【レビュー】メテオス(DS) [評価・感想] 面白さの本質を理解するまでの誘導方法が貧弱な人を選ぶ良作!


メテオス/DS

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2005年3月に発売されたDS「メテオス」のレビューをしていきます。

本作は「星のカービィ」「大乱闘スマッシュブラザーズ」の桜井政博さんがゲームデザインを担当し、「スペースチャンネル5」の水口哲也さんがプロデュースした落ち物パズルゲームです。

両者が手掛けたことからさぞ凄い作品になると思うことでしょう。

実際、ゲーム自体の面白さは確かなものでした。

しかし、心から「面白い!」と感じるまでの導線が貧弱に感じられ、意外と人を選ぶ作品だったりします。

言ってしまえば典型的な売れない良作。

そんなDS「メテオス」の良いと思った点からまずは書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 降ってくるブロック(メテオ)の色を縦横3個以上揃えていく落ち物パズルゲーム。
  • 揃えたメテオの塊は打ち上がっていき、重いと徐々に落ちてくる。
  • 徐々に落ちてくるメテオの塊を再び同じ色に縦横3個以上揃えると二次点火となり勢い良く打ち上がる。
初リリース日 2005年3月10日
対応ハード DS
ジャンル パズル
推定クリア時間 30分(1周)
売上 初週2.2万本
発売元 バンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)

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良いところ

ブロックを打ち上げていく新感覚のパズル

一般的な落ち物パズルゲームは降ってくるブロックを揃えて消していくのが基本となっています。

例えば「ぷよぷよ」の場合は同じ色のブロック(ぷよ)を縦横に4個揃えて消していくのが基本ですよね?

同ジャンルの「ドクターマリオ」や「コラムス」も同じような感じでした。

ところが本作の場合、降ってきたブロックを揃えても消えずに空高くへ打ち上がるんです!

これは落ち物パズルゲームとしては真逆の発想だと思います。

他のパズルゲームと同じくブロック(以下、メテオ)が最上段まで積み上がるとゲームオーバーになってしまうので、そうならないようどんどん打ち上げていきましょう!

メテオを上下にズラして入れ替える楽しさ

もう1つ「おっ!」と思ったのが、降ってくるメテオを操作出来ず、落ちたとしても左右に入れ替えられないこと。

プレイヤーが行えるのは落ちてきたメテオを上下に入れ替えることだけなので、一般的な落ち物パズルゲームと比べて不自由な操作となっています。

しかし、この操作システムだからこそメテオを揃えて打ち上げていく楽しさを感じられました!

本作では同じ色のメテオを縦横に3個以上揃えることで打ち上がっていきます(打ち上がるのは揃えた列のみ)。

が、沢山のメテオが積まれていると完全には打ち上がらず少しずつ落ちてくるんですね。

そんな時に効果的なのが二次点火!

打ち上がったメテオ(の塊)が少しずつ落ちている時も上下に入れ替えることができるので、すかさず同じ色のメテオを3個以上縦か横に揃えてみましょう。

すると、前回よりも勢い良く打ち上がって行くんです!

このように本作はメテオを上下に入れ替えていくだけなのに素早い判断が必要になり、落ち物パズルとしては新感覚の体験を味わえるようになっています。

惑星によって大きく変わるゲームプレイ

各ステージの舞台となる惑星は複数存在します。

例えば地球にそっくりな「ジオライト」。熱いマグマが流れる「ファイアム」。大洋の惑星「オレアナ」等など。

面白いのが、惑星によってゲームプレイが大きく変わること。

各惑星はそれぞれ重力や広さが異なるのでメテオが落ちる速度や画面の広さが変化します。

そのため惑星が変わったら前回と同じセオリーが通用するとは限りません。

さらに面白いのが、惑星が変わることで背景だけではなくメテオや効果音も変化すること。

メテオのグラフィックは惑星によっては隕石っぽいものもあれば簡略化されたキャラクターっぽいものもあります。

効果音に至っては惑星の世界観を反映させたようなアレンジがなされている場合もあるので、その拘りようには驚かされました。

この辺りは効果音に拘っている水口哲也さんがプロデュースした作品らしいですね。

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惑星がプレイアブルキャラクター化する斬新な対戦システム

一見すると惑星ごとに落下速度や広さが変化するのはステージにバリエーションを持たせるためのように感じます。

ところが対戦モードではそのステージがプレイアブルキャラクターのような役割を果たすんです!

というのも対戦モードでは各自好きな惑星を選ぶことになるから。

前述の通り惑星によってゲームプレイが大きく変わるので、プレイヤーによって得意不得意が生まれます。

効率良くメテオを打ち上げられる惑星もあれば逆もしかりでしょう。

ポイントなのが、打ち上げたメテオは相手の画面に降っていくこと。

なので、対戦モードではいかにして効率良くメテオを打ち上げられるのかが重要になってくるんですね。

このように対戦モードでの惑星は一般的な対戦ゲームで言うプレイアブルキャラクターのような役割を果たします。

まさか、落ち物パズルの対戦モードでステージがプレイアブルキャラクターの役割を果たすとは!?

落ち物パズルのプレイアブルキャラクターって機能面での変化はせいぜいブロックを揃えた時の攻撃くらいなので、ここまで差別化を持たせてくるとは驚きました。

桜井政博さんは「個性と個性のぶつかり合い」が対戦ゲームでの面白さの1つと仰っていますが、その信念はプレイアブルキャラクターに個性を持たせにくい落ち物パズルゲームの本作でも培われています。

リプレイ性を高めている合成要素

打ち上げることになるメテオは様々な色をしています。

実はこのメテオ、それぞれに属性が存在して打ち上げるごとにストックされていくんです!

しかも単にストックされるだけではありません。

ストックされたメテオは素材となり、合成することで新たな惑星・アイテムを生み出すことができるんです!

まさか落ち物パズルゲームで揃えたブロックを素材アイテムにしてしまうとは!?

まずはその発想に驚いてしまいました。

このような素材集め&合成要素によってリプレイ性が高まっていますし、とても理にかなった要素だと思います。

さらに驚いたのが、惑星ごとに降ってくるメテオの属性が異なること。

ということは色んな属性のメテオを集めるために色んな惑星でプレイする必要があるじゃないですか!?

なんだか素材集めをしているとパズルゲームなのに探索ゲームをプレイしているかのようで実に不思議です。

アーケードゲーム的な楽しさがある各モード

1人用は大きく分けて4種類のモードが用意されていますが、いずれもアーケードゲーム的な楽しさがありました。

例えば「スタートリップ」では連続でステージをクリアしていく形となっています。

しかし、難易度が高いモードの場合は分岐要素が存在し、条件を満たすことで新しいルートへ行けるんです!

ルートによってエンディングが変化するので、まるでN64「スターフォックス64」のメインゲームをプレイしているかのようでした。

真エンディングを見るには難しい条件を満たさないといけないので何度も周回プレイをする必要がありますよ~。

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惜しいところ

チュートリアルが貧弱で面白さを理解しにくい

ここまで読んでいただけたら分かるように本作は落ち物パズルとしては全く新しいアプローチをしています。

しかし、プレイヤーに「これは面白い!」と心から感じさせるまでの努力が足りないと思いました。

まず気になったのが、チュートリアルが貧弱なこと。

一応「あそびかた」というチュートリアル的なモードは存在しますが、そこでは同じ色のメテオを揃えて打ち上げていくまでしか説明されていないんです。

確かに同じ色のメテオを揃えて打ち上げていくのは楽しいですよ?

でも、それは本作の中ではごく一部の要素に過ぎません。

他にも「惑星によって変化するゲームプレイ」「個性と個性がぶつかり合う対戦」「メテオを集めての合成」など本作の楽しさは沢山あります。

にも関わらず「あそびかた」ではこれらの要素には触れておらず、基礎基本しか説明されていませんでした(説明の表現方法は桜井イズムが詰まっていて分かりやすかったんですけどね)。

さらに困るのが、説明書を読んでも何を楽しめば良いのか分かりにくいこと。

本作をやり込む場合、最終的にはメテオを集めて様々な惑星やアイテムを合成させることが目的になってくると思います。

説明書ではそういったアドバイスが記載されておらず、初心者から中級者になるための役割を果たせていません。

長時間プレイしたくなる要素が欠けている

ある程度プレイしたら本作は一種のハクスラ合成ゲーであることが分かると思います。

その段階まで来たらリプレイ性の高さを感じて長時間プレイしたくなりましたが、それまではすぐにプレイを止めてしまいました。

何故ならどのモードも短時間で終わってしまうから。

「シンプル」ではコンピュータとひたすら対戦するのみ。

「スタートリップ」はステージクリア型で分かりやすいものの1周15分程度。

「タイムアタック」は4種類のルールが用意されているものの長くて1プレイ5分程度。

「チャレンジ」は実質エンドレスモードなものの1プレイ5分以下。

いずれも短時間で楽しめるのは良いんですが、小粒感があります。

それでいてストーリー要素は最低限に留めているのでハクスラ合成ゲーなのに気が付かないと短時間で止めてしまいがちです。

合成要素にしても新しい惑星やアイテムを生み出す動機付けが弱く、人によってはモチベーションを保てないと思います。

せめてチュートリアルが分かりやすかったらなぁ。

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全体のまとめ

こんな落ち物パズルがあったのか!?

思わずそう言いたくなるほど落ち物パズルとしては新しいアプローチの作品でした。

なので、この企画を考えた桜井政博さんは改めて天才だと実感しましたね。

惜しいのが、面白さの本質を理解するまでの誘導方法が貧弱なこと。

せっかく斬新なルールの落ち物パズルなのにゲームモードやナビゲートの関係で面白さの本質が分かりにくくなっています。

そのため短時間でプレイを止めてしまいがちで勿体なく感じました。

本作の国内売上は約6万本と桜井ゲーの中ではダントツに低いけど、プレイしているとそれも納得してしまいます。

ゲームジャンルの問題もあるとは思いますが、ゲーム自体は面白いので工夫すればもっと売れたのではないでしょうか?

面白いのに売れないゲームの多くはプレイヤーへのアプローチを失敗しているからです。

本作はその典型例と言っても過言ではなく、色々と惜しい作品。

ポテンシャルの高さは感じるので、任天堂の「パネルでポン」みたいにめげずに様々なアプローチで売り出してほしい作品です。

面白さの本質を理解するまでの誘導方法が貧弱な人を選ぶ良作!

こんな人には特におススメ。
・落ち物パズル好き。
・ハクスラ好き。

こんな人にはおススメできない。
・ストーリー要素を求める人。
・すぐに飽きる人。

メテオス/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約10時間

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12件のコメント

このゲームは、dsのタッチパネル操作
が良くて面白かったですね。
ただ、仕様上仕方ないですが、DS画面が小さくて誤操作や、メテオの区別が分かりにくいのが欠点でした。
スイッチを縦画面にして復活して欲しいですね。タッチペン付属で

そうそう、タッチペンだからこその遊びやすさはありましたね。

一応ボタン操作にも対応していましたが、素早い動きが難しかったw

Switchで出すならタッチペンでやりたいですねー

逆に言えばkentさんのレビューを見てから遊べば、楽しむポイントやコツ等も理解した上で遊べると言うことですね。

遊んだ事は無い作品ですが変な棒人間のキャラがなんか好きです。
空きが出来たら遊んでみようかなぁ

そうですね、この記事が参考になったら嬉しいです!

棒人間みたいなキャラクター、良いですよね~。

なんというか言葉でうまく表現出来ないようなコミカル感があります。

桜井ゲーで今作が一度も遊んだことがないゲームです。
DS時代のときは妙に高くて買わなくて、(というか自分の中で¥1,500以下になるまで買いたくないって意地があった( ̄▽ ̄;))3DS時代の頃はプレミア化してて中古での出会いがなかったこととDSのゲームが時代遅れって印象で全然巡り会えませんでした。

横井軍平さんが任天堂を退社したあとに作ったWSの「GUNPEI」のような魅力を感じるので、いつか現行機でDLされたらやってみたいですよ。

こーなったら桜井ゲーをコンプリートするしかありません!

ぼくは運良く安値で入手出来ましたが、出荷本数は多くないのでやや入手が難しいかも。

ファミコンスタイルのゲームなので今の時代にマッチしていない部分もありますが、評価出来る点は多いです。

カービィやスマブラとはまったく異なるジャンルであるにもかかわらず桜井イズム全開でしたよねw
シンプルさと奥の深さを兼ね備えていたり、惑星ごとに個性が強烈なところはスマブラやエアライドにそっくりでした。

桜井さんにとっては悔いの残る作品だったそうで、レビューのとおり面白さへの誘導が弱いことを言っていたんだろうと思います。
それでも私はDSソフトのなかでベスト5に入るくらい好きなんですけどね。

カービィやスマブラをプレイしていたらひと目で「桜井ゲーだ!?」と感じられるところが凄いですよねw

それだけ桜井イズムは強烈なんだと思います。

そうそう、桜井さんはメテオスに悔いがあるようですが、具体的な話は聞いていないんですよね。

おそらく、記事で挙げたような点だと思っていますが。

楽しみ方さえ分かってしまえば定期的にプレイしたくなる良作だと思います♪

メテオスはゲーム性自体は非常に面白かったのですが、プレイ時間を短くする要素が盛り込まれていたのが残念でした。
あとCMで西城秀樹さんが歌っていたのも印象的でした。

磨けばまだまだ光りそうなので、また大々的に売り込んでほしい作品です。

TVCMは知りませんでしたが、あの西城秀樹さんが歌っていたんですか!?

懐かしいですねメテオス。はじめて遊んだDSソフトがこれだったんですよ、何故かこのソフトに強く惹かれたんです。
単なるパズルゲームでない、隕石をうまく生かしたゲーム要素は斬新でした。惑星それぞれに異なる特徴があって点火するとすぐに飛ばせる星もあれば、連続点火しなければ十分飛ばせない癖の強い星もあり、さらにメテオの種類や落下速度なども差別化されていて、どの星も個性が引き出されているゲームプレイは楽しかったです。
星人たちもユーモアとデフォルメが上手く調合したデザインは良かったですね。個人的にはグランネスト星人が一番好みでした。

本作が初のDSソフトでしたか!?

A・Tさん、良いセンスをしていらっしゃる。

パズルゲームを隕石に見立てるとは驚きましたよ。

後付なのかも知れませんが、ゲームデザインにピッタリハマっています。

惑星ごとの差別化は見事でした。世界観やゲームプレイが変わるのはもちろん、対戦でも個性と個性のぶつかり合いが楽しめましたからね~。

星人たちのデザインは可愛くて良いですよね。もっとグッズ展開しても良いかなーと思いました。