
ネットハイ/PSV
レッツ炎上!!
2015年11月に発売されたアドベンチャーゲーム、PSV「ネットハイ」。
ネットにいるなんちゃって リア充の嘘を暴き爆発炎上させるのが目的のゲームですが、先日、クリアしたので本記事では完全な形でレビューしていきます。
目次
ネット文化を前面にした身近な世界観
本作は人類史上最強の非リア充・俺氏となってなんちゃってリア充たちの化けの皮を剥がしていき、リア充ランキングで最高ランクを取る事が最大の目的です。
主人公の俺氏は人類史上最強の非リア充だけあって普段は底辺中の底辺で気が弱いのですが、ひょんなことから手に入るメガネを装着する事によって180度異なる性格になり、積極的になんちゃってリア充の嘘を暴くべく捜査をして炎上バトルを繰り広げるようになります。
このような設定・ストーリーのゲームだけあってネット文化を前面に取り入れているので、インターネットに詳しい人ほど親近感や共感を得られると思います。
かくいう僕もインターネットにはかなり入り浸っているだけあって本作の世界観は身近に感じられました。
ニコニコ動画、Twitter、Youtubeといった身近なコミュニティが登場するのはもちろん、リア充、アフィリエイト、自作自演など馴染みのあるネット用語・ネットスラングが続出して「この用語を持ってくるのか!?」と何度も思ってしまいました。
アドベンチャーゲームらしく用語解説機能(TIPS)が用意されているので、あとでじっくりと読んでしまいましたね。
ゲーム要素はあくまでもストーリーに介入するための演出
ゲームの流れは捜査→炎上バトルとなっていて、「逆転裁判」や「ダンガンロンパ」シリーズと同じような感じです。
そこにネット文化にちなんだギミックやミニゲームを盛り込んでいて、捜査パートでは探索の他にも捜査に関連する書き込みをTwitterにして返信をくれるコメンテーターの方から新たな手掛かりを掴み、炎上バトルでは相手の発言に噛みついて炎上をさせる他にもキーワードを選んで3行で論破させるなどある程度のオリジナリティを感じられました。
でも、推理する難易度は低く、ゲームをやっている感は薄いですね。
「逆転裁判」の場合は特に推理する要素が強く、相手の発言をよく読んで矛盾していると感じている発言を拾って10近くある証拠品の中から発言に合ったものを突き付けるなどしていかなければならず頭をフルに使ったもんですが、本作の場合は重要な発言の部分は赤文字で表示され、突きつけられる証拠品も少なくて細かくヒント機能が用意されているので難易度はかなり低いです。
捜査パートにしても調べられるところをすべて調べたら強制的に次の展開になり、フィールドを探索するような面白さは皆無です。そもそも背景は一枚絵ですし、移動も選択式ですしね。
このようにゲーム要素はいずれも難易度が非常に低く、ゲーム性は低いといわざるを得ないんですが、快適にストーリーを進められるので一概に悪いとは言えません。
変に難易度が高いとストーリーが気になるのに先へ進めなくてストレスが溜まってしまいますからね。
ただ、難易度が低いせいで寄り道をする事で入手できるスキルの有難味が薄いのは気になりました。
スキルを使用する事で炎上バトルで自作自演の応援コメントが増えたり、時報で制限時間を止めたりとゲームを有利に進められるんですが、そんなものを使用しなくても簡単にクリア出来てしまうんですよ。
どのスキルもインターネット文化にちなんだユニークなものなので、これも演出の一つとして捉えた方が良いのかもしれません。
対戦相手の正体を暴くのが楽しい!
リア充ランキングで最高ランクを目指すため各ランクの王者と順番に戦っていくんですが、彼らはいずれもリア充に見せかけたなんちゃってリア充で、そこに見えるものは本当の姿ではありません。
彼らの嘘を暴く事で少しずつ化けの皮が剥がれていき、本当の姿を見せてくれるので、少しずつ正体を暴いていくのが楽しいですね。
偽りの姿はいずれもリア充に見せかけているだけあって輝いて見えますが、本当の姿はガッカリなものなのでそのギャップが面白いです!
2周目以降は正体が分かっているので、予め正体が分かった状態でプレイするとまた違った感覚で楽しめると思いますよ~。
ちなみに当然ではありますが、キャラクターのイラストは偽りの姿と本当の姿を段階的に描いています。
ネットや現実世界に潜むリアルな闇を描いているのが面白い!
本作は非常に身近な舞台だけあって、思わず「あるある~!」と頷いてしまうようなネタがそこら中に散らばっています。
飲食店の口コミサイトで悪口がかかれるとすぐに絶賛のコメントが書かれたり、お母さんが買ってくる服のセンスはイマイチだから止めさせたりとピンポイントなネタが多いです。
特にそれを感じたのが、時々挿入される「リア次とヒリ也のリア充劇場」のコントシーン。
このコントではリア充のリア次と非リア充のヒリ也がフリーダムな会話を繰り広げるんですが、その会話が現実世界のドロドロした「あるある」を表現していて、笑えるというよりも興味深く聞いてしまいました。
例えば大人になって久しぶりに再会する友人から詐欺に遭ったりとか、非常にためになります。
このゲームのプロデューサーが非リア充を自称しているだけあって、実体験に基いたリアルな描写が多数盛り込まれています。
非リア充の人であればあるほど共感することもあれば、耳が痛く感じてしまう事でしょう。僕も聞いていて耳が痛くなってしまう事が何度かありました(汗)
ストーリーは意外と王道!
世界観や設定が非常にピンポイントの作品なので意外かもしれませんが、肝心のストーリーは比較的王道に感じました。
リア充ランキングで最高ランクを目指すという分かりやすい目標があるためそのままそちらの方へ進んでいくので先の展開が読みやすく、大筋は素直に進んでいきますからね。
細かいところを見ると多少の意外性はありますが、概ね予想通りのストーリー展開だったと思います。
これはこれでアリだとは思いますが、本作が「逆転裁判」や「ダンガンロンパ」のフォロワーであるからにはもう少しどんでん返しが欲しかったなぁ。
終盤は主要人物の正体が明らかになるなどしてそれなりに「お!」と来る事はありましたが、物語に強く引き込まれることはさほどなく、どちらかというとユニークな対戦相手のキャラクター性や正体見たさでプレイしていました。
そういう意味でキャラゲーの側面が強い作品ですね。
微妙に見た目の魅力が足りない登場キャラクター
これは初報でイラストを見た時から思いましたが、多くのキャラクターは見た目の魅力が足りません。
主人公はサングラスのせいで全然非リア充に見えなくなってしまいますし、それ以外の登場キャラクターも割と美形は多いもののあともう一歩魅力が足りない人ばかりです。
個人的にはナビゲーターのシルと実力派女優の女ヶ沢優子くらいしか惹かれなかった。
実はこのゲーム、各チャプターに日常パートのようなものが存在して登場するヒロインとスキンシップを含めたコミュニケーションを取れるんですが、多くのヒロインは魅力がもう一歩なので萌えないんですよね。
せっかくスキンシップシーンではLive 2Dを使っているのに勿体無い。
全体のまとめ
世界観や設定はニッチ向けではありますが、ストーリーは意外と素直な作品。
丁寧に作られてはいますが、ゲーム要素は薄いですし、意外性はさほどなく、本作の元となった「逆転裁判」や「ダンガンロンパ」と比較したらどうしても薄味に感じてしまう。
ピンポイントなネタやユニークなキャラクターは魅力的ですが、その魅力をフルに発揮しているとまでは言えず、全体的には無難なところに落ち着いてしまった印象です。外面は尖っているが、内側は凡庸。
こんな人には特におススメ。
・現代のネット文化をゲームで楽しみたい人。
こんな人にはおススメできない。
・ネット文化が嫌いな人。
・推理する楽しさを求める人。
ネットハイ/お気に入り度【60/100%】
プレイした時間・・・約14時間
※当ブログでこれまでにレビューしたタイトルの一覧はこちら をご覧下さい。
うーん、悪くは無いけど物足りないみたいな、危惧してた結果になってしまいましたか。
ただ、題材自体は好きだし体験版も楽しめたのでそのうちプレイはしたいですね!
プレイ時間もダンガンロンパとかより短く、結構サクッとプレイ出来そうですね。