バイオハザード ヴィレッジ Z Version/PS5 / PS4
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
「カプコンのゲームは打率が高い」
「バイオハザード7 レジデントイービル」の頃からそんな印象を持つようになりました。
それまでのカプコンはもう少しムラがあったんですが、企業努力による影響からか、2010年後半以降は傑作を連発しています。
今回レビューする「バイオハザード ヴィレッジ」も例に漏れず、とんでもない完成度のゲームです。
過去作の良いところを融合させたゲームである関係上、新鮮味という意味では薄いんですが、あらゆる部分が計算され尽くしています。
もし、身近に「最高のホラーゲームを楽しみたい」と思っている人がいた場合、本作を真っ先におすすめしたいですね。
ここからはそんな「バイオハザード ヴィレッジ」の良いと思った点から書いていきます。
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- 人気サバイバルホラー「バイオハザード」シリーズのナンバリング8作目。
- 「7」に続いて一人称視点で展開される。
- 「フラスク」を集めるために城や村などを探索していく。
初リリース日 | 2021年5月8日 |
対応ハード | PS5/PS4/Xbox Series/Xbox One |
ジャンル | ホラー |
売上 | 初週15.0万本 |
推定クリア時間 | 8~12時間 |
発売元 | カプコン |
目次
良いところ
圧倒的な没入感
みなさんはホラーゲームに何を求めていますか?
色々あると思いますが、ぼくは、没入感を特に求めています。
つまり、その世界に浸っていけるような作りにしてほしいんですね。
ロード時間とか、画面暗転の演出が挿入された場合、一時的ではありますが、現実世界に引き戻されてしまいます。
本作の場合、その点が徹底されていて、ゲームをプレイしている時は常に世界へ浸っていけました。
新しいエリアへ行く時にロード時間が挟まらないのは言わずもがな。
PS5版の場合、リトライ時のロード時間は一瞬で、ボタンを押した瞬間に直近のチェックポイントからやり直すことができます。
操作できないムービーシーンにしても主人公の視点から常に描かれるうえ、画面暗転することもないので、コントローラを置いてスマホをイジることもありませんでした。
驚いたのが、VRモードを搭載した「7」よりも没入感があることです。
「7」にはVRディスプレイを装着することで辺り一面がゲーム画面になるVRモードが収録されていました。
完成度の高さは当時のVRゲームとしてみたら化け物クラスで、当時は衝撃を受けたものですが、今作には搭載されていません。
テレビやモニターの画面を見てプレイすることになるので、普通に考えたら「7」よりも没入感が薄れているように感じますよね?
ところが今作の場合、前作に負けないくらいの没入感を実現しています。
「7」を改めてプレイして思い出したんですが、同作ではリトライ時のロード時間がやや長く、セーブファイルをロードしたり、ビデオ再生を停止する時には90秒近くも待たされました。
一方、今作はロード時間や画面暗転を徹底的に排除。
チャプター式でもステージクリア制でもないので、ぶつ切り感もありません。
「バイオハザード」シリーズはグラフィックに関しては常に最先端を走っていましたが、没入感に関しては海外のAAA級タイトルに劣っていたので、今作の進化ぶりは感慨深いものがあります。
圧倒的な臨場感
没入感と並んで語らなければならないのが臨場感です。
作り物ではない、本物の世界。
プレイヤーにそう感じさせるには臨場感の追求が必要不可欠だと思うんですが、本作の場合、極上レベルに達しています。
特筆したいのが、背景の作り込みです。
「バイオハザード」シリーズは元々、背景を作り込んでいますが、今作では1段階レベルが上っています。
テーブルの小物にしても質感やテカリを妥協せずに作られていますし、ボヤケてもいません。
昔だったら1枚絵で誤魔化していたところを1つ1つ丁寧に作り込んでいるので、本物の世界であると感じさせてくれます。
もちろん、人間キャラやクリーチャーの生々しさも健在。
触ってもいないのに質感が伝わってくるほどリアルな造形となっています。
ぼくは「バイオハザード」をこの世でグラフィックが最もリアルなゲームシリーズの1つだと思っているんですが、今作でもその座は揺るいでいません。
圧倒的な充実感
ゲームクリアまでのプレイタイムは10時間前後となっています。
大作RPGに慣れている場合、「短っ!」と感じられるかもしれませんが、そんなことはありません。
圧倒的な充実感を誇るので、定価以上の価値を感じられました。
ぼくがそう感じたのは、各エリアの密度が濃いからです。
主人公のイーサンはとある事情で「フラスク」というアイテムを集めることになり、様々なエリアを探索します。
巨大な城、不気味な湖、入り組んだ工場などなど。
どのエリアも2時間程度でクリアできるようになっていますが、
- スケール感が大きく情報量が多い
- 様々なアイテムが隠されている
- アトラクション的なイベントが満載
- 謎解きやパズル要素が満載
といった点によって充実感が凄いことになっていますw
特に序盤のドミトレスク城は初代「バイオハザード」の洋館並みに密度が濃いので、脱出した時には終盤に突入したのかと思いましたよw
各地のセーブポイントでデータ保存する時にはプレイタイムが表示されますが、毎回、「え?まだ30分しか経っていないの!?」と驚きましたw
そのくらい、濃い体験を味わえます。
意外性のあるストーリー
本作のストーリーには驚きが詰まっています。
ストーリーは「7」の続きとなっていて、一般人のイーサンとミアを中心に描かれるんですが、シリーズの中でも特に惹かれました。
ぼくが惹かれたシーンは大きく分けて2つあって、1つめは冒頭の展開です。
冒頭では主人公のイーサンが妻のミア、娘のローズとの家族団らんを楽しんでいます。
「バイオハザード」らしからぬ平和な光景ですが、しばらくすると衝撃的な出来事が発生します。
どのくらい衝撃的なのかというと、思わず、「ちょ、待てよ」と口に出してしまうくらい。
前提として、「7」をクリア済でないと味わえないものなんですが、ゲームプレイの大きな動機付けとなっています。
次に衝撃を受けたのが、終盤の展開です。
ある程度ゲームを進めていくと、ぼくは疑問に感じることが出てきました。
それは、主人公のイーサンがタフ過ぎることですw
普通の人間だったらあの世へ逝ってしまうようなことをされても少し苦しむ程度。
デフォルメ系のゲームだったらわかるんですが、「バイオハザード」シリーズはリアル系のゲームなので、不自然に感じます。
でも、最後までプレイすることで秘密が判明するので、腑に落ちましたw
序盤の展開といい、映画のように計算してプロットを作っているので、よくまとめられている印象です。
かと言って全てが丸く収まる訳ではなく、続きを匂わせる展開を設けたり、謎に包まれた点を残しているので、考察のし甲斐があります。
「4」のオマージュネタ
今作は「4」のオマージュネタが数多く盛り込まれています。
代表的なのが、アタッシュケースの要素です。
今作ではアイテムをアタッシュケースの中に入れて管理していきますが、長細い物もあるので、より多く詰め込むには整理整頓しないといけません。
この感覚は「4」のアイテム管理そのもので、15年前にタイムスリップしたのかと錯覚しましたw
「4」のオマージュネタとしてはそれ以外にも
- 屋外の寂れた街並み
- 動物の狩り
- 壁に隠された光る宝石
- 商人との買い物
が見受けられ、新作ながらも懐かしさを味わえるようになっています。
もちろん、今は西暦2021年。
「4」が発売されてから15年以上が経過しているのですから、同作の要素をそのまま持ってきている訳ではありません。
動物の素材を集めて料理を作成するとか、レシピを集めて調合できるアイテムを増やすとか、2010年代のオープンワールドゲームから定着した要素を取り入れています。
惜しいところ
既視感のあるホラー演出
今作は集大成的な側面が強く、「バイオハザード」シリーズの25年間を凝縮したような内容となっています。
「1」などで見られた閉塞感のある屋敷の探索、「4」で見られたアタッシュケースの管理。
そして、「7」で見られた一人称視点でのゲームプレイ。
過去作の良いところを融合させた内容で、完成度が非常に高く感じますが、ホラー演出に関しては既視感がマイナスに作用している印象です。
手持ちのアイテムを失った状態で化け物から逃げる展開とか、過去にプレイしたホラー体験をなぞっているような気がしたので、記憶を無くしたいと思いましたw
ホラーゲームは初見のインパクトが重要ですからね。
今作からシリーズデビューを果たす方には関係のない話ですが、ホラーゲームファンは既視感を持ってしまうかもしれません。
また、主人公のイーサンがタフ過ぎるので、その点も恐怖感が薄れているような気がしました。
(ストーリーの設定を考慮に入れると仕方がないことではありますが)
イマイチなザ・マーセナリーズ
ゲームをクリアすると「THE MERCENARIES (ザ・マーセナリーズ)」というボーナスゲームをプレイできるようになります。
「ザ・マーセナリーズ」とは、スコアアタックに重点が置かれたミニゲームです。
テンポ良く敵を倒すことでボーナススコアが加算されていくのでハイスコアの更新が熱く、繰り返しプレイの魅力があります。
しかし、今作の「ザ・マーセナリーズ」はイマイチなので、繰り返しプレイをする気にはなれませんでした。
大きな要因となっているのが、攻略の自由度が低いことです。
今作ではラウンド制となっていて、ラウンド毎に舞台が変化するようになっています。
そのため1つ1つのマップが狭く、攻略のルートが固定化しがちなので、突き詰めていくと正解のルートをなぞるようなゲームになってしまいました。
それを阻止するものだと思われた買い物やアビリティといった新要素も正解のルートを助長させている印象で、上手く作用していません。
過去作の「ザ・マーセナリーズ」はマップが広く、攻略のルートが多くて何度でも挑戦したくなったのに・・・。
バイオハザード ヴィレッジ(バイオ8)のレビューまとめ
過去作の良いところをミックスさせたような傑作。
新鮮味という意味では薄いんですが、個々の要素が洗練されまくっているので、完成度という意味では現状最強のホラーゲームとなっています。
「色んなホラーゲームをプレイする暇がないので、1本だけプレイしたい」
そんな方には本作をおすすめします。
反面、過去作の良いとこ取りなので、ホラーゲーム好きがプレイすると、フルモデルチェンジした「4」や「7」ほどの衝撃を受けないかもしれません。
完成度が化け物レベル!現状最強のホラーゲーム!
こんな人には特におススメ。
・ホラーゲーム好き。
・バイオハザードシリーズファン。
こんな人にはおススメできない。
・バイオハザードに飽きている人。
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