Root Film(ルートフィルム)/PS4 / Switch
どうも!KENT(@kentworld2 )です!
今回は2020年7月に発売されたPS4/Switch「Root Film(ルートフィルム)」のレビューをしていきます。
本作は「√Letter ルートレター」の後継作となるアドベンチャーゲームですが、レビューするのにめちゃくちゃ困りました!
というのも本作は普通に面白い作品だからです。
あくまでも”普通”に面白い止まりなので、強調したい点を探すのが大変でしたもんw
これだったら前作となるPS4/PSVITA「√Letter ルートレター」の方が滑りまくっていてレビューしやすかったですし、作品としても好きですw
前作のPS4/PSVITA「√Letter ルートレター」は「ラブプラス」の箕星太朗氏が企画&キャラクターデザインを手掛けたことで発売前は注目を集めていました。
が、発売後は性格が悪い主人公、一貫性がないシナリオなどが影響して各地で酷評されてしまいます。
やがて「ネタゲーとしては面白い」という評価になり、個人的にもそっち方面で楽しむことができました。
一方、今回レビューするPS4/Switch「Root Film」はどうなのか?
と言いますと、分岐要素を廃止したことでストーリーに一貫性が生まれ、普通のミステリーアドベンチャーとして楽しめました。
ミステリー系らしく惹き込まれるプロット構成でしたし、キャラクターも魅力的に感じます。
ただ、世に出ているミステリーアドベンチャーゲームの中で飛び抜けて面白いのか?と言われると首を縦に振ることはできません。
ここからはそんなPS4/Switch「Root Film」について詳しく書いていきます。
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- 島根県を舞台にしたミステリーアドベンチャーゲーム。
- 主人公は映像作家・八雲凛太郎と高校生・リホの2人。
- 各地を探索して怪奇伝承を解き明かしていく。
初リリース日 | 2020年7月30日 |
対応ハード | PS4/Switch |
ジャンル | アドベンチャー |
推定クリア時間 | 12~18時間 |
売上 | 初週0.2万本(PS4) |
発売元 | 角川ゲームス |
目次
良いところ
スタイリッシュなイラストで描かれるストーリー
今作をプレイしてまず印象的だったのが、独特なユーザーインターフェースです。
多くのテキストアドベンチャーゲームは立ち絵、背景、テキストの3つで構成されていますよね?
それでいて一人称視点であることが多かったので、主人公の姿は見えず、テキストでしか確認できないのが通例でした。
一方、今作の場合は全編三人称視点のイラストで描かれるので、従来のテキストアドベンチャーゲームよりも躍動感が増しています。
これは地味に手間が掛かっているのではないでしょうか?
イラストを描くのも大変ですから、数を用意するのに苦労したんじゃないかと思われます。
普通に面白いシナリオ
本作は大きく分けて7種類のストーリーが用意されています。
「√Letter ルートレター」のズレたセンスが好きな者としては何かやらかしてくれないか期待していましたが、残念ながら普通に面白いですw
それもそのハズ、本作のシナリオを担当しているのは「クロックタワー」シリーズで知られる河野一二三氏が担当していますから。
メインとなる八雲編では映像作家の八雲凛太郎(やぐも りんたろう)とアシスタントの曲 愛音(まがり あいね)がミステリアスな事件の謎を解き明かしていくことになります。
シナリオの運びは
- 冒頭で不可解な事件が発生
- 各地を探索して手がかり(共感覚)を見つける
- 容疑者を特定して証拠を突きつける
といった感じでミステリーアドベンチャーゲームとしては王道で、「逆転裁判」に慣れていたらすんなり入れます。
本作ならではなのが、フィルムの要素です。
主人公たちは映像屋なので、事件が起きたら現場をとりあえず撮影します。
その後、聞き込みをした後に撮影した映像を再確認すると新たな証拠が見つかる場合があるんですね。
ぼくは本作をプレイして思いました。
映像はとりあえず残しておくべきだと。
撮影時は大してなんとも思わないものでも、時間が経った後に見たら新しい発見があるかも知れませんから。
良い味を出しているキャラクター
今作に登場するキャラクターの多くは良い味を出しています。
個人的に好きなのが、八雲凛太郎(やぐも りんたろう)と曲 愛音(まがり あいね)のコンビです。
主人公の八雲凛太郎は映像作家ですが、微妙に抜けているところが気に入りました。
やはり、主人公は完璧じゃない方が感情移入できますw
曲 愛音は主人公のアシスタント。
ヤンキーっぽい外見で、口は悪いんですが、八雲凛太郎との相性が抜群で、2人の掛け合いが面白いんですよ。
例えば八雲凛太郎が鼻の下を伸ばしているところを見た曲 愛音がイジるとかw
随所で漂うルートレターのエッセンス
絵のタッチが変わった関係で一見すると前作の「√Letter ルートレター」とは別ゲーに見えるかもしれません。
ですが、プレイしてこれは後継作であると確信しましたw
前作との共通点としては、舞台が島根県であることです。
そのため前作でお馴染みのエリア、キャラクターが登場し、BGMも共通しているんですね。
個人的に嬉しかったのが、観光気分を味わえることです。
島根県の観光スポットが登場するのはもちろん、風習も学ぶことが可能で、心地良いBGMと相まってちょっとした旅行に出かけた感じがします。
また、マックス、八雲など、前作プレイヤーでしたら聞き覚えのあるワードも出てくるのでニヤリとしましたw
こうして書くと前作プレイが必須のように感じますが、今作から入っても問題ありません。
あくまでもファンサービス止まりであって、直接的な繋がりはないので、前作をプレイしていないとストーリーが理解できないということはありませんので。
惜しいところ
痒いところに手が届かない作り
今作も完全なノベルゲームではなく、コマンド選択で各地を探索してストーリーを進めていきます。
昔から存在するコマンド選択式アドベンチャーゲームの名残だと思いますが、この仕様にしたせいでテンポが悪くなっている印象です。
確かにね、コマンド選択式にしたことでゲームらしい干渉する楽しさが生まれたとは思いますよ?
でも、コマンド選択式にしたせいで次はどこを調べたらストーリーが進むのかわからなくなることが多く感じます。
問題なのが、同じ箇所を何度も調べないとストーリーが進まないパターンが多いことです。
会話が終わり、コマンド選択の画面に戻ったら「これだけの情報しか得られないのかな?」と思いますよね?
ところがもう一度話かけることでさらなる情報が手に入り、ストーリーに進展が生まれる場合もあるんですね。
それに気が付かなかった場合、ストーリー進展に関係のない10ヶ所ほどのエリアをグルグルと聞き込みをするハメになってしまい、10分以上も足止めされてしまいます。
そんなことにならないよう
- いっそのことコマンド選択式を廃止して完全なノベルゲームにする
- もしくは一度聞き込みをした箇所にはチェックマークが付くようにする
といった仕様にしたら良いんじゃないかと思いました。
この手のゲームはストーリーありきで探索は添え物のようなものですから、探索性はそこまで強めなくても良いと思うんですね。
もっと突き抜けてほしかった
冒頭でも触れたように、今作は普通に面白いです。
でも、それって悪く言えば八方美人なんですよね。
ミステリーアドベンチャーとしては良くできていますが、歴史に残る名作レベルなのかと言われると首を縦に振ることはできません。
めちゃくちゃ惹き込まれる掴みではありませんでしたし、事件のトリックも仰天するほど凄いものではありませんでしたから。
終盤には少しだけ「おっ!」と感じる展開がありましたが、大どんでん返しと言えるほどのものではなく、そこまでの衝撃は感じられません。
セールスポイントとなるマックスモードにしても3~4選クイズのようなもので、新鮮さは感じられませんでした。
また、もう1つのセールスポイントであるW主人公制も取って付けたような感じがします。
今作は八雲凛太郎、リホの2人が主人公で、それぞれのストーリーが収録されています。
ですが、実際には八雲凛太郎編がメインで、リホ編はサブのような感じなんですね。
それぞれのストーリーが綿密に絡み合い、ストーリーが交差すると言えるほど凝ったものではないのでガッカリしました。
このように今作はシナリオ、ゲームシステム共に突き抜けておらず、普通良いレベルで止まっている印象です。
これだったら前作のように主人公の性格を悪くしたり、ぶっ飛んだストーリー構成にした方が良かったような?
Root Film(ルートフィルム)のレビューまとめ
普通に楽しめるミステリーアドベンチャーゲーム。
前作のようにぶっ飛んだ内容でもなく、かと言ってめちゃくちゃ惹き込まれる内容ではないので、レビュアー泣かせなゲームですw
本作よりも面白いミステリーアドベンチャーゲームは山のようにあるので、優先して買う必要はありません。
おすすめできるのは島根県が好きであるか、ミステリーアドベンチャーゲームは全て抑えておきたい人くらいでしょうか。
問題作だった前作から普通に面白い作品へ変貌!
こんな人には特におススメ。
・島根県が好きな人。
・ミステリーアドベンチャー好き。
こんな人にはおススメできない。
・突き抜けた作品を求めている人。
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