【レビュー】超探偵事件簿 レインコード [評価・感想] テンポは悪いが、それを補って余りあるほどの力作!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は「超探偵事件簿 レインコード」のレビューをしていきますが、まずはひとこと言わせてください。

途中までは微妙でしたが、クリアしてからは良いゲームだと思うようになりました!

正直なところ、中盤まではあまり良い印象を持っていなかったんですよ。

アドベンチャーゲームとしては作り込まれているけど、テンポが悪すぎる!

ロード時間が長かったり、不必要なクイックタイムイベントが発生したり。

ストーリーを遮るような要素が目立っているので、途中までは

作り込みは凄いけど、テンポの悪さが致命的!

というネガティブな見出しのレビュー記事を投稿しようと思っていました。

でも、終盤の衝撃的な展開やエンディングを見てからは

テンポは悪いが、それを補って余りあるほどの力作!

というポジティブな感情で締める見出しでレビュー記事を投稿しようと思ったんです。

本作をプレイして、改めてゲームは最後まで遊ばないと見えてこないものがあると思いました。

今回はそんな「超探偵事件簿 レインコード」のレビューをしていきます。

ストーリーの核心には触れないよう細心の注意を払って書いていますが、文面からある程度は察することができるかもしれないので、その辺りを考慮に入れてご覧ください。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 「ダンガンロンパ」スタッフが贈る推理アクションゲーム。
  • 雨が降り続く奇妙な街「カナイ区」を舞台に未解決の事件に挑んでいく。
  • 主人公は記憶喪失の探偵見習いユーマで、相棒は彼に取り憑く死に神ちゃん。
初リリース日 2023年6月30日
対応ハード Switch
ジャンル アドベンチャー
売上 初週5.6万本
推定クリア時間 30~40時間
発売元 スパイク・チュンソフト

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良いところ

常識外れのストーリー

「レインコード」を語るうえで欠かせないのが、常識外れのストーリーです!

本作のストーリーは「ダンガンロンパ」で知られる小高和剛さんが担当しているということで、作中では予想もつかない展開が待ち受けています。

色んな創作物のストーリーを追っていくと、ある程度は展開が読めてきますよね?

例えば都会で美男美女が出会ったら最後には結ばれるだろうとか。

そういうお約束があると思うんですが、本作ではそんな常識が通用しません。

仲間だと思ったキャラクターが裏切るのは序の口。

主人公でさえも謎に包まれている部分があるので、どんな結末が待ち受けているのか予想がつきませんでした。

そんな「レインコード」の舞台となるのは雨が降り続く奇妙な街「カナイ区」。

この街は超巨大企業「アマテラス社」の支配下にあり、未解決事件が多発しています。

調査に乗り出すのは、世界各地から集う超探偵たち。

主人公は記憶喪失の探偵見習いユーマで、彼に取り憑く死に神ちゃんと一緒に事件の解決を目指していきます。

彼らがどんな形でストーリーに関わってくるのか?

下手に話すとネタバレになってしまうので詳しいことは言えないんですが、普通じゃないのは確かですw

個人的に好きなエピソードは5章。

ストーリーを締めくくるエピソードで、ここで真相が明かされるんですが、事実を知った時は「なるほど」って思いました。

そして、「レインコード良いゲームじゃん!」って思うようになったんです。

正直なところ、それまでは後述の「惜しいところ」が気になりすぎてしまって良い印象を持てなかったんですが、最後の展開がぼくにとって最高だったので昇華されました。

↑主人公であるユーマ。

気弱な少年ですが、事件の真実を辿っていく姿は勇敢で、主人公らしい成長を遂げていきます。

喋り方から性格まで「ダンガンロンパ」の苗木誠くんにソックリなので、彼と何か関係性があるのかと思ってしまいました。

ちなみに声優は緒方恵美さんではなく福原かつみさんです。

↑相棒の死に神ちゃん。

現実世界ではオバケのような姿をしていますが、後述の謎迷宮ではセクシーな美少女に変身します。

彼女をひと言で表すと、ゲスいけど根は良い奴といったところでしょうか。

普段はめちゃくちゃなことを言って困らせていますが、いざという時は主人公をサポートしてくれて、やる時はやってくれます。

こういう一癖も二癖もあるヒロインって妙な魅力がありますよね。

↑超探偵の1人であるデスヒコくん。

特技は変装で、色んなキャラクターに姿を変えることができます。

その一方で女の子が好きだったり、お調子者だったりと抜けている一面も多いので、ムードメーカー的な印象を持ちました。

こういう性格のキャラクターって主人公の友人ポジションに多いですよねw

作り込まれた世界観

本作は開発に6年も費やした予算度外視の作品と言われています。

なぜそんなにも時間がかかってしまったのか?

プレイする前は疑問でしたが、世界観の作り込みを見てからは納得しました。

本作の舞台となるカナイ区はオープンワールドのような作りになっていて、街中には店や屋台が立ち並び、階段を下りると入り組んだ地下通路に繋がっています。

街の奥へ進むとロード時間が発生するので完全なオープンワールドではありませんが、和製アドベンチャーでこの作り込みは凄いです。

この手のゲームって大きな売上が見込めないので、グラフィックを凝るのは難しかったりしますからね。

本作の場合、そういった課題をクリアしているので、次世代の和製アドベンチャーゲームを垣間見れました。

カメラをグリグリ動かして事件の手がかりを突き詰めたり、同行者の会話を聞きながら町中を歩いたり。

海外のオープンワールドゲームで見られた手法でストーリーを描いているので、ジャンルの限界に挑戦しています。

このように本作は世界観の作り込みに力を入れていますが、キャラクターのアクションも凄いことになっています。

特にプリレンダリングムービーではモーションキャプチャーによる躍動感あるアクションを繰り広げるので、まるで映画のワンシーン切り取っているかのようです。

前身となる「ダンガンロンパ」シリーズの場合、平面的なグラフィックを採用していたので、ある程度は脳内で補完する必要がありました。

今作ではキャラクターから背景までフル3Dを採用しているので、ストーリーの展開がわかりやすくなっています。

プレイヤーを楽しませようとする気概

プレイヤーを楽しませようとする気概は今作でも強く感じました。

ミステリー系のゲームってどこか堅苦しいところがありますよね?

殺伐としていたり、難しい言葉を多用したり。

なにかに縛り付けられたような気持ちになりがちなので、窮屈な感じがします。

今作の場合、そうならないようエンタメ要素もふんだんに盛り込んでいます。

破天荒なキャラクターが登場したり、サブカルチャーのパロディネタを盛り込んだり。

アニメのようなノリでストーリーが進行するので、堅苦しい感じはほとんどしません。

特にそれを感じたのが、章の後半に挿入される謎迷宮パートです。

このパートでは謎迷宮という異世界を探索していくことになるんですが、現実じゃないのを良いことにやりたい放題やってますw

例えば「推理デスマッチ」では具現化した相手の主張を回避したり剣で打ち返すことになるんですよ。

攻略の手順としては矛盾した主張に対して事件の証拠を突き付ける感じなので、本質的には「ダンガンロンパ」の「ノンストップ議論」と一緒ではありますが、ファンタジックにアレンジする発想が凄いですw

謎迷宮では他にも

  • 正しい扉を選んでいく「真相分岐」
  • 制限時間内に正しい分岐を選んでいく「危機回避」
  • 文字を選んでキーワードを作る「死に神ちゃん危機一髪」
  • 巨大化した死に神ちゃんが障害を突破していく「大進撃 死に神ちゃん」
  • マンガのコマに正しいピースを当てはめていく「超推理フィナーレ」

といった感じで色んなミニゲームが不規則に挿入されるので、楽しみながら事件の真相にたどり着くことができます。

ダンガンロンパファンには嬉しい要素が満載

本作は「ダンガンロンパ」スタッフによる新作なので、同作のファンは良い意味で既視感を味わえます。

小高和剛さんによる狂気的なストーリー、小松崎類さんによるお目目がくりくりしたキャラクターデザイン、高田雅史さんによるオシャレなデジタルサウンドは言わずもがな。

事件の現場にはピンク色の血が流れていたり、謎迷宮で相手の矛盾を付いたら斜めのカットインが挿入されたり。

主人公のユーマが苗木誠くんっぽかったり、死に神ちゃんがモノクマっぽかったり。

「ダンガンロンパ」のオマージュネタがふんだんに盛り込まれています。

これは何を意味するのか?

真相が気になる方は実際にプレイして確かめてみてください。

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注意点

あくまでもストーリーを楽しむゲーム

本作はストーリーを楽しむことを重点に置いて作られているので、ゲーム性は二の次だったりします。

一応、ゲームらしい要素として、

  • 事件の真相を突き詰めていく「謎迷宮のミニゲーム」
  • 各地を調べると蓄積される「探偵ポイント・探偵ランク」
  • 謎迷宮の難易度を緩和できる「迷宮スキル」
  • 困っている人の依頼をこなしていく「依頼」

などがありますが、これらはストーリーを盛り上げるために存在するのであって、攻略を楽しむものではなかったりします。

何故かと言いますと、どの要素もバランス調整が緩いからです。

謎迷宮のミニゲームは勘の良い人はすぐにクリアできるでしょうし、迷宮スキルをセットしたら超が付くほど簡単になります。

そのため難易度を緩和するために存在する探偵ポイントや依頼も意味を成していません。

こうして聞くとネガティブに感じてしまいますが、アドベンチャーゲームはストーリーが第一です。

下手に難易度を上げるとストーリー進行の邪魔になってしまい、ストレスに繋がってしまうので、ぼくは良い落とし所に感じます。

ですが、人によっては推理する楽しさを求めていたりもするでしょうから、注意点として挙げました。

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惜しいところ

テンポが悪い

このゲーム、とにかくテンポが悪いです!

エリア移動時には数十秒のロード時間が発生しますし、謎迷宮で「推理デスマッチ」が始まる時には読み込みのせいでテレビ画面の砂嵐状態が20秒以上も続くことがあります。

どれもこれもグラフィックを凝りすぎた故に起きてしまったことだと思うので、もう少しSwitch向けに最適化してほしかったです。

それと、随所で挿入されるクイックタイムイベントもテンポを悪くしています。

クイックタイムイベント中は画面に表示されたボタンを素早く押していきますが、ミスをしたら少し前のところからやり直しになってしまうんですよ。

中には判定が妙に厳しいものがあるので、何度もやり直すハメになってしまいました。

せっかく推理の難易度を落としてサクサク進めるようにしているのに、クイックタイムイベントが難しいようなら本末転倒ですよ。

あと、これは「ニューダンガンロンパV3」の頃から思っていましたが、1つ1つの章が肥大化しすぎています。

1つの章をクリアするのに5時間。場合によっては7〜8時間もかかるので、長すぎてダレることがあります。

なぜこんなにも長くなってしまったのか?

大きな要因として、展開が遅いというものがあります。

誰でも理解できるようにしているのでしょうか?

ユーマや死に神ちゃんたちが同じことを繰り返し喋ったりするので、ストーリーがなかなか進みません。

2倍くらいのスピードで進んだらテンポ良くまとまったと思うんですけどねぇ。

チェックポイントの感覚が地味に長いから、ゲームオーバーになった時はちょっとキツかったな(早送りできるからまだ良いけど)

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超探偵事件簿 レインコードのレビューまとめ

和製アドベンチャーゲームの限界に挑戦した意欲作。

世界観の作り込みは相当なもので、カナイ区は実在すると思わせてくれるほどの説得力があります。

その一方でロード時間が長かったり、ストーリーの展開が遅かったりとテンポが悪い点が散見されるので、せっかちな人には厳しい所があります。

ぼくがまさにその典型例で、途中までは微妙に感じました。

ですが、終盤の力強い展開によって印象が一変。

グイグイ引き込まれてしまい、クリアした頃には良いゲームだと思うようになりました。

おそらく途中までプレイして微妙に感じた方もいると思いますが、ぜひ最後まで進めてみてください。

きっと、ネガティブな気持ちよりもポジティブな気持ちの方が勝ってくると思います。

テンポは悪いが、それを補って余りあるほどの力作!

こんな人には特におススメ。
・推理アドベンチャー好き。
・ダンガンロンパ好き。

こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。

お気に入り度【80/100%】

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