4.5

不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ/DS / PSP
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2010年2月に発売されたDS「風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ」のレビューをしていきます。
本作はローグライクRPG「風来のシレン」のナンバリング4作目ですが、原点回帰して前作の汚名を返上することに成功しました!
1995年に誕生した「風来のシレン」シリーズ。
ダンジョンで倒れてしまうとレベルが1に戻るなどのシビアなゲームバランスがゲーマーを中心に好評を博し、人気シリーズとなりました。
しかし、2008年に発売されたWii「風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫」ではレベル継続制を採用し、ゲームバランスが崩壊。
シリーズの中ではダントツで低い評価となってしまい、神格化されていたブランドが崩壊してしまいます。
「『風来のシレン』はもうダメだ」
多くの方がそう思っていたなか、続編の「4」がニンテンドーDS向けに発売されます。
「どうせ今回も駄作でしょう」
そんな低い期待度の中でプレイしてみたところ、これが予想以上に面白い!
レベル継続制など、「3」でダメだった部分は徹底的に潰し、過去作で良かった要素を復活させているので、ぼくが好きな「風来のシレン」が帰ってきました!
新要素の中には好みが分かれる部分も散見されますが、個人的には「2」以来の傑作です!
ここからはそんなDS「風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ」について詳しく語っていきます。
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
- ダンジョンを攻略していくローグライクRPG。
- ダンジョンで倒れるとレベルが1に戻り、持っているアイテムを全て失う。
- 昼夜の概念が追加され、夜になるとモンスターが強くなる。
初リリース日 | 2010年2月25日 |
対応ハード | DS/PSP |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 5~15時間(ストーリークリア) |
売上 | 初週4.1万本/累計9.0万本 |
発売元 | スパイク・チュンソフト |
目次
良いところ
原点回帰を果たしたクリア前のダンジョン
今作をプレイして強く感じたのが、原点回帰を意識していることです。
「風来のシレン」シリーズは入る度に構造が変わるダンジョンを繰り返し潜るのが主な流れとなっています。
そして、ダンジョン内で倒れるとレベルが1になるうえ、持っているアイテムを全て失うというシビアなバランスとなっているんですね。
苦労して深い階層まで潜った時にやられたしまったら大ショックですが、一方ではスリルがあって面白かったりします。
しかし、作品を重ねる毎にダンジョンが細分化され、熟練者はストーリークリアまで緊張感を味わいにくくなっていました。
一方、本作の場合、細分化されていたダンジョンを統合。
1つの巨大なダンジョンを攻略していくという初代「風来のシレン」のような形式になりました。
そのため難易度が高く、初見でクリアするのは難しくなっています。
本気でクリアする場合、「脱出の巻物」を使ってダンジョンを行き来して武器や盾を鍛えなければなりません。
この感覚は初代「風来のシレン」そのもので、懐かしくなってきました!
しかも同作のようにダンジョン内にはNPCが巡回しており、道中にはいくつかの拠点が存在するので、直近の作品よりも旅をしている感を味わえます。
「そうそう!こういうものを求めていたんだよ!」
ぼくはゲーム開始から数時間でそう感じました。
グラフィックは2Dに戻り、イベントシーンも控えめになりましたし、初代「風来のシレン」好きとしては懐かしさを感じられずにはいられません。
フェイの問題を彷彿とさせる「石像の洞窟」
原点回帰といえば、詰め将棋風のダンジョンが復活しているのも見逃せません。
初代「風来のシレン」には「フェイの問題」というダンジョンが存在します。
このダンジョンは詰め将棋の要領で進めていく形式となっていて、実質、チュートリアル的な役割を果たしていました。
その後、「フェイの問題」はGB「風来のシレンGB 月影村の怪物」でも続投しましたが、それ以降はご無沙汰だったんですよね(リメイク作を除く)。
一方、今作では「石像の洞窟」というカタチで復活を果たしました!
このダンジョンでは「マムルの石像」を指定の場所まで動かしていくというパズルゲーム的な感覚で楽しめるようになっています。
「フェイの問題」と比べてバリエーションには欠けますが、詰め将棋のような感覚で楽しめるので、初代「風来のシレン」プレイヤーとしては懐かしく感じました。
終盤の問題は難易度が高めなので、頭を使いますよ~!
完全新作ならではの新システム
ここまで読んでいただけたら本作が原点回帰を果たしていることがわかると思います。
でも、「それだったら初代『風来のシレン』で良くね?」って思いますよね?
開発者もそう感じたのでしょう。本作にも多数の新要素が追加されました。
代表的なのが昼夜の概念です。
今作のダンジョンでは昼夜の概念が存在し、夜になるとゲームバランスが180度変化。
モンスターが強化され、通常攻撃ではダメージをほとんど与えられなくなります。
さらに
- モンスター同士で争うようになる
- 勝利したモンスターはレベルアップしてさらに凶暴化する
- 「松明」で灯さないと周りが見えなくなる
- 夜でしか使えない強力な技を使えるようになる
といった要素も加わるので、昼とは180度戦法を変えなければなりません。
人によっては余計な要素に感じると思いますが、個人的にはスリルがあって面白い要素だと思っています。
というのも「風来のシレン」シリーズって強い装備品を持っていたらヌルゲー化するんですよ。
どんなに強いモンスターが生息するダンジョンでも補正値が「+99」の武器や盾を装備していたら割とクリアできてしまうので、緊張感に欠けました。
でも、夜システムのおかげで強い装備品を持っていても大ピンチになることが増えたので、緊張感を高めるという意味では良い要素に感じます。
そういう意味ではオーラも良い要素ですね。
今作ではオーラをまとったモンスターがダンジョン内に出現します。
オーラをまとったモンスターは攻撃力、防御力、素早さが高く設定されているので、油断しているとやられてしまうんですよ。
その代わり倒すと経験値を多めに貰えるので、リスクとリターンを持たせている印象です。
救済措置の強化
ここまでプレイヤーを不利にするような新要素ばかりを取り上げましたが、一方では救済措置も強化されています。
代表的なのが、タグシステムです。
今作では武器や盾にタグを付けられるようになりました。
タグを付けることでダンジョン内で倒れても失わなくなるので、そこまで心の骨が折れないようになっています。
ゲームオーバーのペナルティが厳しい「風来のシレン」シリーズですが、特に辛いのが鍛えた武器や盾を失うことなんですよ。
ダンジョンと拠点を何度も往復して鍛えた武器や盾を失った時の絶望感は何度味わっても辛いですw
でも、タグを付けたらそんなリスクを回避することができます。
初めて知った時は
「倒れても武器や盾が失わないのは『風来のシレン』シリーズとしてどうなのよ?」
と思いましたが、本作は凶悪な新要素も多いので、実際にプレイしてみたらあった方が良いかなと思いました。
それに、前作の「3」では仲間の武器や盾を鍛える必要があったので、ゲームオーバーになった時のペナルティが3倍も重くなっていましたしねw
ちなみにタグを付けたり引き取る場合はかなりの高額を支払わないといけません。
お金を稼ぐのは簡単なことではないので、この辺りも上手くバランスを取っている印象です。
汎用性が高いバナナ
「風来のシレン」シリーズと言えば満腹度の概念が存在し、定期的に「おにぎり」を食べなければいけませんでした。
一方、今作では「バナナ」がメインの食べ物となり、「おにぎり」よりも汎用性が高くなっています。
バナナと言えば時間が経つことに美味しさが変わる食べ物ですよね?
本作でもその辺りを踏襲しており、時間が経つごとに青いバナナ → 黄色いバナナ → 完熟バナナ → くさったバナナと変わるようになっています。
バナナの状態によって満腹度の回復量も変わって来るので、「おにぎり」よりも食べるタイミングが重要になりました。
また、バナナを食べることで「バナナの皮」になり、床に置くことで罠として再利用することもできます。
「保存の壺」に入れると腐らなくなりますし、「バナナ」だけでも色んなテクニックが隠されているところが「風来のシレン」っぽいですねw
それ以外の新要素としては「扉」というものが存在します。
今作からダンジョン内に様々な種類の「扉」が出現するようになりました。
特に厄介なのが、「特殊扉」です。
この扉で囲まれた部屋に入った場合、モンスターを倒さない限り出られなくなってしまいます。
もし、強敵がゴロゴロ居る部屋に「特殊扉」があったら・・・ゾゾゾッ。
それ以外にも「扉」は複数の種類が用意されていますが、種類が少なく、まだまだ発展途上の新システムに感じました。
クリア後に出現する10以上のダンジョン
「『風来のシレン』シリーズはクリア後が本番!」
という訳で今作もゲームクリア後には10以上の新ダンジョンに挑むことができます!
ネタバレ防止のため本記事では詳しくは触れませんが、こちら の記事でクリア後に挑めるダンジョンの感想を軽く書いたので、興味がある方はご覧ください。
快適なユーザーインターフェース
今作のユーザーインターフェースは快適なのでサクサク楽しめます。
2画面によって視認性が良くなりましたし、動作もサクサクなので、「3」のようなモッサリ感はありません。
ニンテンドーDS向けに発売されたリメイク2作のノウハウを活かしているとは言え、完全新作を快適に楽しめるのは嬉しいです。
今作からの新機能としては、未識別アイテムの名前を図鑑から拾って入力できるようになりました。
ストーリークリア後のダンジョンはアイテムが未識別の状態であることが多く、頻繁にメモしないといけないだけに、図鑑から拾って入力できるのは嬉しいですね。
個人的に合わない&気になったところ
HPが上がる毎に体力の回復が遅くなる謎仕様
本作には困った仕様が存在します。
それは、HPが多ければ多いほど回復スピードが遅くなる仕様です。
序盤こそはこれまでの作品以上に体力の回復スピードが速いんですが、終盤は体力の回復がめちゃくちゃ遅くなるので、消耗戦になる可能性が高くなっています。
アイテムを持ちこめるダンジョンの場合はまだ何とかなりますが、アイテムを持ちこめない「浜辺の魔洞」などのダンジョンでは相当な運が無い限りクリアできません。
このシステムのせいで「浜辺の魔洞」をクリアするモチベーションがガクッと下がりました。
いくらなんでも無理ゲー過ぎる!
その他気になった点
- 寝ているマゼルンにアイテムを当てても食べてくれない。
- 作れるセーブデータは1つのみ
- セーブしないで電源を切ったら最初からやり直し(フリーズが怖い)。
- シリーズの中では印象に残らない音楽。
- 武器や盾の名前がちょっとカッコ悪くなった。
- モンスターの紹介文などがちょっとオタクっぽくなった。
風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソのレビューまとめ
「『風来のシレン』はもうダメだ」
そんな印象が強くなっていた2010年初頭、まさかの汚名返上を果たしてくれました!
HPが上がる毎に体力の回復が遅くなる仕様や夜システムなど、好みが分かれる部分はありますが、前作と比べたら遥かに良い出来です。
個人的には2010年に発売されたタイトルの中でも特に気に入りました!
お値段はちょっと高めですが、その元を取れるくらい面白いので、シリーズファンはぜひプレイしてみてください!
原点回帰を果たして前作の汚名を返上した良作!
こんな人には特におススメ。
・「風来のシレン3」にガッカリしたシレンジャー。
・初代「風来のシレン」が好きな人。
こんな人にはおススメできない。
・レベル継続を求める人。
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
コメントする