
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園/PSP
ダンガンロンパ1・2 Reload/PSV
2012年7月に発売されたアドベンチャーゲームPSP「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」。
口コミで人気が広がったPSP「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の続編として発売された作品ですが、最後までプレイしてみたところ、前作をさらに上回る素晴らしい出来でした!
本記事では本作をネタバレ無しでレビューしていきます。
目次
今度の舞台は南の島!
前作では学園内が舞台でしたが、今回は南の島が舞台となっていました。
舞台が一気に開放的になったと言う事で移動システムは前作から一新。
前作は3DダンジョンRPGやFPSのような一人称視点での移動でしたが、今作では横スクロールのマップ移動を採用しており、前作のような一人称視点での移動も一部にはあります。
行動範囲は前作と同じく徐々に広がるようになっており、最終的にはかなりの広さになりますが、前作にあったワープシステムは健在で移動速度自体も最速だとかなり早いので、移動の面での不便さは感じられません。
南の島で始まるコロシアイ生活
舞台が南の島!と言う事でトロピカルであまーい物語が展開されると思いきや、そこはダンガンロンパ!実際には恐怖のコロシアイ生活が待ち受けています。
南国のリゾート地「ジャバウォック島」で修学旅行をする事になった「希望ヶ峰学園」の生徒16名はひょんなことから島に閉じ込められ、コロシアイ生活をする事になるんです。
つまり、島から脱出するためには他の生徒を誰にも気が付かれずに殺さなければならず、殺人事件が発生したら学級裁判をしなければならないと・・・。
前作以上に強引な展開で最初は「おいおい・・・」と思うんですが、最初の殺人事件が発生してからは前作のように背筋が凍る恐怖に襲われました。
本作に登場する生徒たちは、みんな非常に個性的だったりします。
3枚目のネタキャラだったり、面倒見が良かったり、元気過ぎたり、天然だったり、上品だったり・・・。
多くの生徒が憎めない魅力的なキャラクター性を持っているんですが、そんな生徒たちでも生き残るために殺人を犯すんです。
殺される生徒、殺した生徒は、毎回予想外だったりします。
この人はお人よしだからそんなことはしない。
この人は物語のキーパーソンっぽいから殺されたりはしない。
そんなお約束は、このゲームでは通用しません。メインヒロインに見えようが、登場シーンが多かろうが、容赦なく消して行きます。
最終的に生き残るのは誰なのか?そして、最後に待ち受けている黒幕は誰なのか?先に進めば進むほど謎が深まり、気になってどんどんプレイしてしまいます。
最後までプレイした感想としては、当初は予想だにしなかった壮大な物語でビックリしました。
南の島に無理やり連れていかれてコロシアイ生活をするなんてバカバカしいと最初はタカをくくっていたんですが、それにはしっかりと伏線が張られていて、最後には「やられた!」と思いましたね。
↑本作の主人公である日向 創(ひなた はじめ)。
前作の主人公である苗木誠(なえぎ まこと)君とは違って男らしいアウトドア系で、声優は「名探偵コナン」で知られる高山みなみさんだったりします。
↑本作の重要人物の一人である狛枝 凪斗(こまえだ なぎと)。
声優が前作の苗木誠(なえぎ まこと)君と同じ緒方恵美さんで、設定も彼とそっくり。これは何を意味するのか、ずっと気になってプレイしてしまいました。
彼のキャラクター性に関しては、苗木君とは違って怖い。怖すぎる・・・。
このゲームの恐怖の5割は、彼から来ていると言っても過言ではないくらい。
と言う訳で苗木君とは違って苦手なキャラクターです。どこか僕と似ている部分があるから、共感できるところもあるんだけど。
↑個人的に好きなキャラクターその1の七海 千秋(ななみ ちあき)。
おっとりとした顔が癒されますし、何よりこの子は超高校級のゲーマーなんですよ!
と言う訳で彼女の会話にはゲームネタがふんだんに盛り込まれていて、ゲームファンとしては聞いていてニヤリとします。さらに彼女には重大な秘密が隠されているんですが、それを聞いたらちょっと切なくなりました・・・。
↑個人的に好きなキャラクターその2の花村 輝々(はなむら てるてる)。
見た目は3枚目ですが、お調子者のうえに変態で、まるでギャグ漫画の主人公みたいなんです。
そこがギャグ漫画好きとして気に入りました!あと、福山潤さんが声優を担当しているのも魅力的。滑舌が良くて男性にしては高い声が、3枚目キャラのてるてる君と最高にマッチしています!
前作以上にパロディネタが満載!
ダンガンロンパはパロディネタが満載な事でも有名だと思います。
今回もパロディネタは満載で、一番分かりやすいのがモノクマとウサミのやり取りです。
モノクマの声優は「旧・ドラえもん」で知られる大山のぶ代さんなのは今回も同じなんですが、ウサミの声優は「サザエさん」のタラちゃんで知られる貴家堂子さんなんですよ!
つまりドラえもんとタラちゃんが夢の共演を果たし、漫才などを繰り広げるんです!
聞いた事のある2作品の声が混ざり合った展開は非常にカオスで、多くの方が「なんだこれは!?」と言う事でしょう。
そんなモノクマとウサミですが、モノクマは強引にウサミを自分の妹と言う設定にし、名前をモノミに変えてしまいます。
これってどう考えても「ドラえもん」のドラミから取ったパロディでしょw
しかもネズミが苦手とか、タヌキに間違えられたりとか、やりたい放題やっています。
声優を使ったパロディと言えば、主人公の声優が高山みなみさんと言う事で殺人事件の犯人を暴く学級裁判パートではどうしても「名探偵コナン」が頭によぎってしまう。これも完全に狙っていますねw
このように今回も濃いパロディネタが大量に盛り込まれていて、通な人ほどニヤリとする事でしょう。
よりアクション要素が強化された学級裁判パート
前作同様、殺人事件が発生したら事件現場を捜索し、一定時間経過したら学級裁判パートが始まります。
基本的にはノンストップで展開される各キャラクターの議論から矛盾に感じるキーワードをストックしたコトダマを当てて事件の真相を暴いて行くんですが、それ以外にも数多くのミニゲームが用意されていました!
反論ショーダウン
⇒相手の台詞を方向キーやアナログスティックで斬って行き、矛盾となるキーワードがあったら指定のコトダマで斬っていくミニゲーム。相手の台詞はあちこちに移動するのでなかなか斬るのが難しかった・・・。
閃きアナグラム(改)
⇒問題文と文字数から推理してキーワードを一から完成させていくミニゲーム。あちこちから流れて来る文字で同じものを2つぶつけて正しい場所に埋めて行く必要があり、クイズゲームのような内容です。
ロジカルダイブ
⇒チューブ状のステージを進んでいく3Dのスノボ風ミニゲーム。
途中には2択、3択クイズがあって正しいと思う方の道へ進む必要があり、クイズ要素もあったりします。先のステージに進むほど穴が増えて、アクション要素が高くなって何回も奈落の底へ落ちてしまった・・・。
パニックトークアクション
⇒前作にあったマシンガントークバトルの流れをくむリズムアクション風ミニゲーム。
今回はタイミング良くボタンを押すだけでは無く、ボタンを押し続ける必要があって少し難しくなっています。
クライマックス推理
⇒用意された絵柄を事件の流れを再現したコミックの空欄に埋めて行くミニゲーム。
前作とは違って絵柄は4~5つずつ用意されるうえ、空欄や絵柄にはそれぞれ説明が表示されているので前作のような分かりにくさは無くなりました。
このように学級裁判パートでは、前作以上にバラエティに富んだミニゲームをプレイして事件の真相を暴いて行きます。
各キャラクターの発言から矛盾を暴くのは相変わらずさほど難しくないんですが、全体的にアクション性が高まっており、アクションゲームが苦手な人は苦戦するのではないか?と心配するほどです。
特にロジカルダイブは後半高度なジャンプアクションが求められて、アクションゲームが好きな僕でも苦戦しましたから。
前作以上にエンターテイメント性が高い作品
今回のスーパーダンガンロンパ2は、前作以上にエンターテイメント性が高くなっています。
とあるチャプターでは別ジャンルのゲームをプレイする事になりますし、1日が経過すると始まる「モノクマ劇場」も相変わらず捻くれていて面白い。
事件の犯人をお仕置きするムービーシーンもユニークで殺されるハズなのにどこか楽しい。
さらに今回は各チャプターごとに「隠れモノクマ」というものがマップに隠されており、それを探す楽しさも生まれました。
前作にも探索する楽しさはあったんですが、今回はマップ上に直接「隠れモノクマ」が表示されるから、総当たりで探す必要が無くなって本当に探している感を味わえるようになっています。
「隠れモノクマ」を見つけるとゲームの特典をアンロックできるメダルが10枚も貰えるので、探し甲斐もありますしね。
↑こちらは生徒手帳で見られる電子ペット。
ゲームを進める事で成長して行くんですが、一定時間経過するとフンをするのでお掃除する必要があり、プレゼントをあげてご機嫌を取る必要もあります。言ってしまえばたまごっちのパロディ。
↑こちらはモノミが主人公のミニゲーム。□ボタンを押し続けることで発生するラインで敵を囲んで発動させる魔法やジャンプ攻撃で敵を倒して行くウェーブ形式のアクションゲームです。
ちょっと単調で長い事やっていると飽きて来ますが、本編とも繋がる内容で見逃せません。全6ステージを収録。
それ以外にもゲームをクリアするとシミュレーション風のミニゲームや前作のアフターストーリーが楽しめるノベルモードがプレイできるようになり、エンターテイメント性が非常に高い作品となっています。本編だけでも十分なのに、これだけの遊びを詰め込むとは・・・。
ちょっと気になった事
前作の不満点も色々と改善されていて完璧に近い状態になったスーパーダンガンロンパ2。
しいて気になったところを挙げるとするならば、終盤の展開で個人的につまらないところがあったところ。
ネタバレになるので言えませんが、小難しいSFネタを仕込んでくるので少し「ふ~ん・・・」とどうでも良くなってくると気があったんですよね。それでもラストの展開は衝撃的で、全体的には非常に楽しいストーリーでしたが。
全体のまとめ
とにかく盛り沢山な内容のスーパーダンガンロンパ2。
メインとなるストーリーは大どんでん返し満載でプレイヤーは嵌められっぱなしになって魅力的なキャラクターの虜になるでしょうし、学級裁判ではアクション要素が高まって前作以上にゲームらしい手ごたえを感じられるでしょう。
やり込み要素も満載なので、ゲームをクリアしても長く楽しめますしね。前作を超える内容とはよく聞きましたが、まさかこれほど面白いものだったとは・・・。
キャラクターデザインの癖が強く、手に取りにくいところもあると思いますが、実際にプレイしてみると多くのキャラクターに愛着を持つでしょうし、大どんでん返しなストーリーの虜になり、遊び心満載のパロディ、ゲーム要素に感心する事でしょう!
よくハード末期には名作が誕生すると言われていますが、PSPの場合はこの「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」を挙げても良いと思います。それだけの名作です。
舞台やキャラクターは一新されているので前作をプレイせずに今作からプレイしても楽しめるとは思いますが、前作のネタバレが大量に含まれている(しかも前作の物語に対する皮肉も交じっているw)のでその辺は注意が必要です。
一番はPSVITAで発売されている1と2をセットにした「ダンガンロンパ1・2 Reload」を購入する事ですね。
こんな人には特におススメ。
・推理モノ好き。
・パロディ好き。
・ホラー好き。
こんな人にはおススメできない。
・怖がりな人。
・アクションゲームが苦手な人。
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園/お気に入り度【100/100%】
プレイした時間・・・約30時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
ストーリーは前作に劣らずゲーム部分は全てを越えて、前作プレイした人でも各チャプター飽きがこないよういに作られているから文句なしですね。
狛枝凪斗はモノクマの仲間じゃないけど主人公達からしたら敵のようなものでストーリーを大いに盛り上げてくれたのである意味モノクマに匹敵するキャラでした。
惜しむのは大山のぶ代さんが認知症を患ってもうモノクマを演じる事が出来ないので残念ですね。