【レビュー】ライフ イズ ストレンジ 2 [評価・感想] 「つまらない」けど「好き」な逃避行劇!


ライフ イズ ストレンジ 2/PS4

どうも!KENT(@kentworld2 )です!

今回は2020年3月に発売されたPS4/Xbox One「ライフ イズ ストレンジ 2」のレビューをしていきます。

本作は兄弟の逃避行を描いたインタラクティブアドベンチャーゲームですが、退屈な部分が多く感じました。

ゲームクリアまでのプレイタイムは約15時間。

ゲームソフトとしてみたら特別長くはありませんが、観ているだけの時間が長く、悪い意味で映画のようなんです。

映画だったら2時間で済むからまだしも、本作は7倍以上もの尺があります。

かと言ってストーリーのボリュームが映画7本分もある訳ではなく、7倍に引き伸ばしているようにも感じました。

もっとテンポ良く進みたいな~

なんて終盤までは思っていたんですが、エンディングを見てからは印象が180度変わりました。

一言で表すと切ない!

主人公であるショーンとダニエルの物語が完結したと同時に彼らと別れたかのような感覚を持つようになったんです。

そして、2周目をプレイしてみたところ、1周目の時はあれだけ退屈に感じていたシーンの台詞を1つ1つ噛みしめるように聴いてしまいました。

どうやらぼく、主人公のショーンとダニエル。そして、「ライフ イズ ストレンジ 2」そのものが好きになってしまったみたい。

こうなったのも映画では実現できないゲームならではのゆったりしたテンポが大きいのだと思っています。

ゲームクリアまでの15時間。

時には服を着替え、キッチンでご飯を食べるなんて日常的な行為を数十分かけて行うことになりますが、そういった退屈そうに見える経験をするからこそ生まれる余韻があると思うんです。

ゲームとして「面白い」のか「つまらない」のかで表すと「つまらない」部分も多く感じますが、「好き」か「嫌い」かで表すと「好き」な作品になれました。

ここからはそんなPS4/Xbox One「ライフ イズ ストレンジ 2」について詳しく書いていきます。

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このゲームを3行で説明すると?
  • 兄弟の逃避行を中心に描いたインタラクティブアドベンチャーゲーム。
  • ストーリーに沿って様々なフィールドを探索していく。
  • 途中で挿入される選択肢によってエンディングが分岐していく。
初リリース日 2020年3月26日
対応ハード PS4/Xbox One
ジャンル アドベンチャー
売上 初週0.4万本
推定クリア時間 12~18時間
発売元 スクウェア・エニックス

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良いところ

親近感が沸く兄弟のビジュアル

ぼくが本作を「好き」になれた要因としてはメインキャラクターとなる兄弟のビジュアルが大きかったりします。

兄のショーン、弟のダニエル。

どちらもアメリカ人ですが、まだ子供であるためかガッチリしておらず、体型は日本の平均的な男性に近く感じます。

欧米のゲームってガッチリした中年男性が主人公であることが多いので、脳が未だに中学生レベルのぼくは華奢な彼らの方に感情移入出来ました。

加えて顔立ちが一般人レベルなのも親近感が沸きます。

プレイヤーが操作することになる兄のショーンはイケメンではありますよ?

しかし、スクウェア・エニックス本社が手掛ける作品に登場するキャラクターのような超美形と言えるレベルではありません。

顔偏差値で表すと、せいぜい60~70ではないでしょうか?

ですが、このくらいの顔偏差値だからこそ現実味が生まれて感情移入出来ました。

一方、弟のダニエルは可愛すぎますw

それも現実味のある顔立ちで、まるで、15歳以上年下となるぼくの従兄弟を見ているかのよう。

そんなダニエルですが、ある時、超能力を使えるようになるんです。

ダニエルはプレイアブルキャラクターではなくNPCなのでプレイヤーが超能力を自由に使うことは出来ませんが、命令して使わせることはできるのでいざという時は彼の方が役立ちました。

程良くイケメンのショーンと可愛すぎるダニエル。

このバランスが絶妙で、プレイ中は身近な友達を眺めているかのような感覚で楽しめました。

逃避行の中で繰り広げられる日常生活の体験

ショーンとダニエルはひょんなことから逃避行せざるを得なくなります。

そのためゲーム開始から終了まで舞台はコロコロと変わりますが、ゲームプレイの多くは日常生活の延長線上なんです。

服を着替える、音楽を聴く、物をどかす、コーヒーを沿いで飲む。

戦闘的な要素はほぼ存在しないので、ゲームとしての駆け引きは味わえません。

ぼくはゲームに駆け引きを求めているのでプレイ中は退屈に感じました。

ですが、ショーンとなって日常生活を体験するからこそ感情移入することが出来てエンディングでは感動出来たので、クリアした今となってはむしろ利点に感じます。

前作に続いてフィールドの作り込みが半端なく、様々な部分を調べられるので、本作を「好き」になった2周目以降は細かいところまで観察したくなりました!

ショーンとダニエルの兄弟愛

ぼくが本作で最も好きな点。

それは、ショーンとダニエルの兄弟愛が描かれていることです。

ショーンは弟の面倒を見るなど頼もしく、ダニエルは甘えん坊で弟らしく、時には兄弟喧嘩をすることがあります。

ですが、いざという時は力を合わせ、数多くのピンチを乗り越えるんです。

後述で触れますが、ぼくが初めて観たエンディングは兄弟愛を最も感じられる物だったので胸打たれました。

前作で見られたマックスとクロエによる女性同士の友情も素晴らしいものでしたが、今作の兄弟愛も素晴らしいものです。

女性同士ではなく男性同士である分、華やかさには欠けるかも知れませんが、絆の深さは負けていません。

社会のルールに従うのか?自分たちを優先するのか?の葛藤

ショーンとダニエルはとても不幸な兄弟です。

冒頭ではあまりにも理不尽な事件に巻き込まれてしまい、それ以降も不幸が続出します。

そんな中、プレイヤーは様々な選択を迫られるんですが、その多くが究極的なものなんです。

例えば主人公たちが誤解で捕まり牢屋から脱出しようとしますよね?

すると、警官に囲まれてしまいます。

そこで以下のような選択肢が挿入されたらどうしますか?

  • A 素直に手を上げる
  • B 超能力で警官をぶっ飛ばす

社会のルールに従うのか?自分たちを優先するのか?

選択肢の多くはそんな葛藤に迫られるので、ぼくはどうしようか迷いました。

エンディングは選択肢によって大きく分けて4つに分類されますが、ぼくが最初に見たのは・・・

(以下、ネタバレなので袋とじ)

タッチ/クリックで開く

全体的には前作よりも胸くそ悪い展開が多く、好みが分かれるところはありますが、印象には残りました。

「タイムリープものこそが『ライフ イズ ストレンジ』だ!」と感じている人は期待外れかも知れません。

でも、個人的にはこれはこれでアリなんじゃないかと思います。

特殊な能力を持った主人公たちが理不尽な目に遭い困難を乗り越えていくという点ではPS3「ビヨンド:ツーソウルズ」を彷彿としました(あの作品も大好きです)。

最高のローカライズ

ぼくがショーンとダニエルに感情移入出来たのはローカライズが秀逸なのもあります。

前作もそうでしたが、今作のローカライズも素晴らし過ぎる!

まず素晴らしいと思ったのが言葉選び。

例えば「ドヤ顔」なんて現代的な言葉が出てくるんですよw

こんな言葉、機械的な翻訳だったら出てこないでしょう。

台詞の多くは洋ゲー的なぎこちなさを感じられないのでスッと入れました。

あと、声優さんの演技も好きです。

特に好きなのが主人公ショーンの演技。

ゲーム中は何かする度に彼の心の声を聴けるんですが、朗読しているかのように淡々と喋るので作中の切ない雰囲気とマッチしているんですよ。

声質も一般的な若い男性らしく、落ち着いているように見えてあどけなさも少しだけ感じられ、絶妙な調整に感じます。

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惜しいところ

退屈に感じる時間が長い

全体的に退屈な時間が長く感じます。

ぼくがせっかちでゲームに対して駆け引きを求めているのもありますが、ダラダラしているんですよ。

服を着替える、音楽を聴く、物をどかす、コーヒーを沿いで飲む。

このような日常生活の体験を何十分も掛けて行うことで初めてストーリーが進むので、間違ってもアクション映画の主人公を体感できるゲームと思ってはいけません。

また、前作に続いて会話シーンを細かくスキップすることは出来ず、最後まで音声を聴く必要があります。

その結果、見ているだけのシーンが多くなってしまいました。

ストーリー自体は要所要所で目が引く部分を設けていますが、展開が遅く、映画のテンポに慣れているとキツイです。

前作よりもインタラクティブ性が落ちた

2016年に発売された前作の「ライフ イズ ストレンジ」では超能力を使って時間を巻き戻すことが出来ました。

一方、本作の主人公であるショーンはそのような能力を持っていません。

弟のダニエルこそはサイコキネシスで物を持ち上げる能力を持っていますが、プレイヤーが直接操作することはできないので、インタラクティブ性は前作よりも落ちてしまいました。

前作よりもストーリーに介入している感が薄く、そういう意味では普通のアドベンチャーゲームになってしまった印象です。

一体感を持たせるようなクイックタイムイベントも無いですし、純粋にゲームプレイの部分だけにフォーカスを当てると平凡になってしまいました。

アドベンチャーゲームとして貫きたかったのかも知れませんが、もう少しアクション要素を加えてゲームプレイに起伏を持たせても良かったような?

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ライフ イズ ストレンジ 2のレビューまとめ

「つまらない」けど「好き」

本作のクリア後、一見すると矛盾しているかのような感想を持ちました。

ゲーム性は低いですし、前作よりもストーリーに介入している感は薄く感じます。

そのうえ展開も遅く、ゲームプレイの大半は日常生活の体験みたいなものなので、刺激が薄く感じました。

ですが、一見すると退屈に感じる時間でも彼らとの逃避行を終えてからは思い出に変わっていき、2周目からは退屈には感じなくなったんです。

むしろ、日常生活の体験をもっと味わいたくなりました。

単純に一本のストーリー物としては同ジャンルの映画を観たほうが遥かにテンポの良い体験を味わえます。

時間がない人や途中で投げてしまう人にはおすすめ出来ませんが、15時間ものゲームを最後までプレイする気力がある人は是非プレイしてみてください。

きっと、「好き」な作品になれると思いますよ。

少なくともぼくは本作に出会えて良かったと思っています。

ショーンとダニエル。

ぼくにとって彼らは「最も好きなゲームの兄弟キャラ」です。

「つまらない」けど「好き」な逃避行劇!

こんな人には特におススメ。
・兄弟愛を感じたい人。
・まったり楽しみたい人。

こんな人にはおススメできない。
・せっかちな人。

ライフ イズ ストレンジ 2/お気に入り度【85/100%】
プレイした時間・・・約20時間

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4件のコメント

このレビューを読むと「Life is Strange 2」の主人公がなんか人ごとに思えないです(^^;;
うちにもかわいい弟がいますから。結構、刺さる作品かもしれないなぁ〜。
弟とは年々仲良くなっていわゆる自分が弟萌えなうえに、涙腺が弱いのでいつかはプレイしてみたいです(^^)

確かにトモフミさんは感情移入しそうw

テンポは悪いですが、じっくりプレイすると突き刺さると思いますよー。

純粋だからこそ、そういったエンディングに繋がっていったんじゃないかなぁと思いました
「外側からどうみられようと仲間との繋がりは何よりも強い!ってネタ(?)はよくありますからね」

(袋とじに関わる感想なのでマズかったら「」の部分は削除でお願いします。あ、この文はどちらでも削除で・・ごお手数おかけします)

胸くそ悪くてもエンディングに救いがあれば報われるし、カタルシスが好きって人もいるけれど現実がモヤモヤしてる今の時期だと僕にとってはなかなか手出し出来ない作品かもです
世界観やキャラ造形がリアル寄りであれば尚更ですわー

>兄のショーンはイケメンではありますよ?

なんか言いたいこと分かるなぁ
ショーンのような造形を僕は「ふっつーのイケメン」と呼んでますw
美形ではない、普通にイケメン。
ちなみに、女性版だと「ふっつーに美人さん」です

超能力が出てきますが、話の根本はリアリティがあり、海外のゲームらしく感じました。

でも、ご都合主義ではないところは前作といい気に入っています♪