
ラジアントヒストリア/DS
2010年11月に発売されたDS「ラジアントヒストリア」を今回はレビューします。
DS「ラジアントヒストリア」は二つの時空、過去と未来を駆け巡り歴史を紡ぐ物語のRPGです。
目次
良いところ
時間移動を活かした謎解き
一見するとレトロなRPGに見えるDS「ラジアントヒストリア」。
確かに土台はクラシックRPGではありますが、時間を移動できるシステム・ストーリーによって新しい楽しさを生み出していました!
ゲームを一定の所まで進めると先へ進めなくなりますが、その場合はもう一つの世界、もしくはその世界の過去で何らかの行動を起こせば未来が変わり、先に進めるようになります。
本作にはこのように時間移動を活かした謎解きも用意されていて、しかもストーリーと直結しているのでゲームに介入した感を味わえました。
言ってしまえばアドベンチャーゲームのWii「428~封鎖された渋谷で~」などで見られたタイムチャートシステムをRPGに持ってきたような感じですね。
タイムトラベル物のストーリー
ストーリーも素晴らしいと思いました。
前述の通り本作では過去と未来、2つの時空を行き来することができるんですが、それぞれに様々な伏線が張られているので先の展開が気になるようになっていたり、意外な事実が明らかになったりします。
僕はRPGではストーリーが面白いと思った事はそこまで無いのですが、本作の場合は常に楽しむ事が出来ました。
また例えに出してしまいますが、Wii「428~封鎖された渋谷で~」のストーリーが好きだったら楽しめるかもしれません。
独自のシステムを採用した戦闘システム
戦闘システムはオーソドックスなコマンドバトルを採用しています。もちろん、単なるコマンドバトルではなく、独自のシステムも搭載していました。
特に印象的だったのが、攻撃を当てると敵を1マス動かせる「グリッド」システム。
これを上手く利用すると一ヵ所に敵を固める事が可能で、近接攻撃でもまとめてダメージを与えることができるんです!
パーティメンバーの攻撃順序を確認し、どのように敵が動くのかを予測して行くのはパズル的な楽しさがあり、コマンドバトルに新たな風を吹き込んでいます。上手く敵を1ヵ所に固めて倒せた時は爽快ですよ~。
懐かしさを感じるグラフィック・BGM
グラフィックは懐かしさを感じられました。
本作のグラフィックは2Dのドット絵と3Dポリゴンを合わせた物になっていますが、SFCのRPGに近い雰囲気で、BGMも下村陽子さんによる幻想的な物になっているので、新作だけど、どこか懐かしい気分を味わうことができます。
言葉で表すと1990年代中盤の古き良きRPGって感じですかね。ストーリーやBGMが良いのでその印象を強く感じます。
惜しいところ
魔法攻撃が強過ぎる
他のRPGでもよくあることですが、全体的に魔法攻撃が強過ぎると思いました。終盤では魔法攻撃ばかりを使ってしまいましたね。
そのせいでMP(マジックポイント)がすぐ無くなるので回復するアイテムを大量購入する必要があって、全体的に戦闘面のバランスがちょっと悪い気がしました。
急激に上がる4章の難易度
4章に入ってからは敵が極端に強くなるので2時間ほどレベルを上げていました。
それ以降は極端に難易度が上がる事は無かっただけに、なぜあそこだけ極端に難しくなったのか謎。
アクションゲームで急激に難易度が上がるのはアクセントとして良いけど、RPGの場合はレベル上げを強いられるから好きじゃありません。
ストーリーがごっちゃになる
タイムトラベル物のため、ストーリーはややこしく感じました。
プレイヤーは過去や未来だけでは無く、正伝、異伝と言う2つの世界を行き来する事になるため主人公たちの状況がごっちゃになり、少しでも間を開けてプレイするとキャンプメニューのストーリーで自分の状況を把握する必要が出て来ます。
この辺はゲームシステム上、仕方が無いんですけどね。
終盤で見られたコピペダンジョン
終盤のダンジョンには同じような形のフロアが何度か出て来たので、少し手抜きに感じられました。
開発費の関係でダンジョンにはそれほど力を入れられなかったんでしょうが、コピペは止めて欲しかった。
立ち絵が存在しないキャラクター
開発費の影響からか、立ち絵なしのキャラクターがいました。
脇役だったら良いんですが、ストーリーの重要な場面に出て来るのにもかかわらず何人か立ち絵無しのキャラクターがいたんですよね。
昔のRPGでは立ち絵が無かったとは言え、ストーリーに関わって来るキャラクターの立ち絵はちゃんと作って欲しかった。
足音がうるさい
動画を見たらすぐに分かると思いますが、フィールドを歩く時の足音がうるさいです。
これは慣れの問題ですが、やっぱり最初は違和感を持ってしまうと思います。
全体のまとめ
全体的にはストーリー重視の作りですが、そのストーリーがゲーム性と直結しているのでRPGではゲーム性重視の僕でも楽しめました。
王道のRPGではありませんが、日本のRPGが好きな人は楽しめると思います。ストーリーで遊ぶタイムトラベルRPG!
こんな人には特におススメ。
・ストーリー重視のRPG好き。
・タイムパラドックス式のアドベンチャーゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・テキストが多いRPGが苦手な人。
ラジアントヒストリア /お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約30時間
この作品大好きです。横幅のある二頭身ドットがよく動くのって久しぶりでしたので。
たぶん魔法攻撃が強いのについては物理攻撃で敵を集めて魔法及びアトの地雷で一掃するみたいなバランスを想定したのではないかと。
このゲームはレベル上げした記憶はないです。というか戦闘が結構楽しいので気づいたら適性レベルになってたかと思います。
足音とかバランスとかある程度ネタ要素があるのも含めて印象深いですね。BGMも最高ですし。あぁまた熱が復活しそうだ…リメイクでプレイヤーが増えて欲しい…自分の琴線に完全にマッチングしたゲームかもしれない。