2008年2月に発売されたDS「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」を今回はレビューします。
DS「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」は3DダンジョンRPG「世界樹の迷宮」シリーズの
ナンバリング2作目です。開発はアトラスとランカース。
慎重さを求められるゲームバランス
本作はオーソドックスのコマンドRPGになりますが、
ゲームバランスは近年の作品にしてはかなり厳しいです。
RPGに慣れていないと、ゲーム序盤で何度もゲームオーバーになってしまうほど。
それだけ敵の攻撃が激しく、有効なパーティ編成をする必要があるのですが、
その分だけ歯応えがあり、昔のRPGに通ずる楽しさを感じられました。

ゲームオーバーの恐怖を味わえる
ゲームオーバーになると、セーブしたポイントからやり直しになります。
にも関わらずセーブは拠点の宿屋でしか出来ません。ダンジョンの中でも中断セーブは出来ますが、
中断セーブファイルは再開時に削除されてしまうためゲームオーバーになった時の保険としては使えず、
ダンジョン探索中に体力やアイテムが少なくなったら引き返す必要があります。
このダンジョンと拠点を行き来する楽しさ、緊張感も昔のゲームっぽくて良いですね!

移動画面と戦闘画面がちゃんと連動している!
多くのコマンドRPGって移動画面と戦闘画面が別々になっているので、
それを良い事に乖離感があったりしますよね。
例えば戦闘が長時間に及んだのに移動画面では時間が経過していなかったりとか。
しかし、本作の場合はしっかりと連動しています。
例えば非常に強いF.O.Eと呼ばれる敵の存在。
本作はランダムエンカウントになるため移動画面では敵が見えませんが、
非常に強いF.O.Eと呼ばれる敵は移動画面でも姿が見えます。
F.O.Eは特定のルートを巡回している者もいれば
プレイヤーを見かける事で襲って来る者もいるのですが、
F.O.Eが近くにいる場所で通常の敵と戦闘する事になった場合、
一定のターン数が経過するとF.O.Eが戦闘に乱入するという要素もあったりします。
ね、移動画面と戦闘画面が連動しているでしょ?
また、逃走時は必ず移動画面で一歩下がる事になる関係上、
壁に挟まれた状態で戦闘が始まると逃走コマンドを使っても逃げられなかったり、
戦闘時のターン数に応じて移動画面の時間が経過していたりして、
こんなところでも移動画面と戦闘画面が連動していると思いました。

キャラクターの育成が楽しい
本作には12もの職業が存在します。それぞれパラメーターの伸びが異なっており、
特殊能力を持っているので、どのようなパーティ編成にするのかを考えるのが楽しいです。
キャラクターは最大30人まで作成が可能で、一度に連れて行けるのは5人まで。
また、パーティ編成では前衛と後衛の設定が可能です。
最大レベルは70ですが、引退をさせる事で生まれるキャラクターはレベル1であるものの
最大レベルの上限が1上がり、再び最大まで上げて引退を繰り返す事で
レベルは99まで上がるという廃人仕様も存在します。
育成好きは何百時間と遊べるでしょうね!

探索&マッピングが楽しい
本作のダンジョンは、25階以上もの迷宮となっています。
それぞれの階は入り組んでおり、初見では迷子になってしまうほど。
マップは1マス単位で下画面に描かれますが、訪れたマスしか描かれません。
そこで役に立つのがタッチペンを使ったマッピング。
ダンジョンマップを予測して描くだけではなく、様々なギミックのアイコンも用意されているので、
昔のゲームでよくやった自分でマップを描く楽しさをゲーム内で味わうことができます。
ちなみにダンジョンは単に迷宮を探索して敵と戦うだけではありません。
専用のイベントが特定の場所・時間に発生したり、
鍵がかかった扉、ダメージ床、落とし穴、ツルツル滑る床、
空中リフトなど様々なギミックが用意されており、
ダンジョンは1つだけとはいえ飽きないように作られています。
ダンジョンは階層ごとに季節が異なっており、最後までプレイする事で四季を楽しむ事が出来ました。
グラフィックはニンテンドーDSソフトとしてはかなりのクオリティ。
視界が狭い事を上手く活かしてニンテンドーDSソフトながらもフルポリゴンのマップを実現しています。
また、BGMも自然の良さを上手く表現していて、難易度の高さとは裏腹に聴き心地が良いです。
難易度が高いゆえに作業的になる
RPGでバランス調整が厳しいという事は、その分だけレベルを上げる必要があります。
なので、敵の攻撃が非常に厳しくなる終盤はレベル上げに要する時間がかなり長くなってしまい、
作業的になってしまいました。RPGの良いところはレベルを上げてゴリ押しできるところですが、
逆に言えば下手であるほどレベル上げの作業が長くなってしまい、途中でダレて来てしまいます。
大作RPGの場合、その作業感を抑えてくれる要素としてミニゲームなどの息抜き要素。
面白いストーリー。様々なロケーションなどが存在しますが、
本作の場合は息抜きできるミニゲームは用意されていませんし、
ストーリーも簡素で特別面白い物ではありません。
ストーリーに関してはゲームブック的な味付けで想像の余地を残しているんですけどね。
ゲームをクリアするまでにかかった時間は、50時間は超えていたと思います。
たった1つのダンジョンをクリアするだけのために何度も拠点に戻り、再挑戦をしました。
確かに歯応えによって恐怖感はありましたが、結局はレベル上げをすれば良いだけなので
プレイヤーの実力で勝てたとは言えないところがあり、そこがモヤモヤしてしまいます。
それでも中盤までは緊張感による楽しさが勝っていたので良い印象の方が強いのですが、
これよりもさらに厳しいバランスだったら作業によって途中で投げてしまっていたかも。
昔のゲームを思わせる歯ごたえを味わえる作品。
育成、探索に特化しているので近年のRPGに慣れていると楽しめないところはありますが、
古典的な楽しさはしっかりと詰め込まれていると思いました。
こんな人には特におススメ。
・歯ごたえのあるRPG好き。
・探索好き。
こんな人にはおススメできない。
・作業が苦手な人。
・育成が苦手な人。
世界樹の迷宮II 諸王の聖杯/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約50時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
※何か分からないゲーム用語を見かけたらこちら をご覧ください。
無印2は5層の22~23階辺りで挫折してますorz
だからこそ思い入れのあるゲームで、
新世界樹2を購入する(した)運びとなりました。
>移動画面と戦闘画面が連動
これは冒険している感があっていいですよね。
(この手のシステムの始まりはいつだったかなぁ。天外ZEROかな?)
時間が立つと冒険者が死んじゃうとかやっちゃたら逆にリアル過ぎますけどw
>50時間は超えていた。
いや、50時間程度でクリアとか十分上手いレベルですよw
>難易度が高いゆえに作業的になる
これは難しいゲーム全ての宿命みたいなもんですよね。特にRPGは。