どうも!KENT(@kentworld2 )です!
夏といえば肝試しですよね?
ぼくもこの時期はホラーゲームを遊ぶのが恒例になっていますが、新作で面白いタイトルはないのだろうか?
そんな時に出会ったのが、今回レビューする「ウツロマユ – Hollow Cocoon –」です。
このゲーム、たった2人のクリエイターによって完成されたインディー系なんですが、下手な大作ホラーゲームよりもよく出来ています!
グラフィック、ホラー感、ストーリー、探索。
どれを取っても最高で、あまりの完成度に衝撃を受けました。
価格は1,980円ですが、それ以上に価値を感じる作品です。
ここからはそんな「ウツロマユ – Hollow Cocoon -」の良い点や惜しい点を語っていきます。
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- 1980年代の日本を舞台にした一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。
- 化け物に見つからないよう閉塞感のあるフィールドを探索していく。
- 主人公は攻撃の手段を持っておらず反撃できない。
初リリース日 | 2024年7月25日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | ホラーアドベンチャー |
価格 | 1,980円(税込) |
推定クリア時間 | 3~5時間 |
発売元 | レジスタ |
目次
良いところ
日本人にはたまらない和の描写
本作をプレイして特に惹かれたのが、和の描写です。
舞台となるのは1980年代の田舎町。
大学生となる主人公は母方の祖母が危篤であるという知らせを受け、母の生家がある田舎町に向かいます。
本作ではそんな田舎の町を一人称視点で探索できるんですが、クオリティがめちゃくちゃ凄いです!
風になびくススキ、寂れたガードレール、ボロボロの木造住宅、夕日によって生まれた光と影。
思わず本物と見間違えるくらい徹底的に作り込まれています。
さらに母の生家には一部屋ごとに家具が細かく設置。
昭和中期に見られた懐かしの道具がそこかしこに置かれています。
黒電話、緑の洗濯機、仏壇や仏具、青タイルの風呂場、ダイヤル式のテレビ。
レトロ感溢れる家具が自然な形で置かれているので、まるで祖母や祖父の家に訪れたかのようです。
日本を舞台にしたゲームは数あれど、田舎町をここまでの解像度で再現している作品はほとんど見られないので感動しました!
もうこれ、ウォーキングシミュレーターに特化して発売しても良いんじゃないでしょうか?w
今の時代、ホラーゲームは数多く発売されていますが、大抵は海外を舞台にしています。
日本人としては日本の田舎町こそが最も親近感があるだけに、この点を抑えているのは大きいです!
ジワジワと迫りくる恐怖
世界観だけでも最高な「ウツロマユ」ですが、ホラーゲームとしての怖さもかなりのものです。
何がそんなに怖いのか?
ぼくは迫りくる恐怖だと思いました。
最初は田舎町でのんびり過ごしていた主人公。
しかし、ある時から怪しい影に遭遇して、徐々に追い詰められていきます。
普通のゲームだったら武器で反撃できますが、本作の主人公は一般的な大学生。
攻撃の手段を持っていないので、生き残るには逃げるしかありません。
化け物の視界に入らないよう脱出に必要な鍵を探したり、見つからないよう押し入れや棺桶に隠れたり。
主人公が非力だからこその恐怖感を生み出すことに成功しています。
そんな恐怖をさらに高めているのが視界の狭さ。
本作は一人称視点のゲームなので、三人称視点のゲームと比べて広範囲を見渡すことが出来ません。
その不便さが逃走時の恐怖感を高めている印象で、効果的に切り替わるBGMと相まってドキドキ感を味わうことが出来ました。
逃げ回っている時はもちろん、見つかりそうな時は不気味な音が強調されるとか。
音の変化にも気を配っているので、臨場感が凄いです。
ホラー系の演出って大きく分けて2つあって、1つはビックリ系。
もう1つはジメジメした不気味系がありますが、本作は後者の色が強いです。
この系統のホラーゲームは減少傾向なので、そういう意味でも強さが際立っています。
探索や謎解きの難易度は標準クラス。
一部わかりにくいところにキーアイテムが置かれていると感じたことはありましたが、調べられる箇所はチェックマークが付いているので、見落とすことはほとんどありませんでした。
謎解きのヒントも書物に記されているので、少し考えたらわかるレベルに留めています。
考察がはかどるストーリー
イベントシーンはオープニングとエンディングを除いてほとんどありません。
描かれているシーンも断片的で、当初はよくわからないところがありました。
しかし、探索時に入手できる書物を読むことで一変。
各キャラクターの関係図がおぼろげに見えてきます。
あのキャラクターが実は◯◯だったとか。
意外な事実が判明するので、まるで「バイオハザード」シリーズに登場する日記のようです。
まあそれでも分からないところはありますが、考察をすることで色んな解釈ができるので、同じエンディングでも繰り返し見たくなります。
用意されているエンディングは4種類。
そのうちの2つは2周目以降に解禁されますが、1周のクリアタイムが短いので気軽に再プレイができます。
全てのエンディングと一通りの書物を読んだ感想としては、なんて歪んだ人間関係なんだと思いましたw
リアルのような飛躍しすぎているような。
そんな感情が渦巻くような人間ドラマが繰り広げられていたようで、一周プレイしただけでは想像できませんでした。
探索をするだけでも十分に楽しい作品ですが、書物から確認できる人間ドラマを含めるとめちゃくちゃ奥深いです。
小ネタやお遊び要素が満載
一見すると怖そうな「ウツロマユ – Hollow Cocoon -」。
ですが、開発者の悪ノリと見られる要素もいくつかあったりします。
代表的なのがクリア後に解禁されるボーナス・コンテンツです。
ここではポイントと引き換えに敵キャラクターの見た目を変えたり、BGMを変更させることができます。
その多くはネタに走ったもので、まるで公式modのようですw
中には雰囲気を壊すものがあるので苦手な人もいると思いますが、こういう遊びココロは好きですね。
さらに本作には普通にプレイしていたら気が付かないような小ネタ・隠し要素も随所に存在します。
具体的なネタはあえて伏せておきますが、見つけた時は作り込みの細かさに驚きました。
まさかこんなところまで作り込んでいるとは!?
隠しエンディングといい、単なるホラーゲームに終わっていないところが凄いです。
↑各地でプレイできる10円ゲーム。
アイテムの10円を入れるとプレイ可能で、バネでボールを飛ばしてゴールに入れます。
単純ではありますが、ゴールするには程よい強さでボールを飛ばさないといけないので意外と難しいです。
これは10円入れたくなりますわw
ゴールするとボーナスコンテンツを解放する時に必要な「当たり券」を入手できます。
ボーナスコンテンツの中にはトゥルーエンディング解放に必須のアイテムがあるので、完全クリアする場合は10円ゲームもやり込まないといけない。
と思いきや、とある隠し要素によって楽に当たり券を入手できるところは小ネタ満載の「ウツロマユ」らしいですね。
惜しいところ
後半から低下する恐怖感
ゲームの大部分は化け物に見つからないよう室内を探索するパートで構成されています。
変化するのはマップとフラグ立てに必要なアイテムくらいで、敵キャラクターは固定化されています。
それ故に後半からは恐怖感が下がっている印象で、もう少しバリエーションが欲しいと感じました。
この辺りは少人数で制作するインディーゲームの弱点が露呈している印象ですね。
大人数で作られている「バイオハザード」シリーズは数倍の物量がありますので。
また、これは近年のホラーゲームにも言えることですが、チェックポイントやオートセーブ機能によって戻されることの恐怖も薄れています。
例え化け物に見つかってやられてもそこまで前には戻されないので、快適である反面、何度もゲームオーバーになると怖いよりも面倒な気持ちが先行するかもしれません。
注意点
明るさ調整によって快適性が大きく変化する
本作は暗い室内で化け物に見つからないよう探索するのが主のゲームです。
しかし、明るさを標準にしているとほとんど見えません。
それが良いという意見もあるとは思いますが、ただでさえ一人称視点で視界が狭く、マップが迷路のように入り組んでいるだけに、難易度が上がり過ぎだと思いました。
この点は明るさを最大にすることである程度は改善されます。
真っ暗だった部屋は薄暗いといえるレベルまで明るくなるので、それまでは見えなかった遠くの化け物も認識できるようになりました。
懐中電灯の存在意義が薄れてしまいますが、もし暗すぎてゲームにならないと思った場合、明るさを調整したほうが良いでしょうね。
個人的に夕方は標準。夜は最大が適切に感じました。
ウツロマユ – Hollow Cocoon -のレビューまとめ
「こんなゲームがあったのか!?」
本作を初めてプレイした時、こう口にしたくなりました。
小規模ではありますが、ホラーゲームで求められている要素の多くが高水準にまとまっていて、日本のゲームクリエイターの底力を感じました。
近年、アジア地域のゲーム産業が急速に拡大している一方で日本は押されていますが、本作をプレイしていると「まだまだやれる!」って思いますね。
クリアまでのプレイタイムは3時間前後で、Switch版の価格は1,980円。
攻略法が分かってくると1〜2時間でクリアできるボリュームなので、気軽に遊べるのも嬉しいです!
こんな人には特におススメ。
・和製ホラー好き。
・探索好き。
こんな人にはおススメできない。
・怖いのが苦手な人。
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