ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」/PSP
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2009年7月に発売されたPSP「ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団『ボクと秘密の地図』」のレビューをしていきます。
本作は夏休みを田舎町で過ごすゲームですが、爆発的な面白さは感じられませんでした。
ですが、プレイを終えてからジワジワ来るものを感じたんですよね。
海の探索はワクワクしたなぁとか、盆踊りのリズムアクションゲームは長過ぎて疲れたなぁとか。
プレイしている時は当たり前に感じていたものでも時間が経つにつれて”かけがえのない体験”だったことに気が付かされました。
この感覚、夏休みや旅行を終えた後の余韻にソックリ。
本作は夏休みシミュレーターとも言われていますが、まさにその通りだと思いました。
ここからはそんなPSP「ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団『ボクと秘密の地図』」の良いと思った点から書いていきます。
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- 夏休みを田舎町で過ごすアドベンチャーゲーム。
- 舞台となるのは1985年の瀬戸内海。
- 虫取りや魚釣り、潜水、虫相撲などが楽しめる。
初リリース日 | 2009年7月2日 |
対応ハード | PSP |
ジャンル | アドベンチャー |
売上 | 初週5.8万本/累計13万本 |
推定クリア時間 | 12~18時間 |
発売元 | SCE |
目次
良いところ
高い自由度
本作の目的は、主人公「ボク」を操作して夏休みを満喫することです。
虫取りを楽しむのも良し。魚釣りを楽しむのも良し。島を探索するのも良し。
住人とコミュニケーションを取るのも良し。50円ゲームを楽しむのも良し。
まるで「どうぶつの森」のように目的もなくまったりと楽しむことができます。
ぼくが主にとった行動は海での潜水です。
海の中を潜っているとビンが見つかるんですが、お金と交換することができるんですよ。
本作でもお金を持っていたほうができることが増えるので、必然的に集めたくなりました。
まあ、貯めたお金のほとんどは50円ゲームのプレイ代に使っていましたけどw
本気で作られた海域の描写
本作の舞台となるのは瀬戸内海。
陸地と陸地に挟まれた海域で、夏らしさが漂っています。
特徴的なのが、5つの島と3つの海に分けられていることです。
最初は1つの島しか探索できませんが、イベントを進めていくことで他の島にも行けるようになります。
最後に行ける島はたどり着くのが大変なので、ちょっとした冒険を楽しんでいるのかのよう。
本格的なアクションゲームやRPGと比べたら大したものではありませんが、慣れ親しんだ日本の田舎町が舞台であることから没入感を味わえました。
背景のグラフィックは2DのCGを採用。
1枚絵ではありますが、少し移動するだけで別視点からの2D絵に切り替えるので、ハリボテ感が全くありません。
むしろ、背景から漂う空気感が凄まじいので、下手な3Dグラフィックよりも味があるくらいです。
プレイしている時は背景のバリエーションに感心しました。
これだけハイクオリティな2D絵をよく用意できたなぁと。
一方、潜水時はポリゴンによる3Dグラフィックを採用。
カメラも動くので、まるで、3Dアクションゲームの水中エリアをプレイしているかのようでした。
マップ自体も広く、怪しいオブジェクトが沈んでいたり、秘密の抜け道があったりと、冒険心をかきたててくれます。
そんな冒険心をさらにかき立ててくれるのが「宝の地図」です。
島の怪しいところを調べると「宝の地図」が見つかります。
全てを集めると良いことがあるので、夢中で集めてしまいました。
1985年の空気感
本作の時代設定は1985年。
今から35年以上前の昭和末期なんですが、随所で当時の空気を感じました。
例えば夜に居間へ行くとテレビがつけられています。
視点の関係で映像は確認できませんが、聞こえてくる音声が実に昭和っぽいんですよ。
音にノイズが籠もっていたり、1980年代のアイドルソングが流れてきたり。
居間に置いてある家具や小物の古臭さと相まって懐かしさを感じました。
極めつけとなるのが幸美さん歌唱の主題歌「ギンギラギンにさりげなく」です。
爽やかなロック調のアレンジが印象的な曲ですが、実は1981年にリリースされた曲のカバーバージョンなんですよね。
そのため新鮮さと懐かしさが融合した不思議なテイストとなっていて、聞き手に強烈なインパクトを与えてくれます。
感情移入してしまう村の住人
瀬戸内海には何十もの人が暮らしています。
その多くが現実世界にいそうな人柄なので、親近感が持てました。
個人的に好きなのは、主人公が泊まることになるおじ家の人々です。
田中真弓さんの熱い演技が印象的な太陽、豪快でおおらかなところが面白いおじちゃん。
ビックリするくらいグータラしすぎの漫画ねえちゃん。
日によって会話の内容が異なるので、毎日、話をかけたくなりました。
強調したいのが、ボイス付きであることです。
容量の関係でフルボイスではありませんが、大半のセリフにボイスが付いているので、キャラクターの魅力がさらに増しています。
どのキャラクターも見た目は「キレイキレイ」のイラストを3D化したようなので、静止画だけだと無機質に見えるかもしれません。
ですが、ゲームをプレイしていると魅力的なキャラクター性、ボイスによって不思議と感情移入してしまうんですよ。
楽しい夏休みには家族や友達が必要不可欠です。
本作の主人公は人間関係に恵まれているので、楽しい夏休みを過ごすことができます。
惜しいところ
緩すぎるゲーム進行
本作は夏休みシミュレーターと公式で言われています。
そのため一般的なゲームと比べて緩いので、駆け引きはそんなに味わえません。
例えば虫取りや魚釣りができるのは良いのですが、どちらも判定は甘く、簡単に捕まえることができます。
虫取りに至っては捕まえる前に今まで捕まえたことのある虫なのかの判別もできるので、良くも悪くも親切設計です。
それ以外にもゲーム的な要素はいくつかありますが、「攻略する」という感覚を味わえたのは虫相撲、太鼓叩き、50円ゲームくらい。
基本的には緩く作られているので、攻略や駆け引きを求めていると面を喰らいます。
逆に言えば誰もがクリアできるバランスにはなっているんですけどね。
ゲーマー目線からだとお金稼ぎできる手段をもう少し増やしてほしいとか、アイテムを買う楽しさがもっとほしいとか。
体力ゲージの必要性をもっと持たせてほしいとか思ってしまうのも正直なところです。
夏休み後半が消化試合になりがち
夏休み中には盆踊り、村の案内、夜釣り、虫相撲大会など、様々な期間限定イベントが用意されています。
しかし、現実世界での夏休みもそうなんですが、どうしても後半は消化試合になりがちです。
大きなイベントがなくなってくるのはもちろん、やりたいことが限られてくるんですよ。
確かに自由度は高いと思いますが、もっとできることを増やして1周プレイしただけではコンプリートできないくらいにしてほしかった。
本作は主人公のとった行動次第でエンディングが変化するマルチエンディングシステムを採用しているので尚更。
1周目は虫取りに専念して2周目は海の中に隠れているビン集めに専念するとか、そんな極端なプレイをしても中だるみしないようにしてほしかったです。
ぼくのなつやすみ4のレビューまとめ
海をテーマにした夏休みシミュレーター。
プレイしている時は爆発的な面白さは感じられませんでしたが、プレイを終えてからは「あぁ、楽しかったなぁ、終わって切ないなぁ」と思いました。
ライバルの太陽は熱い奴だったなぁとか、漫画ねえちゃんはグータラしていて面白かったなぁとか。
海の探索はワクワクしたなぁとか、盆踊りのリズムアクションゲームは長過ぎて疲れたなぁとか。
エンディングの「ギンギラギンにさりげなく」を聴きながら感じたものです。
この感覚、夏休みや旅行を終えた後の余韻にソックリ。
思い出ってだんだん美化されていくもので、振り返ってみると凄く楽しかったと感じてしまうんですよね
本作をプレイする前、
「なんで親戚の家で夏休みを過ごす設定にしたんだろう?」
と思っていましたが、エンディングで親戚とお別れする時に気が付きました。
夏休みが終わる喪失感を強調するためでもあるんですね。
そういう部分も含めて夏休みの醍醐味を味わえるゲームです。
こんな人には特におススメ。
・ノスタルジーに浸りたい人。
・夏を満喫したい人。
こんな人にはおススメできない。
・ゲーム要素を求める人。
・能動的に楽しめない人。
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