
ゼルダ無双/Wii U(通常版) / (プレミアムBOX) / (トレジャーBOX)
2014年8月に発売されたWii U「ゼルダ無双」を今回はレビューします。
Wii U「ゼルダ無双」は人気アクションアドベンチャー「ゼルダの伝説」シリーズと人気タクティカルアクションゲーム「真・三國無双」シリーズのコラボレーションタイトルです。
目次
良いところ
ゼルダ史上最高の爽快感
無双シリーズとのコラボレーションタイトルだけあって、爽快感はゼルダ史上最高と言っても過言ではありません。
多い時には100体もの敵キャラクターが立っているので、そいつらをまとめて斬り倒した時の爽快感はかなりのものです。
アクションも2つのボタンを組み合せてコンボを繋げて行く無双スタイルに変更されており、派手な必殺技も用意されていて動きも軽快になっているので無双に特化した「ゼルダの伝説」となっています。
ゲームシステムに関しても、かなり無双寄りのデザイン。
つまり、「ゼルダ無双」はシミュレーション要素が少し入った戦闘重視型のアクションゲームで箱庭マップを走り回って敵を倒しまくり、拠点を制圧して行くのがメインの作品です。
ゼルダならではの探索・謎解き要素はほぼ無くて、サブ要素で「黄金のスタルチュラ」を探したり、道中で手に入った「爆弾」を使って壊せそうな壁を壊すくらい。
「爆弾」を使って壁を壊すシーンにしても、入手したあとすぐにカメラが壁の方を向くので、本編のようにどこで爆弾を使って壁を壊すのか考える必要はありません。
とにかく沢山の敵を気持ち良く倒す事に特化した作りとなっています。
ゼルダならではの遊び心
・ウロついているニワトリに攻撃を加えると・・・。
・宝箱を開けるお馴染みのデモシーンが用意されている。
・ストーリーの解説は風のタクトのようなデザインの紙芝居となっている。
・アドベンチャーモードやロード画面は初代「ゼルダの伝説」風のドット絵デザインとなっている。
・「黄金のスタルチュラ」を探す探索要素が用意されている。
・敵を倒すと大量のルピーを落とす。
・体力ゲージはハートになっている。
本作は「ゼルダの伝説」の関連作と言う事で、随所にゼルダネタが散りばめられています。
「ゼルダの伝説」ファンだったら思わずニヤリとしてしまう演出が盛り沢山!
開発はコーエーテクモになりますが、さすが「ゼルダの伝説」ファンが多いだけあって、愛で溢れたオマージュが満載です。とにかく無双の見た目をゼルダ向けにアレンジしています。
リンク以外のキャラクターを操作できる
「ゼルダの伝説」シリーズは、基本的にはリンクしか操作できません。
しかし、本作は「無双」シリーズだけあってリンク以外にも様々なキャラクターを操作出来ます。操作できるのは以下のキャラクターです。
・インパ(スカイウォードソードバージョン)
・ゼルダ
・ラナ(オリジナル)
・シーク(時のオカリナ)
・ダルニア(時のオカリナ)
・ルト(時のオカリナ)
・ミドナ(トワイライトプリンセス)
・アゲハ(トワイライトプリンセス)
・ファイ(スカイウォードソード)
・ザント(トワイライトプリンセス)
・ギラヒム(スカイウォードソード)
・ガノンドロフ
・シア
・ヴァルガ
・ウィズロ
リンク、ゼルダ、ガノンドロフといったシリーズではお馴染みのキャラクターだけでは無く、1作品のみに登場したキャラクターも参戦しており、バラエティ豊かなラインナップとなっています。
各モードではリンク以外のキャラクターを強制的に使用するステージもあるので、それまでは思い入れのなかったキャラクターでも興味を持ってしまいます。
「トワイライトプリンセス」のアゲハは本作で確実に株を上げましたね!
個性的な各キャラクターのモーション
もちろん、各キャラクターの操作感覚は全く違います。
サクサク動くキャラクター、少しモッサリなキャラクター、ツルツル滑るキャラクターとそれぞれ異なるので、人によって向き不向きが出てくる事でしょう!
さらに使用できる技は全く異なり、しかも波や竜巻、溶岩などを発生させたり、空を飛んだり、巨大化したりとド派手な技をそれぞれ持っているため、別のキャラクターを使うと新鮮さを味わえます。
プレイアブルキャラクターは追加コンテンツなしだと全16体。無双シリーズにしては少ないものの、キャラクターによっては武器によってモーションが全く変わってくるため実際には20体以上のプレイアブルキャラクターがいるようなものです。
ゼルダならではの戦い方ができるボス戦
「ゼルダの伝説」の関連作だけあって、本作にはボスキャラクターが登場します。
無双シリーズって何も考えずにボタン連打で敵を倒して行けるのが良くも悪くも特徴だと思うんですが、ボス戦では相手の隙を突いて戦った方が効率が良く、僕が好きなヒット&アウェイ戦法が楽しめて気に入りました。
しかも大ボスになると用意されたアイテムを使って弱点を出現させなければならず、本編ゼルダのような戦闘が楽しめますからね。
何も考えずにボタン連打で敵を倒して行けるアクションが好きな人がどう思うのかは分かりませんが、個人的には嬉しい要素でした。
成長要素によるリプレイ性の向上
各キャラクターにはレベルが存在して、経験値を溜める事で体力や攻撃力が上がります。
また、ステージで入手した素材アイテムやルピーを使って新たな技をアンロックしたり、武器の強化や新しいスキルを追加する事も可能で、まるでRPGのよう。
これらの要素によってリプレイ性が向上しており、同じステージでも繰り返しプレイする必然性があると思いました。
惜しいところ
レジェンドモードの1ステージが長い
ストーリーに沿って進めて行くレジェンドモードは、やや長く感じました。
拠点の制圧だけではなく、豊富なムービーシーンや沢山のボス戦によって、長い時は20分以上かかります。
これだけ長いと1ステージだけでお腹いっぱいになってしまいますし、もし「黄金のスタルチュラ」を見逃してしまった時はショックが大きいです。
中断セーブ可能で、チェックポイントが多いのはユーザーフレンドリーだと思いますが。
作業的なアドベンチャーモード
初代「ゼルダの伝説」風のマップ画面を移動して行くアドベンチャーモードは、非常に作業的です。
移動画面こそはレトロチックで良いんですが、このモードのステージって本編のフィールドや敵キャラクター、プレイアブルキャラクターをシャッフルさせただけなんですよね(一部でクイズが用意されていたりと少し工夫はされていましたが)。
レジェンドモードで水増しをほとんどしていない分、こちらで思う存分やっていますw
しかもこのアドベンチャーモード、高ランクでクリアしないと新しいエリアに行けない場合があるんですよ。
クリア後の評価は「S」、「A」、「B」の3段階で評価され、評価に応じて新たに行ける場所が増えて行きます。
それで厄介なのが、「S」ランククリアをしないと行けない場所が多い事。
「S」ランククリアをするには「倒した敵の数」、「クリアタイム」、「受けたダメージ数」といった3項目で「S」を獲得しなければならず、1つでも「A」だったら「S」にはなりません。
これが非常に面倒で、「倒した敵の数」で「S」を取るにはフィールドにいる敵をほとんど倒さないといけないし、「受けたダメージ数」で「S」を取るにはダメージを受け過ぎたらいけませんからね。
何度も言うように、アドベンチャーモードのステージは本編の使いまわしです。
しかも100ステージ以上あるのでアドベンチャーモード内だけでも似たようなステージが多く、そうなってくると面倒に感じてしまってできる限り短時間でクリアしたくなってしまい、雑魚を無視してしまいがちです。そうなってくると「S」はほぼ取れないから困った。
さらに先へ進むとステージをクリアした時に入手できる消費アイテムカードを使用しなければ先へ進め無かったりするので、もし持っていなかった場合は以前のステージを再挑戦して消費アイテムカードを調達するという面倒な事をしなければなりません。
ステージによっては色んなキャラを使えるとは言え、驚くほど作業的なモードに感じました。
ご褒美がイマイチ
アドベンチャーモードでステージをクリアしていくと、新たなプレイアブルキャラクターや鑑賞できるキャラクターが増えて行きます。
でも、新たなプレイアブルキャラクターが増えた頃にはゲーム自体に飽きてしまっていますし、キャラクター鑑賞にしても3Dモデルを眺められるだけで読み物は無し(※)なのであまり魅力的なアンロック要素に感じませんでした。
あと、黄金のスタルチュラを倒して行くと埋まって行くパズルピース。これも20枚でようやく1つの絵が完成する程度なので、あまり嬉しいご褒美には感じません。
せめて8枚くらいで1つの絵が完成するようにしてほしかったなぁ。すべての絵柄を揃えると良い事があるけど、あのご褒美もなぁ。
※チュートリアルメニューには読み物のようなものが用意されている。
もう少しユニークなフィールドが欲しかった
「ゼルダの伝説」と言えば、フィールドやダンジョンのギミックが多彩な事でも知られています。そう言う意味で本作のフィールドを見ると、もう少し頑張って欲しかった。
確かに爆弾で壊せる壁や岩、フックショットで渡れる崖など「ゼルダの伝説」ならではのギミックはありますが、いずれも簡素な物ですし、フィールドも無双のような面白みのない迷路マップが多いですからね。
全体のまとめ
あえてタイトル通りに仕上げたコラボ作品。
爽快感は無双らしくかなりありますが、単調・作業的といった欠点は健在で「ゼルダの伝説」シリーズが好きだからと言って楽しめるとは限りません。
こんな人には特におススメ。
・見た目がゼルダな無双をやりたい人。
こんな人にはおススメできない。
・ゼルダのゲーム性を求める人。
・作業的なのが苦手な人。
ゼルダ無双/お気に入り度【70/100%】
プレイした時間・・・約20時間
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ゼルダらしさという言葉がありますが、本作ではそれがちょっと欠けていたのかなと思いました。それは謎解き要素が少ないだとか、そういうことではなく、世界観の話です。
ゼルダらしさとは一体どういうものなのか、言葉で表すのは非常に難しいですが、明るくもあり暗くもある、勇ましくもあり切なくもある、シリアスでもありコミカルでもあるというあのゼルダの伝説独特の感じをもっと出せてたら良かったなと思いました。