
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best
2010年11月に発売されたアドベンチャーゲーム、PSP「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」。
年末商戦真っただ中にひっそりと発売されましたが、その内容の良さが口コミで広がり、気が付けば累計売上は10万本を突破。
今回はそんなPSP「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」をレビューします。
目次
ジワジワくる恐怖と絶望・・・。
本作の舞台となるのは、「超高校級」と称される優れた能力を持つ高校生ばかりが集められた「希望ヶ峰学園」。
主人公たちは学園長のモノクマによってこの学校に閉じ込められてしまいます。
脱出する手段はたった1つ。それは、卒業することです。
卒業する条件は、誰にも気が付かれずに仲間を殺すこと。
閉じ込められたキャラクターは主人公を含めて15人。
一応、学園内にはそれぞれの部屋が設けられ、食事も用意されていることから生活する分には困りません。
だけど、外の世界には出られない。
出られるとするならば、誰にも気が付かれずに仲間を殺し、卒業することです。
最初はみんな自分1人のために仲間を殺すなんてあり得ないと考えていました。
ですが、監禁者であるモノクマから卒業するための「動機」を見せつけられてからは徐々にみんな心変りが起き、ついには殺人事件が発生します。
そして犯人が誰なのかを付き止め、明らかになったらその犯人はお仕置きであの世行き。
こんな感じで徐々にキャラクターが死んでいき、最後には誰が残るのか?本作ではそんな「コロシアイ学園生活」を何週間にもわたって描いています。
ギャグ要素も多少はありますが、基本的には殺人の連続で、シリアスな内容です。
みんなキャラが立っていて集まると賑やかですが、裏では何を考えているのか分からず、プレイしていると人間不信に陥ってしまいますね。
だって、いつ殺人が起きるのか分かりませんから。もしかしたら、食べ物に毒を入れられているかもしれない。
キャラクターデザインこそは漫画チックですが、描かれている内容は非常にエグイ。人間の裏側にある、ドロドロした物をこのゲームでは描いています。
不気味なBGMと相まって、ジワジワと不気味さを感じてしまいました。
ホラーではないんですが、プレイしていると背後が怖くなってしまう・・・。
↑ただ、キャラクターの出血はピンクで表現されるため、その辺はマイルドになっていました。これが赤だったらヤバかったですね・・・。
そんなZ指定の「ダンガンロンパ」もやってみたかったけどw
先が気になって止められない!
正直、最初の頃はあまりプレイ意欲が出て来ませんでした。
だっていきなり15人ものキャラクターが出て来て自己紹介が始まるので長ったらしいし、いっぺんにそんな沢山のキャラクターを覚えられませんもん!
それに設定自体も無理やり感があって、「つまり逆転裁判がやりたいんだろ?」と冷めた目で見てしまいました。
でも、殺人事件が発生してからは徐々にそんな見方も変わり、「怖い・・・」、「モノクマの正体は一体?」、「脱出した先には何があるんだろう?」とプレイの意欲が高まり、先の展開が気になるようになって来たんです。
果たしてモノクマを裏で操っているのは一体。そして彼の目的は・・・?
二転三転する展開
物語の展開は、最後まで全く読めませんでした。
15人の仲間が徐々に減って、最終的には主人公だけになるのかと思いきや違ったり。
あいつが犯人だ!と思ったら別の人が犯人だったり。主人公のガールフレンドが出来たと思ったら殺されてしまったり。
とにかく「え?」って感じる展開が続出して、先の展開を予想できる人はまずいません。
伏線はしっかりと序盤から貼られているので、予想したい人は発言の1つ1つをよーく見ることです。
ラストは想像の余地を残すような終わり方でしたね。完全にスッキリはしませんが、色々と想像をしております。
声はドラえもんだけど・・・
学園長のモノクマ。見た目は可愛らしく、おまけに声はかつてドラえもんの声優を務めた大山のぶ代さんが担当しているため、どうしても癒し系キャラクターと思いがちです。
しかし、実際にはドラえもんとは180度異なる性格の持ち主で、絶望を感じさせる発言を連発します。
この感覚。ドラえもんのキャラクターを知っているからこそ感じられるギャップってやつでしょうか。彼と話していると、なんだか物凄く変な感じがします。
ドラえもんは「オマエラ」なんて言わないのに。
最初は可愛いキャラかと思っていましたが、だんだん恐ろしいキャラに感じて来ました。
一人称視点で学園内を探索できる!
学園内は3Dで描かれていて、一人称視点で移動することになります。
一人称視点のゲームに慣れていない人は少し戸惑うかもしれませんが、歩いても画面は揺れないので3D酔いはほとんど起きません。
その一方で一人称視点による臨場感が味わえるので、自分も学園の中で生活しているような感覚になりました。
学園内はかなり広く、ゲームを進める度に行動範囲が広くなっていきますが、×ボタンを押すとダッシュが可能なうえにワープポイントも多いため、移動面での不便さはほとんどありません。
3Dモデルはテクスチャーの貼り方が上手く、PSP基準で見るとかなりのクオリティ。少なくとも粗さは感じません。
探索はアドベンチャーらしいクリックタイプ
殺人事件が発生したら、証拠を掴むために各地を探索することになります。
探索はよくあるクリックタイプで、カーソルを動かして気になる所を調べる感じ。
ある程度進めると△ボタンを押せば調べられるところが分かるようになるので、どこを調べたら良いのか分からない!とはなりませんでした。
ただ、キャラクターと調べられるエリアが重なってしまい、調べ物をしたいのに間違えてキャラクターに話をかけてしまう!
なんてことがあったのは何とかしてほしかった。
それとスキップ機能が無いので、もし2回も同じ物を調べた場合は同じテキストがダーッと流れてストレスが溜まります。
時々めちゃくちゃ長いものがありましたからねー。
探索部分に関しては、ちょっと粗削りに感じます。
逆転裁判を上手くアレンジした学級裁判パート
証拠が十分に集まったら、次は学級裁判パートに突入します。
ここでの目的は、仲間と議論をして犯人を導き出すこと。
基本的にはリアルタイムに流れる各キャラクターの会話を聞いて、矛盾がある言葉に向かって言霊(ことだま)をぶつけて行きます。
逆転裁判との違いは、リアルタイムに時間が流れる点と、シューティング要素がある点。
議論はリアルタイムで進み、特定の言葉にだけ言霊(ことだま)をぶつけていきます。
ぶつけるにはカーソルを合わせないといけないので、シューティング要素がありますね。
ゲームを進めて行くとセットできる言霊(ことだま)が増えたり、邪魔な言葉が増えたりして、よくあの「逆転裁判」の裁判パートをここまで独自性のある物にアレンジしたもんだと感心してしまいましたよ。
ちなみに学級裁判パートではそれ以外にも状況に合わせてリズムアクション、単語作りパズル、絵合わせゲームの要素が入ったミニゲームをプレイすることになり、二転三転する展開と相まってプレイヤーを全く飽きさせようとしません。
ちょっと気になったのは、絵合わせゲームの絵が分かりにくいこと。
用意された絵を合わせて正しい漫画を完成させることになるんですが、カットの流れが粗いため、「このコマにはこの絵が入るだろう!」という予測が立てにくいんですよ。
実はかなりの力作!
ここまで読めば、ダンガンロンパがどれだけの力作なのかよーく分かったことでしょう。
ちゃんとしたゲームを作っている会社が作っているだけあってプレイヤーが介入できる要素は豊富にあり、ちゃんとストーリーで遊ぶゲームになっていたし、用意されている素材の数も豊富にあって、お金はかなりかかっている印象です。
今の時代にオリジナルタイトルでここまで手が込んだ作品も珍しい。
シリーズ1作目ということで多少粗削りな面もありますが、それを補って余るほどストーリー・ゲームシステムは良く出来ています。これは口コミで広がるのも納得の出来です!
ちなみに本作をプレイする場合は、メモリースティックにデータインストールすることをおススメします。
というのもインストールなしだとロード時間の長さはもちろん、会話時に少しだけ読み込みが入ってテンポが悪いので。
少しだけとはいえチリも積もればで徐々にストレスが溜まるので、インストールがおススメです!
こんな人には特におススメ。
・推理好き。
・アドベンチャーゲームファン。
こんな人にはおススメできない。
・文字を読むのが苦手な人。
・怖いものが苦手な人。
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生/お気に入り度【90/100%】
プレイした時間・・・約20時間
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