どうも!KENT(@kentworld2 )です!
年末といえば大作ゲームが大量に発売されますが、あまりにも多いので埋もれてしまうタイトルもあります。
今回レビューする「御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!」もまさにその1本です。
このゲーム、出来は良いのに様々な不運が重なって売れませんでした。
「がんばれゴエモン」元スタッフによる新作、コロコロコミックとの強力タイアップ、5,280円という控えめの価格設定。
売れる要素はいくつかあったんですが、発売日が「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」や「ドラゴンクエスト モンスターズ3」と被ってしまったこと。
中高生以上に訴求するのが難しいキャラクターデザインであったことから思うように売上を伸ばすことが出来ず、マイナータイトルの烙印を押されています。
ですが、ゲームとしては見どころ満載なので、本記事で魅力を伝えることにしました。
後半ではプレイしていて気になった点にも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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- タヌキのバケルが主人公の3Dアクションゲーム。
- 日本の都道府県をモチーフにしたステージを攻略していく。
- ゲームを進めるとおとぎ話に登場する英雄に変化できる。
初リリース日 | 2023年11月30日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | 3Dアクション |
売上 | 初週0.3万本 |
推定クリア時間 | 15〜25時間 |
発売元 | グッドフィール |
目次
御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!とは
まずは「豆狸のバケル」の概要を簡単に紹介します。
本作は人に化けた少年バケルが主人公の3Dアクションゲーム。
彼は太鼓とバチを使った攻撃を得意としており、バチで敵を叩いたり、太鼓の衝撃でふっ飛ばすことができます。
また、ゲームを進めていくと御伽話の英雄に変化する能力も習得。
一寸法師のように体を小さくしたり、金太郎のように力持ちになったり。
状況に応じて変化アクションを使い分けていきます。
戦いの舞台となるのは、日本の都道府県。
姫路城が美しい兵庫、モノレールが印象的な沖縄、サーキット場で有名な三重など、全国47都道府県の名所をモチーフにしたステージを冒険できます。
他にも巨大ロボットバトルが挿入されたり、迫力のレースを体験できたり。
見どころ満載の作品で、かなり気合を入れていることが伝わってきました。
ここからは「豆狸のバケル」をプレイして感じたことを語っていきます。
良いところ
日本の都道府県を題材にしたステージ
本作をプレイして特に惹かれたのが、日本の都道府県を題材にしたステージです。
ゲームは徳島から始まり、そこからストーリーに沿って日本各地を進んでいきます。
サーキット場を爆走する三重、たこ焼き型の巨大ロボットと戦う大阪、パレードでアスレチックをこなしていく千葉 etc…
どのステージも各都道府県にちなんだネタが盛り込まれているので、日本人としてはたまりません。
個人的に印象的だったステージは、山形です。
このステージは雪が積もった温泉街で、後半ではオラクル温泉を探索していきます。
派手さはありませんが、寒い中で旅館の中にある温泉に浸かる温度感が伝わってきたので、日本の伝統的な良さを感じました。
ちなみにぼくの地元である愛知は高層ビルの上を進んでいくアスレチックで構成されています。
正直、現実の愛知とはかけ離れているのでピンとこないところはありますが、「金のしゃちほこ」が登場するところは良かったです。
やっぱ愛知といえば「金のしゃちほこ」なんですね〜。
充実の収集アイテム
各ステージには集めると楽しいアイテムが隠されているので、探索好きとしてはたまりません!
隠されているアイテムは大きく分けて3タイプあって、1つめはうんちく。
コイツはステージの至る所に隠されていて、話をかけるとためになる話を聞かせてくれます。
各都道府県の名物とか、生き物に関する意外な事実とか。
大人でも知らないウンチクを教えてくれるので「へぇ」と言いたくなりました。
隠れているうんちくは200種類以上。
一度でも集めたうんちくの内容はメニュー画面から確認できるので、ついコンプリートしたくなってきます。
2つめはおみやげ。
こちらは収集アイテムで、それぞれ都道府県の名物をモチーフにしています。
例えば愛知の場合、「三重のペナント」「金のしゃちほこ」「名古屋コーチン」といった感じですね。
日本人にとっては身近なアイテムが満載なので、自分が思い入れのある地域の場合、積極的に集めたくなりました!
3つめは隠れタヌキ。
こちらは一部のステージに隠れているタヌキで、周辺のオブジェクトに扮しています。
巧妙に隠れているので全て探すのは大変ですが、作り込まれた背景を観察するきっかけを与えているので、世界観を堪能する際には良い要素です。
それ以外の探索要素としては、提灯の破壊というものがあります。
こちらは各ステージのゴールとなる「お祭りタワー」の封印を解くのに必要なキーアイテムで、最低でも3つは壊さないといけません。
各ステージに隠されている提灯は3~5個。
すべてを破壊する必要はないので、探索の必要性を程よく高める要素に感じました。
サービス精神旺盛のボリューム感
本作はステージの奥へ奥へと進んでいく3Dアクションゲームで、同じ場所に訪れることはほとんどありません。
こういった形式のゲームはプレイタイムのかさ増しをするのが難しいので、10時間程度でクリアできてしまうケースも珍しくなかったりします。
ところが本作の場合、10時間以上プレイしてもまだまだ続きます。
「もう終盤かな?」と思ってもまだ中盤だったりするのでボリュームの多さに驚きました!
用意されているステージは60種類以上。
中にはボスを倒すだけで終わってしまうステージもありますが、大抵はクリアに10分近くもかかるアスレチック形式となっているので充実感が凄いです!
それでいて価格は5,280円(税込)と通常のソフトよりも1,000円以上も安いので、懐の深さを感じました。
任天堂のソフトであればまだしも、ロイヤリティを支払う必要があるソフトメーカーのタイトルでこの価格設定はかなり頑張っているのではないでしょうか?
しかも2024年2月14日には無料アップデートが行われ、コロコロコミックを題材にした新規ステージが追加されました!
このステージは春夏秋冬をモチーフにした4つのエリアを進んでいき、行く手を阻む敵は「でんじゃらすじーさん」「ケシカスくん」といったコロコロの人気キャラクターを模した姿をしています。
もっと色んなキャラが登場してほしかった感はありますが、ここまで手が込んだステージを無料で追加してくれるとは太っ腹です!
どことなく漂う1990年代感
本作を開発しているのは「がんばれゴエモン」元スタッフです。
そのためか新規タイトルでありながらも1990年代の香りが漂っているので、当時のゲームが好きな者としては懐かしさも感じました。
コミカルな和風の世界観、カッコよさよりもインパクトを重視した主人公、お祭りをモチーフにした楽しげな雰囲気。
かつて人気だった「がんばれゴエモン」などに通ずる良さがあるので、日本の伝統的な風景と相まって心に響きました。
インディーズゲームの台頭によって古き良き名作の遺伝子を継承した新作は増えていますが、和風のコミカルアクションは意外と少なかったので、本作の存在は貴重です。
コロコロコミックで漫画が連載されているように、メインターゲットは小学生だとは思います。
ですが、1990年代の香りが漂っているので、当時の少年少女だった世代にも突き刺さるゲームではないでしょうか?
特に男性ですと童心に帰りたくなる時がありますから、そういう時に本作をプレイするとグッと来るかも!?
惜しいところ
微妙に引っかかる触り心地
触り心地は微妙に引っかかるところがありました。
LRボタンを使った太鼓アクションは慣れてくると気持ち良いんですけどね。
ステージ開始時のロード時間が微妙に長かったり、アイテムを使わないと移動速度がやや遅く感じたり。
触っていて惜しいと感じることが何度かありました。
また、個人的にはさほど気になりませんでしたが、フレームレートは完全な60ではないので、滑らかなアクションゲームに慣れていると気持ち悪さを感じてしまうかもしれません。
総合的に見ると任天堂の良質なアクションゲームと比べて触り心地が1段階落ちるので、そこは分が悪いと思いました。
本作を開発しているグッドフィールといえば「毛糸のカービィ」や「ヨッシークラフトワールド」などの任天堂タイトルを開発している下請けメーカーでもあります。
それだけに本作も任天堂がパブリッシングをしたらもう1ランク触り心地が良くなりそうな気がしましたが、売れるかどうかは微妙なので企画が通らなかったのでしょうか?
改善の余地があるゲームバランス
ゲームバランスは改善の余地があります。
ぼくが特にそう感じたのが、御伽話の英雄に変化するシステムです。
ゲームを進めると「イッスン」「キンタロウ」「ウラシマタロウ」「モモタロウ」といった4人の英雄に変化できます。
しかし、「モモタロウ」の遠距離攻撃&高速移動が強すぎるので、中盤以降はゴリ押しで進む展開になってしまいがちなのが惜しいと思いました。
一応、
- 「イッスン」は小さい穴に入れる
- 「通常時」はバチを使って歯車を回転できる
- 変化時は「バケルギーゲージ」を消費する
- ゲージが0になったら通常の姿に戻る
- アイテムの「バケルギー」を集めたらまた変化できる
といった感じで特定のスタイルじゃないと先に進めない箇所があったり、制約はあるんですけどね。
変化に必要な「バケルギー」は簡単に集まるので、大半のシーンでは「モモタロウ」の遠距離攻撃&高速移動を多用して進んでしまいました。
「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」みたいに色んなキャラに変身して仕掛けを解いていく要素を強化したら面白いと思うんですが、子供がわからなくなるから遠慮したのかな?
それと、敵の攻撃は数発食らっても大丈夫なのに、奈落の底へ落下すると即ミスになるのもキツイです。
最近のゲームは奈落の底へ落下しても体力ゲージが1メモリ減るのが普通になっていますが、昔の3Dマリオを意識したのでしょうか?
アップデートによってメニュー画面を開いた時にプレイ中のステージで集めたアイテムが確認できるようになるなど改善しているところはありますが、まだブラッシュアップしないといけない印象です。
御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~のレビューまとめ
「がんばれゴエモン」の遺伝子を継承した良質なアクションゲーム。
微妙に引っかかるところはありますが、全体的にはよく出来ているので、コミカルな世界観のアスレチックアクション好きとしてはたまりません。
この手のゲームは任天堂がよく出しているとはいえ、どうしても世界基準になってしまいますから、こういったピンポイントなところを狙った作品は貴重です。
小学生をメインターゲットにしている割には古き良き名作の香りが漂っているというチグハグ感はありますが、刺さる人には刺さる作品です。
こんな人には特におススメ。
・古き良きコミカルアクションゲーム好き。
こんな人にはおススメできない。
・今風のアクションゲームを求めている人。
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