ラストランカー/PSP
2010年7月に発売されたPSP「ラストランカー」を今回はレビューします。
PSP「ラストランカー」は戦士ランキングで1位になる事が目的のRPGです。製作はDS「セブンスドラゴン」で知られるイメージエポックが担当。
目次
良いところ
ランカーとの熱い戦闘
戦闘はシンプルながらも面白かったです!
本作の戦闘は「ファイナルファンタジー」シリーズのようなATB(アクティブタイムバトル)に近いリアルタイム形式のバトルになっており、数秒で回復するSPゲージを使って通常攻撃やスキル技を繰り出していきます。
特に面白いのがランカー(ランキングに登録されている戦士)戦。
ランカー戦では”ブレイクゲージ”が加わるためどこで回数制限ありのスキル技を使うのか考える必要があり、RPGならではの戦略性が加わってきます。
すべてのスキル技を使い、ギリギリ勝てた時のあの達成感!これはぜひみなさんにも味わってほしいところです。
テンポの良さ
全体的にテンポは良く感じられました。
1戦ごとにかかる時間はモンスター戦の場合かなり短く、ロード時間も短い(しかもメディアインストール対応)。
一度行った事のある場所にすぐワープできる「トラベルマップ」機能も便利ですね。
イメージエポック製のゲームは快適性に気を配っているのがお気に入り。特にRPGでは快適性って凄く大切ですからね。
自然に上がるレベル
RPGと言ったらレベル上げ。本作の場合モンスターを倒さなくてもランカー戦に勝利すれば自然と”適正レベル”になるため、快適にゲームを進める事が出来ました。
この点は好みが分かれそうですが、遊びやすさを追求していると言う事で個人的には評価したいですね。
厨二病全快の各キャラクター
全体的に厨二病のキャラクターが多く感じられました。
これは本作のターゲット層に合わせてだと思うんですが、ここまでやられると清々しさを感じられて笑えます。
個人的には「せんぷぁーい」が口癖のベイガーがめちゃくちゃ印象に残りました。
その他にも挑発が好きなヤンキー系キャラが多数登場して、感情を表に出さない主人公と言い男子中高生が好みそうなキャラクターが続々登場します。各キャラの肩書もカッコつけ過ぎで面白いw
クオリティの高いキャラモデル
キャラクターモデルのクオリティは高く感じられました。
PSPで6等身のキャラクターをポリゴンで丁寧に描くってなかなかすごい!動きも生き生きとしていて力が入っています。
ただ、その分フィールドが狭く感じられたが残念。アジアンテイストの世界観は好きなんですけどね。
全体的にフィールドよりもキャラクターにリソースを割いている印象で、イメージエポックのJRPGらしいです。
惜しいところ
モンスター戦のつまらなさ
本作の戦闘は大きく分けて2つあります。1つはランカー戦。もう1つはモンスター戦なんですが、こちらは面白くありません。
モンスター戦の場合はブレイクゲージがなくなって”ゴリ押し“が通じてしまうんですよね。
ランカーとの戦いに比重を置いた作品とは言え、これじゃあ”RPGのお約束”としてとりあえず入れてみた気がしてなりません。
先ほども書いた通り本作はマップに潜むモンスターを倒さなくてもランカーを倒していけば自然とレベルが上がるので、モンスター戦は別に無くても良い気がしました。
モンスターの種類も少ないですし、これからプレイされる方はモンスター戦はあくまで”おまけ”と認識しておく事をおススメします。
ランカー戦もややパターン化してしまう
一方ランカー戦にも問題はあります。
ランカー戦自体は凄く面白いのですが、ほとんどのバトルで「相手のブレイクゲージをゼロにしてスキル技を使用する」という戦法が通じてしまい、ややパターン化してしまうのが残念でした。
せっかくスキルチップによるカスタマイズや4つバトルスタイルが用意されているのに、それを活かしきれていないのが惜し過ぎる!
自由度の低さ
自由度は低く感じました。ランキング戦で1位になる事が目的の本作ですが、戦えるランカーはあらかじめほとんど決まっており、ストーリーはほぼ一本道で進行します。
しかも寄り道要素がほとんど存在しません。自由度の高い海外産のRPGをやった後だと窮屈に感じます。
戦闘終了後に体力などが回復しない
戦闘終了後は基本的に体力が回復しません。
ランカー戦ではスキル技を”一戦一戦”限界に近い所まで使用しないと勝てないバランスなのにも関わらずです。
本作のマップは非常に狭く、すぐに回復エリアに行けてしかもトラベルマップでワープが出来てしまうので、これだったら戦闘終了後に全回復する仕様にしても良かったような?
戦闘終了後に体力などが回復しない事による”難易度の上昇”を感じられませんでしたからね。
あと、困ったのがランカーやボスモンスターとの戦闘が始まったら逃げられない事。
うっかり中途半端な体力のまま戦いに挑んでしまったら高確率で負けてしまうので、リトライ画面で体力回復を行って再戦という二度手間になってしまいますから・・・
回復アイテムの存在意義が無くなってしまいそうですが、戦闘終了後は素直に体力などが全回復する仕様にした方が良かった気がします。
スキルチップがはめ込みにくい
スキルネストと言う画面で手に入れた”スキルチップ”をはめ込むことができるのですが、スロットが斜め向きの為少々操作がややこしく感じました。
斜め向きだとカッコ良く感じますが、操作がややこしくなるので普通にしてほしかった。
消化不良のストーリー
全体的にランクが上がるスピードが速く、少々ストーリーが駆け足気味のような気がしました。
まるで打ち切りが迫っている少年漫画のようなノリ。
あと、公式サイトでは主人公が旅立つ前の話が小説として掲載されていますが、これはせめてゲーム中に別モードとして収録してほしかった。
全体のまとめ
ランカーとの戦闘は一部を除いて非常に熱く、中盤以降は夢中でプレイしてしまいました。快適性の高さも評価したい。
しかし、新規作の為か粗も多く、そこを改善したらもっと化けそうな気がしました。
とにかく「惜しい!」という言葉が似合う作品。ボリュームも6,000円の割にはイマイチ。磨けば光る作品に感じられたので、ぜひシリーズ化してもっと面白いゲームになって欲しいところです。
快適でコンパクトな作りだが、全体的に洗練されていない惜しい作品。
こんな人には特におススメ。
・今時の中高生。
・戦闘重視の人。
こんな人にはおススメできない。
・海外産の自由度が高いRPGに慣れている人。
・厨ニキャラが嫌いな人。
ラストランカー/お気に入り度【65/100%】
プレイした時間・・・約30時間
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
あともう一歩といったところですか…
でも、こういった新規の作品がもっと出てくれると、ゲーム業界も盛り上がりますよね(^^)d
ラストランカーは色んなところが惜しいですよね。
自由度の高さを嫌でも期待してしまう設定だけに、一本道だったのは残念でした。
ランカー戦も敵の強弱が激しい印象を受けました。
敵によって4つのスタイルを使い分けないと苦戦するくらいが丁度いいのに、いかにブレイクするかが肝になっちゃいました。
今年で一番磨けば光ゲームだったと思います。
主題歌とはなんだったのか…
>マージさん
面白い作品だったんですけどね。
1作目と言う事で、色々な部分が削りでした。
ですが当初は地雷臭が漂っていたので、
そう考えるとコレでも頑張った方ですw
>紙屋さん
主題歌は期待していたんですけど、
使い方が残念でしたねw
本当に磨けば絶対に
神クラスのゲームになっていた気がする。
ぜひ、改良を重ねた続編を出して欲しいところです。
でも当初懸念していた地雷ゲーじゃなかったから良かったですよ。
5,990円はちょっと高過ぎだろ!って気がするけどw
相変わらずレビューに説得力がありますね!
説明を見る限り、モンスター戦は本当にいらないような気がしました。テンポがいいのは評価したい。RPGだとテンポは凄く重要だと思いますので。
しかし自由度がないのは痛いなー。RPGには寄り道要素がないと個人的には物足りないんですよね。
イースのレビューも楽しみにしてます!
>リベンジャーさん
ありがとうございます。
プレイしていない人にもちゃんと
伝わっているのか不安でしたが良かった・・・。
モンスター戦が空気なので、
この作品は国産のRPGらしさがあまりありませんでしたね。
イースのレビューも絶対書きますので期待していてね!
実はやってたのでコメントしますね。
普通に面白い、以上の表現は絶対無理だなと思います。グラもシステムも特にストレス無くできるしストーリーもそれなりに面白いけど荒が変に多いというか。PSPの新作ゲームによくあった雰囲気のゲームでしたね。
キャラを自分の部屋に呼び出すってシステムがあるんだからボイスを入れてほしいとか、チップが斜めでややこしいとかもう少し練り込めただろ、とは思います。
「せんぷぁーい」はパートボイスで「せwwwんwwwぷぁーいwww」みたいなウザさが凄く残ります笑
ありがとうございます!このゲームもしっかりプレイされていたんですね。
最初はクソゲーの予感が漂っていたので、これでも期待以上でした。
イメージエポックの中では良作の部類でしょうね。
練り込み不足なのは嫌でも感じてしまいました・・・
「せんぷぁーい」は今でも耳にこびりついていますよw