【レビュー】ディズニーエピックミッキー [評価・感想] 面白そうな題材を地味な味付けで帳消しにした惜しい作品

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ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~/Wii

2011年8月に発売されたWii「ディズニーエピックミッキー」を今回はレビューします。

Wii「ディズニーエピックミッキー」はミッキーが魔法の筆の力を駆使して、元の世界に戻るための大冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーゲームです。

良いところ

ディズニーの世界観を上手く再現

本作の舞台となっているのは、鏡の先にある世界「ウエイストランド」。

この世界に登場する街やダンジョンはディズニーランドの建物をモチーフにしているのですが、雰囲気作りが上手く、スクリーンショットを見ただけでワクワクさせてくれます。

Wiiソフトにありがちなポリゴンモデルの”粗さ”も感じられず、絵作りに関しては一流と言っても良いくらい。

さらに良いなと思ったのが、ステージとステージの間に用意された往年の名作をモチーフにした横スクロールのアクションステージ!

アクション自体はジャンプと移動、スピンアタックしか使えないのでゲーム的に見ると大した事無いのですが、雰囲気作りが半端無く、ディズニーファンにとっては涙モノだと思います。

特に白黒映画が舞台の横スクロールアクションステージは各作品に登場した脇役たちもステージを歩き回っていて、背景を眺めないと勿体なく感じるほどです。

魔法の筆を使った探索・謎解き要素

3Dアクションステージでは魔法の筆を使うことができます。

使えるのは消えているものを出現させる「ペイント」と、ものを消すことができる「イレーサー」の2つ。

本作にはこの魔法の筆を使った謎解きが沢山用意されているのですが、いずれもちょっとした頭を使うので面白かったです。場合によっては使用する魔法によってその後の展開が少し変わりますしね。

また、半透明になっている物を探して塗ったり、既に存在する壁を消して隠し通路を見つけるなど探索要素があるのも個人的には良かった!

欲を言えばもう少し魔法の筆を使う気持ち良さがあったら良かったと思います。

目的が分かりやすい

目的は分かりやすく感じました。ゲームはクエスト形式で進行し、ポーズメニューでいつでも現在受注しているクエストの内容を確認できるため、久しぶりにプレイしても目的を忘れないように出来ているのは良かったです。

箱庭アクションゲームで目的を忘れてしまう人もこれで安心!

充実のおまけ要素

エクストラ」モードではイラストを見たり、アニメ、ムービーを観賞することができます。

特に良かったのが80年も前の短編映画が2つ収録されている事!

どちらの作品もアニメの本質を感じられる内容で、今見ても色褪せない良さを持っていました。この2作が見れるだけでファンは買いかもしれませんね。

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惜しいところ

退屈なゲーム進行

ゲーム進行は退屈に感じました。良いところにも書いたとおり本作はクエスト形式でゲームが進行するのですが、そのクエストが退屈で長い事やっているとダレてきます。

なぜ退屈なのか?それは大半のクエストが”お使い“だからです。

中途半端の広さのマップをうろついている敵を全滅させたり、特定のアイテムを○個集めたり・・・。

ついでにやるからこそ楽しい要素を”強制的“にやらないといけないのでやらされている感が出てしまいます。これがサブクエストだったらまだ良いんですけどね。

また、ガイド役のグレムリンが必要以上に各ステージの仕掛けをガイドしてくれるので、テンポが悪いです。そこまで親切に色々教えてくれなくても・・・。自分で発見する楽しさがあるからこそ楽しい物なのに。

カメラワークが悪い

カメラは十字キーを使って360度回せるのですが、予想通りやり難いです。

「スーパーマリオギャラクシー」のように十字キーを押すだけでカメラが90度回るようにするとか、気の効いた視点に自動でカメラが回ってくれるとか、工夫次第でなんとかなったハズなのに・・・。

国内版は任天堂の調整があったようなのであまり改善されていなくてガッカリ。

ジャンプアクションが難しい

ジャンプアクションは難しく感じました。何度かジャンプして足場を飛び移って行くエリアがあったけど、3Dアクションゲームが苦手な人には厳し過ぎると思います。

というのも二段ジャンプを前提にした作りで、カメラワークの問題で距離感が掴み辛いですからね・・・

終盤のコースではある程度3Dアクションゲームに慣れている僕でもジャンプアクションに苦戦しました。

ダメージ後の無敵時間が無い

大抵のアクションゲームはダメージを受けた直後には無敵時間が発生します。

でも、この作品にはそれが存在しない。そのため連続で敵の攻撃を食らってあっという間に体力が無くなってしまうなんて事もありました。敵に囲まれた時は凄く理不尽な展開になります。

行動面の自由度が低い

行動面の自由度は低く感じました。

本作は中途半端な広さのマップを歩いてクエストをクリアして行くタイプの箱庭アクションゲームなんですが、大抵は一方通行なので以前攻略したエリアに自分からは滅多に行く事が出来ません。収集アイテムもあるので、これは厳しい。

メリハリに欠ける

クエストが退屈な上に戦闘は爽快感が無く、BGMも世界観の都合上元気が無いためメリハリに欠けます。

また、ボス戦がほとんど無いのもメリハリに欠ける大きな理由。海外ゲームはあまりボス戦を重視していませんよね。

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全体のまとめ


凄く面白そうな題材なのに、海外ゲーム特有の地味さで色々と損をしていると思いました。

世界観の地味さ、スピード感の無さ、テンポの悪さ、操作している時の楽しさ、ゲームを攻略する楽しさ。いずれも個人的にはあまり感じられなかった。

やっている事は「スーパーマリオギャラクシー」とそんな変わらないハズなのに。

比較対象がアレなだけかもしれませんが、アクションゲームとして見たら微妙です。絵作りは良いので、そういう部分を楽しめる方にはおススメなのですが。面白そうな題材を地味な味付けで帳消しにした惜しい作品。

こんな人には特におススメ。
・ディズニーファン。

こんな人にはおススメできない。
・ジャンプアクションが苦手な人。
・3Dアクションゲームが苦手な人。
・お使いが嫌いな人。

ディズニーエピックミッキー~ミッキーマウスと魔法の筆~/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約15時間

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10件のコメント

とりあえずクエストをたくさん受注できる街まで行きましたがこういうゲームは結構好きですね~
kentさんはわくわくしなかったようですがもうなんか世界観が好きすぎてそれだけでわくわくします
お使いとかはあんまり気にしてませんね
動かすだけで面白いと思ったので
ただカメラワークが・・・
なれないと酔いますねこれは・・・
もうちょっと改善して欲しかった
まあ今のところは楽しんでいます

>いつもの名無しさん
横スクロールアクションステージは
ワクワク感があったんですけどね。
本編の3Dコースはちょっと・・・。
詳しくは記事に書いた通りです。
なんというか、海外ゲームの悪い所を
見事に持ってきてしまった作品と言う印象なんです。
これは、他の優秀な3Dアクションを
やりまくってしまった影響かもしれません。
雰囲気に力を入れているので、
世界観が気に入ったら満足できるのかもしれませんが。

確かに、ミッキーとオズワルドの間にある「奇縁」を扱ったストーリーは斬新な切り口で面白いです。
が、故に脇を固めるキャラがトーキー時代のキャラが多く、解説も最小限とよほどのディズニーファンじゃないと置いてけぼりなのも気になりますね。

初期のディズニー好きだったらより楽しめる作品かなぁと思いました。
それはともかく全体的な地味さは受付られなかった。

このゲームは親戚の従兄弟の家で一緒にプレイしたことありますが、確かにクエストやらが多くていまいち乗れなかったですね(;´・ω・)題材は面白いのですけどね…やらされている感が強いと感じました。

トモフミさんもイマイチに感じましたか・・・
これはパッと触って面白い!って感じのゲームではないですよね。

この1の方が、他社発売の2よりもやり易かった感じです。特に、横スクロールステージはストリートとオズタウンを繋ぐステージは日本版のみステージを飛ばせるようになっていたのですが、2ではそれが無いんです!そのせいでいちいちステージを進まねばならず面倒です。特に2では自由度も上がり一度行った場所に何度でも行け、クリア後の世界でも遊べるそうなので尚更です。

僕は2、未プレイなんですよね。
何だかんだ、任天堂ローカライズも秀逸だったということかな。
でも、自由度が上がったのは嬉しい。2Dステージを飛ばせないのは面倒そうですが(^_^;)

Wii Uは何かと色々エピックミッキー2のように評価の低いゲーム、多い印象ですよね。何遍見てみても前の世代機の方が良好過ぎますね。