

スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-/PS4 / PS3
2016年3月に発売されたPS4「スターオーシャン5」を今回はレビューします。PS4「スターオーシャン5」は人気SFファンタジーRPG、「スターオーシャン」シリーズのナンバリング5作目です。
正式名称は「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」。2016年4月にはPS3版も発売。
目次
良いところ
シームレスイベントによって増した臨場感と没入感
これまでのRPGでは特定の地点へ行くと、暗転してイベントシーン用のムービーが挿入されました。そして、その間プレイヤーはキャラクターを動かすことができないので、コントローラを床に置きます。
ところが本作の場合、イベントシーンが発生する場所に行っても画面の暗転が行われず、そのままキャラクター同士の寸劇が始まるんですよ!しかも、操作キャラクターを動かす事だって出来ますし、自由にカメラも回せます。
そのおかげでコントローラを床に置く事はなくなり、リアルタイムにイベントが発生するので臨場感や没入感が高まっているんですよ。
イメージ的には海外産の大作ゲームでやっている事を本作でも取り入れている感じですね。
大作RPGってさぁ、いきなりくっそ長いムービーをダラダラ見させられて
なかなか操作させてくれないから重いんだよねー。
そう感じている方は是非本作をやってみてください。開始から30秒もしないうちに操作が可能になって、その後もコントローラを床に置く事はほとんどありませんから!
PS4ソフトなのでインストールの待ち時間もほとんどありませんし、スタンバイモードを使えば電源を切ってもすぐに前回プレイしたところから再開できるのでPS2やPS3時代に感じていた大作RPGの重苦しさがほとんどなくなっています。
↑リアルタイムにイベントが発生する事での大きな恩恵としては、こんなものもあります。しっかり作り込まれていてごちそうさまでした!
サクサク楽しめる戦闘
シームレス化はイベントシーンだけではありません!戦闘モードへの切り替わりもシームレスになり、すぐに敵と戦えます!
おかげでサクサクと楽しむ事が可能で、これまでの作品よりも積極的に敵と戦いたくなりました。
戦闘にかかる時間やレベルが上がるスピードはかなり速く、難所があってもすぐに推奨レベルまでたどり着けるのも有難いですね。
それもあってクリアまでのプレイタイムは15~20時間程度と大作RPGにしてはかなり短いですが、かつて「スターオーシャン」シリーズを楽しんでいた社会人でもちょっと頑張ればすぐにクリアできるようになっています。
戦闘システムはこれまで通り「テイルズオブ」ライクなコンボを繋げていくアクション形式を採用。少ないボタンでアクションゲームのような感覚でバトルを楽しむことができます。
でも、3Dアクションゲームのようになったのかと言われると必ずしもそうでは無く、戦闘モードに入るとキャラクターの移動は1ラインしか行えず、攻撃ボタンを押すと自動でターゲットまで向かうので、RPGの名残はあると思いました。
パーティメンバー全員が表示される一体感
本作のメインキャラクターは7人。全員がパーティメンバーになりますが、従来の作品ではこれだけ多いと半分近くが補欠でした。
ところが本作では全員が一度に戦えますし、移動中も7人が映し出されて喋ったりします。
これまでの作品では嘘を付いていたところを本作では正直に描いていて、その分だけの一体感を味わえました。きっと、技術的に大変だったでしょう。
5年前に発売されたWii「ラストストーリー」でも似たようなことをやっていましたが、あちらはほぼ一本道のフィールドだったのに対し、本作の場合はある程度開放感のあるフィールドでそれをやっているのだからすごい!
SFファンタジーな世界観
シリーズのセールスポイントとなっているSFとファンタジーの融合はよく出来ていました。
序盤は王道のファンタジーRPGっぽい世界観・展開でワクワクしますし、中盤以降のSFな展開も雰囲気がよく再現されています。
桜庭統さんの疾走感あるBGMも相変わらず良いですね。特に戦闘シーンのBGMは爽快です!
グラフィックはテカッていて人形っぽいですが、前作のような海外を意識した癖のあるデザインではなく、個人的には手作り感があってお気に入り。
全体的に原点回帰を意識している印象で、シームレスなど進化しているところはあるものの懐かしさを感じられました。王道のJRPGが好きな人は懐かしさと新しさを感じられると思います。
惜しいところ
死にシステム満載でゴリ押しが可能
今回も様々なゲームシステムが存在しますが、そのほとんどが生きていません。
ゲームをクリアするにはとにかく攻撃攻撃!ボタン連打で同じ必殺技を使いまくり、体力がなくなったら回復!大切なのは体力と攻撃力と防御力!
いくつかのレベル・カスタマイズシステム、3すくみ要素など今回もゲームシステムは複雑ですが、前述の通りゴリ押しで突破出来てしまうため実際には奥の浅い無双ゲームみたいでした。
いや、攻撃ボタンを押せば自動でターゲットまで移動してくれるので無双ゲーム以下かも。
せっかくこれだけゲームシステムが凝っているのに、そのほとんどが意味を成していないのは残念。ゲームバランスを上手く調整できないのであれば、無理に要素を入れないでほしい。
難易度の上げ方が強引
中盤以降にはゲームオーバーになりがちな難関ポイントも存在しますが、そちらは難易度の上げ方が強引に感じました。
例えば特定の仲間を死なせずクリアするのが条件の戦闘では敵が護衛するターゲットを理不尽なくらい集中狙いをしてきますし、強いボスとの戦闘では回避がほぼ不可能な全体攻撃を多用してくるだけで駆け引きを楽しめません。
結局、レベルを上げてステータスの暴力で勝つか、回復アイテムの多様で何とかしました。戦略性を全く感じられず、大雑把なゲームです。2周目以降の高難易度モードだったら少しは変わりますが、少なくとも1周目だとゴリ押しの大雑把ゲームに感じてしまいます。
ワープがほぼなくてマラソンゲー
RPGではお馴染みのワープ(ファストトラベル)は、本作ではほとんど出来ません。基本的には自分の足で前に訪れたところには行かなくてはならず、マラソンを強いられます。
しかも、用意されているフィールドが少ないために同じところを何度も行き来させられるので、時間を稼がされている感が半端ない。
これが行き来しても楽しいフィールドだったらまだ良いんですよ。でも、実際には一本道の面白みのないフィールドばかりで、何度も訪れたくはなりません。
同じフィールドでも時期によって出現するモンスターが変わったり(ただし色違い)、ストーリーに沿ったリアルタイムのイベントが発生して少しは飽きさせないようにしていますが、開発資金や期間が足りなくて素材を使いまわしている印象が強いです。
これでレベル上げに時間がかかっていたら投げていました。
イベントシーンをほとんどスキップできない
本作ではイベントシーンをほとんどスキップ出来ません。ゲームオーバーになるとタイトル画面からやり直しになり、もう一度イベントシーンを見る羽目になるのでこれは地味に困りました。
強いボス戦前にはよく長いイベントシーンが入るので、何回もやられるとストレスが溜まります。
没入感を阻害する仕様・手抜き
シームレス化によって没入感は確実に高まっていますが、阻害する要素もありました。
例えばシームレス化のイベントシーン。プレイヤーにイベントシーンを見逃さないようにしたい気持ちは分かるんですが、だからといってイベント発生中に見えない壁を一時的にでも張って阻止するのは強引に感じます。
見えない壁に当たると通行止めマークが表示されるので、せっかくの没入感が台無しになるんですよ。
あと、NPCに当たり判定を付けるようにしてほしい。仲間キャラクターや街を歩いている人に当たるとすり抜けてしまうんですよ。意識しなくてもぶつかってしまうことは度々あるので、ここはしっかりしてほしかった。
シームレス化の利点って没入感や臨場感の向上が大きいのに、それを阻害するような仕様や手抜きが散見されるのは残念です。
全体のまとめ
様々な部分がシームレスになった事で、次世代のJRPGを垣間見ることが出来ました。
しかし、開発資金や期間が足りなかったからか用意されている素材は少なく、ボリューム不足の上に水増し感があってゲームバランスも取れておらず、未完成品のまま発売されてしまった感が強いです。次世代JRPGを目指した未完成品。
こんな人には特におススメ。
・SFファンタジー好き。
こんな人にはおススメできない。
・お使いが苦手な人。
・戦略性を求める人。
スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-/お気に入り度【45/100%】
プレイした時間・・・約15時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
私はまだ15時間ほどでクリアしてないのですが調整不足はひしひしと感じます
必ず乱戦となって場所取りが出来ないのにも拘らず敵の移動を阻害できないしターゲッティングも相当不便で無いほうがマシとすら感じました
アクションも大味で延々とスキル使ってるくらいしかやることがありません(ボスの時は延々と回復)
それらが相まって戦闘が全然楽しく無いのでレベル上げをあまりしなかったらボスの攻撃で一撃死したり嫌らしくも回復役を袋叩きにされたりと泣く泣くレベル上げ作業に駆り出される・・・
皮肉を言うとテレビを見ながらレベル上げ作業をするRPGの感覚はある意味古き良きRPGを思い出しました
今のところ変なところで炎上しなかったテイルズオブゼスティリアって評価です
下してばっかりなのもあれなので好きなところも
やっぱり色々と次世代RPGを作ろうって頑張りは見てて嬉しいです
アニメよりリアル系が好きなのでグラフィックもだいぶ好み、朝焼けのシーンは素晴らしかった
アンヌめちゃかわ