
テイルズオブゼスティリア/PS3
テイルズ オブ ゼスティリア Welcome Price!!/PS4
2015年1月に発売されたPS3「テイルズ オブ ゼスティリア」を今回はレビューします。PS3「テイルズ オブ ゼスティリア」は人気RPG「テイルズオブ」シリーズの20周年を記念した作品です。
キャラクターデザインはシリーズ最高となる4人が担当。アニメーション制作はufotableが担当。2016年7月には「~Welcome Price!!」という名称でPS4版も発売されました。
目次
良いところ
冒険するワクワク感
個人的にRPGでは冒険を重視しています。そういう意味で本作を見ていくと、過去作から確実に向上していました。
グラフィックは前作からさらにパワーアップして、PS3にふさわしいクオリティに。世界観も開放感のある明るい平原が目立ち、思いっきり走り回りたい衝動に駆られます。
それに加えて探索する楽しさも備わっていて、読むと戦闘のテクニックが分かる石碑。見つけると良い事がある各エリアの名所、ノルミン天族。クリアには関係のないダンジョン。宝箱など、フィールドを歩いていると様々な発見が用意されています。
そして、ワクワクする最大の要素としてはフィールドにウロつく強敵の存在です!本作はレベルを上げても体力の最大値は増えず、変異憑魔(へんいひょうま)と呼ばれる強敵を倒さなくては増えません。
強制的に戦えるタイプもいますが、多くはフィールドのどこかにウロついているので、体力の最大値を上げるには寄り道しないといけないんですよね。
しかし、強敵だけあって同じフィールド内の敵とは比べ物にならないくらい強く、ボス戦のような歯ごたえを味わえます。このドキドキ感、たまりません。
ある程度ゲームを進めると行動範囲が一気に広がって広大な平原を自由に駆け回れるうえに遺跡や森、街など何ヵ所もあるエリアを好きな順番から訪れることができるようになりますし、RPGで重要な冒険する楽しさはしっかりと備わった作品です。
メインストーリーを進めたい場合はマップに表示された黄色の★マークを目指していけば良いのでついそれに従ってしまいますが、たまには寄り道をすると面白いですよー。
パワーアップした没入感
ゲームシーンからイベントシーン。もしくはゲームシーンから戦闘シーンは、シームレスに切り替わります。画面が暗転せずに切り替わることで、没入感が増していますね。
また、前作に続いて移動中にキャラクターの短い会話が挿入されたり、街中で立ち話が聞こえたり、一部のイベントシーンではキャラクターを動かすことが出来たりして、海外ゲームのトレンドを上手く落とし込んでいると思いました。
ヒット&アウェイが面白い戦闘
このゲームの戦闘では攻撃や回避をすることでゲージが減ってしまい、ゲージがなくなったら不利になってしまいます。
しばらくしたら回復するのでその間はガードや回避などをする必要が生まれ、ヒット&アウェイ戦法推奨のバトルとなっているんです。
また、仲間との連携で変身(神依化)して強力な攻撃を放てるようになります。
変身すると同時に戦える仲間が減ってしまうのでデメリットはありますが、攻撃力は高く、臨機応変で戦えるようになっているようです。
強い敵は大抵変身をして戦う事になるので各キャラクターの変身前の個性をあまり発揮できないという欠点はあるものの、テクニックが重視された本作の戦闘システムは慣れると面白いですね!「テイルズ オブ グレイセス」を思い出しました。
豊富なサブ要素
前述の通りクリアには関係のないダンジョン。数多くの収集アイテム。変異憑魔(へんいひょうま)と呼ばれる強敵の存在。各地に隠された闘技場。
隠しダンジョン。サブイベント。2周目の引き継ぎ。図鑑機能など、シリーズではお馴染みのやり込み要素は相変わらず沢山用意されています。
クリアまでのプレイタイムもそこそこ長くなるので、今回も大作に相応しいボリュームです。
快適なユーザーインターフェース
大作と聞いたら重苦しく感じてしまいますが、数多くの気配りによって快適に楽しめます。1つ1つ挙げさせていただくと・・・。
細かいスキップ機能
キャラクター性が重視された作品ということで、本作もイベントシーンが多いです。しかし、寸劇シーンでもボタンを押すことで細かいスキップ(数秒単位)が可能で、ボイスを聞かずポチポチボタンを押して字幕だけ読んでスピーディにストーリーを理解する事だって出来ます。
立ち絵のゲームでは当たり前のことですが、 リアルタイムムービー的なイベントシーンでここまでテンポ良くストーリーを楽しめるとは!?せっかちな僕は大活用で、非常に助かっています。
発生場所が限定されたスキット
本作でも特定の期間中にボタンを押すことで各キャラクターのやり取りが楽しめますが、セーブポイントや宿屋、名所でしか発生しなくなりました。個人的にはこの仕様変更は大賛成です。
これまではダンジョン攻略や街を歩いている時など中途半端なところでスキットが可能になったりして、ブツ切り感があったんですよね。
特定の場所でまとめてスキットが楽しめるようになったことで、1つの事に集中して取り組めるようになりました。
ワープ機能
マップが広いと移動が面倒に感じてしまいますが、セーブポイント間でのワープが可能なので、快適に移動が出来ます。
ワープ時のロード時間も短く、遠くのエリアもあっという間に移動が出来て嬉しい♪ただ、今作ではワープするのにお金が必要で、無制限にできないのは残念。
それ以外にも常に目的地がマップに表示されたり、ボス戦でやられてもパーティ編成で体制を立て直してから再戦出来たり、途中から難易度を変更出来たりと、ユーザーフレンドリーな作りです。この辺りは女性ユーザーが多いシリーズならではの気配りですね。
TVアニメを収録
本作には2014年12月に放送された「テイルズオブゼスティリア 導師の夜明け」が収録されています。
ゲームの序章をハイクオリティなアニメーションで描いているので、まずはこちらをチェックして予習しましょう!ゲーム本編との違いを探すのも面白いです。
本来なら別売りで5,000円くらいにして販売されてもおかしくないだけに、お買い得ですね。
※2016年7月に発売されたWelcome Price!!には本アニメは収録されていません。
惜しいところ
戦闘のカメラワークが時々イマイチになる
移動シーンから戦闘シーンへの切り替えがシームレスな事での弊害はありました。
切り替えがシームレスになったということは戦闘フィールドも同じなわけで、例えば壁際での戦闘になったらカメラが近づきすぎてしまい、位置が分かりにくくなってしまいます。
そこまで発生頻度は多くありませんが、もう少し敵の配置は気を配ったほうが良かったです。
もっと移動する楽しさが欲しい
フィールドは広く、発見する楽しさはあるのですが、欲を言えばもっと移動する楽しさが欲しいです。
「テイルズ オブ エクシリア」と比較したらフィールドに高低差が生まれたもののまだまだ平坦な印象が強く、ダンジョンはパーツを繋ぎ合わせたような簡素なもので、多少の仕掛けはあるもののまだまだ物足りない。
あと、毎回思うのですが、足音はもっと大きくして歩いている感じを出してほしい。
何かが抜け落ちたストーリー
ストーリーは王道のファンタジー系に感じましたが、何かが抜け落ちていました。
メインヒロインに見える娘はそこまで重要な存在ではなく、それに代わるポジションのキャラクターも候補はいるものの何かが違う。
中盤以降の展開も描写不足でタイトルロゴに描かれているドラゴンの存在も薄く、挙句の果てに有料ダウンロードコンテンツでアフターストーリーを販売する始末。
※期間限定で無料配信はされていました。
魅力的なキャラクターは多いだけにしっかり作れば王道の良質なファンタジーになったハズなのに、開発者が変に驚きを持たせようとおかしなことをするから中途半端な内容に感じてしまいました。
イベントシーンの比重は相変わらず多いので、この辺りは気になってしまいますね
味方キャラクターのAIがイマイチ
味方キャラクターのAIは良いとは言えず、ちょっとでも強い敵と戦うとすぐに倒れてしまいます。その結果、蘇生ゲーになってしまうこともしばしば。
もっと味方のAIは強化してほしかった。神依化(パワーアップ)頼みのシステムといい、戦闘のレベルデザインはいつもよりもイマイチです。
ややセーブの時間が長い
セーブ時にかかる時間は、数十秒もあります。めちゃくちゃ長い!ってほどではありませんが、頻繁にセーブするとテンポが悪くなってしまうのでセーブは控えめにしてしまいました。
その結果、雑魚戦で全滅して最後にセーブしたポイントからやり直しになるなんて事もしばしば。
全体のまとめ
ストーリーは消化不良のところはありますが、土台は丁寧に作られており、良質なRPGの素質はある作品だと思います。ストーリーや戦闘をもう少し工夫したら最高傑作になっていたかも。
本作は発売直後、20周年記念作として大々的に売り出したことによるハードルの高さに加え、ミスリードと捉えてしまう情報公開によって必要以上に叩かれてしまいましたが、普通のゲームとして売り出していたらこんな事にはなっていなかったと思います。
高いハードルとヒロイン詐欺で過小評価された凡作。変なバイアスがなくなった今だからプレイしてほしいです。
こんな人には特におススメ。
・国産RPGで冒険を楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・アリーシャに惚れた人。
・恋愛描写を求める人。
テイルズ オブ ゼスティリア/お気に入り度【65/100%】
プレイした時間・・・約30時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
もう、ストーリーも殆ど覚えていませんが中途半端なところが目立った印象が強いですね
ドラゴン倒したのにイベントがなかったり、ヒロイン候補は何人かいるのに恋愛要素はなく、エンディングも完結とは言えず、深く掘り下げもしない…
戦闘やキャラクターの素材が好きだっただけに、惜しいなと感じましたね
次作は発売日に買う勇気はありませんが、色々な場所で評価を見て買うか決めます