【レビュー】アフターイメージ [評価・感想] 粗削りだがボリュームは凄い!

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

近年インディーゲーム界で増殖しているメトロイドヴァニア(探索型2Dアクションゲーム)。

入り組んだマップを探索する形式であることからじっくり遊べますが、そうは言っても大抵は10時間程度でクリアできます。

周回プレイ前提とは言え、RPGなどと比べたら短く感じますよね?

「もっと大規模なメトロイドヴァニアを遊びたい!」

そんな人におすすめしたいのが、今回レビューする「アフターイメージ」です。

このゲーム、数あるメトロイドヴァニアの中でもトップクラスのボリュームを誇りまして、普通にプレイするだけでも30時間は遊べます。

そのうえで驚異的なやり込み要素が存在するので、価格に対する満足感が凄いですw

ただメトロイドヴァニアの頂点に君臨するほどの完成度なのかと言いますと、必ずしも首を縦に振ることはできません。

他のゲームではキチンと出来ているところが出来ていなかったりして、モヤモヤするところがありました。

ここからは「アフターイメージ」の良い点や惜しい点を挙げていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 記憶喪失の少女ライネが主人公の探索型2Dアクションゲーム。
  • 広大な世界を探索して記憶を取り戻していく。
  • 敵を倒してレベルを上げたり、能力ツリーや装備アイテムでステータスを強化できる。
初リリース日 2023年4月27日
対応ハード Switch/PS5/PS4/Xbox Series/Xbox One
ジャンル 2DアクションRPG
売上 初週0.2万本(Switch版)
価格 3,850円(税込)
推定クリア時間 25~35時間
発売元 H2 INTERACTIVE

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良いところ

圧倒的なボリュームのマップ

冒険の舞台となるマップは驚くほど広大です。

横スクロールスタイルなので平面にしか移動できませんが、天空から地下まで大きく広がっていて、同系統のゲームを凌駕しています。

ぼくは今までに数多くのメトロイドヴァニアをプレイしていましたが、ここまで広い作品は見たことがありません。

終盤っぽい雰囲気のエリアに着いたと思っても実は中盤だったりするので、とんでもない大作だと思いました。

でも、マップが広すぎると移動が億劫になりそうですよね?

確かに目的地までたどり着くのに時間がかかるところはありますが、「安息の薬」というアイテムを使えば魂脈という転移やセーブができるポイントにワープできます。

このアイテム、当初は持てる個数が少なくてレアアイテム的な位置付けだったようですが、アップデートによって序盤の街でたくさん買えるようになりました。

これによって移動が面倒というメトロイドヴァニアにありがちな不満点を解消しているので、マップが広いことによる短所を解消しています。

肝心の内容はと言いますと、RPG成分が強めの探索型2Dアクションゲームといったところでしょうか。

記憶喪失の主人公ライネを操作して各地の秘密を解き明かしたり、敵を倒してレベルを上げていきます。

体力がなくなるとセーブポイントまで強制的にワープ。

その際には倒れた場所にレベルアップ後の経験値が落ちてしまうので、失ってしまわないよう回収していきます。

この点はソウルライクゲームっぽいですが、あそこまで難易度は高くないですし、スタミナゲージ的な概念はないので、どちらかというと「悪魔城ドラキュラ」に近いです。

クリアまでのプレイタイムは20〜30時間程度。

複数のエンディングが存在するので、全てを見ようと思ったらさらに時間がかかります。

一定数のエンディングを見るとニューゲーム+が出現。

別のキャラクターを操作して裏のストーリーを体験できます。

1時間程度で終わる内容ではありますが、やり込んだと思った後に追加の裏ストーリーを挿入するとは恐れ入りました!

幻想的なグラフィック

「なんて美しいのだろう!?」

思わずそう口に出したくなるくらい「アフターイメージ」の世界は幻想的です。

紅葉が美しい森から始まり、開放的で明るい草原、新緑が美しいジャングル、天国のように神秘的な天空。

といった感じで見ているだけでウットリするようなエリアが満載なので、美しい音色のBGMと相まって心の中に溜まった汚れが浄化されていきます。

メトロイドヴァニアって暗い世界観の作品が目立っているので、幻想的な世界を探索できるのは嬉しいです。

他にもキャラクターデザインが日本のアニメっぽかったり、人気声優陣によるフルボイスを採用していたり。

ライトユーザーでも親しみやすい作風となっているので、第一印象は良いと思いました。

街でNPCと会話したり、買い物をするというRPG的な要素もありますし、中国産なのに日本人の琴線に触れる要素が目立っている印象です。

※本作はAurogon Shanghaiという中国の会社が開発しています。

ワールドマップがあるのもワクワクするよな

マップを埋めていく楽しさ

メトロイドヴァニアと言えばマップを埋めていく楽しさ!

本作でもその辺りは徹底されていて、ある程度探索してからは秘密の抜け道やアイテムの回収にハマりました!

特徴的なのが、秘密がある箇所にはマップ画面に黒いモヤが付くことです。

この表現が探究心を高めてくれて、見つけた時はワクワクしながら足を踏み入れました。

隠されているのは収集アイテムや強化アイテム、クエストアイテム、装備品など多種多様。

成長要素が強い分、アイテムの種類が多いので、探索で得られる見返りが幅広くなっています。

しかし、そこはメトロイドヴァニア。

秘密を見つけたとしても障害物によって奥へ行けないこともあったりします。

そんな時に役立つのが主人公の移動能力をアップさせるアイテム!

ジャンプの性能がアップしたり、スライディングをして狭いところを通り抜けられるようになったり。

探索をすることでいろんなアクションを覚えるので、行動範囲が徐々に広がっていきます。

お馴染みのシステムではありますが、使えるアクションが増えた時の喜びはひとしおで、どこで役に立つのか考えながら来た道を引き返すのが楽しいです!

マップ画面にはアイコンを設置できるから、今は進めないエリアに付けておくと引き返す時に役立つぞ

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惜しいところ

バランス調整がイマイチ

圧倒的なボリュームを誇る「アフターイメージ」ですが、バランス調整に関しては首を傾げるところがありました。

序盤から色んなところに行けるが故に迷いやすかったり、敵の強さが極端すぎたり。

自由度が高い故に上手く調整できていないところがあります。

個人的に惜しいと思ったのが、楽しいと感じるボス戦が少なかったことです。

各エリアの奥にはボスが潜んでいて、体力をゼロにすると倒すことができます。

メトロイドヴァニアではお馴染みの要素ではありますが、他の作品とは違ってヒット&アウェイ戦法を取るのが難しく感じました。

敵の攻撃を回避しつつ、隙が出来たら反撃。

同系統のゲームではこの戦法でボスを倒せるようにデザインされているんですが、本作ではそういった楽しさが薄いです。

理由としては2つあって、1つめはアクション部分のバランス調整が悪いことです。

どのボスも避けにくい攻撃をしてきますし、接触するとダメージを受けてしまうので、頻繁にダメージを受けてしまいます。

その一方で回復アイテムは大量に持ち込めるので、もはや回避はほどほどにして殴って回復する方が良いんじゃないかと思いましたw

よく出来ているメトロイドヴァニアの場合、

  • 回復アイテムの制限を厳しくする
  • 代わりに敵の攻撃を避けやすくする

といったバランスにしてヒット&アウェイ戦法に持っていきやすくする傾向にあるのに、本作はその辺りが上手く出来ていません。

一応、終盤に無敵回避的なアクションが使えるようになりますが、もっと早く使えるようにしてほしかったです。

ボス戦がイマイチ楽しめなかった2つめの理由は、成長要素が強すぎることです。

経験値を稼いでレベルを上げることができたり、能力ツリーや装備アイテムでステータスを高めたり。

多少の制限はありますが、主人公の能力を何十倍にも強化できる手段が充実しているので、純粋なアクションゲームと比べて強い時と弱い時の差が大きくなっています。

そのためボスによっては強すぎて勝てなかったり、逆に弱すぎて手応えを味わえないという事態が起こりやすいので、自分にとって丁度良い難易度の戦いを楽しめることは滅多にありませんでした。

この辺りは行動範囲の広さが裏目になっている印象です。

成長要素が強くても行動範囲が狭ければ開発者が想定した範囲内のレベルでボスに挑めると思うんですが、本作はあっちもこっちにも行けますからね。

なんか色々と探索していたらレベルが上がりすぎてしまって本来なら苦戦するハズのボスをアッサリ倒せてしまったということが何度もありました。

興味を持ちにくいストーリー

一見するとファンタジー好きがハマりそうな雰囲気の「アフターイメージ」。

豪華声優陣を起用しているということでストーリーにも期待していましたが、個人的にはピンと来ませんでした。

過去に厄災が起きて人類の文明がほぼ絶滅したこと。

主人公が記憶喪失であることなど面白そうな設定はありますが、盛り上がりに欠けるシーンが多く、最後もアッサリなので、上手く調理しきれていない印象です。

また、サブクエストのヒントが少なく、演出もアッサリなので、なんか適当に探索していたらストーリーが進んでしまうことが多くありました。

本作をプレイしていると、自由度とストーリーの両立は難しいことを痛感します。

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アフターイメージ (Afterimage) レビューまとめ

とにかくボリュームが凄いメトロイドヴァニア。

同系統のゲームと比べて2~3倍のボリュームがあるので、ガッツリ楽しみたい人におすすめできます。

自由度が高い故に上手く調整しきれていないところがあるなど完璧なゲームではありませんが、価格以上の満足感を味わうことができました。

こんな人には特におススメ。
・メトロイドヴァニア好き。
・JRPG好き。

こんな人にはおススメできない。
・わかりやすいストーリーを求めている人。
・迷いやすい人。

お気に入り度【70/100%】

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