

聖剣伝説3 TRIALS of MANA/PS4 / Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2020年4月に発売されたPS4/Switch「聖剣伝説3 TRIALS of MANA(トライアルズ オブ マナ)」のレビューをしていきます。
本作はファンタジー世界を舞台にしたアクションRPGですが、「聖剣伝説」の復活を予感させるファン感涙のリメイク作でした!
「ファイナルファンタジー」の外伝作として1991年に誕生した「聖剣伝説」シリーズ。
RPGを主体にアクションゲーム的な要素を加えることで人気を博し、続編の「2」はミリオンセラーを達成しますが、2000年代に入ると勢いを失い新作が途絶えてしまいました。
それから約10年後の2010年代後半。
「1」や「2」のリメイク作が発売されますが、いずれも時代に見合ったアレンジがなされておらず、「聖剣伝説」の復活と言えるほどの出来には感じませんでした。
一方、今回レビューするPS4/Switch「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」は「3」のリメイク作ながらも過去2作で感じた違和感を徹底的に排除して理想的なアレンジがなされていたんです!
その完成度は「聖剣伝説」の復活を予感させると言っても良いほど。
ぼくが「3」をプレイしたのは15年以上前になるので感激しました!
しかし、同時期に発売されたPS4「ファイナルファンタジーVII リメイク」のように多くの人におすすめできる作品なのかと言うと首を縦に振ることは出来ません。
ここからはその辺りも踏まえてPS4/Switch「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」について詳しく書いていきます。
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- 1995年に発売されたSFC「聖剣伝説3」をリメイクしたアクションRPG。
- フル3Dのゲームにアレンジされた。
- 6人の主人公が存在しそれぞれに専用のストーリーが用意されている。
初リリース日 | 2020年4月23日 |
対応ハード | PS4/Switch |
ジャンル | アクションRPG |
推定クリア時間 | 15~25時間 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
目次
良いところ
3Dアクションゲームにすることで過去作の違和感を排除!
1995年に発売されたSFC「聖剣伝説3」。
ファンタジーアクションRPGのナンバリング3作目で、6人のキャラクターから主人公を1人、パーティメンバーを2人選択して計3人の操作キャラクターで冒険を進めていくシステムが画期的でした。
このシステムは「トライアングルストーリー」と名付けられており、選んだキャラクターによってストーリーが大きく分けて3つに分岐していきます。
今回レビューするPS4/Switch「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」ではその辺りもしっかりと踏襲していますが、まず感心したのが過去2作で見られた違和感を排除していたことです。
スーパーファミコン全盛期と違い、今の時代は3Dポリゴンを使っての映像表現が主流となっています。
そのため過去に発売された「聖剣伝説」シリーズのリメイク2作も3Dポリゴンで描かれていたんですが、2Dドットだからこそ許されていた点も無理やり再現していたんです。
オリジナル版と同じ見下ろし型の視点にするのはまだしも、
- エリア移動時の強制スクロール
- 1箇所に固まろうとするパーティメンバー
なんて2Dドットだからこそ許されていた表現まで再現しようとしていたのでB級感が生まれてしまい、戦闘システムも当時のままだったのでシリーズファンが懐かしむ以外の用途で手を出すと高確率で低評価になる作品でした。
開発者の間でも過去2作は反省点が多かったのでしょうか?
Unreal Engine 4で作られた今作は3Dポリゴンで描かれたゲームらしく3Dアクションに変貌を遂げています。
見下ろしの固定型だったカメラはサードパーソン・シューティングゲーム(TPS)のような視点に刷新。
細かい部分まで眺められるようになり、映像表現の文法も2Dドットから3Dポリゴンに切り替わっています。
それ以外にも様々な部分が刷新され、過去作品で見られた違和感が薄れました。
ここからはその辺りについて詳しく書いていきます。
カメラアングルが変わったことで刷新された各要素
リメイクにあたって特筆したいのが、フィールドが刷新されたことです。
全体のスケール感が増し、高低差を持たせることで「聖剣伝説」の世界に浸っている感が増しています。
例えばゲーム冒頭に訪れる「城塞都市 ジャド」はサードパーソン・シューティングゲーム風の視点じゃなければ感じられないほどの高低差を持たせていて、高所からの眺めはオリジナル版では絶対に味わえませんでした。
嬉しいことにオリジナル版では登れなかった家の屋根に登って落下することも可能で、大きな意味はありませんが3Dアクションゲーム的な楽しさを生み出しています。
それ以外のフィールドにしてもオリジナル版と比べて情報量が増している印象で、背景を鑑賞しながら進んでいかないと勿体なく感じました。
「聖剣伝説」シリーズと言えばカラフルなファンタジー世界が魅力なので、これは大きなプラスポイントではないでしょうか?
童話のように色鮮やかで自然がいっぱいなフィールドを探索してカメラをグルグル回せるなんて最高過ぎます!
最近の3Dアクションゲームは映像を描き込みすぎてフォトリアルに傾倒しがちなだけにこの映像表現は貴重です!
戦闘は完全なアクションバトル刷新。
ボタンを押したら押した分だけ攻撃が発動し、魔法攻撃だって避けることができるようになりました。
今のゲームに慣れていると「そんなの当たり前じゃん?」と思われそうですが、オリジナル版の場合、戦闘モードに入ると素早く移動が出来なったんですよ。
さらに敵が魔法攻撃を放つとゲーム内時間が完全停止して避けられないという始末。
全体的にアクションゲームとRPGのルールをお構いなしに盛り込んでいる印象で、プレイしていると違和感の塊に感じました。
一方、今作の場合は素直なアクションバトルに刷新されているので違和感なく楽しめます。
敵の攻撃を回避しつつSPを溜めて必殺技を放つルーティンといい、「イース」シリーズっぽくなりました。
このように本作はオリジナル版から大きく変わっていますが、一方ではオマージュも多数盛り込まれているように感じます。
代表的なのがBGMや効果音。
オリジナル版で使用されていたBGMや効果音を踏襲しているので、懐かしさが詰まっています。
特に旅立ち時に流れるMeridian Child (マーディアン・チャイルド)を聴いた時は胸が高鳴りました!
リングコマンド時のギュイーン、キュキュという効果音も踏襲しています。
この音を聴きながらアイテムなどを選択していると妙に心地良いんですよ。
時々、効果音聴きたさに意味もなくリングコマンドを開いてしまいます。
オリジナル版のオマージュと言えばアイテム屋さんのヘンテコダンスは今作でも再現していますw
このようなヘンテコダンスを3Dポリゴンで描くと違和感の塊になりますが、アイテム屋さんに関しては面白いのでアリなんじゃないですかね~。
というか「聖剣伝説」シリーズって結構コメディな側面も強くって関西弁を喋る精霊が登場したりとやりたい放題やっていたりします。
そういったノリは今作でも踏襲しているので、オリジナル版プレイヤーからしたら何だか安心しました。
フル3D & フルボイス化で魅力が増したキャラクター
登場キャラクターはフル3Dになったことで魅力が大幅に増しています。
特筆したいのが女性キャラクター。
美しいイラストの造形を崩すことなく3Dにアレンジしており、様々な性癖をプレイヤーに植え付けてきます。
胸の谷間や生足を強調させたリースとアンジェラ。
露出を抑えている代わりにロリコンのハートを鷲掴みにするシャルロットなど、ギャルゲーなんじゃないかと思うほど女性キャラクターの造形に力を入れています。
イベントシーンでは彼女たちを間近で眺められるのはもちろん、フルボイスで展開されるのだから溜まりませんw
特にシャルロットは「でち」を口癖に幼い声で話しかけてくるのでロリコンとしては最高のキャラクターに感じます。
オリジナル版と同じく冒頭ではパーティメンバーを6人の中から3人を選択できるので、女好きの方は紅一点にして楽しんじゃいましょう~!
嬉しい追加要素
オリジナル版が発売されたのは1995年になるので、今プレイするとシンプルに感じます。
そのためか今作には様々な新要素が追加されました!
まず「おぉ!」と思ったのがサイドトーク。
本作はマルチストーリーを採用している関係上、キャラクター同士の掛け合いは少なめに感じます。
イベントシーンは用意されていますが、仲間キャラクター同士が絡むことは少ないんですよ。
何故かと言うと冒頭でパーティメンバーを6人の中から3人を選択し、その3人を中心にストーリーが進む仕様となっているからです。
組み合わせとしては20通りになるので、開発工数的に厳しかったのでしょう。
その弱点を解消するのがサイドトーク。
ストーリーの進行フラグを立てると道中でキャラクター同士がボイスのみの掛け合いをします。
おかげで仲間と旅をしている感が少しだけ出てきました!
フィールドにはサボテン君や採集ポイントを追加。
サボテン君は全部で50体が隠れており、5体見つける毎に様々な特典を入手出来ます。
おかげでフィールド探索の深みが生まれ、マップの広さに比例して密度も増しました。
極め付けが追加ストーリーとクラス4!
追加ストーリーは各キャラクターの掘り下げが行われているほか、非常に長いダンジョンの攻略を楽しむことが出来ます。
ダンジョンの大半は既存のフィールドをアレンジしたような感じなので、トライエースのゲームで見られる隠しダンジョンのセラフィックゲートを彷彿としました。
最奥に眠るボスはラスボスよりも手強いので、クラス4へのクラスチェンジは必須と言っても良いほど。
本編のラスボスは現代のゲームを基準にするとややアッサリ感があったので、追加ストーリーをクリアした時の方が達成感は高く感じます。
配慮が行き届いたオプション機能
シリーズファンに「オリジナル版の方が良かった!」と思われるのが怖かったのでしょうか?
今作はオプション機能が充実しています。
例えばBGMはアレンジ版とオリジナル版の2つに分けられているんですよ。
オリジナル版に思い入れがあり過ぎてアレンジ版を受け入れられない人もこれなら安心です。
また、難易度は4段階用意され、クリア後には「強くてニューゲーム」が追加されました。
加えてアップデートによってダッシュ機能を3種類の中から選択できるようになり、1秒間移動したら自動でダッシュできるなんて機能も追加されたんです!
それ以外にも
- 日本語、英語ボイスの選択
- ナビゲートのON/OFF
- BGMや効果音量の調整
- カメラや移動速度の調整
といった感じで様々な項目を変更可能で配慮が行き届いています。
個人的に合わない&気になったところ
良くも悪くもPS2時代のゲームっぽい
ここまで書いたように本作はオリジナル版から様々な変化を遂げています。
しかし、2020年に発売されるゲームの水準に達しているとは思えません。
最近の3DアクションRPGにしてはマップが狭いですし、ちょっと進むだけで画面が暗転しますから。
ゲームシステムも肉付けが行われているとは言え現代のゲームを基準にするとシンプルで、ダンジョンや戦闘にしても単調に感じます。
多くのダンジョンは一本道で、たまに分かれ道があるくらいでギミックもほとんど用意されておらず、基本的にはザコ敵と戦いながらボス部屋へ向かうだけです。
戦闘システムが奥深かったらそれでも良かったんですが、基本は攻撃と回避を繰り返していくだけ。
たまに敵のシールドをガードブレイクで破壊したり宙に浮かんでいる敵をジャンプ攻撃で倒していくシチュエーションも存在しますが、
回避しながらボタン連打して攻撃を与えて必殺技を放って~
という流れの繰り返しなので単調なのは否めず、良くも悪くもカジュアルなアクションRPGという印象です。
イメージ的にはPS2時代に発売されたゲームのリマスター版をプレイしているかのよう。
過去2作と比べたらリメイクの水準は上がっていますが、それでも2世代くらい前のゲームに感じます。
SFC「聖剣伝説3」に思い入れのない場合、古臭いゲームと思うかも知れません。
冒頭でぼくが「多くの人におすすめできる作品ではない」と書いたのはこの点が大きかったりします。
同系統のアクションRPGとしては「イース」や「キングダム ハーツ」シリーズ最新作の方が爽快感があるので、もし、ぼくが新規の方に
と訊かれたら本作の前にこれらの作品をおすすめしますね~。
何だか否定的な流れになってしまいましたが、「聖剣伝説3」のリメイク作として見ると「これで良い」と思うんですよ。
ダンジョンや戦闘が単調なのも元からですからw
グラフィックが描き込まれ、ストーリーが肉付けされ、システムが細分化するのもリメイク作としては正解の1つではあると思います。
しかし、やり過ぎると面白さの本質を失ってしまい、明後日の方向へ流れてしまう恐れもあるでしょう。
本作の場合、その辺りのさじ加減が絶妙で、オリジナル版の良さを残しつつリメイクしているように感じます。
エリア切り替えのロード時間が長い
このように本作は理想的なリメイクに感じますが、1つだけ残念な点があります。
それは、エリア切り替えのロード時間が長いことです。
ぼくはPS4 Proでプレイしていますが、それでもエリア切り替え時には30秒前後のロード時間が発生しました。
PS4 Proでプレイする分には負荷が軽いゲームだと思われるので、それでこのロード時間は頂けません。
聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ(リメイク)のレビューまとめ
「聖剣伝説3」のリメイク作としてはこれ以上ないくらいの正解と言える作品。
実はぼく、「聖剣伝説」シリーズを”ゲーム”として面白いと思ったことはそんなに無く、雰囲気ゲーだと思っていました。
本作の場合、ゲームとしても面白いと言える水準に達しているように感じます。
だからと言って万人におすすめできるクオリティの作品には感じませんが、少なくとも昔「聖剣伝説3」をプレイした方は手に取って損はありません。
これまでリメイク作に恵まれず完全復活とまでは言えなかった「聖剣伝説」シリーズ。
今回は復活と言っても良いほどの水準には達しているので今後が楽しみになってきました!
今作と同じUnreal Engine 4を使って最新作の「5」を発売するのはもちろん、「1」や「2」を再リメイクするのも良いと思います。
どうかこれで終わりにするのではなく、さらなる発展を遂げてほしい。今はそう願っています。
「聖剣伝説」の復活を予感させるファン感涙のリメイク作!
こんな人には特におススメ。
・昔「聖剣伝説3」を楽しんだ人。
・ファンタジー好き。
・RPG好き。
こんな人にはおススメできない。
・最新のアクションゲーム好き。
聖剣伝説3 TRIALS of MANA/お気に入り度【75/100%】
プレイした時間・・・約25時間
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