2008年9月に発売されたXbox 360「インフィニット アンディスカバリー」を今回はレビューします。
Xbox 360「インフィニット アンディスカバリー」はトライエースが贈るアクションRPGです。
当時、マイクロソフトとスクウェア・エニックスの共同プロジェクトとして話題になりました。
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シームレス化を実現!
Xbox 360に特化したRPGだけあって、あらゆる部分がシームレスになっていました!
戦闘時のエンカウントはもちろん、街やダンジョンで扉を開けて別エリアへ行く時のロード時間も皆無!
さすがに全エリアシームレスのオープンワールドではありませんが、
それでもかなりの広範囲をロード時間なしで楽しむ事が出来て当時は感心しました。
ちなみに戦闘システムは「テイルズオブ」シリーズのようなコンボを繋げていくアクションタイプでした。
エンカウントがシームレスなのもあって、感覚的には3Dアクションゲームのようです。
感心したのが、滑らかなモーションと派手な魔法エフェクト。
どちらもPS2時代のゲームでは実現できなかったレベルなので、感心しました。
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王道で色鮮やかなファンタジー世界
世界観はJRPGと最高にマッチしたファンタジー世界でした。
みんなが大好きなドラゴンや剣士がどんどん出て来て、派手な魔法もバンバン繰り出します!
フィールドも色鮮やかな原色で、見ているだけでワクワクしてしまう。
ファンタジー世界にピッタリ合った手書き風の文字フォントや
トライエースのゲームではお馴染みの桜庭統さんによるBGMも雰囲気が出ています。
魔法エフェクトも派手で、ゲーム画面から感じられるワクワク感がすごい作品です。
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シュールで笑えるコメディ要素
ストーリーの方は突っ込み所満載で凡以下だと思いますが、
キャラクターはそれぞれ良い味を出していると思います。
どこか抜けていていじられキャラなカペル。
嫉妬深くておてんばのアーヤ。見た目はカペルそっくりで解放軍のリーダーシグムント。
シグムントの後継者を自称して頑固な性格のエドアルドetc…
ストーリーには時折、現代の漫画やアニメ、ライトノベルで見られるような
ギャグコメディ要素があってキャラクター造形的にミスマッチなところはありますが、
逆にそこで生まれてくるシュールで滑っている感じが更なる笑いを生み出してくれて、
愛すべきバカゲーみたいな感じになっていると思いました。
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お手軽なボリューム
DVD-ROM2枚組の大作RPG!と聞くと重厚長大なイメージですが、
実はそんなにボリュームはありません。早い人は20時間ほどでクリア出来ます。
ディスク2枚組だし本来なら悪い所に書くべきですが、逆に僕は気軽に出来て助かりました。
もちろん長時間遊べる大作を好まれる方が
このゲームをプレイしたらこの部分は個人的に合わない&気になったところになりますけどね。
一応、やり込み要素も充実しているのでやろうと思えば100時間くらい遊べるゲームではあります。
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道案内が分かりにくい
プレイしていて、次にどこに行ったら良いのかちょっと分かりにくく感じました。
キャンプメニューの仲間との会話で次にどこに行ったら良いのかなんとなく分かりますが、
もう少し良い方法は無かったのだろうか?マップもかなり広くておまけに迷いやすいので凄い困る。
ナビゲートとして画面右上にマップが表示されるのは良いけど、
視野が狭いのでほとんど役に立ちませんでした。
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セーブポイントの少なさ
マップが広い割にセーブポイントが少な過ぎるように感じました。
おかげでガッツリプレイしないとゲームを先へ進めることが出来ません。
しかも、このゲームは敵にやられるとゲームオーバーになって
セーブポイントからやり直しになってしまうんですよ。
そのため長時間セーブしないで先へ進んでゲームオーバーになってしまうとエライ事になります。
何度ゲームオーバーになってかなり前に戻されて投げ出しそうになった事か・・・。
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ゲームバランスがイマイチ
ゲームバランスはイマイチに感じました。
なんて言うか、簡単な部分と難しい部分の差が極端なような気が。
ザコキャラとの戦闘は自分が攻撃しなくても味方がバンバン攻撃をして倒してくれるから簡単だけど、
ボス戦は近距離では回避不能な魔法攻撃を放って
初回はほぼ確実にゲームオーバーになるくらい難しく感じました。
この辺はレベルを上げたり、システムをしっかりと理解したら何とかなりそうなので、まだ良いとします。
だけど、死んだ仲間を生き返らせる「奇跡の霊薬」という
アイテムを簡単に入手できる事ですべてをダメにしていると思いました。
このアイテム、ショップでやたらと安く売っていて、99個まで所有できるんですよ。
ボスが強いのもあってゲーム後半はこのアイテムを使って
ゴリ押しで戦いに挑んでしまい、むちゃくちゃでした。
本来ならこんな事をしたくないのですが、
それをやるのが前提のバランスに感じたので仕方がないんです。
倒れても倒れても簡単にアイテムを使って生き返らせるので、
ゲームのストーリー上で起きる「死」のイベントはあまり感情移入が出来ませんでした。
アイテムを使っての味方復活はお決まりとは言え、ここまで多用出来てしまうとねぇ
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ワープができない
マップが広い本作ですが、なんとワープが出来ません!
ゲーム終盤に序盤に訪れた街に行こうとするとわざわざ歩いて行かなければなりません。
グスタフという動物に乗っての移動はできるけど、それでも面倒です。
せっかくシームレス化を実現しているのに勿体ない!
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仲間キャラが多過ぎて消化不良
20時間程度でクリアできる割に、仲間キャラが多過ぎるように感じました。
パーティメンバーは最大4人なのに対し、仲間キャラは12人以上もいます。
同行者を含めたらなんと18人!これだけ多いと全く使う事のないキャラクターが大半ですし、
ゲームを分かりにくくする要因にもなるので仲間キャラはコレの半分くらいでも良かったと思う。
ストーリー的にも各キャラクターを細かく掘り下げられておらず、
しばらくしてからプレイすると「コイツ、誰だっけ」と思うようなのばかりです。
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意味不明な数々のシステム
本作には最後まで意味がよく分からなかったシステムが盛りだくさんです。
コネクトシステム
⇒主人公と仲間をコネクト(接続)することによって
その仲間のバトルスキルを使用することができるというものですが、ほとんど使いませんでした。
街ではサブイベントを発生させる重要なシステムだけど、
仲間が多すぎるためどの組み合わせでイベントが起きるか分かりにくいし、
後半の街は異常なくらい広いのでやる気になれません。
しかもサブイベントを達成させた時のご褒美がショボイし。
奇襲システム
⇒敵に気が付かれず攻撃を当てると様々な恩恵を味わえるというシステムです。
物陰に隠れながら攻撃とか駆け引きができるかと思っていましたが、
そんな構造のダンジョンはほとんど無かったし、
前述の通りゲームバランスが破綻しているので
そんな事をせず普通に戦った方が良いような気がしました。
リフレクト・ドライブ
⇒敵の攻撃に合わせてタイミング良く左トリガーを引くと、
ダメージを受けずに敵の攻撃を弾き出せるというシステム。
一見するとアクション性を高めるシステムで面白そうですが、
ダンジョンでは敵がわんさか出てきてそんな事をする余裕が無くなって来るので全く使いませんでした。
そのため戦闘は全体的にゴリ押しになりがち。この手のゲームによくあるパターンですね。
称号・特性・好み
⇒キャラクターに対する評価や性格、食べ物の好き嫌いがゲームをプレイして行くというシステム。
食べ物なんかなくっても回復アイテムを使えば良いだけなのであまり意味はなく、
単にゲームを複雑にしているだけだと思いました。
クリエイション
⇒素材を組み合わせてアイテムを作ったり、
一定時間キャラクターに特殊効果を付けることができるシステム。
ですが、素材を集めるのに広いマップを
グルグル回っていかなければならないので面倒過ぎて全くやる気になれませんでした。
そもそも、素材を集めて装備を作るよりもお店で買った方が効率良いというオチ。
これ以外にもいくつかの無駄に感じるシステムはありますが、長いので省略!
一応、高難易度なエクストラダンジョンのようなものがあるので
そういうのも含めてやり込んだら必須なのかもしれませんが、
普通にプレイしていたら必要には感じませんでした。
ゲームシステムはトライエースの集大成とアピールしていただけに、
とにかく色んな要素を詰め込んでいる作品。
だけど、ゲームクリアまでが短いために開発者が意図した面白さを見つけにくく、
ゴリ押しのアクションRPGに感じてしまいがちです。
システムを無駄なくらい複雑にした消化不良な作品。
こんな人には特におススメ。
・トライエースならではのギャグが好きな人。
・複雑なゲームシステムを覚えるのが好きな人。
こんな人にはおススメできない。
・快適性を重視する人。
・複雑なゲームシステムを覚えるのが苦手な人。
インフィニットアンディスカバリー/お気に入り度【40/100%】
プレイ時間・・・40時間
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お久しぶりです。
アメブロの時にお世話になったポルです。
懐かしいゲームの記事を拝見して久しぶりにコメントしちゃいます。
インアン、360に勢いがあったときのゲームですよね。自分のブログでもレビューしましたが、とにかくいろんな意味で尖ったゲームでした。
でも自分は大好きなゲームです。
似たようなシステムで、またやりたいゲームですが、手直しが大いに必要ですね(^_^)
>polvloqさん
おお!久しぶりにコメントありがとうございます!
polvloqさんの事はしっかり覚えていますよ!
魅力的なイラストと、シンメトリーなハンドルネームが印象的だったのでw
このレビュー記事は今度発売になる
スターオーシャン5が本作とかなり似た印象なので公開してみました。
トライエース開発ですし、似たようなシステムのゲームを探しているのでしたら注目かも!?
ひょっとしたら、「ロンチRPG」というジャンルがあるのかも知れません。ハードの立ち上げ時やそれから間もない頃に(急いで)出されるRPGのことです。
本来RPGは開発に時間がかかるものですが、それだけにハードの立ち上げ時にいち早く出して先制しようとするのはよくあることです。マイクロソフトも本作とラストラムナント、そしてSO4と立て続けに3作品をリリースして離れ業を演じてみせたつもりだったと思いますが、やはりそれは奇手であり、加えて当時は「キラーソフト=大作RPGって発想自体がもう古いんじゃない?」という声も多かった気がします。
結局このRPG路線はブルードラゴンを経てロストオデッセイまで続いたと思うんですが、後が続かなかったというか、蒔いた種を育てる努力が感じられなかったのが残念でした。できれば、三部作の後の2作や、これらに先駆けて出ていたフロム・ソフトウェア(PS2の発売時にロンチRPGを手掛けている)のロンチRPG、eM(エンチャント・アーム)との比較をやってみるのも面白いかも知れませんね。
>ほにょさん
このゲームは明らかに開発期間が足りないタイプのRPGですね。
ロンチRPGなのかと言われると
発売時期的にどうなのかなぁと思いますが、
JRPGラッシュの先発タイトルではあったので
急いで出したところはあると思います。
あの頃はすごい勢いでJRPGを出していましたよねぇ。
短期間であれだけ発売するのってなかなか出来ないですよ。
それでも大きく状況が変わらなかったのは時代の流れもあるんでしょうね。
ここまでやって大きく変えられないのであれば諦めたくなる気持ちも分かります。
インアン今でも遊ぶぐらい大好きな作品です
アクションがすごく気持ちが良いですが回避アクションが無いのが不満
キャラクターも皆魅力的で音楽も素晴らしい出来だと思ってます
PS4かXbox Oneに移植してくれたらすぐ買いたいです。
回避アクションは今やアクションゲームには欠かせないですもんね。
当時は安売りで目立っていましたが、今やXbox360でしかプレイ出来ないので貴重になってきました。