
キルゾーンシャドウフォール/PS4
2014年2月に発売されたPS4「キルゾーンシャドウフォール」を今回はレビューします。
PS4「キルゾーンシャドウフォール」は海外で人気が高いFPS、「キルゾーン」シリーズのPS4向け1作目となる作品です。
目次
良いところ
新世代を感じるグラフィック
毎回とても綺麗な映像を見せてくれる「キルゾーン」シリーズ。今回は対応ハードがPS4になったことで、2014年時点では最高峰のグラフィックを見せてくれました!
世代が1つ進んだと言う事で、PS3/Xbox 360向けのどのFPSよりも綺麗。具体的に書かせていただくと・・・
・影の表現に粗さが無くなり、ジャギーがほとんどなくなった。
・木に生えている葉っぱが一枚一枚丁寧に描かれている。
・水の表現に透明感があり、とても滑らかに流れている。
・光の反射がとても自然で、直接太陽を見ると眩しくなってしまう。
・数百もの高層ビルを丁寧に描いている。
こんな感じですね。一見するとよりリアルになったようにも見えますが、一部ではCG的なデフォルメを加えることで、かえって綺麗に見える部分もありました。
さらに驚いたのが、これだけ綺麗な映像を表現しながらも、可変60フレームを採用している事。
つまりシーンによって1秒間に動く絵が30~60枚となり、処理が軽いとヌルヌル動いているように感じるんです。マルチプレイモードでは、ほぼ60フレームだった印象です。
キャンペーンモードの行動範囲が広い
ストーリーを進めて行くキャンペーンモード。
多くのFPSでは一本道のリニア式になっていますが、本作では複数のルートが存在して、行動面での自由度が高くなっています。
プレイヤーに選択の余地を与えているという点がFPSのキャンペーンモードとしては珍しく、そう言う意味では次世代機らしい挑戦と捉える事が出来ました。ただ・・・(個人的に合わない&気になったところに続く)。
戦略性が高いバトル
全体的にこのゲームのキャンペーンモードは、ステルス性が高くなっています。
敵に気が付かれないよう後ろから近接攻撃を加えて倒したり、真上から攻撃して倒したりできるうえ、壁の奥にいる敵を透視できる機能がありますからね。
また、相棒としてドローンがいて、彼に攻撃をお願いしたり、シールドを張ってもらったり、ジップラインを使ったワイヤーアクションが出来たりと、銃で攻撃する以外にも様々なアクションが用意されている事も戦略性を高めてくれます。行動範囲が広いのと相まって、攻略の自由度が高いのは良いですね。
ほぼ同じスタートラインに立てるマルチプレイ
マルチプレイモードでは、最初からすべての武器や特殊能力を使用することができます。
この仕様によって全員がほぼ同じスタートラインに立つ事が出来て、あまり不公平なバトルにはならないと感じました。
マップは適度な広さで、それほど入り組んでいないのもバランスがとれていると思う。そう言う意味では比較的遊びやすいマルチプレイと言えそうです。
オリジナリティのあるルール
本作のマルチプレイモードには全部で8種類のルールが用意されています。
チームデスマッチ的なものからフラッグゲーム、指定の場所にアイテムを持って行くゲーム、相手の陣地を制圧するゲーム等々。
面白いのが、1回のバトルで何種類ものルールが楽しめる「ウォーゾーン」というルール。ラウンドごとにルールが変わり、短時間で様々なルールのバトルを楽しむことができます。
充実したマルチプレイのトレーニング
マルチプレイモードにはコンピュータとの対戦ができる機能も搭載されています。
しかもプレイ人数、マップの種類、ルール、使用できるクラス、特殊能力、体力数、弾の数、コンピュータの強さなど細かく調整が可能で、仮にオンライン人口が減って対戦するのが難しくなったとしてもこのモードでなんとかなりますから。練習にも最適だし、オンライン対戦ができない時にも良いと思いました。
収集アイテムが魅力的
キャンペーンモードには、全部で99もの収集アイテムが隠されています。
隠されている収集アイテムは音声ログ、新聞、コミック、ファイルの4種類。いずれも単に集めるだけではなく、読んだり聴いたりできるのが嬉しいです。
特に注目なのが、音声ログとコミック。音声ログはPS4コントローラから音が出て来るので、臨場感が高まります。
コミックは実際に漫画の1ページとして読む事が可能で、すべて集めると1つの漫画が完成します。このように収集アイテムが魅力的な事で、収集する楽しさが増していると思いました。
惜しいところ
次の目的地が分かりにくい
キャンペーンモードで行動範囲が広いのは良いんですが、いかんせん次の目的地が分かりにくく感じました。
一応目的地の表示は可能なんですが、大抵はずっと先に表示されていて、それまでのルートが分かりにくく感じます。
目的地が分かりにくい事で探索要素が増している事は確かですが、次の目的地が表示されていながらも先に進めないのは”足止め”を食らわされている印象が強く、ストレスが溜まります。
チャプターによってはマップが暗過ぎて、何が何だか分かりませんでしたし。これらの要因によってキャンペーンモードはストーリーのスピード感が薄れていて、テンポが悪く感じます。
煩雑な操作性
ドローンの操作は、コントローラに搭載されたタッチパッドを上下左右にタッチフリックしてコマンドを選択し、L1、もしくはL2を押して決定します。
ただでさえ操作が複雑なFPSにこのような操作が加わり、しかも銃を構えてもアシストが無いので操作性は煩雑に感じてしまいました。
次の目的地が分かりにくいのと相まってFPS初心者は大苦戦する事でしょう。
一応、回復アイテムがある事で回復出来たり、少しの間スローモーションにしたり、倒れてもドローンが蘇生してくれるといった救済措置はありますけどね。
文字が小さすぎる
全体的に文字は小さすぎる気がしました。
次の目的を知りたいのに、文字が小さすぎて分かりにくいと何度思った事か。
40型テレビで1.5M離れた状態で視力1.0でプレイしてもこれですから。
PS3/Xbox 360時代から文字が小さいゲームはありましたが、このゲームはそれのさらに上を行っています。日本語音声なのがせめてもの救い。
チャプターが長い
キャンペーンモードの1チャプターは、どれも長く感じました。
次の目的地が分かりにくい事によって迷ってしまう事も大きいんですが、それでも2~3チャプター分のボリュームがあってもう少し小分けして良かった気が?
1チャプターをクリアするのに、早くて40分。長いと1時間半はかかってしまいます。
マルチプレイをやり込むモチベーションが弱い
本作のマルチプレイモードには、レベルの概念はありません。
一応用意された目標を達成する事で武器のアップグレードが可能になったりしますが、対戦でスコア(経験値)を稼いでレベルを上げて行くFPSの醍醐味は無いので、マルチプレイをやり込むモチベーションが弱いと感じました。
マルチプレイ自体は短時間で様々なルールで楽しめたり、キャンペーンモードでも使えたシールド、透視、透明化能力などを使えて、トリッキーなバトルが楽しめて面白いんですけどね。
全体のまとめ
次世代機ならではの、様々な挑戦を感じられる意欲的な作品でした。
しかし、その多くが調整不足となっていて、面白さよりもストレスが勝った作りになっています。
グラフィックは見る価値ありですが、非常に人を選ぶ内容です。
面白さよりもストレスが勝った新世代FPS
こんな人には特におススメ。
・PS4のマシンパワーを感じたい人。
・普通のFPSに飽きた人。
こんな人にはおススメできない。
・FPS初心者。
・探索が苦手な人。
キルゾーンシャドウフォール/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約15時間
キャンペーンは何回も迷子になり、テンポが悪いと思います。
マルチは自陣でリスポーンし、サイドアタックやバックアタックされる確率が低いので自陣の近くでスナイパーにしてキャンプはっています(笑)。