
パラッパラッパー/PS4
2017年4月に発売されたPS4「パラッパラッパー」を今回はレビューします。
PS4「パラッパラッパー」は1996年に発売されたPS1ソフトをHDリマスター化したリズムアクションゲームです。
目次
良いところ
アドリブに乗る楽しさ
本作は画面に表示される指示通りにボタンを押して「ラップ」を行うリズムアクションゲームです。
今となっては珍しくはなく、これだけだと普通なんですが、面白いのがアドリブ。
本作ではアドリブを行う事が可能で、指示されたボタン以外も押してスコアを稼ぐことができるんです!
これをマスターすると面白さが一気に上がり、フリースタイルをやっているかのような感覚を味わえます。
アドリブを出すための条件は2つ。1つは最初のボタンは必ず先生と同じものを、同じタイミングで押す事。もう1つは先生が使ったボタンはすべて、少なくとも一回は必ず使う事です。
そこまで厳しい制限ではないため色んなアドリブを生み出す事が可能になっていて、慣れてくるとスコアアタックが楽しくなってきます。演奏はリプレイで保存ができるので、それをシェアする楽しさもあります。
ただでさえ当時はリズムアクションゲームというジャンルが珍しかったのにアドリブという要素を加えるとは、時代を先取りしていて凄いです。
リプレイ性が高い
前述の通りアドリブプレイが楽しい作品なので、リプレイ性が高いです。自分だけのアドリブを作ろうと同じ曲でも何度も再挑戦してしまう。
それだけでもリプレイ性は高いですが、2周目以降に出現するCOOLモードの存在によってますます高まっていました。
先生よりも上手いラップを決めるとCOOLモードに投入してお手本無しでラップを行うことになり、演出も変わっていくんです。お手本がないのでCOOLモードを続けるのは大変ですが、理解できるようになったら超気持ち良かった!
それ以外も隠しキャラが存在したりして、1ステージの中には色んな秘密が隠されていると思いました。
ポップなグラフィック
グラフィックはポップでオシャレな感じがしました。
キャラクターはペラペラの紙みたいな描写となっているけど、それが妙なオシャレ感を生み出していると思うし、キャラクターデザインも独特で今見ても古臭さを感じません。
1996年のデザインって今、見たら古さを感じるものだけど、本作の場合は全く感じないから凄いですね。それだけセンスが良いんだと思います。
トロフィー機能に対応
本作はトロフィー機能に対応しています。PS4ソフトなので当たり前じゃん?と突っ込まれそうですが、小ボリュームなのにプラチナトロフィーが用意されているんです!
入手までにかかる時間も3~5時間程度と短く、ゴールドトロフィーもいくつかあるので、低価格・短時間で沢山のトロフィーを獲得できる美味しいゲームだったりします。
ゲームの加点には含めませんが、アドリブプレイをするモチベーションにもなっているので一応、書いてみました。
惜しいところ
判定が分かりにくい
リズムアクションゲームと言えばタイミングが合った時の気持ち良さが大切ですが、本作では分かりにくく感じました。
ラップを演奏するというコンセプト上、仕方がないとは言えアイコンとマーカーが合った時にボタンを押しても音が鳴らないので正解のタイミングが掴みにくく、現代のリズムアクションゲームと同じような感覚ではプレイ出来ません。
遅延が発生しているためやや早めにボタンを押さないといけないのも困った。
特にステージ4の調整はおかしすぎるレベルで、ここだけ異常なくらいミスをしてしまいました。
すべてのステージでCOOLクリアを狙ってプラチナトロフィーを狙おうかと思いましたが、ステージ4が理不尽過ぎて運ゲーなので断念します。
ボリュームが少ない
ボリュームは少ないと思いました。用意されたステージは6つ。いずれも3分程度でクリアできるもので、ミスが続いたとしても初見で1周1時間程度でクリア出来てしまいます。
リプレイ性はそこそこありますが、約2,000円のパッケージタイトルとしても、1996年のフルプライスタイトルとしてみても割高な内容なのは否めません。
とっつきが悪い
全体的にとっつきが悪いと思いました。前述の通りリズムの判定がおかしいため最初の頃はミスが目立つでしょうし、何よりもアドリブを理解せずにクリア出来てしまうのが問題です。
このゲームの面白さはアドリブ演奏に集約していると言っても過言ではないんですが、それをやらなくてもゲームクリアが出来てしまうんですよね。
普通にプレイしているだけでは爽快感のないリズムアクションゲームに感じてしまう恐れがあるのに、ゲーム側が本作の醍醐味であるアドリブをプレイヤーに理解させる努力をしていないのが問題だと思いました。
ゲームクリアまでにアドリブをしないといけないシーンは存在せず、あくまでも隠し要素として入れているような感じなんですよね。
ゲーム内でアドリブのシステムを理解するにはオプションのデジタルマニュアルを見なくてはなりません。
オリジナル版からほとんど手を加えていない
オリジナル版が発売されたのは1996年。21年も前のゲームなのに本作はほとんど手を加えていません。単に高解像度にしてささやかな追加要素を加えただけ。
ムービーシーンは低解像度のままだし、追加ステージもなし。ゲームシステムも当時のままで不親切なので、2017年の作品としてみると厳しいところがあります。
初心者への救済措置としてイージーモードが追加されていますが、ステージ3までしかプレイできないようになっているし、変更するにはオプションメニューまで行って設定変更しないといけないのでほとんど意味をなしていません。
全体のまとめ
リズムアクションゲームの先駆けとして発売された偉大な作品だけあって、今、プレイしてもそれなりに楽しめます。
しかし、2017年に2,000円で発売するPS4ソフトとして発売するのであればシステムの改良やボリュームアップが必要な内容に感じられ、少々厳しい評価になってしまいました。
パッケージタイトルとしては安いけど、価格相応どころかそれ以下です。購入される際は気を付けましょう。リファインや拡張が足りない化石のような作品。
こんな人には特におススメ。
・リズムアクションゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・コストパフォマンスを重視する人。
・リズム感がない人。
パラッパラッパー(PS4)/お気に入り度【50/100%】
プレイした時間・・・約5時間
当時のファンの人には悪いけど、音ゲーがやりたいならDIVA-f、PS4ならFTを勧めるなぁ。
体験版をやっていても思いましたが、アイコン通りに操作しても上手い判定が出ないのは音ゲー初心者には結構なストレスだったりします。