黄金の太陽 ~漆黒なる夜明け~/DS
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2010年10月に発売されたDS「黄金の太陽 ~漆黒なる夜明け~」のレビューをしていきます。
本作は錬金術が存在する世界・ウェイアードを舞台にしたファンタジーRPGですが、「ドラゴンクエスト」のような王道RPGを求めている人にはおすすめしません。
というのも本作は「ドラゴンクエスト」を基準にすると劣っているように見えるからです。
テキストは翻訳したかのような文面なので読みにくいですし、戦闘も大味ですから・・・。
それでいて「ルーラ」に相当するワープ機能が搭載されておらず、終盤には全体の半数近くが進入不可になってしまいます。
壮大なストーリー、秀逸なテキスト、戦略性が高い戦闘システム、高い自由度。
「ドラゴンクエスト」シリーズで評価されている点が本作ではまるでダメなので、王道RPGとしてみたら駄作なのかもしれません。
ですが、エナジーを使った謎解き・探索の面白さは健在で、「ゼルダの伝説」のような謎解きアドベンチャーとしてみたら良作に感じます。
「ドラゴンクエスト」のようなゲームとしてみるか?
「ゼルダの伝説」のようなゲームとしてみるか?
それ次第で本作の印象は大きく変わってきます。
ぼくの場合、「ゼルダの伝説」シリーズの方が好きなので、今作も楽しめました!
ここからはそんなDS「黄金の太陽 ~漆黒なる夜明け~」について詳しく書いていきます。
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- ファンタジー世界を舞台にしたRPG。
- 戦闘はターン制コマンド式。
- 魔法を使った謎解き・探索要素が存在する。
初リリース日 | 2010年10月28日 |
対応ハード | DS |
ジャンル | RPG |
売上 | 初週4.7万本/累計8万本 |
推定クリア時間 | 20~30時間 |
発売元 | 任天堂 |
目次
良いところ
エナジーを使った謎解き
「黄金の太陽」シリーズは表面的な部分だけを見たら「ドラゴンクエスト」のような王道RPGに見えます。
少年たちが世界を救う冒険活劇、ターン制コマンド式の戦闘システム、壮大なワールドマップ etc…
ですが、街やダンジョンの作りは大きく異なっていて、エナジーという魔法を使ってパズルを解いていく要素が存在するんです!
例えば「ムーヴ」と呼ばれるエナジーを使用するとブロックを押せます。
他にも
- 物体を掴み引き寄せる「グリップ」
- 物体を叩き壊せる「クラッシュ」
などのエナジーをフィールドで使用することが可能だったりします。
これらのエナジーを駆使することで今まで行けなかったエリアにも行けるようになり、「ゼルダの伝説」シリーズに通ずる謎解き・探索を楽しめました。
でも、この手の謎解き要素って詰まった時はイライラしますよね?
開発者もそう思ったのか今作では「プレビジョン」というヒントを教えてくれるエナジーが追加されたので、謎解きが苦手な人向けの配慮が行き届いています。
謎解きの難易度自体も前作から低下していますし、冒険の邪魔にならないよう再調整している印象です。
ジンやアイテムの収集要素
フィールドやダンジョンには数多くの秘密が隠されています。
代表的なのが精霊のジン。
精霊のジンを見つけるとパーティメンバーに複数セットすることができます。
すると、組み合わせ次第で様々なクラスにチェンジしてステータスが上がり、強力な技を使えるようになるんです!
精霊のジンはゲームを有利に進めるためには必須と言っても過言ではなく、入手できた時は嬉しくなってしまいます。
しかし、憎いことに多くのジンはプレイヤーが行けそうで行けないところに居座っているんですw
例えば見えているのに行けない高台の上に居たりするんですよw
なので、どうすればそこに行けるのか考えるのが面白く感じました。
この辺りは過去作と共通していますが、今作ではジン辞典が追加され、個々の詳しい情報を確認することもできます。
凄いのが、ジン毎にデザインが異なることです。
例え同じ属性だったとしても各部位が微妙に異なる形だったりして個体差を持たしています。
人物にしてもグラフィックを使いまわしておらず、それぞれに違いを持たせているので開発者のコダワリを感じられました!
ジンを使った戦闘システムが熱い!
「黄金の太陽」シリーズは圧倒的な迫力の戦闘シーンも大きな特徴となっています。
今作もゲーム機の性能を限界まで引き出した迫力あるシーンが満載で、特に召喚シーンは見応え抜群でした!
例えば天空まで舞い上がって強力なビーム攻撃をお見舞いしたり、遥か遠くの海から大津波を放ってきたりするんですよ。
それもDSの2画面を全て使っているので、前作比で見たら迫力が段違いなんです!
本作が発売された2010年当時はDS本体発売から6年が経っており、3DSの発売が迫っていました。
つまり、DS後期となり、同ハードが研究され尽くされていた時期だったんですね。
本作の戦闘シーンが迫力満点なのは、開発元のキャメロットが高い技術力を持っていたのはもちろん、DS後期だったのも大きいのではないでしょうか?
肝心の戦闘システムはこれまでと同じく「ドラゴンクエスト」のようなターン制コマンド式で、敵・味方が順番に行動を取っていきます。
特徴的な要素としてはジンを使ってキャラクターを強化したり強力な技を使うというものがあり、戦略性の高いバトルを楽しめました。
ただ、戦略性が高いとはいっても大抵のザコキャラは2ターンほどで倒せてしまうので、人によっては大味に感じてしまうかもしれません。
個人的には戦闘よりもフィールド内での謎解きを重視しているので、サクサクと倒せるのは良いと思いました。
ラスボスや隠しボスに関しては例外的に強いので、戦略性が高いバトルを堪能したい方はやり込みプレイをしましょう!
ちなみに本作はランダムエンカウント制を採用しているので、戦闘はダンジョンを歩いていると急に発生します。
ですが、ダンジョンで謎解きをしている最中はエンカウントが発生しないようになっているので、集中して楽しめるよう気を配っている印象です。
充実の用語辞典
本作には様々な固有名詞が存在します。
そんな時に便利なのが用語辞典とジン時点。
メッセージウインドウに表示されるテキストには赤い線が引かれている場合があります。
そこをタッチすると固有名詞の意味を解説してくれるので、特に序盤は助かりました。
惜しいところ
テキストが読みにくい!
「黄金の太陽」シリーズのテキストは読みにくく感じます。
日本語が書かれているのは確かなんですが、どこか翻訳っぽい言い回しで頭に入ってこないんですね。
今作ではその点が悪化してしまい、ますます読みにくくなってしまいましたw
大きな要因となっているのが、先程も触れた用語辞典機能です。
いや、用語辞典の機能が搭載されているのは良いんですが、その影響で赤い線が沢山引かれてしまっているので強調したい点がわかりにくくなってしまいました。
会話のテンポも相変わらず悪く感じます。
今作でも感情アイコンを選択してストーリーに介入できるようになっていますが、相手のリアクションが思っていたのと違う場合が多く、あまり意味を成していません。
おかげでせっかくの良いシナリオが台無しになっている感があります。
進入不可のエリアが多い
今作は広大な世界を冒険したい人には不向きの作品に感じます。
理由としては2つあって、1つめは終盤になると進入不可のエリアが増えることです。
それも全体の半数近くが進入不可になり、ジンやアイテムを取りこぼした場合、最初からやり直さないとコンプリート不可能になります。
これはコンプリートを目指している人には致命的ではないでしょうか?
もう1つは「ドラゴンクエスト」のルーラに相当するワープ機能が搭載されていないことです。
前述の通り終盤になると半数近くのエリアが進入不可になり、マップが狭くなりますが、不便に感じました。
前作となるGBA「黄金の太陽 失われし時代」では「テレポート」というワープ機能が搭載されていたのに何故、今作にはないのか。
前作にあった通信対戦、ミニゲームも無くなってしまいましたし、パワーダウンしている部分も目立っています。
古臭いユーザーインターフェース
ユーザーインターフェースは2010年のゲームとしては古臭く感じます。
なんと、アイテムは昔の「ドラゴンクエスト」みたいに個々のキャラが持つ仕様になっているんですw
そのためパーティメンバー毎に手持ちのアイテムをセットしなければいけないうえ、アイテムを入手したまま放っておくと先頭のキャラクターに溜まっていくのでとにかくめんどくさいw
同時期のRPGは共通のアイテムBOXが存在し、全員が使える仕様でした。
前作のGBA「黄金の太陽 失われし時代」が発売された2002年当時はこのような仕様でもまだ許されていましたが、さすがにHDゲームが主流になってきた2010年のゲームでこれは・・・。
中途半端な結末
GBAで発売された「黄金の太陽」シリーズは分作のような形式を取っていました。
ストーリーは「開かれし封印」と「失われし時代」の前後編で分かれており、「開かれし封印」は次回作に続くような終わり方だったんですね。
今作の結末も「開かれし封印」のように続編を匂わせるような展開となっていて、未回収の伏線が多く、消化不良な印象です。
続編フラグはファンとしては嬉しいのですが、もう少し区切りの良い終わり方をするか、あらかじめ続編のアナウンスをしておくべきだったのではないでしょうか?
そもそも、本作の続編は2020年になっても発売されていません。
GBA向けに発売された2作とは違い、国内外で振るわなかったせいで続編が頓挫してしまったのでしょうか?
黄金の太陽 漆黒なる夜明けのレビューまとめ
「ドラゴンクエスト」のような王道RPGを求めているような人には不満爆発の作品。
ですが、「ゼルダの伝説」のような謎解きアドベンチャーとしてみたら今作も面白く、そこを重視している者としては今作も楽しめました!
桜庭統さんが手掛けるBGMも相変わらず疾走感があって聴き心地が良いですし、恒例の隠しダンジョンもいくつか存在してやり込み要素も豊富なので、ぼくはこのゲームが好きです。
購入される場合、自分の趣向をよ~く考えてから手を出すことをおすすめします。
ドラクエ基準では最低だがゼルダ基準で見ると良質なRPG!
こんな人には特におススメ。
・ゼルダの伝説シリーズが好きな人。
こんな人にはおススメできない。
・ストーリー重視のRPGファン。
・ドラクエのような王道RPGが好きな人。
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