どうも!KENT(@kentworld2 )です!
近年爆発的な盛り上がりを見せる「ソウルライク」ゲーム。
「ダークソウル」に影響を受けた高難易度アクションRPGを指しますが、この手のゲームって黒を連想する世界観のタイトルが多いんですよね。
ダークファンタジー系はもちろん、クトゥルフ神話やSFなど、硬派なものが目立っています。
そこに目をつけたのが今回レビューする「Another Crab’s Treasure(アナザークラブズトレジャー)」。
世界観は青を連想する海で、主人公はヤドカリの少年だったりします。
そのうえでソウルライクらしい手応え、入り組んだマップの探索を継承しているので、ありそうでなかった作品に感じました。
ここからはそんな「Another Crab’s Treasure」について詳しく語っていきます。
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- 海底王国が舞台のアクションRPG。
- 主人公となるのはヤドカリのクリル。
- シェル(貝殻)を装備して強敵と立ち向かっていく。
初リリース日 | 2024年4月25日 |
対応ハード | Switch/PS5/Xbox Series/Xbox One |
ジャンル | アクションRPG |
価格 | 3,520円(税込み) |
推定クリア時間 | 20~30時間 |
発売元 | Aggro Crab Games |
目次
良いところ
ソウルライクで水中を舞台にする着眼点
本作最大の特徴は、ソウルライクゲームでありながらも水中を舞台にしていることです。
舞台となるのは、環境問題に直面した海底王国。
この世界はゴミによって汚染されてしまい、崩壊の危機にさらされています。
主人公となるクリルはそんな海底王国を救うため各地を冒険していくことになるんですが、大半のエリアが水中なので、地上とは挙動が異なっています。
特に大きいのが、浮遊感でしょうか。
地上よりも上に浮き上がる力が強いので、一定時間だけバタバタと宙を舞うかのようにジャンプできます。
多くのソウルライクゲームはジャンプアクションが限定的だったので、この操作感覚は斬新です。
他にもゲームを進めるとグラップリングフックで高いところにいけたり、スタミナゲージを消費せずに攻撃を繰り出せたり。
従来のソウルライクゲームよりも主人公の運動能力が高いので、縦横無尽な戦いを楽しむことができます。
登場するのはデフォルメされた海洋生物。
どのキャラクターも目が大きかったり、パーツがデフォルメされているので、アニメチックな印象があります。
個人的には「バンジョーとカズーイの大冒険」を彷彿としました。
同作のような3Dアクションゲームであるならまだしも、ソウルライク系のゲームでこの表現は斬新です。
冒険することになる世界はエリア式。
クリアまでのルートは割と一本道ではありますが、後半のエリアは高低差が凄いので、この辺りも独自性を感じました。
特に「フロッツァム・ヴェール」というエリアの後半はグラップリングフックを使ってめちゃくちゃ高いところを登っていくので、「スーパーマリオ64」を始めとする3Dプラットフォームアクションのようです。
他にもサンゴが美しい世界や砂の城、ピンボールと融合した沈没船など、ユーモア溢れるエリアが満載で、他のソウルライクゲームとは一線を画しています。
しっかりと取り入れているソウルライクゲームのお作法
ここまで世界観の話を中心にしてきました。
従来のソウルライクゲームとはあまりにも作風か違うので、「別ジャンルのゲームじゃないの?」と感じられた方もいると思います。
ですが、実際にプレイしてみたところ、これは紛れもなくソウルライクゲームだと思いました!
入り組んだマップを探索していくワクワク感、敵から受ける被ダメージの高さ、強いボスを倒した時の達成感。
拠点で行えるレベルアップ、倒れてしまった時に起こる経験値やお金のロスト(一度だけ回収できる)、奥深い装備のカスタマイズ。
何もかもが「ダークソウル」などのお作法に沿って作られています。
特にボスの激しい攻撃を避けながら僅かなスキを見つけて戦っていく緊張感はソウルライクゲームそのもので、ついムキになって遊んでしまいました。
意外だったのが、「SEKIRO」で見られたパリィ・体幹ゲージ的な要素を盛り込んでいることです。
敵の攻撃を受ける瞬間にガードするとパリィが決まり、ボス戦では体幹ゲージ的な物を大幅に溜めることができます。
そして、最大まで溜めると大ダメージを与えることができるので、単に攻撃を避けるだけではなく、ここぞという時にパリィを決めるのが気持ち良いんですよね。
さすがに「SEKIRO」ほどのパリィゲーではありませんが、状況に応じて攻撃と回避、パリィを選択する駆け引きは非常に熱く、緊迫した戦いを楽しむことができました!
そんな戦闘の駆け引きをさらに高めているのが、シェルの概念です。
主人公はヤドカリなので、尻尾にはシェル(貝殻)を装備することができます。
このシェルなんですが、ダメージを受けたら壊れてしまう一方で、種類によって特殊な技が使えたりします。
泡を使った遠距離攻撃ができたり、クラッカーのような衝撃波を発動できたり。
それそれ特性が異なっているので、ボス戦ではどのシェルを使って戦うのかを考えるのが熱いです。
場合によってはボス部屋の近くに有効なシェルが転がっていたりするので、謎解きのような楽しさも感じました。
初心者への配慮が満載
ソウルライクゲームの多くは難易度が高めに調整されています。
本作も例に漏れず難易度は高めですが、同ジャンルのゲームと比べたら優しめに感じました。
アクションの制約はほとんどないですし、ボスに倒されても直前から再開することができますからね。
この手のジャンルが苦手な人でもクリアできるようにしていると思いました。
そんな印象をさらに強めてくれるのが、オプションから設定できるアシストモードの設定です。
ここでは様々なアシストを設定することができます。
ゲームスピードを遅くしたり、敵から受けるダメージを減らしたり。
さらに巨大な銃を使って攻撃できるようになるという一昔前の洋ゲーにあったチートコードのようなアシストも用意されていますw
アシストモードを使うと開発者が想定した難易度ではなくなってしまうので、あまりおすすめはしません。
ですが、「アナザークラブズトレジャー」は環境問題にスポットを当てた興味深いストーリーが展開される作品です。
ソウルライクゲームファン以外にも伝えたメッセージがこめられているので、ストーリーを中心を楽しみたいのでしたらアシストモードもアリかなと思います。
惜しいところ
Switch版の動作がやや不安定
Switch版は動作がやや不安的なところがあります。
普段は少しモッサリしているくらいなんですが、エリア切り替え時は著しい処理落ちが発生します。
あまりにもカクカクするので、フリーズしたのかと思うくらい(パソコン版でも処理落ちするらしい)。
また、ゲームをクリアするまでに5回くらいエラーによる強制終了がありました。
その結果、数十分も前のところに戻されることがあったので、最適化されていないところがあります。
あくまでもぼくがプレイした2024年5月時点での話であって、アップデートで改善されるかもしれませんが、これから始められる方は念頭に入れておくことをおすすめします。
イマイチな翻訳
ゲームを進めていくと日本語のメッセージによるイベントシーンが挿入されます。
しかし、翻訳がイマイチなので、ニュアンスが伝わりにくいです。
例えばこんな言い回しのメッセージが存在します。
制御できない無慈悲、無感情な力で、またもやコウラにひびが入ってしまう。
クリルのうま味に対する同調により、以前訪れたムーンカタツムリのシャルの間をワープできるようになった。
どうでしょう?直訳っぽい感じで、頭の中で情報を整理しないと理解が追きませんよね?
これではキャラクターやストーリーの魅力が削がれてしまうと思いました。
せっかく社会問題になっている海の汚染をテーマにしているのに勿体ない。
とても興味深いテーマなので、翻訳の精度を上げて日本語音声にしたらストーリーゲームとしても訴求できたのではないでしょうか?
アナザークラブズトレジャーのレビューまとめ
水中が舞台の一風変わったソウルライクゲーム。
キャラクターも可愛らしく、ゲームバランスもややマイルドなので、入門用としてもおすすめできる作品です。
荒削りなところがあるのでそこは評価が分かれるところではありますが、概ねよくまとまっています。
こんな人には特におススメ。
・ソウルライクゲーム初心者。
・海洋生物好き。
こんな人にはおススメできない。
・不安定な動作を許容できない人。
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