
ゼルダの伝説 風のタクト/GC
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2002年12月に発売されたGC「ゼルダの伝説 風のタクト」のレビューをしていきます。
本作は大海原を舞台にしたアクションアドベンチャーゲームですが、こっちまで悔しくなってくるほど惜しい作品です。
土台は今でも通用するくらい良く出来た作品ではあるんですよ。
しかし、終盤の作り込みが足りておらず、最後には息切れをしてしまいました。
最後まで妥協せず作っていたら歴史に残るほどの神ゲーになっていたと思うのに・・・。
ここからはそんなGC「ゼルダの伝説 風のタクト」について詳しく書いていきます。
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
- 船に乗って大海原を探索していくアクションアドベンチャーゲーム。
- トゥーンレンダリングによるアニメタッチを採用。
- 「風のタクト」を使うことで風向きを変えられる。
初リリース日 | 2002年12月13日 |
対応ハード | GC |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
売上 | 初週28.7万本/累計74万本 |
推定クリア時間 | 25~35時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
触れるアニメーション
1998年に発売されたN64「ゼルダの伝説 時のオカリナ」。
当時としてはリアルな映像表現を実現していた作品ですが、それから4年後に発売された本作は一変してトゥーンレンダリングを用いたアニメ調になっています。
テクスチャはシンプルになり、オブジェクトはディズニーアニメのようにグニャグニャと曲がり・・・。
ぼくは「時のオカリナ」のグラフィックが好きだったので当初は残念に思っていましたが、実際に触ってみて気持ちが一変。
アニメ調になったことで前作から「触って楽しい」の部分が大幅に向上していたのでこれはこれでアリだと思うようになりました!
ここからはどのように「触って楽しい」部分が向上したのかを書いていきます。
生き生きとしたキャラクター
キャラクターがアニメ調で描かれることによって格段に進化した部分がここ!
どのキャラクターもモーションが漫画のように派手で、生きている感じが凄いです!
例えば主人公のリンクはある程度ゲームを進めると「大回転斬り」という技を覚えるのですが、この技を使った後は目が回ってフラフラします。
その姿がすっごくキュートで、リアル調だったら絶対に味わえない魅力を醸し出すことに成功しました。
リンクの目が大きくなった事に関しても「今、自分がどんな気持ちなのか」がハッキリと分かるようになりましたし、怪しい場所があったらそっちをジーっとみつめるなどゲーム性にも関わっているので、変更する意義を十分に感じられます。
この感覚、まるで自分がアニメの主人公を操作しているかのよう。
豊富なリアクション
元々、「ゼルダの伝説」シリーズは
- 草を刈る
- 岩を持ち上げる
- 看板を斬る
といった感じでオブジェクトのリアクションが豊富に用意されていましたが、今作ではさらに進化しています!
具体的に書かせていただくと・・・。
- 数十本生えた草や細い木を一本一本剣で刈れるようになった。
- デクの葉であおげば葉っぱや草が揺れる。
- 民家にある食器を1枚1枚割ることができる。
- 花びらを剣で刈れる。
- 水に入った後砂浜を歩くと足跡が残り、服からは水が一滴一滴垂れる。
こんな感じです。
さらに凄いのが敵キャラクターのモーション数!
例えばモリブリンの場合、
- 爆弾でダメージを与えた後にもう一度爆弾を見せる → 慌てて逃げだす。
- カギづめロープを使用する → ガードされる。
- カギつめロープでドクロの首飾りを奪う → 焦って悲しそうな顔をする。
- 背後から剣などで突く → 飛び跳ねる。
- 氷の矢を当てる → カチンコチンになる。
- カチンコチンになったモリブリンを投げる → 砕ける
といった感じで攻撃を受けた時のリアクションだけでもこれだけあるんです!
攻撃パターンも豊富ですし、今作では敵キャラ同士の攻撃も当たるので敵が沢山いる場合、仲間割れが起きたりもw
敵が落とした武器は持ち上げて使用することが出来ますし、攻撃が当たる度に効果音の音階が上がって気持ち良いので、今作の戦闘はなかなか飽きません!
開発者もそれは分かっているようで、戦闘が発生する頻度は従来の作品よりも多めに設定されています。
個性的なキャラクター
本作に登場するキャラクターは外見・性格共に強烈な個性を持っている者が多く、シリーズの中では一番と言っても良いほど1人1人のキャラが印象に残りました。
とても優しい顔をしたおばあちゃん、気が強いテトラ、明るい性格のアリルといった主要キャラクターから鼻タレ小僧のヂル、海岸に生息しているカニ
といった脇役までキャラが立っていて、キャラクター性の高さはシリーズ中最高と言っても過言ではありません。
個人的に一番好きなのはやっぱりこの人!
チンクル!
今では彼が主人公の派生作品が発売されるほど出世しましたが、出世作となったのは間違いなく本作だと思います。
妖精探しの旅を続けている35歳のおじさんという痛い設定なのも最高ですし、ヘンテコなモーション、セリフも最高過ぎる!
「ムジュラの仮面」で初登場した時も「良いなー」って思っていましたが、今作でぼくの中では大ブレイクしてしまいましたね。
風を活かした謎解き要素
「ゼルダの伝説」といえば謎解き!
個人的に本作で最も気に入ったのは風を使った謎解きです。
本作のフィールドでは風が吹いているのですが、船で航海をする時、葉っぱを使って上空から滑空する時は風の向きが凄く重要になってきます!
そこで役に立つのがサブタイトルにもなっている「風のタクト」。
これを使えば風を操ることができるので、風を活かした謎解きが楽しめるんですよね。
ちなみに風は細い線で描かれていて風向きが分かるので、こんな所でもアニメ調の恩恵を受けています。
大量に用意されたサブ要素
「ゼルダの伝説」といえばサブイベント!
今作でも収集要素、宝の地図、ミニゲーム、クリアには関係ないダンジョン、わらしべイベントなど膨大な数が用意されており、特に「タウラ島」という島には沢山のサブイベントがあったので冒険の良い息抜きになれました。
序盤のストーリー
リンクの妹が連れ浚われてしまったことから始まる本作のストーリーは特に序盤~中盤は見どころ満載で、個人的にはあの「時のオカリナ」よりも楽しめました。
「時のオカリナ」ファンには嬉しい演出も沢山含まれていますしね!
ただし、中盤以降は・・・(個人的に合わない&気になったところに続く)。
耳に残る音楽
「ゼルダの伝説」シリーズと言えば音楽の良さも定評ありますが、今作も例に漏れず良曲が沢山ありました。
個人的に好きなのが「竜の島」と「モルドゲイラ」のBGM。
前者はパンフルートの心地良さ、後者はチャイナ風のメロディが気に入りました。
ほとんどが新曲となっていて、過去作品に捕らわれない独特な世界観を生み出しています。
GBAとの連動
別売りのGBA本体と「GBAケーブル」があれば
- GBAの画面にマップを映す
- アイテムによるアクションでリンクをサポートする
- 隠れたアイテムのありかが分かる
といった機能が利用出来ます。
あくまでおまけ的な要素ですが、これを兄弟や友達と一緒にやるとよりゲームが面白くなるんですよ~。
細かすぎるこだわり!
本作は細かすぎるほど拘って作られています。
具体的に書かせていただくと・・・
- ハイリア語が存在。覚えると看板などに書かれた文字が読めるようになる!
- 月の形は日によって変化。月の形によってイベントが変化する。
- 天候が変化する。
- フィールドでは時間が経過する。
こんな感じです。
そのこだわりようは今の基準からみてもビックリするほど。
ぼくはこのゲームがフィールド面での作り込みは基準となってしまったので、他のゲームでちょっとでも作り込みがイマイチだったらガッカリしてしまいます(笑)
個人的に合わない&気になったところ
広すぎる海
本作の舞台となっている海はとても広く、船を使って島から島へ行く場合2分はかかってしまいます。
ロード時間なしで島から島へ行けるのはすごいと思うし、航海が退屈にならないよう海にはやぐら、潜水艦、お店、魚男など色んなイベントが用意されているのも頑張っていると思いますよ。
でも、7×7マスのマップを隅々まで移動するのは広すぎて退屈です。
中盤からはワープができるようになりますが、場所が限定されているのでそれでもダレてきます。
最後の方は船の移動時間がトイレタイムになっていました(笑)
退屈な後半のアイテム集め
後半からはゲームの進行上あるアイテムのありかが記された地図を探す事になるのですが、7×7マスの色んな所に隠されているから移動が面倒ですし、何より隠されているミニダンジョンが酷い場合1フロアしかない程度のチマチマした物で、歯ごたえがほとんどありません。
これを10回近くも行うので、退屈な移動ばかりが印象に残ります。
メインとなるダンジョンは本編にしてはかなり少ないので、正直この退屈なアイテム集めは時間稼ぎにしか感じられませんでした。
単調なサルベージ
宝の地図に記された宝は海に沈んでいるためサルベージを行う必要があるのですが、簡単に宝が取れてしまうため単調に感じてしまいます。
サルベージはもうちょっとゲーム性を上げてほしかった。
回収する宝が多いので、あんまり凝ったものだと面倒になってしまいそうですが。
ガッカリなご褒美
ゲームクリアとは直接関係のないダンジョンの一番奥に眠る宝など、何度かご褒美にがっかりすることがありました。
サブ要素が多いのは嬉しいけど、やはり苦労に見合ったご褒美を用意してほしいです。
ゼルダの伝説 風のタクトのレビューまとめ
あの週刊ファミ通で40点満点を取るのも納得できるくらい基本的な部分の出来は世界レベルで通用するものでした。
ただ、開発期間が短い関係で後半に失速してしまったのが残念に感じます。
序盤だけをやったら文句なしに満点をあげられるのですが、トータルで見ると普通の良作レベルに落ち着いてしまった印象です。
ぼくは完全版商法否定派ですが、この作品だけはダンジョンを追加した完全版を出してほしいと思っています。
終盤の失速で惜しくも2002年GOTYにはなれなかった。これ以上惜しい作品はない!
こんな人には特におススメ。
・アニメの世界を冒険したい人。
こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。
・可愛い絵柄が苦手な人。
ゼルダの伝説 風のタクト/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約70時間
累計1,000記事越え!KENTがプレイしたゲームのレビュー記事一覧へ
Nintendo | PlayStation |
Xbox | etc |
コメントする