

オカルティック・ナイン/PS4(通常版) / (限定版)
オカルティック・ナイン/PSV(通常版) / (限定版)
2017年11月に発売されたPS4/PSV/Xbox One「オカルティック・ナイン」を今回はレビューします。
PS4/PSV/Xbox One「オカルティック・ナイン」はオカルトを取り扱ったまとめブログを運営している我聞 悠太(がもん ゆうた)が主人公のアドベンチャーゲームです。
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
- テキストを読み進めていくのがメインのアドベンチャーゲーム。
- 主人公はまとめブログの管理人。
- 更新するブログ記事によってストーリーが変化する。
初リリース日 | 2017年11月9日 |
対応ハード | PS4/PSVITA/Xbox One |
ジャンル | アドベンチャー |
推定クリア時間 | 15~25時間 |
売上 | 初週1.0万本 |
発売元 | 5pb. |
目次
良いところ
ブログ運営によって変化するストーリー
今やインターネット上でスッカリ定着したブログ。
本作の主人公、我聞 悠太(がもん ゆうた)はブログのアフィリエイトで大儲けして楽するのを夢見ている少年だけあって、話の発端はブログ記事からでした!
ある程度ゲームを進めるとブログで公開する記事の内容を決められるんですが、そこでの選択によってストーリーが変わっていきます。
これはブロガーにとっては非常に共感できるものでした。
現実のブログ界でも公開した記事の内容によってその後の運命が変わることってあると思います。
記事を公開することで読者からコメントが付き、内容によってはその後も交流する事になるでしょう。
それを突き進めていくとコメント欄でのやり取りを飛び越えて現実世界でブロガーと読者が会い(いわゆるオフ会)、新しいストーリーが芽生える事もありえますからね。
かくいう僕も1つの記事を公開した事によってその後の運命が大きく変わったと感じたことはありますので、本作のゲームシステムには共感出来ましたし、それをゲーム性に組み込むのは素晴らしいと思いました!
しかもブログネタを収集するシステムも用意されていて、日常会話からネタになるワードを拾っていく要素も存在しますから!
拾えるワードは9個まで。ストーリー分岐に大きく関わってくる重要なものからどうでも良いものまで幅広く存在するので、取捨選択していく楽しさがあります。
とは言え「シムシティ」のように細かいパラメーターやシステムは存在せず、ストーリー分岐に絡むのは序盤の行動のみでゲームシステムとしては簡素なものです。
が、ブログ運営をゲーム性に組み込んだ作品は未だに見たことがないのでブロガーとしてはこのようなゲームに出会えて嬉しいです!
ユーザーインターフェースはPS4/PS3「ペルソナ5」に酷似したデザインを採用。
白黒でスタイリッシュなキャラアイコン、斜めに傾いた文字、ゴシック体フォント、漫画チックなキャラクターウインドウなど、PS4/PS3「ペルソナ5」がノベルゲー化したのかと錯覚するレベルで似ています。
参考に、こちらがPS4/PS3「ペルソナ5」のゲーム画面です。ね?そっくりでしょ?
親近感を持てる世界観や設定
本作の舞台は現代の日本で、主人公はまとめブログの管理人です。
この点だけでも2017年を生きるブロガーとして親近感を持てますが、ゲームを進めていくと出るわ出るわ身近なワードが!
コメント数、アクセス数、アフィリエイト、管理人、炎上、リンク等など。
普段から親しんでいるワードが続々と出てくるので、すんなりと世界観に入っていけます♪
しかもストーリーはニコニコ生放送、Twitter、5ちゃんねる、フェイスブックなどインターネット上のSNSを中心に進んでいくのだからますます現実世界とのギャップが埋まりました。
特に親近感を持てたのが、ブログ記事のコメント欄に投稿された1件のコメントが話の発端になるところ。
思わず「あるある!」と言いたくなってしまい、妙に納得してしまいました。
主人公の設定も妙にリアル!内気な性格で早口言葉のうえ、ブログのアクセス数を稼いで将来はアフィリエイトで生計を立てようとするとはw
価値観も今の若者を上手く表現していて、例えばテレビ番組を見ている人に対して「動画サイトで似たような動画を見た方が面白い」という旨の発言をしてきます。
ステレオタイプかもしれませんが、さとり世代やまとめブロガーの実態を上手くアニメ風のキャラクターに落とし込んでいてリアリティがありますね。
まあ、非リア充な主人公の周りに美少女が集まってくる事から徐々にそういうリアリティは無くなっていきますが!w
実は物凄い凝っているミステリー&オカルト描写
このように設定こそは色物感がありますが、実は本作。物凄い凝ったミステリー&オカルトものだったりします。
実在する都市伝説をいくつも取り入れていますし、オカルトを科学で証明してきますから!
実際にはどうなのか分かりませんが、霊的な描写も専門的な科学用語で伏線回収してくるので説得力があります。
「シュタインズ・ゲート」などの科学アドベンチャーシリーズにも言えることですが、志倉千代丸さんが書かれるシナリオは非常に設定が細かく、奥深いですね。
これも沢山のストーリーものに触れたからこそできる芸当だと思います。
ちなみに本作はオカルトも題材にしていますが、ホラー的な描写はそれほどでもありません。
同じ志倉千代丸さんが手掛けたPS4/PSV/Xbox One「カオスチャイルド」と比べたら控えめで、ホラー系が苦手な人でも比較的遊びやすいと思います。
どちらかと言うとミステリー要素の方が強い印象で、ある時、不可解な出来事がいくつか発生しました。
それまでは話が大きく進まず、退屈だったんですが、オープニングムービーが挿入される頃には様々な謎が出てきて夢中でプレイしてしまいましたね。
ヒロインの胸が大きすぎる!
そして!ヒロインの胸!!!
パッケージに写っている成沢 稜歌(なるさわ りょうか)は驚くほど大きな胸を持っていて、ゲーム中でも強調されています。
キャラクターは立ち絵で描かれているんですが、胸の部分だけモーションポートレートを導入してプルンプルン揺れるんです!
主人公も彼女の大きな胸には大きな魅力を感じているようで、メロンなど別の物に見立てて心の中でデレデレ発言をしてました。
まあ、僕は巨乳にそこまで魅力を感じていませんがw
そんな成沢 稜歌は超天然娘。主人公と会話が成立しているのか怪しいくらいの電波発言を頻繁に放ち、しかもブログ運営を手伝う事になっているのにそれらしい事は全然しません。
傍から見たら何故、この2人が良好な関係を保てるのか疑問に感じるくらいですが、その伏線も最後には回収されます。
個人的に合わない&気になったところ
水で薄められたストーリー
ストーリーは設定こそ凝っていますが、展開自体は水で薄められている感じが全体的にします。
まず、思ったのがストーリーのエンジンがかかるスピードの遅さ。
序盤はまとめブロガーと巨乳電波少女、オカママスターの3人による日常的な会話から始まり、カオス過ぎる会話の流れに置いていかれてしまいます。
しかも主人公が放つ心の声を丁寧にテキストとして流してくるため進行速度も遅く、話はなかなか進みません。
それに加えて本作にはいくつかの分岐ルートが存在するんですが、それぞれに重複ポイントが多く、細かい違いはあれど全ルートを攻略するとなったら同じような展開を何度も見させられて水増しを感じてしまいました。
全ルートクリアまで25時間前後ですが、1クールの30分アニメで済ませられるのを見て分かるように大まかなストーリーは短めです。10時間もかかりません。
ところでゲーム版に合わせて2016年放映のアニメ版もチェックしましたが、こちらは登場キャラがマシンガントークを繰り広げてゲーム版とはテンポが全く違う!w
速すぎて逆に付いていけないレベルですが、事前にゲーム版をプレイしてから視聴すると2周目をダイジェストで楽しんでいるような感じで面白いです。
消化不良で分かりにくい
全体的に消化不良で、トゥルーエンドを見終わった後も疑問に思うところがありました。
ストーリー自体は少し感動的なところもありますが、完全にスッキリする事はなく、もう少し綺麗に終わらせても良かったと思うんですが・・・
アニメ版は尺の都合で消化不良になるのは無理も無いと思うけど、ゲームというメディアは尺の制限が無いだけに描けるところは全部描いても良かったと思います。
一応、ゲーム版だけのオリジナルエピソードを追加し、アニメとは違ってストーリーが分岐するようになっていますが、前後の繋がりが強引でかえって分かりにくくしている部分も見受けられました。
そういう意味で隠し要素として存在するミニアニメ「マスターマストマーダー(通称MMM)」をスカイセンサーで探す遊びも蛇足に感じます。
ミニアニメは5分程の長さで全30話用意されていますが、トゥルーエンドを見るにはすべてを最後まで見なくてはいけません(早送りも出来ます)。
本作のストーリーを最後まで楽しむには必須と言える要素なだけに、強制的にミニアニメを本編の途中で見させられるのはどうかと思いました。もう少し上手く本編と絡ませて欲しかった。
「マスターマストマーダー」は主人公が好きなアニメで作中にも何度か名前が出てくるので、そこを掘り下げたかった気持ちもわかりますが。
ちなみにミニアニメは割り箸に貼られたイラストを活用した人形劇のような感じで、キャラクター同士の掛け合いがメインでした。
全体のまとめ
ユニークでリアリティある主人公の設定やヒロインの巨乳をエサにした本格的なオカルトもの。
非常に設定が細かく、感心させられる部分もあり、あまりのリアルさにニヤリとしたり、不可解な展開が気になって夢中でプレイした時もありましたが、色々と惜しい作りに感じました。
とは言えブログ運営をゲーム化した作品は非常に珍しく、ブロガーとしてはたまらない作品です!
主人公が運営しているブログは正確にはまとめサイトで当ブログとは運営方針が全く異なりますが、それでもいくつか共感できる部分がありました。
このゲームをプレイするとブログ運営をする人の気持ちが少しは分かるかも!?
巨乳をエサに本格的なオカルト系の物語を楽しめるブログ運営アドベンチャー!
こんな人には特におススメ。
・オカルト&ミステリー好き。
・まとめブロガーの気分を味わいたい人。
こんな人にはおススメできない。
・インターネット社会に詳しくない人。
・テキスト中心のゲームが苦手な人。
オカルティック・ナイン/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約25時間
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
コメントする