ナイツ NiGHTS into Dreams…
1996年7月にセガサターンで発売されたアクションゲームです。開発は「ソニックアドベンチャー」や「ファンタシースターオンライン」で知られるソニックチームが担当。
1996年夏のセガサターン向け大作ソフトとしてアピールされ、大ヒットを記録しました。本記事では本作のレビューをしていきます。
空を飛びまわる楽しさを味わえる作品
このゲームはナイツとなって箱庭マップを飛び回り、アイテムを集めていくのが主な目的の作品です。
移動は360度自由にできるのではなく、レール式となっていて視点は基本的には横から見たものなので、感覚的には2.5Dアクションに近いですね。
しかし、ステージによってはカメラがナイツの後ろに回って奥スクロール型のアクションに変わったり、頭上視点になってトップビュー型のアクションに変わったりもします。
水中の中にもぐったり、鏡の向こうにいるナイツを操作したりとギミックも盛り沢山で、どのステージも変化に富んでいて密度が非常に濃いです。
ソニックチームの作品らしく、疾走感は凄いですね。アクロバットを決めてダッシュで飛び回れるのは非常に気持ち良く、一部のステージでは空飛ぶジェットコースターに乗っている感覚を味わえました。
まだスーパーファミコンが強かった1996年にこれだけの体験が出来たのは凄い事だと思います。
スコアアタックが楽しい作品
各ステージでの目的は、「イデア」と呼ばれるアイテムを4個集め、イデアパレスに奉納する事。
「イデア」はイデアキャプチャーと呼ばれる機械に取り込まれているのですが、まずは「ブルーチップ」というアイテムを20個集めないと破壊出来ません。
つまり、「ブルーチップ」を20個集める→「イデア」を入手→イデアパレスに奉納という手順を4回繰り返せばステージクリアという訳ですね。
しかし、そのままやっていては高スコアは獲得出来ません。
「イデア」を入手して「イデアパレス」に奉納するまでの間はすべての取得スコアが2倍になるので、その間にアイテムを取りまくってリングをくぐればスコアがどんどん増えていきます。
つまり、できる限りその間にスコアを稼ぐことが高スコアをゲットするための近道という訳ですね。空を飛べるのは制限時間があるので、効率良く動いていかないとボーナスタイムの時間すらも満足に取れませんよ~。
綺麗なゲーム
世界観は子供が好きそうなカラフルポップとなっています。色使いは鮮やかで、空には沢山のカラフルなアイテムが飛びまわっているので、グラフィックを見ているだけでもワクワクしてしまいます。
特に必見なのが、クリスマス風のステージでしょう。雪に混ざって宙に浮いているアイテムがまるでクリスマスツリーの飾りみたいで、とても綺麗ですから。空を飛ぶ気持ち良さと相まって、まるで夢の世界で遊んでいるかのようです。
BGMはメロディアスで、聴き心地が良いものが多いですね。何やらゲーム中の音楽が節ごとにリアルタイムで変動するという無駄に凝った仕組みも存在するようで、シンプルなゲーム性とは裏腹にBGMも作り込まれています。
ソニックチームらしい不親切な部分も
ソニックチームのゲームって基本的には良く出来ているけど、微妙にチューニングが足りていないんですよね。残念ながら今作も例に漏れず、不親切な部分が見受けられました。
まず、制限時間が0になって地上に落ちてしまった時にイデアパレスまで戻る時の地上パートの作り。
非常に雑な3Dアクションといった感じで、もうちょっとなんとかならないかと思いました。移動にアナログ感がありませんし、どんな急な坂道でも構わずに登ることができますから。
ステージクリア後に挑戦できるボス戦のバランスもイマイチに感じます。まず、120秒しか制限時間がないのに倒し方のルールがわかりにくいです。
適当に飛び回って倒せる事もありますが、ボスによってはステージの仕掛けを壊さないといけなかったりして、初見は落ち着いて戦う事が出来ません。ダメージを受けると制限時間がどんどんなくなってしまうし。
ボス戦は1回しか挑む事が出来ず、失敗したらまた通常ステージからやり直しなので、倒し方が分からず制限時間がなくなった時は少々理不尽に感じてしまいました。
ボスを倒した時の残り時間によってスコアの倍率が増えるので、制限時間式というシステム自体が悪い訳ではありませんが。
ボリューム不足なのは否めない
ステージの総数は6+αになります。1ステージクリアするのに15~20分程度なので、そう考えると少ないですね。
最後のステージはすべてのステージでランクC以上のスコアを獲得しなければアンロックされませんが、ボリューム不足を補うための延命策に感じてしまいました。
確かにスコアアタックの楽しさを重視した作品であるので、最低でもCランク程度のスコアを獲得できるまでの腕前になって欲しいという開発者の気持ちは分かるんですけどね。
ステージ数は少ないですが、前述の通り各ステージの密度は濃いです。色んなギミックや乗り物を短時間で体験できるので、15分程度のプレイでも充実感があります。スコアアタックによってリプレイ性は高いので、やり込めば長く楽しめますよ~。
全体のまとめ
素晴らしい世界観とゲーム体験が融合した作品。少々アクションゲーム慣れしていないと厳しいところはありますが、空を飛ぶ気持ち良さやハイスコアを更新する楽しさは現代にも通用するレベルです。
こんな人には特におススメ。
・空を飛びまわりたい人。
・スコアアタック好き。
こんな人にはおススメできない。
・アクションゲームが苦手な人。
ナイツ NiGHTS into Dreams…/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約8時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
ナイツですか。ナイツはやったことはないですけど、Xbox360で配信されてるから存じてます。スコアアタック好きな人に向いている!自分がそれに当てはまりますね!空を飛び回りたいかは別としてw
流石ソニックチームなだけあって見ただけで疾走感があります。
ゲームデザインも今でも通用する感じですね。
背景がかなりいいですね。ぼかした感じが出ていたり、ボス戦時の天井がかなり独特なデザインですね。