくてもソロプレイで良いじゃん?」
なんて思われる方も出てきそうですが、本作のゲームバランスはマルチプレイ前提となっており、ソロプレイのゲームバランスはキツくなっています。
例えば魔法攻撃を発動する場合、詠唱時間が発生し、魔法を発動したい箇所にカーソルを合わせなければなりません。
何故、こんな仕様になっているのかと言うと、合体魔法という要素があるからです。
合体魔法は仲間とタイミングを合わせて魔法を発動した時に発動し、通常よりも威力が高くなったり、珍しい効果が現れます。
上手く決めるには一緒にプレイする人と息を合わせないといけなかったので、共闘感が高まる要素でした。
しかし、ソロプレイでは対象のキャラクターにカーソルを合わせる地味な作業になりがちです。
終盤になると明らかにマルチプレイを前提とした敵の配置となり、1人で太刀打ちするのが難しくなってきます。
絶対にクリアできない!
ってほどではありませんが、完全に1人でプレイする場合、「ダークソウル」を代表とする高難易度アクションRPGみたいになってきますw
実際、本作のソロプレイって「ダークソウル」のように高難易度だったりしますから・・・。
ボスは固いので長期戦になりがちですし、ラストダンジョンへ挑むには非常に難しい謎を解かなければいけません。
謎解きのヒントはイベントシーンで見られますが、ぼくは見逃してしまい、めちゃくちゃ遠回りしましたw
今の時代に合わないテンポ
本作は元が17年前のゲームなので、今のゲームと比べてテンポがゆったりしています。
特にそれを感じられたのが、ワールドマップでの移動です。
ワールドマップでは高速移動ができず、行き先を選択した場合、ゆっくりと馬車が進みます。
そして、ランダムでイベントが発生し、その場合、1~2分ほどイベントシーンを鑑賞することになります。
イベントシーン自体はコメディ色が強く、ほのぼのしているんですが、突発的に発生するので明確な目的を持っている時は足止めに感じてしまいがちなんですよ・・・。
また、別のエリアへ移動する場合、瘴気ストリームというエリアを越えないといけないんですが、ここを越えるのが面倒だったりします。
というのも瘴気ストリームを越えるには各エリアでクリスタルの属性を変更するというパズルを行わなければいけないからです。
その関係であちこち移動しなければならないんですが、前述の通りワールドマップでは高速移動ができず、ゆっくりとしか進めないのでテンポがさらに悪化しています。
そんなテンポの悪さにさらなる拍車をかけるのがロード時間。
リマスター版の場合、ゲームキューブ版よりもロード時間が長くなっており、画面暗転時は10秒以上待たされますw
それ以外にもダンジョン潜入時はどんな場所なのかが語られるナレーションが入るなど、ゲームパートをなかなか開始することができません。
17年前の家庭用ゲーム市場は演出過剰だったのでまだ許されていましたが、今の時代はテンポが求められてきているので、時代にそぐわなくなってきました。
Switch版はローカル通信非対応
ゲームキューブ版ではGBAを使ったオフラインでの協力プレイができました。
ということは携帯機でもあるSwitchではローカル通信ができるんじゃないか?
と思われる方も出てきそうですが、残念ながら対応しておらず、オンライン協力プレイしかできません。
スクエニによると
開発の都合上、オフラインかオンラインのどちらかを選択する必要があり、より多くの方に遊んでいただけるよう、今回はオンラインマルチプレイを選択した
とのことです。
オンラインマルチプレイが残念な仕様であるだけに、ローカル通信ができたら良かったのですが・・・。
FFCCリマスターのレビューまとめ
目玉となるオンラインマルチプレイが人を選ぶ仕様となっており、痒いところに手が届いていません。
オフラインでのローカル通信を廃止し、ソロプレイではキツいゲームバランスなだけに、ここは頑張ってほしかったです。
現状では思い出の作品をソロプレイで楽しめるというニーズしか満たせておらず、みんなが期待していたであろう、ハードルが高かったマルチプレイを気軽に楽しめるようになった!
というニーズは満たせておらず、勿体なく感じます。
ただ、リマスター化されるにあたってグラフィックのクオリティが大幅に向上し、雰囲気ゲーとしての魅力はアップしました。
当時、ゲームキューブ版を楽しまれた方は美しくなった世界を冒険するだけでもテンションが上がるでしょうから、当時の思い出を振り返りながらソロプレイを楽しむのも悪くはありません。
マルチプレイの仕様は残念だが、雰囲気ゲーとしての魅力はアップ!
こんな人には特におススメ。
・オリジナル版を当時楽しんでた人。
こんな人にはおススメできない。
・快適なマルチプレイを楽しみたい人。
・せっかちな人。
・ストーリー重視の人。
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Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
本記事の動画版
評判が良ければいつか買ってもいいかなー、と思っていたんですがあまり評判がよくないみたいですね… スクエニさんには国産RPGを牽引してくれないと困るんですがね…
ホスト以外のストーリーが進まないのは買わなくてもコバンザメでほぼクリアしてしまうからではないだろうか。
まぁその他の仕様も含め、今時には苦しいスタイルではあるやも知れんな。
スマホ版は操作性をもう少しどうにかして欲しかった。
Switchは集まってWi-Fiで良かろう。
PS4と画面4台やGCメモカ+GBA4台+ケーブル4本よりは敷居が低いだろうて。
正直、ホストしかストーリーしか進まない問題や同パーティで別ダンジョンに行けない問題は改善されることは無いと思います。
この2つの問題の根幹は馬車の移動中のイベントが発生しないことになります。各イベントはマップ移動で発生するので移動が必須となりマルチだとストーリーが無い味気ないものになってしまいます。またこれはラスダンに行くためのヒントのイベントまで完全に発生しないのでいつまでもラスダンに行けなくなることに繋がります。
では同じ馬車で移動したら良いのか?となりますが各プレイヤーのイベントの順番での問題が出てしまいます。年数が違う人同士でパーティを組んだ場合、プレイヤーによっては同じイベントをもう一度見る、イベントが飛ばされ順序がおかしくなる問題が出てしまいます。
ffccリメイクは楽しみにしていた身として色々と考えてみましたが、正直マルチの部屋問題はそういうものと割り切るしかないと思いました。