1996年12月に発売されたPS「クラッシュ・バンディクー」を今回はレビューします。
PS「クラッシュ・バンディクー」はバンディクーのクラッシュが活躍する奥スクロールアクションゲームです。
目次
良いところ
奥と横を行き来する斬新なステージ構成
本作はステージクリア型のアクションゲームです。
特徴的なのが、横スクロールステージの他に奥スクロールアクションステージも存在する事。
キャラクターやステージが3Dポリゴンで作られているだけあって本当に奥へ進んでいる感じを味わう事が可能で、当時としては珍しいゲームデザインに感じました。
「宇宙初の奥スクロールアクションゲーム」と煽るほどではないと思いますがw
でも吊り橋のステージは奥スクロールならではの恐怖感がありますね。
歯ごたえのある難易度
本作はかわいい見た目とは裏腹に意外と難易度が高いです。
奥スクロールステージの足場が少ないエリアでは距離感を掴んでジャンプしないと落下死してしまいますし、巨大な岩がクラッシュめがけて転がってくるエリアでは障害物を素早くジャンプで飛び越えていかないとペチャンコにされてしまいます。
ゲーム初心者にはちょっと辛いだろうけど、「スーパードンキーコング」や「ロックマン」と同じくこの難しさがゲームの面白さと直結していると思います。
歯ごたえのあるアクションゲームを求めている人は面白さを感じられるでしょうね。
計算されたステージ構成
ゲームをプレイしている途中、随所で「良く考えられて作っているな」と感心してしまう場面がありました。
用意されているアクションは移動とジャンプ、スピンアタックだけですが、これだけでも退屈にならないようにデザインされています。
奥スクロールアクションである事以外は「スーパードンキーコング」と類似点が多い作品ですが、パクリと片付けられないレベルです。
やり込み要素が面白い
本作はただ単にステージをクリアするだけではなく、ダイヤを集めるやり込み要素が用意されています。
ダイヤはステージに置いてある木箱をすべて壊すなど、ちょっと変わったプレイをすると入手する事が可能。
ただし、ノーミスで木箱をすべて壊してクリアしないといけないのでダイヤを入手する難易度はかなり高めです。ただでさえクリアするだけでも精一杯だと言うのにw
惜しいところ
爽快感がイマイチ
本作はいわゆる洋ゲーであるため、全体的に演出が地味で爽快感に欠けます。
例えばスピンアタックで敵を倒した時の効果音とリアクション。
効果音は地味ですし、敵があっけなく吹っ飛ぶのもなんだか安っぽいです。木箱を壊した時はまずまずの爽快感を得られるだけに勿体ない。
全体的に不親切
全体的に不親切だと思いました。例えばセーブ方法。
本作でセーブをするにはステージに隠されているタウナプレートを3つ集め、手に入れると進めるボーナスステージをノーミスでクリアする事。
僕としてはこっちの方がゲームオーバーになったらエリアの最初からやり直しになるSFC「スーパードンキーコング」シリーズの1作目と2作目のように緊張感があって好きですが、一般の方からすると困った仕様かもしれません。
壊した木箱の数が最後まで分からないのも気になりました。
良いところで挙げたようにダイヤを入手するにはノーミスで木箱をすべて壊してクリアしないといけませんからね。
おかしなアイテムの配置
残機が一つ増えるアイテムが1ヵ所に集中している等、ちょっとアイテムの配置が偏っている気がします。
もう少しバランス良くアイテムを配置したらゲームバランスがもっと良くなると思うんですけどね。
斜めジャンプがやりにくい
後半のステージは足場が悪くなり、ジャンプアクションが要求されるんですが、斜めジャンプがやりにくいです。
本作では視点を変更することができないためカメラを主人公の背面に持っていけないので、時には斜めジャンプが要求されるんです。これをPS1の十字ボタンでやるのは厳しいですね。
全体のまとめ
全体的に不親切で粗が目立つ作品ですが、基本的な完成度は高く感じました。コアなアクションゲームを求めている人にはおススメです。少々不親切な奥スクロールのスーパードンキーコング。
こんな人には特におススメ。
・死んで覚えるゲームが好きな人。
・スーパードンキーコングが好きな人。
こんな人にはおススメできない。
・死んで覚えるゲームが苦手な人。
クラッシュ・バンディクー/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約10時間
シリーズでも難しいと言われる初代ですが、これでも日本版はオリジナルより易しくなるよう手が加わってるらしいですね…
果たしてリメイク版での難易度は、そしてあの矢鱈面倒なセーブシステムはどうなっているのか!
奥スクロールジャンプアクションってもっとジャンルとして確立してもいい気がするのですが、3Dへの過渡期に産まれたからなのかフォロワーが無いのが悲しいところです