「星のカービィ」の生み親である桜井政博さん。
「スーパーデラックス」「夢の泉の物語」など、数多くの名作を手掛けました。
その後は「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズのディレクターを担当。
「星のカービィ」からはやや離れていました。
星のカービィ 夢の泉デラックス/GBA
そんな中で開発を手掛けたのが、今回レビューするGBA「星のカービィ 夢の泉デラックス」です。
ベースとなるのは彼が手掛けた「夢の泉の物語」ですが、随所でこだわりを感じました。
初心者向けの配慮はもちろん、彼の遊び心を感じられて、リメイクと片付けたら勿体ないほど良くできています。
ここからはそんなGBA「星のカービィ 夢の泉デラックス」について詳しく書いていきます。
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- 1993年に発売されたFC「星のカービィ 夢の泉の物語」のリメイク作。
- グラフィックが強化されて操作感覚も刷新された。
- 収録されているサブゲーム3種も一新。
初リリース日 | 2002年10月25日 |
対応ハード | GBA |
ジャンル | 2Dアクション |
売上 | 初週18.9万本/累計91万本 |
推定クリア時間 | 1~2時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
ハイクオリティな2Dカービィを携帯機で楽しめる
ファミコン末期の名作として知られる「星のカービィ 夢の泉の物語」。
今回レビューするGBA「星のカービィ 夢の泉デラックス」は同作品のリメイク作になりますが、プレイしてまず驚いたのが背景の描き込み量です。
なんでもCGを描き下ろして作られたようで、ゲームボーイアドバンスソフトとして見てもクオリティが凄いことになっています!
オリジナル版で殺風景だったところも綺麗に作り直されていて、同じフィールドでも印象が全然違う!
また、カービィの操作感も刷新。
オリジナル版よりも強化されていて、軽快に動いてくれます。
本編としては前作となるN64「星のカービィ64」はモッサリしていたので、初めて触った時は「おぉ!」となりました。
グラフィック、操作感。
あらゆる面が優れているので、後に発売されたGBA「星のカービィ 鏡の大迷宮」やDS「星のカービィ 参上!ドロッチェ団」は本作をベースに作られました。
程良い難易度調整
「『星のカービィ』シリーズは簡単」
そんなイメージを持たれている方も多いと思いますが、実際には作品ごとに難易度がまちまちだったりします。
極端に難易度が低いものもあれば高いものもあり、一概に簡単とは言えません。
そういう意味で今作は程良い難易度調整に感じます。
被ダメージ量は1で固定されているので程良い緊張感を味わえますし、1UPできる機会も少なめですからね。
それでいてゲームオーバーになってもステージの最初に戻されるだけなので、デスペナルティはそこまで厳しくありません。
難易度に対する考え方は人それぞれですが、今作は大衆が求める最大公約数的な調整をされている印象です。
上級者向けのやり込み要素が充実
実は本作、1周クリアするだけなら1~2時間程度で終わってしまいます。
2002年のゲームとしてみたらあまりにも短く感じますが、もちろん、これで終わりではありません。
上級者向けのやり込み要素として、
- 達成率
- エキストラモード
- かちぬきボスバトル
- メタナイトでゴー!
といったものが用意されています。
これらをやり込めばプレイタイムは数倍になるので、高難易度なゲームが好きなぼくでもある程度の満足感を味わえました。
ここからはやり込み要素について語っていきます。
隠し部屋探しが楽しい達成率100%までの道のり
達成率を100%にするには各地に隠されたスイッチを作動させなければなりません。
隠されたスイッチは全部で17個。
いずれも隠し部屋に存在しますが、その多くは特定のコピー能力が無いと入ることが出来ません。
中には別のステージから特定のコピー能力を入手しなければいけないこともあるので、ちょっとした謎解きを楽しめました。
残り人数の有り難みを感じられた「エキストラモード」と「メタナイトでゴー!」
ある条件を満たすと出現する隠しモードの「エキストラモード」と「メタナイトでゴー!」。
いずれも本編の高難易度版で、残り人数の有り難みを感じられました。
というのも体力の最大値が3に固定され、元気ドリンクの回復量は1に調整されているからです。
これは本編の半分になるので、1ダメージを受けるだけで致命傷を負うようになりました。
本編では敵の位置をあまり考えずにホバリングアクションでフワフワ飛んでいましたが、隠しモードでは敵の位置を考えて飛ばないといけません。
特に終盤はボス戦が相次ぐので、数戦目に達した時は緊張感を味わえました。
また、ゲームオーバーになる頻度が増したことから1UPの有り難みも感じられるようになっています。
各ステージに隠されたスイッチを踏むとサブゲームをプレイできる部屋がオープンしますが、そこでは必死になってボーナスを狙いましたもんw
- サブゲームで好成績を叩き出すと1UPなどのボーナスが貰えます。
- ただし1度しかプレイできません。
体力の温存が熱い「かちぬきボスバトル」
シリーズではお馴染みの「かちぬきボスバトル」は今作にも収録されています。
例によって体力を回復できないので、如何に体力を温存して勝ち抜くのかの駆け引きが熱く感じました。
単なるボスラッシュモードとは言え、回復縛りやコピー能力のおかげで奥深さを感じられます。
終盤のボスに負けるとガクッと来ますが、時間が経つと悔しさで再戦したくなりましたw
何気に凄い4人同時プレイ
本作は通信ケーブルを使用して2~4人の同時プレイができます。
凄いのが、サブゲームだけではなく、本編でも可能なことです。
2002年当時に2Dアクションゲームで4人同時プレイを実現するとは!?
当然、オリジナル版ではこんなことはできなかったので、リメイク作ながらも凄いことをやっています。
地味に嬉しいのが、SFC「星のカービィ スーパーデラックス」で人気が高かった「刹那の見切り」が改良されて収録されていることです。
画面にビックリマークが表示されたらボタンを押すだけの単純なゲームではありますが、そんなゲームを携帯機で、それも最大4人で楽しめるのですから素晴らしい!
随所で感じられる桜井節
本作は「星のカービィ」の生み親である桜井政博さんがゼネラルディレクターとして関わっています。
そのため随所で彼のこだわりを感じられました。
カービィの操作感覚は言わずもがな。
それ以外にも
- 洗練されたコピー能力の説明画面
- 大量のカービィが流れてくる起動画面
- 無駄を省いた演出
など、随所で桜井節が炸裂しています。
特にコピー能力の説明画面は広告のキャッチコピーみたいになっているので笑ってしまいましたw
ユーモアも満載なので、新しいコピー能力を入手したらポーズボタンを押して説明画面を見てしまいますw
桜井さん、コピーライティングの才能もあるんじゃないでしょうか?
惜しいところ
先祖返りしている感は否めない
本作のベースとなっているのは1993年に発売されたFC「星のカービィ 夢の泉の物語」になるので、2002年のゲームとしてみたら先祖返りしているのは否めません。
過去作と比べてボリュームは大幅にダウンしていますし、システムも簡略化されていますからね。
それを補うのが追加要素なんですが、「メタナイトでゴー!」など、少しだけしか用意されていません。
なんでも本作、TVアニメに合わせて作られたようで、開発期間は短めとなっていたりします。
その割には随所でこだわりを感じる内容となっていますが、物量的には控えめなので、「スーパーデラックス」のボリュームに慣れてしまうと寂しく感じるかもしれません。
回転スクロール表現が廃止されている
オリジナル版で印象的だった「バタービルディング」の回転スクロールは廃止されています。
そのうえ時間経過で扉が開くという仕様になっているので、残念に感じました。
ここはぜひともゲームボーイアドバンスの限界に挑戦してほしかったのですが・・・。
オリジナル版の回転スクロールはファミコンの限界に挑戦している印象だっただけに尚更そう感じます。
星のカービィ 夢の泉デラックスのレビューまとめ
GBA世代に向けて作られた初心者向けカービィ。
開発期間が短く、ベースとなっているのがFC「星のカービィ 夢の泉の物語」なのでボリュームは少なめですが、とても良くできています。
TVアニメの販促用という側面が強かったとは言え、本作が発売されるまでの7年間。
携帯機向けのカービィ本編は発売されていなかったので、このタイミングで投入することには意義を感じました。
個人的には息抜き用のゲームとして気に入っています。
重厚長大で高難易度なゲームばかりをプレイしていると、コンパクトで手軽なゲームをたまにはプレイしたくなるのですよ。
そういう意味では初心者だけではなく、上級者も息抜きとしておすすめします。
桜井さんが手掛けたこだわりのリメイク作!
こんな人には特におススメ。
・ゲーム初心者。
・息抜きしたい人。
こんな人にはおススメできない。
・ボリュームを重視する人。
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そういえば、アニメ版カービィの放送期間中は残念なことにゲームに恵まれてませんでしたね?
夢の泉DXの発売時期のときは、アニメはもう2年目に差しかかっていましたしね(´-ω-`)
でも夢の泉DXは、前作まで設定が複雑化もしくは他のゲームみたいに大作化してた中でリブート作としてとても良い立ち位置だったと思います。売上としては国内ミリオンは叶いませんでしたが、改めてカービィはアクションゲーム初心者にもってこいの作品になったと思います。もとがGBの作品ですし!
グラフィックのすごさは、当時は当たり前にみてましたが、オリジナル版をやったあとでようやくグラフィックのすごさを実感しましたwww
もとのオリジナル版はファミコンですから、8ビット機としてみれば、オリジナル版も結構すごいですけどね?
隠し部屋探しやメタナイトでGOなど後にスタンダードとなる隠し要素を多く盛り込んでますね。
コピー能力説明文の桜井節といい、桜井さんのゲームデザインはほんとに嫌いになれません( ̄∇ ̄)
かちぬきボスバトルだけは、当時としてはあまりにも難し過ぎてできなかった?
先祖返りしてるといえば、鏡の大迷宮の後に本作をやると、例えばソードの能力だと通常斬りと空中での回転斬りしか攻撃方法がないのでそこはシンプル過ぎでしたね(^^;)
もとがコピー能力初登場のファミコン版なので調整に時間をかけられなかったのでしょうねwww
回転スクロールの面は、オリジナル版であったので逆に驚きましたよwww
おそらくどのステージでも4人同時プレイできるのが仇になったのかな。
でもそれならそれで別のステージに差し替えとけば良かったのに(^_^;)
謎の時間経過で扉が出るので、初見は「え?何待ち?」状態でしたwww
アニメ版カービィが放送開始された当初は肝心のゲーム版がなかなか発売されず勿体ないことになっていました。
カービィと言えば初心者向けなので、ハード初期にシンプルなタイトルを出すのは良い判断に感じます。鏡の大迷宮のような凝ったタイトルは後期に出したら良さそう。そういう意味では今年か来年辺りに変化球のカービィ本編がSwitchに出てほしいです。
グラフィックのクオリティは当時としてはかなりの水準に感じます。
多くの要素はファミコン版から継承していますが、回転スクロール廃止は勿体なく感じました。マルチプレイとの兼ね合いかな?インタビュー記事によると4人同時プレイを実現させるのは相当大変だったようで・・・
自分としては夢の泉の物語より先にこっちやっちゃったんで違和感はなかったんですよね。
今見ると、中ボスやボスがでかいでかいw
おかげで難易度が上がった部分と下がった部分がw
例の回転スクロール表現の削除はおそらく通信プレイ時でうまくできなかったってことなんじゃないかなって思うんですよ。
技術的にも確かに難しいですけど、それ以上に2人以上で問題が発生したとかじゃないかな。
だから妥協してこんな感じに・・・もちろん再現はした方がいいとは思いますが。
この作品からアニメで人気が出たメタナイト優遇時代突入ですよ。
まだこの作品だとデデの旦那は夢の泉を踏襲して扱いは同じだったけど・・・しばらく不遇の扱いが・・・アニメの陛下のせいだ・・・。
最初にプレイしたタイトルが基準になりますもんね。
4人同時プレイを実現させるのは相当大変だったようで、色々と細かい調整をされたようで・・・そのしわ寄せが回転スクロール廃止なのかも知れません。
デデデ大王は噛ませ犬みたいな扱いのことが多いですねw たまにはクッパのように凶暴化して襲ってきても良さそうですが・・・
GBA夢の泉DX懐かしすぎます~!!
これには印象深い思い出がありまして・・・^^
当時小学生で小学館の「小学4年生」の読者だった私はゲームやおもちゃが当たる抽選に挑戦するべくはがきを送ったんですよ。
でもきっとはずれると思って結局お店で買ってもらってきょうだいでプレイしてたら
次号の抽選結果に見事わたしの名前が載っててまさかのソフトがダブるという事態が起きましたwww
多分当たったやつは売ったかいとこにあげた記憶がw
その後GCプレーヤーの抽選時また同様の事態が起こり
「小学○年生どんだけ当たりやすいの!」って思いました^^
いまはほぼ休刊らしいです><
懸賞って案外当たるものなんですね~。
ぼくは面倒であまり応募しないので、そういう話を聞いていると応募した方が良いのかと思ってしまいます。
小学館の学年誌は懐かしい。低学年のは付録が多くて好きだけど、高学年になると少なくて微妙に感じていましたw
この年には、星みたいなヒトデみたいな王子様の水中アクションゲームが、ベッキーさんの主題歌と共にリリースされたのも話題でしたな。主題歌と共に、という流れは、一年前の小人宇宙飛行士と動植物のゲームでも取られてましたね。王子様のゲームは意外と面白く、妹が買って貰ったゲームでしたが気付いたら僕の方が遊んでたという(笑)
言われてみると2ヶ月連続で発売になるんですね!
ポジション的には似ているタイトルがこうも短期間に出るとは面白い。
スタフィーはいずれプレイしたいです。