2016年2月に発売されたPSV「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」を今回はレビューします。
PSV「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」は1991年に発売されたゲームボーイ向けアクションRPGをリメイクした作品です。
ダウンロード専用タイトルで、価格は約1,400円。
累計1,000記事突破!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
目次
良いところ
カラフルな世界観
このゲームで一番好きなところは、カラフルな世界観です!
スクリーンショットを見て分かるようにキャラクター、フィールド共にカラフルで、しかも自然がいっぱいなので停止画でも楽しげな雰囲気が伝わってきます。
これは「聖剣伝説」シリーズ全般に言えることですが、シリーズ1作目のリメイクである本作でもそこは失われていませんでした。
ちなみにシリーズ1作目はタイトルに「ファイナルファンタジー外伝」と表記されているように同シリーズのネタがいくつか含まれていたりします。
具体的にいうとチョコボやモーグリが出てきたりとか。
BGMが良い
もう一つ特筆したいのが、BGMの良さです。
原曲のメロディアスな雰囲気を残しつつ最新の技術でリメイクされていて、どの曲も印象に残りました。
特に好きなのがタイトル画面とフィールドのBGMです。
前者はバイオリンの音色が美しく、後者は全体の疾走感がお気に入り。世界観の良さと相まって雰囲気ゲーの色は強いと思いました。
充実のダンジョン、ボス、街
本作を2016年のゲームとしてみると、ダンジョンやボス、街の数に驚きます。
ダンジョンは15個以上。ボスは20個以上。街は5個以上も存在して、オリジナル版が1991年に発売されたゲームボーイソフトとは思えないくらいのボリュームです。
ゲーム終盤に差し掛かると自由度が大幅にアップして16×16マスの広大なマップでダンジョンを探す事になるので、初期に発売されたゲームボーイソフトとして甘く見ると火傷しますよ~。
オリジナル版を尊重したリメイク
ここは賛否分かれるところですが、オリジナル版を尊重している事自体は良いと思いました。
グラフィックこそは大きく変わっているものの、本質はほとんど変わっていません。
昔のゲームならではの唐突さ、不親切さ、変なセリフ。何から何まで似せて作っています。
発売当時にプレイしていた方は思わず懐かしくなってしまうでしょう。
惜しいところ
所々で動きが一瞬止まる
初めてこのゲームを起動した時、ビックリしました。というのも所々で動きが一瞬止まるからです。
まるでメモリ不足のスマートフォンゲームやパソコンゲームをやっているような感じ。
大きなボスの登場シーンや画面スクロール時はほぼ確実に画面が一瞬止まるのでアクションゲームで大切なサクサク感が薄れてしまっています。
本作はスマートフォンとのマルチタイトルですが、PSVITA向けに最適化出来なかったのでしょうか?
どうも最高スペックのスマートフォンで遊ぶ事を前提にして作られているようです。
爽快感が全くない
アクションゲームとしてもう一つ致命的なのが、全くない爽快感です。
敵に攻撃を当ててもヒット時のエフェクト、効果音共に弱く、コンボも繋げられません。
ちょくちょく動きが止まる事と相まって、アクションゲームとしての面白さは弱く感じられました。ゲームプレイの大半は戦闘になるので、これは致命的です。
詰み要素が存在する
恐ろしいことに、本作には詰み要素が存在します。
ダンジョンでは消費アイテムの鍵を使って奥へ進む場面があるんですが、各フロアを出入りすると鍵がかかった扉が復活してまた消費しないといけないんですよ。
そうなってくると鍵がなくなった場合は出入りが出来なくなってしまう事があって、詰んでしまいます。
それ以外にも次に行くべきエリアのヒントが少なくて、良くも悪くもオリジナル版の不親切さを残しているんだと思いました。
ヒントが少ないのはともかく、詰み要素はなくしても良かったのに。
密度が薄く、ダンジョンが単調
確かにフィールドマップは広く、ダンジョンも多いんですが、全体的に密度が薄く、ダンジョンは単調です。
フィールドに隠された秘密は同系統のゲームとなるGB「ゼルダの伝説 夢をみる島」より少ないですし、ダンジョンの構造も自動生成で作られたかのような適当さでいくつかの仕掛けはあったものの単調でした。
もちろん、1991年に発売されたゲームボーイソフトとしてみたら十分頑張っていますが、リメイクするに当たってその辺りはもう少し手を加えても良かったと思う。
全体のまとめ
オリジナル版を尊重している事自体は良いと思います。
しかし、スペックが高いPSVITAソフトでありながらも全体的にカクカクしていて爽快感もないのでアクションゲームとしては課題が多く感じられます。
2016年に発売するからには、この辺はブラッシュアップしてほしかった。
思い出や雰囲気補正がないと厳しい作品。
こんな人には特におススメ。
・オリジナル版のファン。
・世界観やBGMを重視する人。
こんな人にはおススメできない。
・アクションゲームにうるさい人。
・不親切なゲームが苦手な人。
聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-/お気に入り度【40/100%】
プレイした時間・・・約10時間
正式レビューきましたね~やはりキツい評価のようで。
歴代シリーズやってる身からすると今回のカラフルは「ただ色が付きました」的なもので少し物足りないです(十年前のモバイル版ならそれでよかったのですが)
逆に操作性は歴代トップと見ていいです。特に剣の付きからの三連撃とかは2以降のノリを思わせる演出なのが良い!
(ここはもう聖剣シリーズとみてるかゲーム全体を見て評価するかですが)
あとはストーリーの流れは良いのですが、一部のテキスト(特にボガード)と演出はやはり手直ししてほしかったです、ここら辺が一番古臭く感じました。
※補足
「カギ」はダンジョンのどこかに常にいるスケルトンがドロップします、オリジナル版は配置の関係で一カ所だけハマりポイントがありましたが今回は大丈夫かと。