

進撃の巨人/PS4 / PS3 / PSV
2016年2月に発売されたPS4/PS3/PSV「進撃の巨人」を今回はレビューします。
PS4/PS3/PSV「進撃の巨人」は同名の人気漫画・アニメを題材にしたアクションゲームです。
開発は「無双」シリーズで知られるオメガフォースを担当。
目次
良いところ
迫力抜群の立体機動アクション
「進撃の巨人」は、巨人と人間の戦いを描くファンタジーバトル漫画です。
最大の特徴は縦横無尽に移動できる立体機動装置を使ったアクションで、初めてみた時はなんてゲームにピッタリな題材なんだろうと思いました。
いつかあのアクションをゲームで楽しみたい。
そう思ってから早3年。ついに発売されたのが本作になります。
果たして上手く再現されているのか?結論を先に書かせていただくと、さすが「無双」シリーズで実績のあるオメガフォースがPS4をベースに開発したハイエンドゲームだけあって再現度はバッチリで原作の興奮を上手くゲームに落とし込んでいます。
立体機動装置によって遠くでもあっという間に飛んでいける移動の快適さや気持ち良さはもちろん、スケールが大きい街並み、巨人の迫力、倒した時の爽快感、仲間との連携。何もかもが高水準に再現されていて、素材はとても良いと思いました。
ライトユーザーでも楽しめる
この手のハイエンドなキャラゲーって、すごい作りにくいと思うんですよ。
ハイエンドという事で僕のようなゲームファンが手を出すのである程度の遊びごたえがないといけないし、かといって難しくし過ぎたら原作好きのライトゲームユーザーが手を出しにくくなりますから。
本作の場合はその点、どちらのユーザーでも楽しめるように調整されていて、両立はしっかりしています。
ライトゲームユーザーの場合は縦横無尽に移動できる3Dアクションのハードルが高そうに見えますが、もはや常識と化したロックオン機能を搭載しつつ、適度にオートアクションを採用していて難易度選択もできるようになってますので余程ゲームが苦手でなければそこまで苦労する事もないでしょう。
コアゲームユーザーの場合は素材を集めて武器を作成する要素、成長システム、クリア時のランクシステム、本編クリア後の高難易度モードなどによってある程度のやりごたえは感じられると思います。
原作を追体験できる
メインモードではTVアニメ1期のおおまかなストーリーを追体験出来ました。
ゲームの進行は「無双」シリーズのようなステージクリア形式なんですが、適度にイベントシーンを盛り込み、それぞれのステージによって戦闘のシチュエーションを変えていますので、追体験している感はバッチリ味わえます。
操作キャラクターが固定ではなく、ステージによって変わり、大砲や馬が使用出来たり巨人になって大暴れすることができるのも原作ファンにはたまらないでしょう。
もちろん、端折っている部分もあるので「あそこを描かないのか!」と感じる人もいるでしょうが、僕がTVアニメをみて「ここを再現してほしい!」と思ったところは概ねゲームに落とし込んでいて嬉しかったです。
夢を叶えてくれてありがとう!
キャラクターごとに持たせている個性
本作では複数のプレイアブルキャラクターが存在します。
ストーリーモードではステージによって操作するキャラクターが異なるのですが、それぞれに特徴を持たせていてそれが各ステージの差別化に繋がっているのが良いと思いました。
具体的にいうと、主人公のエレンはオーソドックスな性能なのに対し、ヒロインのミカサは設定に沿った高性能キャラ。幼馴染のアルミンは頭脳派キャラ。リヴァイ兵長は最強キャラといった感じでそれぞれに特殊能力が存在してそれでプレイ感覚を変えて来ています。
もちろん、キャラゲーなのでキャラクターの描写も原作を再現していますよ。
エレンの熱さ。ミカサ、アルミンの可愛さ。リヴァイ兵長のクールさ。ハンジさんの変態さ。
TVアニメを視聴していた3年前を思い出して懐かしい気持ちになれました。
惜しいところ
驚くほど作業ゲー化する終章
TVアニメの1期をジェットコースターのようなスピード感で体感できるメインモードは、多少のテンプレ感はあるものの頑張っているなーと思っていました。
それがゲームオリジナルのストーリーが展開される終章になってからは一変。驚くほどの作業ゲーと化しました。
終章は全部で5個のステージが用意されているのですが、1個クリアするごとに面倒なサブステージを何個もクリアしないと次に進めないんです。
そのサブステージが困ったもので、最初の方は難易度が低くて簡単に巨人を倒せてしまいますし、どれも似たような目的で同じ事を何十回もやらされてしまいました。
オリジナルのストーリーは気になりますが、これだけ水増し感が酷いとやる気がなくなります。
核となる要素が薄い
そもそも、核となる巨人との戦闘システムが薄いと思いました。
基本的には巨人をロックオンして突撃モードに入り、回り込んで弱点となるうなじに向かって攻撃するだけですからね。
巨人によっては部位を破壊しないと”うなじ”に攻撃が出来なかったり、無駄に耐久力が高かったり、アイテムを使わないとまともに攻撃が出来なかったりとアクセントを加えているには加えているのですが、それでも少ないボタンで立体機動アクションが出来てしまうのでミニゲームっぽく感じてしまいます。
核となる要素が薄いうえにそれを何回もやらされるのは厳しいですね。
それでも3章クリアまでは熱いストーリーや変化に富んだシチュエーションで何とかなりましたが、使いまわし感が酷い終章は余程の「進撃の巨人」愛がないとやってられません。
ぎこちないところがある
モデリング自体は2016年のゲームとしては高水準だと思います。しかし、動きに関してはもう少し頑張ってほしかったです。
拠点ではみんな手を斜めに広げて棒立ち感が強いですし、表情も変化がもっと欲しい。
巨人もイベントシーンではストーリーの都合上、不自然にジッとしていたりしますし、ぎこちなさは随所で感じられました。
全体のまとめ
「進撃の巨人」をハイエンドなゲームに落とし込んでいて、そこは素晴らしいな!と思いました。
とは言えフルプライスのハイエンドゲームとしてはゲーム性がまだまだ練り込まれておらず、薄さも感じられます。
原作の興奮を再現するという意味ではこれがベストに近いと思うんですけどね。良作になるにはゲームオリジナル要素で奥を深くしていかないとダメだと思いました。
評価の方は原作をチェックした事による補正が少し含まれています。
ほとんど知らない人が本作をプレイしたら、最終的な評価はもう少し下がるかも。
原作の再現度はバッチリだが、ハイエンドゲームとしては薄い。
こんな人には特におススメ。
・「進撃の巨人」ファン。
・立体機動アクションを楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・「進撃の巨人」に興味ない人。
・作業ゲーが苦手な人。
進撃の巨人/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約10時間
最近kentさんのブログAndroidスマホから見ていたらウイルスが検出されましたって偽のURLに飛ばされるときがあります。
こっち側が原因なのかブログ側が原因なのかわかりませんが少し怖いっす