

ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス/Wii / GC
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD/Wii U
2006年12月に発売されたWii/GC「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」を今回はレビューします。
Wii/GC「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」は人気アクションアドベンチャーゲーム、「ゼルダの伝説」シリーズ20周年を記念して発売された作品です。2016年3月にはWii UでHDリマスター版が発売。
※レビューしたのはゲームキューブ版です。
目次
良いところ
シリーズ最大のスケール
初めてこのゲームをプレイした時、興奮しました!
と言うのもあの名作、「時のオカリナ」を順当にスケールアップしたような作品に感じたからです。
メインフィールドとなるハイラル平原は「時のオカリナ」の5倍はあるんじゃないかと思われるほどのスケールで、ハイリア湖はゼルダ史上最大の高低差がありましたから!
地上の広さだけを見たら間違いなくゼルダ史上最高のスケール。各地には絶景ポイントが用意されているので、疲れた時は景色を眺めたりもしました。
え?フィールドが広くなっている分、移動が面倒に感じないかって?そこはリンクの移動速度がその分だけ早くなっているので杞憂でした。
ゼルダ史上最もリアル
前作の「風のタクト」は、レトロなアニメ調のグラフィックを採用していました。
あれはあれで魅力があったんですが、「時のオカリナ」のカッコ良さに期待しているとガッカリしたのも確か。
その点今作は「時のオカリナ」を彷彿とさせるリアルな世界が舞台になっていて、かつてのカッコ良さが戻ってきました。個人的にゼルダは「時のオカリナ」のような中世ヨーロッパ風の世界観の方が好きなので、この路線変更はうれしかった!
馬に乗っての護衛、乗馬戦と「時のオカリナ」では実現したくても実現できなかった要素もたくさん盛り込まれていますし、全体的に「時のオカリナ」のアンサー的な作品という印象が強いです。
「時のオカリナ」に思い入れがある者としては初めて本作が発表された時の嬉しさはゲームソフトの中では過去最大級でした!
シリーズ最大のボリューム
さすが「時のオカリナ」を越えるべくして作られた作品だけあって、ボリュームはシリーズ最大級でした!
ダンジョン数こそシリーズ最多ではありませんが、マップの広さ、イベントシーンの多さはシリーズ最大級で、通常クリアにかかる時間はシリーズの中では最も長いと思います。
僕が初回プレイにかかった時間は約46時間。レベル上げの無い作品でここまでクリアに時間がかかるとは凄い・・・。
本作は「時のオカリナ」を越えるべくして作られた作品ですが、フィールドの広さやストーリーの壮大さは間違いなく同作品を上回っています。
純粋な任天堂製タイトルでここまで縦に長い大作ゲームは他には無いといっても過言ではないでしょう。
ちなみに開発期間は約3年。開発スタッフ数は100人強と言われています。
極上の謎解き要素
「ゼルダの伝説」シリーズと言えばダンジョン内での謎解き!今作でも新アイテムが続々と登場して新たな謎解きを楽しむことができます。
個人的に新アイテムで好きなのが「スピナー」。レールに沿って高速で移動できるアイテムなんですが、壁を高速で移動する事もできるのでまるで別ゲームをやっているかのような気分を味わえました!
あと、終盤からはシリーズではお馴染みのフックショット(クローショット)を使って的から的へ移動できるようになったのも良かった!
今までは的にぶら下りながら次の的にフックショットを引っかける事が出来なかったので新鮮でした。
様々な寄り道要素を用意
ゼルダといえば寄り道!本作でも数多くの寄り道要素を用意しています。
その中でも凄いのが「時のオカリナ」で好評だったミニゲームの「釣り堀」です。今回は魚の種類、ルアーの種類が増加しただけではなく、新たに四季の概念も加わったのでますます奥が深い釣りを楽しむことができるようになりました。
それ以外にも全8ステージのコロコロゲーム。大迫力の滑空ゲーム。川下り、川登り、雪滑り、猫さがしなどの豪華なミニゲーム。
カンテラを灯して奥に進む洞窟、パズルを解いて先に進む洞窟、全50階層の戦闘を中心とした洞窟などのクリアには直接関係の無いミニダンジョン。
虫やゴーストを集める収集要素など、サブイベントは盛りだくさんです。
惜しいところ
新鮮味に欠ける
「時のオカリナ」を意識して作られているので、新鮮味に欠けるところがあります。
演出や謎解き、音楽の中には「時のオカリナ」など過去作の2番煎じ的なネタが多く、シリーズファンとしてはニヤリとするもののちょっと多すぎじゃないかと思いました。
また、偶然なのか「ICO」や「大神」など本来は「ゼルダの伝説」の亜流であるハズのタイトルから影響を受けたようなものもいくつか見られ、そういう意味でも新鮮味に欠ける内容に感じます。
イベントシーンが無駄に多いのも任天堂製タイトルらしくありません。
宝箱の中身がルピーばかり
スケールが大きくなっている分、フィールドにはこれまで以上に宝箱が隠されています。だがしかし!ほとんどがルピーなのだ!
そのせいで途中から宝箱を開ける時のワクワク感が薄れてしまいました。
スケールの割にアイテムの種類が従来の作品とそんなに変わらない事が原因だと思うので、もう少しサブ要素を加えた方が良かったかも!?
あと、財布にルピー入りきらなかったら宝箱に戻したり、ゲームを起動してから初めて5ルピー以上を獲得するとアイテム説明が入るなど余計な仕様が新たに加わったのも困った!せめてどちらもオプションでOFFに出来れば良かったのに。
中途半端な難易度
硬派な見かけによらず、難易度はあまり高くなかったりします。
謎解きはともかく、戦闘の難易度はゲームを進めるごとに低下していき、ダンジョンのボスは攻略パターンを理解出来れば初見でも倒す事が出来ました。
せめてボスから受けるダメージ量を2倍に設定してほしかった。明らかに過去作よりも戦闘難易度が低下しています。
強制的な収集要素が多い
何度か行う光のしずく集め。天空文字探し。陰りの鏡のかけら集めと、強制的な収集要素がちょっと多く感じました。収集要素はあくまでサブ要素にしてほしかった。
ストーリー的にも「○○を○個集める」的な展開はありきたりでしらけます。
今回のゼルダはストーリーも重視されているだけに、後半からの「陰りの鏡のかけら」集める展開はもうちょっと趣向を凝らしてほしかった。
後半から息切れする
「風のタクト」もそうでしたが、今回も後半からのパワーダウンが目立ちました。
ラスト2つのダンジョンはボリューム不足。後半から減少する宝箱を開けるワクワク感。途中から陳腐化するストーリー。基本的な部分の出来がS級なだけに凄く勿体なく感じます。
全体のまとめ
あの名作「時のオカリナ」を本気で越えようとして作られた作品だけあって、マップやストーリーの壮大さは「ゼルダの伝説」史上最大と言っても良い内容でした。
ファンサービスも多く含まれており、「ゼルダの伝説」の一つの完成型といっても過言ではないと思います。
ただ、随所で妥協や余計な要素が見られ、傑作には惜しくもなれなかった印象。
基本的な部分の出来は数あるゲームの中でも間違いなくトップクラスなのでプレイして損のある作品ではありませんが・・・。
こんな人には特におススメ。
・「時のオカリナ」系統のゼルダ好き。
・任天堂が本気を出して作った作品をプレイしたい人。
こんな人にはおススメできない。
・暗い世界が嫌いな人(←全体的に世界観が暗い)。
・歯ごたえある戦闘を求める人。
ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス/お気に入り度【80/100%】
プレイした時間・・・約50時間
トワプリいいですよねぇ。
神トラや時オカでの荒廃した世界こそがゼルダの本質だと思ってる自分には凄く好みな作風でした。
ダブルクローやチェーンハンマー、スピナー等魅力的な武器も多かったですし。
特にハーラ・ジガント戦は、スピナーの魅力を存分に発揮したシリーズ屈指の好きなボス戦ですよ。
ボス戦がどれもワンパターンとか、雫集めが面倒とか、世界のスケールに作り込みが追い付いてないとか、まぁ数多くの不満はあるのですが、それを補えるだけの魅力はあったと思ってます。
スカウォが先に挙げた不満点をきっちり改善してるだけに、トワプリの世界を受け継いでくれなかったのは残念でしたね。
個人的にHD発売でありがたいのが普通のコントローラーでトワプリが出来ること。
当時買ったのがWii版だったもので、今やるときついんですよねぇ。
スカウォと比べると、ただの棒振りゲーに感じてしまいますから。