どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回はSwitch「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」のレビューしていきますが、まずはひとこと言わせてください。
本作、無双ゲームの域を越えています!
おそらく、本作をPVなどでご覧になった方の中には
という意見を持たれたと思うんですよ。
ぼくも無双ゲームという先入観で手を出してみたんですが、クリアまでプレイしてみたところ、予想以上に「風花雪月」の色が強く出ているなと思いました。
登場キャラクター、ゲームシステム、ストーリー、BGM。
ありとあらゆる部分が「ファイアーエムブレム 風花雪月」を踏襲しているので、無双というよりは同作の外伝という印象を強く持ちました。
このゲーム、単なるお祭りゲーじゃないです。
本気で作られた「風花雪月」の外伝作です。
ただ、本気過ぎるが故に無双ゲームとして見ると気になる点もあるなぁと思いました。
本記事ではそういった惜しい部分についても話していきますので、ぜひ、最後までご覧ください。
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- 大量の敵を倒しながら目標をクリアしていくステージクリア型の一騎当千ゲーム。
- 「風花雪月」のifストーリーを描いている。
- 軍備パート、進軍パート、戦闘パートといった3つのサイクルで進行する。
初リリース日 | 2022年6月24日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | アクション |
売上 | 初週9.8万本 |
推定クリア時間 | 25~35時間 (1周クリア) |
発売元 | コーエーテクモ |
目次
ファイアーエムブレム無双 風花雪月とは?
まずは「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」の概要を簡単に紹介していきます。
本作は沢山の敵を倒して行くステージクリア型のアクションゲームで、開発はコーエーテクモゲームスが手掛けています。
特徴的なのが、「風花雪月」をテーマにしていることです。
「風花雪月」は2019年に発売されたシミュレーションRPGで、TVゲーム総選挙23位にランクインするほど高く評価されました。
今作ではそんな「風花雪月」であり得たかもしれないもうひとつの物語を描いておりまして、同作の主人公だった、ベレト・ベレスが灰色の悪魔という敵として登場。
プレイヤーが操作するのはフォドラの大地を渡り歩いていた天涯孤独の傭兵シェズで、ゲーム序盤に「アドラークラッセ」「ルーヴェンクラッセ」「ヒルシュクラッセ」のいずれかに、生徒として所属することになります。
ゲームは軍備パート、進軍パート、戦闘パートの3つのサイクルで進行。
軍備パートでは前哨基地内を自由に移動して仲間との交流や自軍の強化を行い、
進軍パートではメインのクエストが発生する地点までマップの状況を見定めながら進軍していき、
戦闘パートでは大量の敵をド派手な技で一網打尽にしていきます。
そんな「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」ですが、冒頭でもお話したように、予想以上に「風花雪月」の色が強く出ているんですよね。
ここからは過去作と比較をしながら「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」のレビューをしていきます。
良いところ
風花雪月のキャラで暴れまわれる
本作を語るうえで外せないのが、「風花雪月」のキャラクターで戦場を暴れまわれることです。
Yボタンで弱攻撃。Xボタンで強攻撃。
基本的にはこれらの攻撃を組み合わせてコンボを決めて敵を倒していき、ゲージが溜まったら必殺技で一網打尽。
といった感じで戦うことになるんですが、アクションゲームにしては攻撃範囲が広く、出現する敵の数が多いので、簡単操作で大量の敵を倒すことができます。
これがですね、とにかく気持ちが良いんですよ。
このような無双ゲームは今やありふれていますし、その中で突出した爽快感がある訳ではないんですが、「風花雪月」のキャラクターで暴れまわれるのはファンとしては大きなプラスポイントに感じます。
しかもですね、操作できるキャラクターの種類が非常に多いんですよね。
「アドラークラッセ」「ルーヴェンクラッセ」「ヒルシュクラッセ」といった3学級の生徒や級長はもちろん、新主人公のシェズ。
さらには本編の追加コンテンツに登場した第4の学級「ヴォルフクラッセ」の生徒もある条件を満たすと仲間になります。
操作できるキャラクターは35体以上。
前作のことを思うと追加コンテンツなしでこれだけのキャラを操作できるのは頑張っているのではないでしょうか?
ストーリーの作り込みが凄い
ゲームシステムの大部分は「風花雪月」を踏襲しています。
戦闘の形式こそはシミュレーションゲームからアクションゲームに変わっているんですけどね。
それ以外の部分は「風花雪月」の色を継承しているので、無双ゲームのキャラを置き換えただけの作品には感じませんでした。
特筆したいのが、ストーリーの作り込みです。
今作では「風花雪月」であり得たかもしれないもうひとつの物語を描いています。
言ってしまえばifストーリーなんですが、めちゃくちゃよくできているんですよ。
まず、主人公が変わったことで風花雪月本編とは違った側面から話を作り出し、本編の内容を掘り下げているのが良いと思いました。
例えば本編では会話の中には出てくるけど、実際の姿を見せずに噂だけで終わった人物がいくつかいたりします。
本作ではそんな人物が実際に登場して活躍したりするので、「風花雪月」本編をプレイした者としてはニヤリとしました。
ストーリーの作風にしても本編以上に過酷で、軍記物語の色が強く出ています。
本編の場合、前半パートは士官学校での生徒たちとの交流に重きを置いていましたが、今作ではそういったパートをほぼすっ飛ばしているので、序盤から戦争をしまくっているんですよ。
プレイヤーの行動次第では主要人物がどんどん戦死してしまうので、こちらが正史なんじゃないかと思うくらい、シリアスな展開が続きます。
正直なところ、無双ゲームのストーリーって添え物みたいなことが多く、二の次ってイメージを持っていたんですが、今作は違いますね。
「風花雪月」であり得たかもしれないもうひとつの物語を本気で作っています。
ストーリーの脚本はもちろん、イベントシーンの作り込みも本編に匹敵するほど本気で作られていて、あまりの長さに驚きましたw
普通、「風花雪月」を題材にした無双ゲームを作るのでしたら同作のストーリーをダイジェストにまとめて追体験する方向へ持っていくと思うんですが、そういう安直な方向に行かなかったのは凄いと思いましたね。
ちなみにストーリーは本編と同じく3つのルートに分岐するようになっていまして、序盤に選択する学級によって変化します。
プレイヤーの行動次第では後半の展開にも変化があるので、ストーリーの作り込みとか、テキスト量は無双ゲームの域を超えていますw
実際に数えた訳ではないんですが、テキスト量の多さは本格的なアドベンチャーゲームに匹敵するほどの物量ではないでしょうか?
コミュニケーション要素の作り込みが凄い
「ファイアーエムブレム」シリーズはキャラクター同士のコミュニケーション要素にも力を入れています。
戦場で一緒に戦うキャラたちが普段はどんな交流をしているのか?
そういった部分を具体的に描くことでキャラクターに愛着が湧くようになり、ゲームがより楽しくなっていくんですね。
「風花雪月」ではその辺りの部分が極限まで強化されていましたが、今作でもその点はしっかりと踏襲しています。
代表的なのが、軍備パートの作り込みです。
このパートでは前哨基地内を自由に散策して仲間との交流や自軍の強化を行えるんですが、とにかくやれることが多いんですよ。
好きな仲間と訓練をしたり、料理を振る舞って一緒に食事をしたり、一緒に作業を手伝ったり。
支援レベルがC以上になるとお茶会ならぬ遠乗りに誘って一緒に会話をしたり、相手を眺めることができるので、ここだけ恋愛アドベンチャーゲームみたいになっていますw
ぼくの場合、大好きなメルセデスちゃんを眺めているだけで10分が過ぎてしまいましたw
また、「ファイアーエムブレム」シリーズではお馴染みの支援会話は今作でも踏襲。
「風花雪月」本編と同じく、キャラクター同士がフル3Dで、フルボイスによる日常会話を楽しむことができます。
各キャラクターごとに用意されている支援会話は最大で3種類。
会話の内容はキャラクターの組み合わせによって変わるので、トータルで見ると数百種類にも及びます。
これだけの物量がありながらも1つ1つのボリュームも凄いので、どんだけ力を入れているのかと思いましたw
ちなみに今作の時系列はベレト・ベレス先生と出会わなかった世界の2年後という設定になるので、各キャラクターのグラフィックは一新されています。
そのため本編とは違った一面を見せてくれるキャラクターもいたりするんですよ。
ぼくの場合、ベルナデッタの髪型にやられてしまいましたw
ベルナデッタは極度の人見知りキャラで、かん高い声が特徴的なんですが、今作では前髪を出しておでこを見せつけてきます。
いやぁなんだか変な性癖が生まれてきそうですねw
このように本作はストーリー要素、コミュニケーション要素ともに「風花雪月」本編を踏襲していますが、ここまでの話を聞かれた方の中には
と感じたかもしれませんね。
実は「風花雪月」本編の開発はインテリジェントシステムズとコーエーテクモゲームスの共同で行われていまして、その大部分が後者のコーエーテクモだったりします。
そのためコーエーテクモ主導で作られた今作も「風花雪月」を知り尽くしたスタッフが制作していますので、他のコラボレーション無双よりも完成度が高くなりやすい環境だったんですね。
シミュレーション要素が強い
ここまで本作が「風花雪月」のシステムを踏襲していることをお話してきました。
でも、熱心なファンの中には
と感じているかもしれません。
確かに本作の戦闘はアクションになるので本編のシミュレーションが好きでしたら抵抗を持ってしまいそうですが、実は、本質的な面白さはそんなに変わらなかったりするんですよね。
最大の要因は、戦略性が高いことです。
戦闘パートでは箱庭マップの中で何百体もの敵と戦うことになります。
多くのステージでは敵将を倒せばクリアになりますが、だからといってゴリ押しで進めることはできないようになっているんですね。
というのも、各ステージでは敗北条件が存在しまして、特定の拠点が敵に制圧されてしまったらゲームオーバーになるからです。
そのためゴリ押しで戦ってばかりいるのではなく、敵に制圧されないよう防衛しないといけないんですね。
そんな時に便利なのが、仲間への行動指示です。
+ボタンを押すとマップを開くことができます。
で、Aボタンで仲間のアイコンを選択すると状況に応じて様々な指示を出せるんですね。
特定のキャラを護衛するよう指示したり、敵へと攻撃や敵砦の制圧をするよう指示したり。
すると、CPUが自動で行動を取ってくれます。
このような要素は過去作にもありましたが、今作のCPUは賢いので、めっちゃ良い感じに動いてくれるんですよ。
上手く活用すれば時縮できてゲームオーバーを防げるので、敵の攻撃が激しくなる後半のステージになればなるほど重要な要素になります。
さらに今作では近くにいる仲間を「副官」に任命するシステムが追加。
副官に任命することで敵の攻撃からかばってくれたり、連携して大技を繰り出せたりするので、どの味方の近くで戦うのかを考える必要が生まれたんですね。
他にも
- 武器の耐久値を削って使用できる「戦技・魔法」が存在する
- 武器ごとに「3すくみ」の要素が存在する
- 兵種経験値を貯めることで「兵種レベル」が上がって別のクラスに変更できるようになる
といった感じで随所にシミュレーションRPG的な要素が盛り込まれていますので、無双ゲームでありながらも「ファイアーエムブレム」らしいアレンジがなされています。
開発者の早矢仕さんは今作において
シミュレーション ロールプレイング タクティカル アクション
というゲームジャンルを提唱したようですが、確かにプレイしているとそんな印象を持ちました。
まあ、長すぎて定着しなかったようなんですけどねw
圧倒的なボリューム
今作は圧倒的なボリュームを誇ります。
無双ゲームになったということで
と感じた方もいそうですが、そんなことはありません。
本作も超大作と言っても良いくらいボリュームがあります。
ストーリーは大きく分けて3つのルートに分岐するんですが、1ルートクリアするだけでも20~30時間かかりますからね。
しかも1ルートごとにサブクエストや外伝シナリオが用意されていたり、終盤にはさらなる分岐が用意されていたりしますので、全てを極めようと思ったらかなりの時間を必要とします。
主人公の性別に合わせてイベントシーンが変化するという凝った作りも健在ですし、どれだけの開発費をつぎ込んだのかと思いましたw
でも、仕事などで忙しい方の中には
と思われるかもしれませんね。
本作ではそんな方に合ったプレイスタイルに変更することも可能だったりします。
以下、短時間でクリアしたい人向けの要素です。
- 難易度は3段階の中からいつでも変更できる
- レベルを引き継いで始められる(クリア後特典)
- 進軍パートのサブクエストをスキップできる(クリア後特典)
これらの要素を活用すれば2周目以降はクリアタイムを大幅に短縮することができます。
その一方で死んだ仲間は二度と生き返らないクラシックモードが搭載されていたり、2周目以降は難易度ルナティックで挑戦できたりしますので、色んなプレイスタイルのユーザーが楽しめるよう気を配っていると思いました。
惜しいところ
色んなジャンルの要素が喧嘩している
ここまで「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」の良いところを語っていきました。
間違いなく本編に匹敵するほど力が入った作品ではありますが、そこが仇になっている部分も散見されます。
ぼくが気になったのは、色んなジャンルの要素が喧嘩しているように感じたことです。
例えば戦闘パートでは大量の敵を武器で倒したり、味方に命令をしていくという爽快感や戦略性を併せ持った戦いを楽しむことができます。
すると、戦闘をどんどんやりたくなってくるんですが、あんまり戦闘ばかりしていると軍備パートでやらないといけないことがどんどん増えるんですね。
訓練で指定したキャラの兵種経験値を稼いだり、仲間に料理を振る舞って一緒に食事をしたり、施設を拡張したり、物資集積場で資源の回収したり、新しい支援会話を見たり。
難易度ノーマル以下ですと多少はスキップしても問題はありませんが、それでも勿体ない気がしてしまって、面倒に感じながら様々なタスクを消化することがありました。
他にも無双ゲームにしてはイベントシーンが長すぎたりして、気持ちのスイッチを切り替えないと億劫に感じることがあります。
この辺りの問題は「風花雪月」本編でも見られましたが、今作でも良くも悪くも継承しているなと思いました。
ただ、色んな要素が詰め込まれているおかげで無双ゲーム特有の単調さが薄れているように感じます。
かつての無双ゲームはボタン連打ゲー、草刈りゲーと揶揄されたものですが、本作では色んなことを考えないといけませんので、8,000円で売り出す家庭用ゲームに相応しい内容になっているとは思うんですよ。
もし、「ファイアーエムブレム」の純粋な無双ゲームを遊びたいのでしたら、2017年に発売された前作をおすすめします。
こちらも「ファイアーエムブレム」らしいシミュレーション要素が盛り込まれていますが、本作ほどではありませんし、ストーリーもサクサク進みますからね。
前作ほどは爽快感がない
戦闘パートの爽快感は前作よりも薄れているように感じます。
今作でも簡単操作で大量の敵を倒せるという点は変わっていないんですけどね。
キャラクターの表示が小さくなっていたり、ザコ敵の体力バーが廃止されていたり、効果音量が小さくなっていたりするので、前作ほど爽快感はないと思いました。
また、前作以上にシミュレーション要素が強く、ゴリ押し戦法が通用しにくくなっているので、爽快なアクションを楽しみたいのでしたら不満に感じてしまうかもしれません。
全体的にはパワーアップしているとは思いますが、前作のFE無双から5年も経っているだけに、無双アクションとしての進化がもっとあったら良かったですね。
ファイアーエムブレム無双 風花雪月のレビューまとめ
ここまで「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」の良い点や惜しい点を語っていきました。
簡単にまとめると
- 本気で作られた「風花雪月」の外伝作
- 無双ゲームだが、本質的な面白さは「風花雪月」本編に近い
といった感じです。
色んなジャンルの要素が詰め込まれているので合う合わないは生まれてくると思いますが、力の入れようは間違いなく無双史上最大級だと思いました。
「風花雪月」の外伝作として本気で作られていますので、同作のファンにおすすめしたい作品です。
もちろん「今作から入っても楽しめない!」ってことはありませんが、「風花雪月」のネタを知っているからこそ楽しめることも多いので、基本的には同作のファンディスク的な内容と思った方が良いでしょうね。
こんな人には特におススメ。
・風花雪月ファン。
こんな人にはおススメできない。
・アクションだけを楽しみたい人。
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