
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/GB[オンラインコード]
2001年2月に発売されたGB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章」を今回はレビューします。
GB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章」は、人気アクションアドベンチャー「ゼルダの伝説」シリーズのゲームボーイ向け2作目です。同日にはGB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章」も発売。
目次
良いところ
季節を切り替えて謎を解く楽しさ
本作はトップビュー画面を採用した2Dタイプのゼルダで、GB「ゼルダの伝説 夢をみる島」の流れを組んでいます。
同日に発売されたGB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章」もそうですが、8年経ってもほとんど変わらないグラフィックやBGMでプレイできるのはある意味嬉しく感じられ、懐かしさも味わえました。
今作ならではの特徴は、「春」「夏」「秋」「冬」といった四季を切り替えて謎を解く要素です。
それぞれの季節によって進めるエリアが異なるため考えて四季を切り替えていかなければならず、いかにもゼルダ的な謎解きに感じました。
一番分かりやすいのが「冬」になると池が凍って進めるようになる事ですね。
季節の切り替えは切り株の上でしか行えず、切り替えられる四季は段階的に増えて行くので、徐々に行動範囲が広がって行く楽しさも味わえました。
ゲームボーイの限界を活かした謎解き
四季を使った謎解きでもう一つ特筆したいのが、ゲームボーイの限界を活かしている事です。
元々ゲームボーイは白黒のグラフィックで、フルカラーではありませんでした。
ところが本作はゲームボーイ末期に発売されただけあってカラー専用なので、色鮮やかなグラフィックを実現しているんです。
四季を使った謎解きは白黒のグラフィックで再現するのはほぼ不可能なだけに、本作はゲームボーイカラー専用だからこそ実現出来たゲームに感じました。
ゲームの奥を深くさせる連動機能
同日に発売されたGB「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章」と連動させる事で様々な特典を入手出来ました。
例えば片方の章をクリアした後、もう片方の章をプレイするとストーリーが継承されたり、真のエンディングが見られるようになったり、隠しダンジョンがプレイできるようになったり。
「ゼルダの伝説」シリーズって隠し要素は多いけど、大半は小ネタばかりなだけにここまで大がかりな要素が連動機能として隠れていたのは新鮮でした。
連動機能と言えば、ゲームボーイアドバンス発売直前に発売されたという事で同ハードでプレイするとちょっとした特典が用意されていたのも良かったですね。
リプレイ性が高い
前述の通り連動する事でストーリーが変化するのですが、それ以外にもプレイヤーが取った行動によって正式に仲間となる動物が変化するシステムも良いと思いました。
連動機能によってストーリーが変化するシステムと相まってシリーズの中では珍しくリプレイ性が高い作品です。
シリーズのゲストキャラクターが豪華
ゲームボーイ向けの「ゼルダの伝説」は、ゲストキャラが豪華な事でも定評があります。
今作ではN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を中心としたゲストキャラが沢山登場しました。
同作品はローポリゴンでキャラクターが描かれていた一方、今作は8ビットのドット絵で描かれているので、パッと見ただけでは誰なのか分かりにくいですけどね。
グル・グルさんが登場するとしっかり「嵐の歌」が流れるところは嬉しかった。ゲームボーイ音源の「嵐の歌」も素敵ですね!
前作に続いて「シムシティ」のDr.ライトもゲスト出演を果たしています。丁度64DD「シムシティ64」にハマっていた頃なので、再度ゲスト出演してくれて嬉しかったなぁ。
初代のオマージュが満載
元々本作は初代「ゼルダの伝説」をリメイクするところから企画が動いていました。
紆余曲折を経て新作になりましたが、それでも初代「ゼルダの伝説」の名残はいくつかあったりします。
一番分かりやすいのがダンジョンのボス。初代でお馴染みのボスが多数再登場するので、思わず懐かしいと感じてしまうでしょう。
それ以外にもマップの作りが少し初代「ゼルダの伝説」に似ていたり、隠し穴の奥にはルピーをくれたり、奪ったりするおじさんが住んでいたりと元がリメイク作だったのも納得できるところがあります。
個人的に合わない&気になったところ
謎解きがアッサリ
本作はアクション重視の作りになっているため、謎解きの難易度は低めに設定されています。そのためダンジョン攻略はアッサリ気味で、物足りなさを感じてしまいました。
四季を使った謎解きも面白いのは確かですが、段階的に開放されて行くのでそこまで考えずに解けてしまい、どこかルートに沿って進んでいる感があります。
ただ、アクションの難易度は高く、ゲームクリアまでのゲームオーバー数は120を超えていました(時空の章は半分程度だった)。
なので、本作では指輪システムの有難味は感じられ、無駄に細分化はされているものの特定のアイテムの攻撃力が上がったり、特定のダメージが半分になるのは救済措置として助かります。
アイテムの切り替えが面倒
アイテムはAボタンとBボタン、2つのボタンにしかセット出来ません。
その関係で移動する際は頻繁にアイテムを切り替える必要があって面倒に感じました。
この辺りはユーザーインターフェースが同じGB「ゼルダの伝説 夢をみる島」と変わりませんね。
他のシリーズ作品のように大きな岩はアイテムを使わなくても持てるようにするとか、ジャンプシステムを廃止したら快適に移動できると思うのですが。
全体のまとめ
アクション重視の作品だけあって歯ごたえのあるバトルを楽しめました。
一方、謎解きはアッサリしていて、ゼルダらしさを求めると物足りなさを感じてしまいます。
その分だけゲームボーイゼルダでありがちなボタン登録の煩雑さはさほど感じられませんでしたが・・・。
初代「ゼルダの伝説」もアクション重視で謎解き要素は薄かったので、原点回帰と言えば原点回帰になる作品に感じました。
こんな人には特におススメ。
・歯応えのあるアクションを求める人。
こんな人にはおススメできない。
・難しい謎解きを楽しみたい人。
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約15時間
コメントする